書くの楽しい。
瑞鶴が矢を放つ。
それは艦載機へと姿を変える。
瞬く間に空を覆う。
だが、先ほどとは違う動きをした。
いくつかの部隊に分かれたのだ。
熱くなっているようで冷静なようだ。
この基地で一番強いのも頷ける。
でも、そう簡単には届かないよ。
私はマイクを構えて歌う。
「
想いを乗せた鋼鉄の羽根
それじゃあ私に届きません
貴方は仲間の足枷となって
私の勝利の糧となるから
」
私の歌と共に破片が飛ぶ。
破片は1つに集まり、鏡に変わった。
人が丸々入る大きな鏡。
映るのは灰色の世界。
そこに瑞鶴が映っている。
後ろには顔が見えない仲間たち。
次第に形が崩れて鏡の中の瑞鶴を襲う。
すると現実の方の瑞鶴が悲鳴を上げる。
その場から離れようとしても動かない。
悲鳴を上げ、足元に攻撃をする。
そこには何もないのに……。
瑞鶴はひたすら足掻き続ける。
そして、冷静になったのだろう。
艦載機で鏡を攻撃した。
鏡が割れ、瑞鶴の悲鳴もなくなる。
これは少し予想外だった。
なんだかんだ、見えているようだ。
艦載機の一部しか墜とせなかった。
そしてそのまま反撃してきた。
急に私への攻撃が激しくなる。
大福たちがいないため自力で避ける。
しかし、何発かは食らった。
流石に痛かった。
服もかなりボロボロになっていた。
艦娘の中破はこんな感じなのだろう。
瑞鶴は私を見て「どうよ!」と言う。
いや、どうとも思わないが。
あ~、でもちょっと心苦しいかな?
ネ音が小刻みに震えている。
吹雪が寄り添ってくれているから
抑えることができているのだろうけど。
何とか大丈夫だと言いたいが……。
とりあえずこの状況をどうにかしよう。
まだ艦載機がたくさん残っている。
このままでは負けてしまうからね。
だからまずは、あいつらを落とそうか!
「
勝ったつもりか、五航戦
貴様らもだぞ、飛行兵
過去に起きたあの慢心を
受け継いだのかよ、みっともねえ
乗り越えたんだろ?ミッドウェー海戦
それなら目指しな、もっと上へ
一騎当千の一航戦に
座を取られた元一等兵
」
この歌は良く響いたようだ。
指揮の乱れによる艦載機同士の接触。
これにより艦載機の半分以上が墜ちた。
今までの生活が役に立ったようだ。
書類の整理を手伝っていたから、
過去の戦績を知っていたんだよね。
だから私は知っているのだ。
ミッドウェーを越えたことも
一部で一航戦に劣っていることも。
それでも攻撃を続ける瑞鶴。
しかし、先ほどより攻撃が薄い。
減ったのもあるが瑞鶴の焦りもある。
だから今のうちにあの子に対して歌う。
「
体調は万全、だから大丈夫
貴方の愛情こそがmy hope
敗北はないこの戦いのTitle
貴方の最強の相棒が大勝
」
私はネ音に伝える。
大丈夫だと、敗北はないと。
だから安心してほしいと。
この想いは届いたようだ
ネ音は返答するように大きく頷く。
これでネ音が飛び出す事は無い。
安心して瑞鶴と戦える。
しかし、歌いながら躱すのは難しい。
さっきより楽なのに被弾しているのだ。
だが,今は現状維持が安定だろう。
集中を欠かすことはできない。
そのため次の攻撃に向けて隙を探す。
しかし、瑞鶴は最後の艦載機を放った。
ここで終わらせるつもりなのだろう。
沢山の艦載機が飛んでくる。
だが、このタイミングで隙ができた。
次の攻撃への準備でできた隙だ。
私は大きく後ろに下がり距離を開ける。
やってくる艦載機を全て墜とすために。
瑞鶴を大破までもっていくために。
私はマイクを構えて歌う。
「
艦隊のみんなは此方に注目
ついにバトルは最終章へ
有望な16である私から
貴方へ向けた最後の忠告
一人よがりの艦隊運用は
傷つく仲間が揃って重症
でも変わらないの、そのアティテュード*1
だから向けられるのよ、仲間からの銃口
」
再び私の周りの破片が一つに集まる。
それは先ほどと同じ大きな鏡となる。
しかし、さっきとは違う。
鏡から出てくるのは黒い艦娘。
全身真っ黒の艦娘の姿をした何か。
それが艦載機を狙う。
対空砲*2による弾幕の嵐。
それは瞬く間に艦載機を墜としていく。
本日三回目の光景だ。
真っ黒の空が澄んだ青空に変わる。
そして黒い艦娘たちは瑞鶴を攻撃する。
瑞鶴は逃げようとする。
しかし、中破していることで
速度が出ず、すぐに囲まれた。
そして容赦のない攻撃が襲う。
あるものは主砲で、あるものは錨で。
そしてあるものは艤装の槍で……。
容赦のない攻撃に瑞鶴は悲鳴を上げる。
一方的すぎる攻撃。
その衝撃で煙が上がる。
それでも黒い艦娘たちは攻撃を続ける。
長いようで短い攻撃が続いた。
攻撃がやむと黒い艦娘は消えていく。
それと同時に煙もはれていく。
そこにボロボロの瑞鶴が姿を見せる。
そこに近づくのはまだ消えていなかった
叢雲の姿をした黒い艦娘。
一度叢雲の姿を見た後、瑞鶴の方を向き
艤装の槍で瑞鶴を殴り飛ばす。
瑞鶴は海面を何度も跳ねて倒れる。
頑丈な飛行甲板は傷だらけとなり、
弓の弦は切れてしまっていた。
黒い叢雲はそれを最後に消える。
鏡も既に破片に戻っていた。
艦載機も飛んでいない。
それに対して私は立っている。
もう瑞鶴の負けは確実だ。
でも、まだ戦う意思はあるようだ。
ボロボロの身体で立ち上がった。
傷ついた体を引きずりながら
私の方へ少しずつ近づいてくる。
だから私はそれに応えよう。
これが最後の歌だ。
「
善行と共に積み上げてきた年功
でも酔いしれた、あなたは変貌
そんなあなたを支える仲間が
あんなにたくさんいるのよ、だから
後は羽ばたくだけなんだ
大切な仲間と掴んだ栄光
思い出しなさい、七面鳥
」
全力で送る最後の歌。
瑞鶴はみんなの方を見る。
そして、両の目から涙を流す。
そのまま目を瞑り、膝から崩れる。
力尽きたのだろう。
私は泣いている間に近づいたため、
瑞鶴が倒れる前に抱き止める。
これで決闘が終わった。
私の言葉は瑞鶴に届いただろうか?
……きっと届いたのだろう。
私は瑞鶴を抱き止めたまま
皆のいるところに戻った。
その間に瑞鶴の寝言を聴きながら
満足して戻った。
「みんな…ごめんね……ありがとう。」
と言うわけで決闘が終わりました。
第一章はもう少し続きます。
次回をお楽しみに
追記
投稿後にアンケートを新調します。
第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票
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キューちゃんズ(イ級×4)
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ネ音(ネ級)