お気に入りは107となり
モチベが上がっております。
あれから数日経った。
私は今執務室に呼ばれている。
珍しく早朝から放送での招集。
私は急いで支度して執務室に向かった。
執務室には提督と大淀、秘書艦がいた。
提督はいつもとは違い真剣だった。
秘書艦や大淀も同じ顔だ。
何の用で呼ばれたのだろうか?
その疑問は提督が渡してきた
一枚の紙が全て消し去った。
紙には「大本営への異動」
と書かれている。
そこには細かい内容が書かれていた。
大まかに言うと以下のようになる。
・1か月後に大本営へ異動。
・私の安全性の最終確認。
・認められれば行動の自由がある。
・衣食住はしっかりと用意する。
・できる限り後ろ盾になる。
・その分大変なことを頼むことも。
・同伴あり(深海棲艦のみ・少数)
このような内容が書かれていた。
そして一番下には承諾のサイン欄
これを書けば承諾される。
遂にこの時が来たのだ。
当初から予定されていた大本営の移動。
私の目的のための最初の目標。
加賀さんの目的を果たすための目標。
その予定が決まった。
つまり、ここで成し遂げることは
残り1か月がリミットとなった。
残り一か月で瑞鶴のことを解決。
大本営への同伴を決めることになる。
だが、私の心は迷走している。
何故ならここを離れたくないからだ。
ここでの暖かい日常が好きなのだ。
ネ音がいて、キューちゃんたちがいて、
大福がいて、吹雪がいて、夕張がいて、
提督がいて、明石がいて、大淀がいて、
鳳翔さんや間宮さん、伊良湖ちゃん、
基地のみんながいる。
この生活がなくなることが嫌なのだ。
我が儘なのは分かっている。
目的のために離れないといけない。
それでも心の整理がつかない。
私は無理に笑顔を作り、サインする。
それを提督に渡す。
提督はそれを受け取る。
退出の許可を得て、私は退出した。
部屋に戻った私は部屋の鍵を掛ける。
そのまま机に向かい顔を伏せる。
体を小刻みに震わせる。
今、私の顔を他人に見せたくない。
ネ音にもキューちゃんにも。
心の整理ができない。
決心ならしたはずなのに。
どうしてもこの感情だけは
私の体の中で留まってくれない。
最初に望んだことなのに。
気づけばここでの生活も望んだ。
そっちの望みが大きくなっていた。
今まで感じたことのない強い感情。
それが私の決心を狂わせる。
私は漏れ出る声を抑え続けた。
部屋からこの声が漏れ出ないように…。
どれくらいの時間が経ったのだろう。
気づけば私は寝ていた。
椅子から落ちて床で寝ていたのだ。
私は体を起こして椅子に座る。
……何もやる気が起きない。
頭がボーっとしている。
しばらくボーっとする。
すると扉がノックされた。
私はフラフラと扉に近づく。
鍵を外して扉を開ける。
そこには鳳翔さんと提督がいた。
鳳翔さんが驚いた顔をしていた。
そのまま私の顔に手を伸ばす。
どうしたのだろうか?
私は鏡で自分の顔を見せてもらう。
そこに映っていたのは酷く崩れた顔。
瞼が真っ赤に腫れている。
この前の顔とほとんど同じだ。
良く考えればこの感情も同じだ。
加賀さんと話した後の私。
何か寂しく感じた。
そういえば2人はなぜ来たのだろう?
理由を聞くと鳳翔は提督を見る。
提督は申し訳なさそうに言う。
どうやら提督は私の作り笑顔に
気づいていたらしい。
でも私には言えなかったって。
それで鳳翔さんに相談。
一緒に様子を見に来てくれたらしい。
数時間前にも来てくれたそうだ。
瑞鶴とのこともあるから
負担をかけたのではと言っていた。
私は大丈夫だと言う。
すると鳳翔さんは私の顔を
自分の胸に押さえつける。
動かないように後頭部と
背中を抑えられる。
…………暖かい…。
さっきまで悩んでいたことを
忘れてしまうほどに。
とても暖かくて……涙が…………。
どうしてだろう、止まらない……。
涙が……止まらない…の……。
お兄ちゃんに抱きしめられた時と違う。
お父さんに抱きしめられた時とも違う。
今まで感じたことのない暖かさ。
安心できる、委ねられる、落ち着ける。
こんなの……私は知らない……。
暖かい……あだだがいの……。
気づけば私は泣きじゃくった。
鳳翔さんの服をギュッと握って。
子供のように泣き叫んだ。
この基地に響くほどに。
知っているけど、知らない温もり。
この温もりに体を委ねる。
泣きながら私は口を開く。
否、勝手に口が開くのだ。
本当はとても不安だったこと。
攻撃されて怖かったこと。
此処から離れたくないこと。
それでも約束は守りたいこと。
我が儘だと思って言えなかったこと。
私は全てをさらけ出した。
ずっと、ずっと泣き続けた。
それでも鳳翔さんは何も言わない。
ただただ、私の頭を撫で続ける。
しばらくして私は落ち着いた。
鳳翔さんから手を放し立ち上がる。
ずっと膝立ちだったから体が痛い。
私は鳳翔さんに感謝する。
だが、気にしないでいいと言われた。
何かあったら抱きしめると。
また、鳳翔さんから甘えるということを
覚えた方がいいとも言われた。
今まで甘えられる立場だったから、
溜め込んでしまったのではないかと。
誰でもいいから甘えなさいと言われた。
だからネ音や吹雪に甘えようと思う。
あと少しの時間だけどね。
それと永遠の別れではないのだから
いつでも戻ってきなさいと言われた。
ここは貴方の家なのだからと。
鳳翔さんはそう言うと戻っていった。
提督はその後を追う。
私は一度部屋に入り顔を洗う。
さっきまでの顔とは違う。
自信に満ちた顔が鏡に映る。
いつでも戻ってきていい。
この言葉が私の心を高揚させる。
おかげで私は決心することができた。
私はタオルで顔を拭く。
スッキリとした顔を再確認する。
良い笑顔になったな。
そう思いながら部屋を出る。
すると明石がこちらに走ってきた。
「歌音さん!例の物ができましたよ!」
どうやら頼んでいた物ができたらしい。
やはり色々と調整が必要らしい。
私は明石と共に工廠へ向かう。
瑞鶴とやり合う日も近いだろう。
だけど、私はやり遂げる。
もう覚悟は決めたのだから。
歌音ちゃんの本音でした。
まあ、彼女はまだ16ですから
歌音が16なのはみんな知らない。
第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票
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キューちゃんズ(イ級×4)
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ネ音(ネ級)