私の想いを歌にのせて平和を願う   作:猫神瀬笈

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いつもより長くなった。


第11話 心に決めた覚悟

 

私は工廠に来ている。

 

明石があれを完成させたと

報告しに来たからだ、

 

だから工廠に来たのだが、

私は今拗ねている。

 

頬を膨らませて拗ねている。

 

理由はさっきまでのことだ。

 

大声で泣きじゃくっていたのが

工廠まで聞こえていたらしい。

 

それを夕張と若にいじられた。

 

だから私は拗ねている。

 

ふくれっ面で拗ねているのだ。

 

2人は笑いながら謝る。

 

私はプンプンと怒りながら

とりあえず明石の報告を聞く。

 

例の物は完成。

 

後は性能の確認が必要らしい。

 

性質上誰かに受けてもらうのだが、

誰かに頼むのは気が引け…………!

 

そう言えばいるではないか。

 

これを頼める存在が。

 

だから私は声を掛ける。

 

おい、逃げるなよ。

 

今ここから逃げようとする2人に。

 

そう、さっきまで笑っていた夕張と若。

 

この2人に頼んだ。

 

もちろん明石も協力してくれた。

 

すぐに2人を確保して地下の施設へ。

 

逃げられないように縄で縛る。

 

2人は命乞いをした、だが……。

 

ダ・メ♪

 

私は笑顔で断った。

 

そして……例の物を使った。

 

 

 

性能の確認が終わった。

 

特に大きな問題はなさそうだ。

 

使った感じ、特に違和感はない。

 

明石はもう少し調整するという。

 

明石は色々記録を取っていた。

 

まだ納得できていないところが

いくつかあるのだろう。

 

私は例の物を明石に渡す。

 

ギリギリまで調整をしてもらおう。

 

さて、まだ時間があるがどうしよう?

 

そう言えばまだ海に行っていない。

 

だから海に行くことにした。

 

私はボロボロの夕張と若を放置して、

工廠を後にして海へと向かった。

 

 

 

外に出るとだいぶ日が傾いていた。

 

夕日はまだ出ていない。

 

今日は演習もないため海が静かだ。

 

静かな波音と海鳥の鳴き声がする。

 

この景色もしばらく見られなくなる。

 

少し寂しくなる。

 

だが、もう覚悟を決めているのだ。

 

それに戻ってくることもできるだろう。

 

だから、私は寂しくないよ。

 

帰ってきたら、ただいまって言うから。

 

ここは私の帰る場所だから。

 

私はそう決心する。

 

そしてしばらくの間、海を見続けた。

 

 

 

だいぶ暗くなった。

 

空は紅から黒へ染まろうとしている。

 

そろそろ部屋に戻ろう。

 

そう思っていたが、私は足を止める。

 

何やら基地が騒がしい。

 

放送で何人かが工廠に呼ばれている。

 

緊急の出撃だろうか?

 

考えていると吹雪がやってきた。

 

その顔は真っ青だった。

 

今にでも泣きそうな顔。

 

走ってきて私に抱き着いてくる。

 

何があったのだろう。

 

私は吹雪を落ち着かせる。

 

ゆっくりと背中を撫でる。

 

息を整えさせて落ち着かせる。

 

次第に息が整い落ち着いた吹雪は

何が起きたのかを話してくれた。

 

その内容は吹雪にとって辛いものだ。

 

叢雲が大破炎上、意識不明だと言う。

 

理由は予定にない敵編成だった。

 

敵の中にそこでは確認されていない

戦艦レ級が混じっていたらしい。

 

叢雲たちは必死に応戦した。

 

しかし、レ級が強すぎた。

 

次々に中破・大破される。

 

そして大破した仲間が狙われた。

 

無傷の叢雲はその仲間を庇って大破。

 

現在撤退中だが、危ない状況らしい。

 

今先ほど援護部隊が出撃した。

 

そのため私達にできることは無い。

 

できることは無事を祈るしかない。

 

できるとしたら工廠の手伝いだろう。

 

私は吹雪を連れて工廠に向かった。

 

 

 

あの後、無事にみんな帰ってきた。

 

叢雲は直ぐに入渠ドックへ。

 

高速修復材を使って危機を脱した。

 

しかし、目を覚ましていない。

 

明石と妖精さん総出で原因究明。

 

私達は報告待ちとなった。

 

数人がその報告待ちで工廠に待機。

 

それ以外の全員が食堂で待機中。

 

提督や大淀も一緒だ。

 

完全にお通夜状態だ。

 

飲兵衛たちも場を弁えている。

 

理由が分からないネ音だけが

いつも通り仕事をしている。

 

私も食堂で待機。

 

しばらくすると食堂の扉が開く。

 

扉を開けたのは敷波。

 

食堂を見渡すや否や瑞鶴の元へ。

 

そして瑞鶴の胸倉を掴む。

 

声を荒げ、壁に押し付ける。

 

そのまま叢雲のことを言う。

 

明日には目を覚ますが、

しばらくは出撃出来ない。

 

もう少し遅いか当たりどころが悪ければ

艤装を装備することもできなかったと。

 

敷波は怒りに任せて手を瑞鶴の首に。

 

流石にそれはまずいため

周りが全力で敷波を止める。

 

羽交い絞めにして離す。

 

しかし、口は止まらない。

 

瑞鶴を非難する言葉が吐かれる。

 

私達はしばらくそれを聞く。

 

内容は瑞鶴の慢心だった。

 

艦隊を索敵することができた。

 

レ級がいることも分かった。

 

しかし、瑞鶴は勝てると慢心した。

 

味方は小破数人。

 

自分1人でもなんとかできる。

 

そう考えたのだろう。

 

仲間の制止も提督の制止も聞かない。

 

その結果航空戦はなんとか均衡。

 

瑞鶴と叢雲以外が中破・大破。

 

その後は先ほどのようになった。

 

敷波は大破した1人だ。

 

そして、叢雲に庇われた本人である。

 

自分の弱さ故に起きた。

 

しかし、元を正せば瑞鶴の慢心。

 

そして、命令無視の進軍だ。

 

これまでの行動もあり

皆、瑞鶴を睨んでいる。

 

その結果、瑞鶴も口で返す。

 

しかし、反省の言葉はない。

 

私は悪くない、の一点張り。

 

それに怒った人が1人いた。

 

瑞鶴の顔を全力で殴る。

 

「とても頭に来ました。」

 

加賀さんである。

 

もう強さなんか関係ないと。

 

解体されてもかまわないと。

 

そう言って瑞鶴にまた殴ろうとする。

 

私はその腕を掴んで止める。

 

加賀はなぜと言う顔をする。

 

私は「解決しないから」と言った。

 

そのまま加賀さんを瑞鶴から離す。

 

そして瑞鶴に向かって言う。

 

「私と決闘して」と。

 

周りはもちろんざわつく。

 

決闘して何の意味があるのかと。

 

それでは解決しないだろうと。

 

それはそうだ、これは私の我が儘。

 

最初に矢を向けられたし、

私を認めてくれないから。

 

それに加えて条件を付ける。

 

私の事と瑞鶴にもう何も言わないこと。

 

瑞鶴が勝てばもう何も言わない。

 

私を好きにしてもいい。

 

ただし、負ければみんなに謝って反省。

 

提督の言うことは聞くこと。

 

そのように条件を付けた。

 

しかし、提督は認めてくれないだろう。

 

案の定、承諾できないと言われる。

 

だから私からの条件を出した。

 

勝ち負けとは違う決闘の条件。

 

やらせてくれたら私のことを話すこと。

 

隠していることも何もかもを話す。

 

私の中にいるもう一人のことも。

 

そのため提督は承諾するしかない。

 

しなければ瑞鶴のことが解決しない。

 

解決が強引なものになる。

 

私のことも知ることができない。

 

一番知りたいことが知れない。

 

提督は悩む。

 

しかし、提督が判断する前に

鳳翔さんが承諾した。

 

提督だと決められないからと。

 

そして瑞鶴に対して

「あなたの強さを見せなさい」

と言った。

 

私には

「全力で挑みなさい」

と言った。

 

お互いに引けないのだからと。

 

私達を納得させろと言った。

 

こうして私と瑞鶴の決闘が決まった。

 

決闘は2日後。

 

お互いが全力でやるための配慮だろう。

 

だからそれまでに整える。

 

私の全力を瑞鶴にぶつけるために。

 

私の決意はもう揺るがない。

 




提督の次に決定権があるのは鳳翔さん。
瑞鶴もさすがに逆らえない。

でも鳳翔さんは直接言わない。
成長は気づくことが大事だから。

提督は瑞鶴も大事な仲間だから
あまり強く言えない。
優秀だけどこういうのに弱い。
仲間思い故の後ろ気味な立ち位置。



次回はついに瑞鶴と決闘。
作者は「とあること」に挑戦します。

第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票

  • キューちゃんズ(イ級×4)
  • ネ音(ネ級)
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