私の想いを歌にのせて平和を願う   作:猫神瀬笈

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第2話 大本営会議

 

私はいつもの時間に目を覚ます。

 

総員起こしの約1時間前。

 

ネ音は私の腕の中で寝ていた。

 

私は起こさないように手を放す。

 

枕をネ音の横にして身代わりにする。

 

そっと布団から出て私服を着る。

 

いつもの私服を着て、私は外に出る。

 

行先は私の歌うところ。

 

地図に記された5か所の内の1つだ。

 

中央にある音楽室

 

下にある海辺

 

上にある屋上

 

右にある灯台

 

左にある石碑

 

この中から一つ選ぶ。

 

今日はいつものように海辺にした。

 

他のところに行くことも考えた。

 

見たことない景色を見る。

 

そうすれば違う言葉が浮かぶ。

 

しかし、今日は海辺にした。

 

基地とは違う空気、波、自然……。

 

それだけで全く違う歌ができる。

 

だから今日はここにしたのだ。

 

基地で見るときとは違った日の出。

 

少しうるさい波の音。

 

朝の鍛錬をしている艦娘。

 

基地とは違う景色を歌にする。

 

歌うときは優しく響かせる。

 

皆を起こさないように、優しく……。

 

浮かぶ言葉を整えて歌にしていった…。

 

 

 

気づけばかなり明るくなっていた。

 

相変わらず気づかなかった。

 

そろそろ戻ろう。

 

そう考えていると放送が鳴った。

 

放送から流れる声は聞き覚えがある。

 

やさしい静かな声。

 

那珂ちゃんのお姉さん、神通さんだ。

 

だが、基地の神通さんと少し違う。

 

言葉一つ一つに芯がある。

 

静かではっきりとした声だった。

 

大本営とだけあって、

どこかに違いがあるのだろう。

 

そう思いながら私は部屋に戻った。

 

部屋に戻るとネ音は起きていた。

 

だが、相変わらず眠たそうだ。

 

私が近づくと手を前に出す。

 

私を求めている、甘えたい合図だ。

 

私はそのまま抱きしめる。

 

ネ音は嬉しそうに顔で擦る。

 

右上の硬いのが当たらないように。

 

しばらくこの時間を過ごしたいが、

今日はそうもいかないのだ。

 

今日の予定は会議への出席。

 

今日行われる大本営の会議に

2人ともでなければならない。

 

私たちの認知と大本営の考えを

提督全員に伝えるためだ。

 

そのため、今日は正装。

 

艤装は工廠に預けるが、

姿はヲ級に戻さないといけない。

 

これからこういうのは多いだろう。

 

でも、我慢するしかないのだ。

 

制服だと思って我慢することにした。

 

それと、いくつかは誤魔化す予定だ。

 

佐世保の提督には詳しく

知られてはならないから。

 

何とか無事に終わること。

 

今の私にはそう願うしかなかった。

 

 

 

今、私はネ音と一緒に待機している。

 

場所は会議室のすぐ隣。

 

控室のようなところで座っている。

 

姿はちゃんとヲ級。

 

ここに来る時と同じ格好だ。

 

その状態で呼ばれるまで待つ。

 

聞こえてくる足音と椅子を引く音。

 

ネ音は不安なのか震えていた。

 

だから、優しく撫でる。

 

呼ばれるまでひたすら撫でた。

 

しばらくして、扉が開いた。

 

開けたのは大和。

 

真剣な顔だが優しい声で

「行きましょう」と言った。

 

私は覚悟を決めて立ち上がる。

 

ネ音も震えながらだが、

私のマントを掴んで立つ。

 

そして、大和の後について

会議室に入った。

 

会議室には多くの提督がいた。

 

机の並びは真ん中を囲うように

のような形になっている。

 

開いている方には元帥の机。

 

その後ろにはスクリーンがある。

 

そこに入ると驚愕の声が上がる。

 

当然の反応である。

 

しかし、すぐに元帥が黙らせた。

 

私が脅威でないこと。

 

方向性は違っても目標は同じだと。

 

そう提督たちに伝えた。

 

それでも納得できないのか

ざわざわとしてしまう。

 

すると元帥がある人に話を振る。

 

その人は立ち上がり前に出てくる。

 

基地の提督さんだ。

 

こっちに笑顔を見せた後、

同伴していた加賀と前に出る。

 

そして説明を始めた。

 

話は鎮守府襲撃からここに来るまで。

 

私のしたこと、艦娘、妖精の情報を

まとめた資料を配布した。

 

その資料は私の印象を良くした。

 

特に夕張と吹雪の証言が大きかった。

 

2人を助けたのは好印象だった。

 

基地に着く前の襲撃で反撃しなかった

ことも印象が良かったようだ。

 

それでもまだ納得しない人もいる。

 

「脅されている」、「命令だろ」など。

 

その内の一人は佐世保の提督だった。

 

元帥が静かにするように名前を呼び、

要注意人物であることが分かった。

 

ネ音は声に驚いてずっと震えている。

 

私は落ち着くように宥める。

 

そして、元帥は再び黙らせる。

 

威厳と言うものだろうか。

 

たった一言で黙らせた。

 

また場が静かになった。

 

すると基地提督はある動画を流した。

 

どんなのだ……ろ…………。

 

私は固まった…………。

 

映ったのは私の姿……。

 

それも泣いている時の奴……。

 

私は顔を真っ赤にする。

 

元帥は笑いをこらえ、

提督は申し訳なさそうにする。

 

こんな大人たちの前で見せないで!

 

私は心の底から叫んだ。

 

しかし私の思いは届かない。

 

動画が終わると映るのは私とネ音。

 

基地での生活の写真が映し出される。

 

どれもこれも恥ずかしいのだが……。

 

何とか信頼を得ることができたようだ。

 

ネ音も落ち着き、部屋から退出。

 

会議が終わるまで横の部屋で

待機することになった。

 

先ほどの部屋と違い、

部屋が繋がっていない。

 

その部屋で会議が終わるのを待つ。

 

この後、基地提督が顔を出すと

部屋を出る前に元帥から聞いた。

 

だから、言いたいことをまとめておく。

 

言いたいのはもちろん写真の事。

 

犯人は分かっているので

帰ったらお説教してもらう。

 

あの動画の後に移った写真。

 

その中に見覚えのある写真があった。

 

それは巻雲との写真。

 

2人で一緒に寝ている写真だ。

 

明らかにアングルが部屋の

隙間から撮られたものだった。

 

そして、その翌日に新聞に載った。

 

つまり、この写真の提供者は

青葉ということになる。

 

その他諸々の提供も青葉だろう。

 

提督の判断だろうが、提供する写真は

少し考えてほしかった。

 

だから、提督に頼むのだ。

 

いかに青葉を同じ目にあわそうかと。

 

そんなことを考えながら

会議が終わるまでゆっくりした。

 

 




写真は色々
ネ音と吹雪のエプロン姿や
歌音のメイド姿など



第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票

  • キューちゃんズ(イ級×4)
  • ネ音(ネ級)
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