二つのコスモス~続・新世紀エヴァンゲリオン 第三部・トップはオレだ!   作:VIA MEDIA

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第九話・全身全霊

 ゆかりは再びリモコンを操作した。

 

 その時、サトシは、

 

(そう言えば、あの時……)

 

 ふと、1年半前に「暗黒の次元」でレイと最後に会った時の事を思い出した。

 

 +  +  +  +  +

 

第九話・全身全霊

 

 +  +  +  +  +

 

(レイが言ってたな……、向こうの世界でも、こっちと同じように、使徒がたくさん、同時に来た、って……)

 

 遠い眼をしているサトシの様子を見たアキコが、不審そうに、

 

「沢田くん、どうしたんね?」

 

 サトシはまた少し慌てて、

 

「いや、なんでもないよ」

 

 その時、ゆかりが笑って、

 

「始まりますわよ♪」

 

「あ、はい」

「はい」

 

 二人は慌てて画面を見た。

 

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「新世紀エヴァンゲリオン Another Case」

 

「第弐拾話 運命の転回」

 

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シンジ「くそおおおっ!! くそおおおっ!! くそおおおっ!!」

 

(シンジは叫びながら操縦桿を全身全霊を込めて握り締めた)

 

ドスウウウウンッ!!

 

(初号機はゼルエルにタックルを食らわせる。そのまま両者は倒れ込み、初号機がゼルエルに馬乗りになる)

 

シンジ「くそおおおっ!! くそおおおっ!! くらええっ!!」

 

ドスッ!! ドスッ !! ドスッ!!

 

(ゼルエルの顔面に連続して激しいパンチを浴びせる初号機。ゼルエルの両眼は次第に潰れ、青い体液が流れ出す。しかしその時、ゼルエルは初号機に向かって急激に両腕を伸ばした)

 

ドオオオンンッッ!!!

ドオオオンンッッ!!!

 

(伸びた腕が初号機の両肩に当たり、装甲板を弾き飛ばす。そのショックでシンジの肩に激痛が走る)

 

シンジ「うわああっ!!!」

 

(しかし、シンジは肩の痛みを堪えながら、再度操縦桿を握り締める)

 

シンジ「くそおおっ!! くらええっ!!」

 

ドスンッッ!!!

 

「グエエエッ!!!」

 

(驚いた事に、パンチの手応えが全く違う)

 

シンジ「な、なんだっ?!!」

 

ドスンッッ!!!

 

「グエエエッ!!!」

 

(やはり、明らかに威力が倍増している)

 

シンジ「ちがうっ!! 手ごたえがちがうぞっ!! うおおおっ!!」

 

ドスンッッ!!! ドスンッッ!!! ドスンッッ!!!

 

 +  +  +  +  +

 

(驚き、振り返るマヤ)

 

マヤ「変ですっ! 初号機のパンチ力が急に倍増しましたっ!」

 

ミサト「ええっ!? どう言うことよっ!?」

 

リツコ「う!!……」

 

(息を呑み、顔色を変えるリツコ。その表情の変化をミサトは見て取った)

 

ミサト「??!!」(リツコ?!)

 

 +  +  +  +  +

 

シンジ「うおおおっ!! うおおおっ!! うおおおっ!!」

 

ドスンッッ!!! ドスンッッ!!! ドスンッッ!!!

 

「グエエエッ!!! グエエエッ!!! グエエエッ!!!」

 

(威力が倍増した初号機のパンチを食らい、悲鳴を上げるゼルエル。苦し紛れに初号機の首に腕を巻き付けて締め上げようとする)

 

ギリッ!! ギリギリギリッ!!!

 

(シンジに、首を絞められるような苦痛が走る)

 

シンジ「ぐうううっ!!」

 

(しかしシンジは歯を食いしばって操縦桿を全力で握り、叫び続ける)

 

シンジ「くぅぉのおおっ!! くぅぉのおおっ!! くぅぉのおおっ!!」

 

ドスンッッ!!! ドスンッッ!!! ドスンッッ!!!

 

(ゼルエルは残った力を腕に込め、初号機の首を締め、初号機を持ち上げようとする。流石の初号機もやや持ち上げられそうになるが、そうはさせじと、両足をゼルエルの胴体に巻き付けて体を固定する。叫び続けるシンジ)

 

シンジ「くそおおっ!! くそおおっ!! くそおおっ!!」

 

ドスンッッ!!! ドスンッッ!!! ドスンッッ!!!

 

(初号機は左手でゼルエルの頭部を掴み、右手で連続して顔面パンチを入れる。流石のゼルエルも顔を背け、腕を解いて下を向く。その後頭部にパンチを入れ続ける初号機)

 

シンジ「このやろおおっ!! このやろおおっ!! このやろおおっ!!」

 

ドスンッッ!!! ドスンッッ!!! ドスンッッ!!!

 

 +  +  +  +  +

 

(発令室で声を限りに叫ぶミサト)

 

ミサト「アスカ!! レイ!! 今のうちになんとか立て直して!!」

 

 +  +  +  +  +

 

レイ「ううっ、……くうっ、……立ち…あがって……」

 

(ふらつきながらも何とか立とうとする零号機)

 

 +  +  +  +  +

 

アスカ「く…そっ……、たち…あがる…の…よ……」

 

(弐号機も何とか立ち上がる)

 

 +  +  +  +  +

 

シンジ「うおおおおおおおおおおっ!! くらえええっ!! さっきのお返しだあああっ!!」

 

(シンジの叫びに呼応して、初号機は、うつ伏せになったゼルエルの太い首に腕を回し、折れよとばかりに締め上げる)

 

ギシッ! ギシッ! ギシッ!

 

「グエエエエエエエッ!!!」

 

(初号機は更に腕を引き絞り、ゼルエルの骨のきしむ音がジオフロントに響き渡る。シンジは尚も叫び続ける)

 

シンジ「うおおおおおおおおおおっ!!」

 

ギシッ! ギシッ! ギシッ!

 

「グエエエエエエエッ!!!」

 

(その時、突如ゼルエルは最後の力を振り絞り、両腕を伸ばして地面に激しく突き立てた)

 

ズガアアアアアアアッ!!!!!

 

シンジ「うわあああっ!!」

 

(その反動で初号機は弾き飛ばされて後向きに転倒する。その隙に何とか起き上がるゼルエル)

 

シンジ「くそおおおっ!!! このおおおっ!!」

 

(初号機は立ち上がって再度ゼルエルに飛びかかる。しかしゼルエルは寸前でタックルを躱し、飛び上がって逃げようとする)

 

シンジ「逃がすかあああっ!!!!」

 

ダアアアアアアアッ!!!

 

(伸びたゼルエルの腕に飛び付き、引きずり下ろそうとする初号機)

 

ブツッ!!

 

シンジ「うわあっ!!」

 

(突如ゼルエルの腕がちぎれ、初号機は転ぶ。ゼルエルはそのままジオフロント天井に開いた穴に向かって猛スピードで逃げて行く)

 

シンジ「ああっ!!! ……逃げるのか!? 使徒が!」

 

(立ち上がり、呆然と上方を見る初号機)

 

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(初号機ケージのモニタで戦闘を見ていたゲンドウと冬月。ゼルエルが逃げたのを見て顔色を失う)

 

ゲンドウ「!!! ……まさか……」

冬月「逃げた!……」

 

(冬月は改めてゲンドウを見た。明らかに動揺の色が見て取れる)

 

ゲンドウ「…………」(……く、クソっ……)

 

冬月「…………」(碇……、これでもうシナリオはおしまいだな……)

 

 +  +  +  +  +

 

(振り返った青葉が顔色を変えて叫ぶ)

 

青葉「使徒が天井の穴から逃げて行きますっ!!」

 

(呆然とするミサト)

 

ミサト「……使徒が……、逃げた……」

 

リツコ「そんなバカな!! 使徒が逃げるなんて、絶対にあり得ないわ!!」

 

(リツコの断定的な言葉に不審を抱くミサト)

 

ミサト「……リツコ、なんで『あり得ない』って、言い切れるのよ」

 

リツコ「えっ? そ、それは、……使徒がエヴァのいるここを目指して来るのは当然じゃないの」

 

ミサト「……ふーん、……ま、そうよね……」(さっきの顔色、今の言葉……。おかしい。なにか隠してるわ……)

 

(その時、マヤが振り返る)

 

マヤ「零号機と弐号機のシンクロ率が、何とか動けるレベルにまで回復しましたっ!」

 

日向「レーダーによると、現在使徒は南に向かって超高速で飛行しています。このままですと、間もなく海に出ると思われます」

 

ミサト「了解。わかったわ」

 

(日向に頷いた後、再びミサトはモニタを見て叫ぶ)

 

ミサト「アスカ! レイ! だいじょうぶ?!」

 

 +  +  +  +  +

 

(何とか立ち上がった弐号機のエントリープラグ内。疲れ切った表情のアスカ)

 

アスカ「なんとか、だいじょうぶよ。……あるくぐらいはできるわ……」

 

 +  +  +  +  +

 

(零号機のエントリープラグ内。こちらも疲れ切った表情のレイ)

 

レイ「……なんとか、……あるけます……」

 

 +  +  +  +  +

 

ミサト「そう、よかった……。二人ともほんとにおつかれさま。回収ポイントに戻ってちょうだい。……シンジ君!」

 

 +  +  +  +  +

 

(初号機のエントリープラグ内。呆然としていた所にいきなりミサトに声をかけられて驚くシンジ)

 

シンジ「は、はいっ!!」

 

 +  +  +  +  +

 

(こちらも疲れた表情のミサト。しかし苦笑している)

 

ミサト「シンジ君、作戦終了よ。……ほんとにごくろうさま。回収ポイントに戻って来てちょうだい。……まあなんとか、お互い、生きて再会できそうね」

 

 +  +  +  +  +

 

(ミサトの軽い皮肉に慌てるシンジ)

 

シンジ「!!! ……は、はい……」

 

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「新世紀エヴァンゲリオン Another Case」

 

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 +  +  +  +  +

 

 第弐拾話前半のファイルも終わった。ゆかりはリモコンを取り上げて二人の方を向き、

 

「如何です? 元の話とは、だいぶ変わって来ましたでしょ」

 

 サトシとアキコは、実に意外だ、と言った顔で、

 

「そうですよねえ。こんな話の流れになるとは……」

 

「ほんと、意外です」

 

「では引き続き後半に参りましょう」

 

 続く

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