二つのコスモス~続・新世紀エヴァンゲリオン 第三部・トップはオレだ!   作:VIA MEDIA

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第十一話・魑魅魍魎

 三人は、寿司を食べ終わり、一息ついた。

 

 まずサトシが、

 

「あーとてもおいしかったです。どうもごちそうさまでした」

 

と、言って、湯飲みを手にした。

 

 アキコも、

 

「ほんとにおいしかったです。どうもごちそうさまでした」

 

「いえいえ、お粗末さまでした。……では続きを見ましょう」

 

と、言って、ゆかりはリモコンを手にした。

 

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第十一話・魑魅魍魎

 

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「新世紀エヴァンゲリオン Another Case」

 

「第弐拾壱話 猫と少年」

 

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(字幕とナレーション)

 

「最強の使徒・ゼルエルが襲来してから2週間が過ぎた。しかし、『当然の事ながら』、その後、第3新東京市に使徒が襲来する事はなく、不気味な静寂の日々が続いていた」

 

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(ネルフ本部司令室。司令の席には冬月が座り、前にはミサトがいる)

 

ミサト「副司令、ここ2週間、何もありませんね」

 

冬月「うむ、しかし油断は禁物だ。何があっても対応出来るよう、決して気を抜くな」

 

ミサト「了解しました。……ところで、碇司令の様子は?」

 

冬月「ずっと自宅に篭っているようだ。保安諜報部からも特にこれと言った連絡はない。ただ、赤木博士が出入りしているようだがね……」

 

ミサト「それに関しては私がとやかく言う事でもないでしょう。……ところで、ゼーレの方はどうですか」

 

冬月「完全に連絡を絶っている。……最早こちらと『敵対』したと考えても構わないだろうな……」

 

(真剣な顔で頷くミサト)

 

ミサト「充分用心致します」

 

冬月「そうしてくれ」

 

ミサト「では失礼致します」

 

冬月「うむ」

 

(ミサトが去った後、考え込む冬月。しばしの黙考の後、電話に手を伸ばす)

 

交換『総理秘書室です』

 

冬月「ネルフ副司令の冬月です。総理を御願い致します」

 

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(街角の一角。スマートフォンをかける加持)

 

渡『内務省調査室渡です』

 

加持「渡か? 俺だ」

 

渡『加持か、待っていたぞ』

 

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(学校帰りのシンジとアスカ)

 

シンジ「……このところ、なにもないね……」

 

アスカ「……そうね。……これからどうなるのかなあ……」

 

(ふと前方を見ると、一人の少年が道路にしゃがみ込んでいる。そのまま歩いて通り過ぎようとする二人)

 

少年「……可哀相に……、捨てられたのかい……」

 

(少年の呟きにふと心を留めたシンジとアスカ。立ち止まってそちらを見る。少年の足元には箱に入れられた生まれて間もない白い子猫が一匹)

 

少年「……さあ、おいで……。僕と一緒に行こう」

 

(子猫を抱き、立ち上がってこちらを向く少年。見ると、髪は銀色がかり、眼は茶色い。やや驚くシンジとアスカ)

 

少年「こんにちは」

 

シンジ「え?……、こんにちは……」

アスカ「!?……、こんにちは……」

 

(少年は二人に微笑みかける)

 

少年「お元気でね」

 

アスカ「!!……」

 

(微笑した少年の視線がアスカの眼を射抜く。驚いて固まるアスカ)

 

少年「ふんふんふんふん♪ ふんふんふんふん♪ ふんふんふんふん♪ ふーんふふん♪」

 

(「歓喜の歌」をハミングしながら猫と共に去る少年。訳が判らず呆然とその少年を見送る二人)

 

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(ネルフ本部司令室)

 

冬月「……と、言う訳です。私自身の事に関しては、全てお任せ致します。……私としては、如何なる処罰も覚悟致しております」

 

総理『わかった。よく話してくれた。早速国連事務総長に連絡して早急に手を打つ。……まあ、君の事に関しては、今ここであれこれ言うまい。一応、こちらも仕事だから、内務省調査室には連絡して監視させてもらうが、私としては、最終的には命まで取ろうとは思わんよ』

 

冬月「御高配感謝致します。ではこれにて」

 

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(街角の一角。加持の話は続いている)

 

加持「……話は以上だ。ここ2週間様子を見ていたが、今が潮時だろう。早急に手を打ってくれ」

 

渡『わかった。……それとな、こっちからも一つだ。ウチも遊んでいた訳じゃない、って事を教えてやるぜ』

 

加持「何だ?」

 

渡『ゼーレの連中に関してだ。奴等、そろそろ本格的に動き出すぞ』

 

加持「おっ、何かわかったのか?」

 

渡『ああ、奴等、ひた隠しに隠していたようだが、きっちり尻尾を掴んだ。10日ほど前にな、連中、量産型エヴァを使ったようだ』

 

加持「何?! 量産型をか」

 

渡『そうだ。連中は国連を牛耳っているつもりだから、情報操作は完璧だと思っていやがるが、何の何の、国連だって一枚岩じゃない。特にアメリカにはゼーレに敵対する強力な派閥がある。そこが中心になって連中をずっとマークしていたんだ。まあ、こっちもあんなクソジジイ連中に舐められてばっかりじゃない、と言う事を見せ付けてやるぜ。既にアメリカ国務省がフリーランスのプロに依頼しているし、こっちもそれをバックアップしている』

 

加持「そうか、頼んだぞ。……セカンド・インパクトの二の舞はもう真っ平御免だからな」

 

渡『任せとけ』

 

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(アスカの自室。さっきの少年が妙に気になるアスカ)

 

アスカ(……あの人、髪の色とか、目の色とか、日本人じゃないみたい……。あたしと同じ混血なのかな……。それに、なんか、すてきだった……。シンジとちがって、おとなっぽいし……)

 

(戸の向こうから聞こえて来るシンジの声)

 

シンジ「アスカ、コーヒー入ったよ」

 

アスカ「え? う、うん……、いま行くわ……」

 

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(自販機コーナーで考え込むミサト)

 

ミサト(副司令に言われるまでもないわ……。リツコは碇司令となにかたくらんでる。充分注意しないとね……。それに、副司令も、碇司令とは切れたみたいだけど、なにか思惑があることは間違いない……。誰も信用出来ない、か……)

 

加持「葛城」

 

(顔を上げるミサト)

 

ミサト「あ、加持君……」

 

加持「どうだ? 調子の方は」

 

ミサト「エヴァのパワーアップの方はなんとかなったわ。計算上はこの前の使徒がまた来ても戦えるレベルよ。燃料電池も無事に装着できて、戦闘時間も気にしなくてよくなったしね。……でも、なんとも嫌な毎日なのよね。……前とちがって、みんなギスギスピリピリしてるしさ……」

 

加持「仕方ないさ。俺達は遊んでいるんじゃないだぜ。『人類の存亡を賭けて戦っている』んだからな」

 

ミサト「そうよね。……でもさ、碇司令のことも、リツコのこともそうだし、副司令もなにか考えてるみたいだし……」

 

加持「人はそれぞれ自分で考え、自分のために生きてんだ。それも当然だろうぜ。……ま、その意味じゃ、『補完計画』なんてものは、『大きなお世話』なのかも知れないな」

 

ミサト「!!!!……、それ、どう言う意味なの?」

 

加持「いやいや、単なる例え話さ、じゃ、がんばれよ」

 

ミサト「ありがとう」

 

(加持が去った後、再び考え込むミサト)

 

ミサト(『補完計画』は『大きなお世話』……)

 

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(翌朝、第壱中学校2年A組)

 

「キーンコーンカーンコーン」

 

ヒカリ「起立! 礼! 着席!」

 

老教師「えー。今日は、新しいみなさんの仲間を紹介します。……入りなさい」

 

転校生「渚カヲルです。よろしく」

 

「「「「キャアーーッ♪」」」」

 

(教室内の女子生徒から黄色い歓声が上がった。シンジとアスカも驚く)

 

シンジ(!! きのうの……)

 

アスカ(!! きのうのあの人……)

 

(表情一つ変えずに淡々と語る老教師)

 

老教師「渚君はドイツから帰国したばかりです。色々とわからない事もあるでしょうから、みんな仲良くしてあげて下さいね。それから、これは渚君の希望なので言いますが、渚君は君達より一つ年上です。病気でしばらく入院してまして、出席日数が足りなくなったのでもう一度二年生に編入される事になりました」

 

アスカ(あたしとおなじドイツから……、それに、一つ年上なんだ……)

 

老教師「……席は、そこの、惣流さんの隣りの席が空いていますから、そこに座って下さい」

 

アスカ(えっ?! あたしのとなり?!)

 

(微笑しながらアスカの隣に座るカヲル)

 

カヲル「あ、君は昨日の……」

 

アスカ「あ、はい……。どうもこんにちは……」

 

(少し赤面するアスカ。アスカとカヲルが初対面ではないらしい、と感づいたクラスの女子の間に何とも言えない空気が漂う)

 

老教師「……さて、では授業を始めます。教科書の66頁を開いて下さい。西暦2000年、南極に巨大な隕石が墜落しました……」

 

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「新世紀エヴァンゲリオン Another Case」

 

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 サトシは思わず唸った。

 

「うーん、渚カヲルが惣流さんと絡むんですか。これは意外だねえ……」

 

 アキコも軽く頷きながら、

 

「うん、確かに意外な展開じゃね。……でも、同じドイツから来た、って言うことにすれば、それなりに納得できるストーリーじゃと思うよ」

 

 ゆかりはリモコンを手にしたまま、

 

「そうですわ。まあ、これは後のお楽しみなので余り言いませんけど、弐号機との絡みを考えると、確かに納得出来る筋になっていますのよ」

 

「あ、なるほどねえ」

 

「そうですよねえ」

 

 少々感心した二人に、ゆかりは、

 

「では、続きを映しますわ」

 

と言って、またリモコンを操作した。

 

 続く

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