会議室の横の部屋で待機中の私とネ音。
しばらくして部屋の外が騒がしくなる。
会議が終わったのだろう。
そう思っていると扉が開いた。
入ってきたのは元帥。
その後ろに基地提督と加賀さんがいた。
ちゃんと話すのは昨日ぶりだ。
この後の予定まで時間があるため、
提督が帰るまで話をした。
まず、今回のことで私は一部を除いて
提督と艦娘たちに認められたそうだ。
私とネ音の喜怒哀楽の写真。
深海棲艦とは違う人間らしい表情。
基地での楽しそうな写真。
これが決め手となったようだ。
今後の動きがしやすくなった。
次に写真の事。
提供はやはり青葉だった。
いくつかは隠し撮りらしい。
実はあの写真以外に沢山あったそうだ。
今回出したのは健全なもの。
アウトな写真が多く、消したらしい。
そのまま出せば危なかったようだ。
私のこれからに関わるレベルで
ヤバいものらしい。
そのため、帰ったら青葉に
制裁が下されるそうだ。
制裁するのは吹雪らしい。
…………青葉………ご愁傷様。
そう心で思った。
ガッツポーズも心の中でやった。
最後に佐世保について聞いた。
提督は提督で情報を集めていたようだ。
だが、有益な情報は得られなかった。
どれもうまくかわされたらしい。
憲兵が見に行っても問題無し。
とにかく情報が出てこなかった。
そのため、佐世保に乗り込むには
まだまだ時間がかかりそうだ。
話しは以上だった。
丁度基地へ戻る準備も終わったため、
提督は基地に戻っていった。
私は姿が見えなくなるまで見送った。
提督が戻り、私は工廠に来ていた。
目の前には白衣で白手袋を付けた明石。
これから行うのは身体検査。
そう…………私が嫌いな奴だ。
特に明石に対して警戒が高まる。
だが、その警戒は直ぐに杞憂となった。
この明石……とても親切なのだ。
一つ一つの行動で私に承諾を得る。
しかし、どの行動も丁寧で的確。
そのため、すぐに身体検査が終わった。
身長が180、視力は10以上。
骨も血管も人とほとんど同じ。
違うのは胃袋より下、腸から違う。
腸ではない何か。
明石曰、エネルギーに変換する何か。
ネ音の身体にも同じものがあった。
今は特に問題はないが、
後々詳しく調べる必要がありそうだ。
他もほとんど人と同じだった。
私に「あれ」がないのは前の検査で
発覚したが、今回で理由が分かった。
排泄するものがないのである。
全てがエネルギーになるから。
自分の身体をもっと知るべきだろう。
私はそう思った。
検査が終わり、暇になった。
予定よりとても早く終わったのだ。
昼食は明石に出された軽食で済ませた。
そのため、暇で仕方ないのだ。
時間も昼まで1時間ほどある。
これからどうしようか悩んだ結果、
地図に記された場所に行くことにした。
ヲ級としての服は工廠に置いて
私は私服に着替える。
その際、私とネ音の私服について
明石に相談した。
すると明石はどこかに電話をする。
微かに聞こえたのは元帥の声。
どうやら相談してくれたようだ。
明石は電話を終えてこちらを向く。
そして笑顔で親指を上に立てる。
すぐに手配してくれるようだ。
遅くても明日には届くらしい。
私は明石に感謝して
ネ音と一緒に工廠を後にした。
私は今、灯台に向かっている。
理由は工廠から近いからだ。
鎮守府を上、海を下にしたこの地図。
工廠はこの地図の右側にある。
灯台はさらに右、地図の端にある。
実際に歩いてみるとかなり距離がある。
歩くだけで息が上がる。
ここに来るだけで疲れてしまう。
しかし、ここでは心地の良い風が
私たちを迎えてくれた。
眺めもいい。
高い位置にあるため、鎮守府が見える。
反対側にある石碑も視認で来た。
だが、あまり長居はしたくない。
景色は綺麗だが、寒すぎる。
厚着を貰うまでは
ここに来るのはパスしよう。
ネ音は……平気みたいだ。
私がおかしいのだろうか?
そう思いながら、次の場所を目指す。
次に目指したのは石碑。
灯台から真反対の場所。
移動するのに車が欲しいぐらい遠い。
その距離を歩いて進む。
ついた頃には昼を過ぎていた。
太陽が少し傾いている。
移動だけで時間がかかった。
ゆっくり歩いて、鍛錬中の艦娘を
見ながら歩いていたから仕方ない。
とりあえず石碑には着いた。
私はその石碑を見渡す。
石碑は1つや2つではない。
沖縄にある石碑のように並んでいた。
私たちは近くの石碑から見ていく。
書かれているのは提督と艦娘の名前。
1人の提督と多くの艦娘。
それが1つの石碑に書かれている。
その石碑がここにはたくさん並ぶ。
どの作戦で命を落としたのか。
どれだけの戦果を挙げてきたのか。
事細かく記されていた。
そこから離れたところにあるのは
歴代元帥と秘書艦の名前がある石碑。
着任と退任、その理由が書いてある。
初代は2013年に着任。
今は2035年だから22年前だ。
2013年は確か艦これが始まった年……。
何か関係があるのだろうか?
全ての石碑を一通り見て回った。
特殊な名前の人はいない。
もしここが艦これの世界なら、
ゲームとの関わりがあるかもしれない。
そう考えて確認をした。
しかし、どの情報もごく普通だった。
私の知っている名前の人もいなかった。
特に収穫のないまま、石碑を後にする。
次に向かうのは音楽室だ。
綺麗な夕日が見える。
風が吹くが心地よい。
暁の水平線ではなく
黄昏の水平線とでも呼ぶのだろう。
あまり見ることのない景色だった。
屋上からの景色に
私もネ音も目を奪われていた。
音楽室に向かったのでは?
確かに私たちは音楽室に向かった。
しかし、先客がいたのだ。
音楽室は入退室自由の開放状態。
防音の壁でできているため、
夜に使っても迷惑にならない。
誰でも使えるのだが…………。
私は直ぐに部屋を後にした。
…………私の口からは言えない。
ただただあの光景を忘れるように
私はボーっとこの水平線を眺める。
この黄昏は私を指しているのだろう。
ネ音に体を揺らされている事にも
気づかないほど…………。
夕日が沈んでからも
ボーっと過ごしていた。
ただ、あの光景を忘れようと……。
気づけば着替えていたし、
布団の中に入っていた。
あのときから記憶がほとんどない。
私は中々寝付けないまま翌朝を迎えた。
歌音が何を見たのかは後々……。
早くて次回かな?
第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票
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キューちゃんズ(イ級×4)
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ネ音(ネ級)