楽しんでください。
あれからいろいろな事があった。
ネ音と吹雪の料理で瑞鶴が倒れたり
秋雲が同人誌をばら撒いたり*1
赤城さんのお代わりが止まらずに
提督のお財布が寂しくなったし
提督が食費の書類で徹夜して倒れたり
とにかくたくさんのことがあった。
そしてそんな楽しい時間は
あっという間に経ってしまった。
明日には大本営に行くことになる。
今日は荷物の整理……
……の予定だったのだが変わった。
何故なら霧島さんに呼ばれたからだ。
私は言われた場所に向かう。
そこには霧島さんと同じ服の人が
3人紅茶を飲んでいた。
霧島さんは私に気づき、席に座らせる。
私は言われるがまま、席に座った。
テーブルにある紅茶とお茶菓子。
霧島さんに出されたものと同じだった。
でも、紅茶の味に少し違いがある。
紅茶自体は全く同じものだ。
聞いてみるとこれを入れたのは
一番上のお姉さんらしい。
そのお姉さんは私の対面に座っていた。
名前は「金剛」さん。
金剛型高速戦艦のネームシップだ。
英国で生まれたから
英語が抜けきってないのだとか。
そんなお姉さんだが、
私にとっては命の恩人だ。
ここに来た時に私を攻撃した艦娘たちを
制止してくれたひとだ。
その時の話で場が湧いた。
妹の「比叡」さんと「榛名」さんも
興味津々で話を聞いた。
当時は出撃していなかったため、
金剛さんの活躍を見れていないからだ。
私は基地に付く少し前のことを話す。
夕張と吹雪を護衛してきたこと。
付く前にここと違う艦娘に
攻撃を受けたこと。
その攻撃で瀕死になったこと。
金剛さんの制止で助かったこと。
それを話すと2人は
目をキラキラさせていた。
比叡さんに関しては
「さすが金剛お姉さまです!」
と言っていた。
霧島さんも頷いていた。
どうやらこの姉妹はお姉さんが
神格化しているようだ。
ネ音や吹雪が私に向けるものと
同じものを此処で感じた。
長いお話しがようやく終わった。
あれから昼過ぎまで金剛型の良さと
金剛さんの素晴らしさを聞かされた。
一歩間違えれば宗教だよ、あれは…。
とにかく部屋に戻って荷物の整理……
……をしようとすると呼ばれた。
今度は加賀さんに呼ばれた。
どこに行くのだろうと思ったら
弓道場に連れてこられた。
そこには空母が勢揃い。
海外鑑も数人いた。
何故呼ばれたのかと言うと
私の弓の腕を見たいのだとか。
理由はこの前の事だろうな……。
瑞鶴のことを聞く前のやつ。*2
それで私の名前が挙がったらしい。
私は強引にやらされた。
でもやるときは真剣にやる。
私は弓と矢を受け取り集中する。
構えを取り、撃つ準備する。
さらに深く集中する。
周りの音は一つも聞こえなくなる。
風の音も、みんなの声も、世界の音も。
自分の鼓動の音でさえ聞こえなくなる。
そのまま的を目掛け……射る。
矢は的の中央に突き刺さる。
私はゆっくり構えを解く。
一度目を瞑り、目を開く。
すると後ろから皆の声が聞こえる。
皆からは絶賛の声が上がる。
加賀さんも納得してくれたようだ。
これで私は部屋に戻れる……
……と思っていたかった。
この前と同じように
教えてほしいと言われた。
また私は教えることになった。
教えると言っても難しいことではない。
構えから撃つまでの集中力。
これを教えるだけだ。
……意外とできない人が多い。
私の家ではこれが普通だったのだが、
違うのだろうか?
この前教えたメンバーの構えが
良くなったのは分かる。
加賀さんや赤城さんは元がいいから
私が教えることの方が失礼だと思う。
海外鑑は撃ち方が違うため仕方ない。
瑞鶴は……癖があって一番ひどい。
私は殆ど瑞鶴に付きっきりになった。
だが、それによって瑞鶴の構えは
前より一段と良くなった。
センスがあるのだろう。
ようやく全員に教え終わり、
時間を見るともう夕方である。
今度こそ部屋に戻ろう……
……と思っていたのに…………。
そのまま空母の人たちに連行された。
連行されたのは私の部屋の
横にある大きな部屋。
普段は使われていないこの部屋。
ここの全員が入る大きさだが
一体何があるのだろうか?
私は不安になりながら扉を開ける。
すると部屋から「「パンッ」」
と言う音が響く。
そこには基地のみんながいた。
キューちゃんたちもネ音も大福たちも
皆、クラッカー持っていた。
後ろには沢山の食事が置かれていた。
どうやら私へのサプライズらしい。
後ろの幕に「お別れ会」と書いてある。
私を部屋に戻さなかったのは
これをバレないようにしていたから。
ここでようやく納得がいった。
無駄に長く拘束されたのは
これが理由だったのだ。
しかし、このサプライズは嬉しい。
今まであまりされたことがなかったから。
そう思っていると夕張がやってきて
私に何かを掛ける。
タスキのようなものに
「本日の主役」と書かれていた。
そのまま私はステージに連れていかれ、
乾杯の音頭を取らされた。
しばらく何を言うか悩む。
しばらく悩んだ結果、
私はここにきてからのことを語る。
楽しかったこと、辛かったこと。
大変だったこと、嬉しかったこと。
此処での生活の事などを語った。
そしてここでの生活が楽しくて
とても幸せだったこと。
だから必ず戻ってくることを誓って、
私は乾杯の音頭を取る。
「乾杯!」
「「「乾杯!!」」」
今日はここにきて
一番幸せな時間だと思う。
皆が笑って、楽しんで、喜ぶ。
私が望む平和な光景。
将来はここに他の子もいて
人が、深海棲艦が揃って楽しむ。
そんな光景を想像した。
その光景のために頑張ろうと思えた。
そのため私はお別れ会を楽しめた。
そして、最後に私は歌うことにした。
何を歌おうか?
……よし、決めた。
この世界に対しての歌を歌う。
あの曲やそれに関する曲は
調べても出てこなかった。
つまりこの曲は知らないのだろう。
だから私はこの歌を歌う。
前に進むための歌。
悲しみと海を越えるための歌。
忘れないための歌。
還るための歌。
今を乗り越え、未来へと抜錨する歌。
皆に伝える最高の歌を。
「それで……いいのかい?」
提督が私に聞く。
私は大丈夫だと言った。
昨日のお別れ会で
すでに決めていたから。
提督はそれを承諾した。
それじゃあ、向かおうか。
私たちは工廠で待っている
大本営の船に向かう。
……と一緒に…………。
第一章、計15話
無事に完結いたしました。
最後はあの歌で締めたかったので
歌ってもらいました。
一応歌詞を使っているので
楽曲コードを入れてます。
次は第二章に移ります。
出すのは来月となります。
誰が同伴するかは皆さん次第です。
ちなみに今まで出してきた日付
なぜあの日付にしたのかは
ちゃんとした理由があります。
分かる人にはわかるあの日ですよ。
皆さんは分かったかな?
第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票
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キューちゃんズ(イ級×4)
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ネ音(ネ級)