・戦闘シーン有り
今日は基地内が少し騒がしい。
騒がしいのは食堂の辺りだ。
私は早足でそこに向かう。
そこには人だかりができていた。
そこは掲示板があるところだ。
お知らせや今日の予定が書かれている。
そこに近寄ると騒がれた。
「可愛い」とか「私にもして」とか。
一体何の事だろう?
その理由はすぐに分かった。
そこには新聞記事が張られていた。
内容は「貴重な癒しの寝顔」。
そこには一枚の写真が掲載されていた。
私が巻雲を抱いて寝ている写真。
私は寝ている間に撮られたらしい。
後で訴えようかしら?
まあ、そこまで気にしていない。
前世ではこんなことはよくあった。
だから私は気にしない。
そう、私はね……。
「ひ~、助けてください~!」
遠くから助けを求める声が響く。
聞き覚えのある可愛い声、巻雲だ。
泣きそうな顔で必死に走っている。
なぜ泣きそうなのか?
それは後ろの狂犬たちが理由である。
「グルルルル!」
「巻雲ちゃん!詳しく教えなさい!」
巻雲は今、2人に追われている。
誰かと言うのは想像できるだろう。
そう、ネ音と吹雪だ。
写真の事を聞き出そうとしている。
鬼の形相で。
恐怖のあまり巻雲は必死に逃げる。
巻雲はそのまま私の横を通り過ぎる。
追いかける2人も通り過ぎる。
どうやら私に気づいていないようだ。
だから私は2人の襟をつかむ。
この子たちは説教した方が良さそうだ。
だから少し怒ろう。
2人がこっちを振り向いた。
私は2人を睨む。
2人は一気に青ざめる。
周りからも小さな悲鳴が上がった。
私の怒るとはそういうものだ。
2人からすれば恐ろしいだろう。
好きな人に睨まれているのだから。
私は声のトーンを落とし、
濁声で2人の耳元でこう囁く。
「シバラク、ハンセイシナサイ。」
2人は「ビクッ」と震えて固まる。
ペタン座りになって動かなくなった。
完全に放心状態になっている。
私は2人を放置して巻雲の元へ。
私は巻雲に近づき抱きしめる。
そしてこの場を鎮めるように歌う。
巻雲が落ち着くように優しく…。
次第に周りもだいぶ落ち着いた。
すると食堂から鳳翔さんが出てくる。
とりあえず朝食にしようと言った。
皆、食堂に入っていく。
私は巻雲を慰めながら
朝食の時間を過ごした。
朝食後、吹雪を叢雲に預け、
ネ音を部屋に運ぶ。
2人には後で話をすると言って、
私は工廠へ向かった。
今日は工廠で何かをするらしい。
私は詳しい内容を聞いていない。
何をするか気になりつつ、
私は工廠に入る。
工廠には明石と夕張が何かの準備。
その横で提督と大淀、
数人の艦娘が待機していた。
私は提督に用を聞く。
今日は私の戦闘能力を調べるらしい。
どうやら大本営の方での
私の評価は高いらしい。
たまに手伝っていた書類作業や
いつもしている掃除など、
様々な面で評価が上がったようだ。
ただ、私の戦闘データが一切無いため、
そのデータを取って欲しいという。
正直私自身、あまり戦いはしたくない。
深海棲艦と戦うなんて
しかし、情報も欲しい。
私がどれだけ戦えるのか。
それを知らないと
私の望みは敵わないだろう。
佐世保鎮守府に行ったら
戦わないといけない可能性もある。
私は悩んだ上でデータ収集に
協力することを決めた。
断って評価が下がるのも嫌だしね。
ただ、取るのはいいのだが、
どのようにして測るのだろう?
気になっていると声を掛けられる。
久々に聞いた渋い声。
声の方を向くと若がいた。
準備ができていると言って
若は自身の後ろを指さす。
その方向を見ると色々な武器があった。
槍に薙刀、刀にナイフ、トンファー等。
良く見る物から珍しい物まであった。
全て妖精さんと明石の作品だそうだ。
この中から私が選ぶらしい。
ここは狭いのでそれを全て外に運ぶ。
用意された的に対していろいろと試す。
どうやら一通り使えるようだ。
前世の感覚はまだ残っているらしい。
この体が大きいことで違和感があるが、
それも少しの調整で問題なくなった。
全ての武器を試し終わった。
ここから武器を厳選していく。
殺傷力があるものを除外していく。
あくまでも自衛をする道具だ。
海では使うかもしれないが、
陸で使うつもりはない。
結局、自衛で使うのは海だけにした。
私は6尺ほどの棒を手に取る。
海上ではこれを使うことにした。
では陸上ではどうするのか。
簡単だ、体を使う。
体術は仕込まれているからできる。
私はそれを提督に伝える。
提督は結果次第で了承すると言った。
今からするのは艦娘たちとの模擬戦闘。
艦娘が数人いたのはこれが理由だった。
その結果次第で認めてくれるそうだ。
ここにきている艦娘に
天龍に伊勢、長門、夕立がいる。
全員が戦果を挙げており、
近接戦闘に長けている。
よほどしっかりとした
データを取りたいようだ。
最初は天龍との模擬戦闘。
彼女は艤装で剣を持っている。
この戦闘ではさすがに木刀だが…。
まずはお互いに一定の距離を取る。
構えを取り、合図を待つ。
天龍は木刀を構え、私は…構えない。
力を抜き、ただ立っている。
天龍は少し苛立ちを見せた。
私に舐められていると思ったのだろう。
そのまま提督の合図で戦闘が始まった。
天龍は直ぐに私に突撃してくる。
持っている木刀を全力で私に振るう。
それは怒りに満ちていた。
私はその全力を、体をずらして躱す。
天龍はすかさず私を攻撃する。
私はそれを躱し続ける。
当たりそうなものは
木刀の
天龍の連撃を全ていなしていく。
決して自分からは攻撃をしない。
私の戦闘はあくまで自衛だから。
しばらく同じ状態が続いた。
次第に天龍の疲れが見え始める。
ひたすら木刀を振っていたため
疲れてしまったのだろう。
そんなことを考えていると
天龍の後ろから別の木刀が振られる。
私はギリギリで体を逸らして躱す。
天龍から距離を取ってそれを確認する。
そこには伊勢が立っていた。
どうやら提督の指示があったようだ。
ここからは2対1で行うらしい。
流石に疲れるので戦い方を変える。
ただし、構えはそのままだ。
少しして待てなくなった天龍が
こちらに突撃してくる。
右下から斬り上げてきた。
私は体を後ろに逸らして躱す。
そして振り上げ終わって隙ができた
天龍の
膝蹴りは綺麗に入り、天龍は吐く。
その衝撃で木刀を落とした。
私はその状態の天龍を掴み、
突撃してくる伊勢に向かって投げる。
伊勢はこちらに来る勢いを抑えられずに
そのままぶつかって地面に倒れた。
その隙に天龍の木刀を取った私は
倒れた伊勢の首元に木刀を向ける。
これによって伊勢は両手を上げる。
降参してくれたようだ。
ようやく終わったと思い、
安堵していると夕立が飛びついてくる。
夕立は「お疲れ様」と言う意味を込めて
抱き着きに来たのだろう。
しかし、今の私は
それを攻撃だと誤認してしまう。
そのため、夕立の胸元を掴み、
そのまま地面に倒してしまった。
夕立は衝撃で目を回す。
やってしまった…。
私はどうしようと思っていると
提督が苦笑いをしながらやってきた。
夕立を投げ飛ばしたのは予想外だが、
伊勢と天龍を圧倒したことで
十分なデータが取れたという。
長門とは戦わなかった。
結果は見えていると言っていた。
とりあえず天龍と夕立を連れて
入渠ドックへ急ぐ。
長門と伊勢にも手伝ってもらい、
2人は無事に治った。
この後、天龍のことで龍田に
襲われかけたのは言うまでもない。
時は過ぎ、夕食後の自室。
私は仁王立ちをしている。
前にいるのは正座中の吹雪とネ音。
理由はもちろん朝のことだ。
しっかりと説教をする。
ネ音はキューちゃんからも
説教をされている。
お前も同じ立場だったじゃないかと。
ネ音はしっかり説教された。
説教が終わり、私は2人に課題を出す。
内容は3日間の抱き着き等の禁止だ。
ネ音には同部屋でも添い寝も禁止した。
もちろん2人はショックを受ける。
2人にとっては死活問題だろう。
だから私はこう言った。
「1週間…1カ月の方が良かった?」
多分過去一番の笑顔で。
2人は息を揃えて3日間で、と言った。
こうして2人と約束した後、
吹雪を叢雲のところへ送る。
破れば期限が伸びるということを
ちゃんと伝えて私は自室へ戻る。
叢雲が監視すると言っていたので
吹雪のことは任せようと思う。
部屋に戻り、ネ音にも同じことを言う。
ネ音は何回も縦に首を振る。
その後、ネ音は大人しく布団に入った。
私も布団に入って寝る準備をする。
一応キューちゃんたちに監視を頼む。
しっかりと目を光らせてくれるそうだ。
元から目は光っているけどね。
2人がちゃんと約束を守ることを
願ってから私はそっと目を閉じる。
ちょっとした寂しさを感じながら…。
歌音は怒るときはちゃんと怒ります。
優しい人ほど怒ると怖いです。
戦闘は基本自衛
後は状況次第で変わります。
6尺の棒は今後使います。
艦載機の銃撃ぐらいは
弾き飛ばせる明石の作品。
第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票
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キューちゃんズ(イ級×4)
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ネ音(ネ級)