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UA10500突破
感謝感激なのです(⌒∇⌒)
マイクを構え、戦艦と対峙する。
戦艦たちは動きを見せない。
否、動けないと言った方がいいだろう。
彼女たちは正気ではない。
此方に向ける眼に光がない。
まるで操り人形のようだ。
本当なら力づくで止めたいが………。
私は目線だけを陸の方に向ける。
そこにいるのは元帥と明石。
このタイミングで渡されたマイク。
つまりそう言うことだろう。
彼女たちは救える。
従うだけの兵器となった身体から。
奥の方で叫んでいる男から。
でもその前に駆逐の子を助ける。
この戦いに巻き込まないために。
私はマイクを起動させる。
イ級の形をしたマイク。
出現して割れる3枚のステンドグラス。
私の周りに浮遊する破片。
そして、2機の艦載機型のスピーカー。
何も無いところから出現する、
そのため、知らない人は驚いている。
再び周りからざわめき声が聞こえた。
集中している私には聞こえていない。
聞こえるのはスピーカーからの音だけ。
その音に合わせて私はすぐに歌いだす。
「
それじゃあ私の本領発揮よ
助けてあげるわ、子供たち
本当の愛を教えてあげる
から走行妨害しちゃだめよ
」
周りのガラスの破片が集まる。
それは海の上で人型となる。
秋雲そっくりで、それが2人分。
その人型は素早く動く。
戦艦たちはそれを見ても動かない。
後ろの男が騒いでいても動かない。
人型はそのまま駆逐を掴んだ。
そして陸の方へ移動する。
戦艦は未だに動かない。
人型は駆逐2人を陸にあげる。
そして光を放ち、破片に戻った。
そのまま私の元に戻ってくる。
それでも戦艦は動かない。
いや、動いていた。
目は未だに光はない。
だが、体が小刻みに震えている。
何回も口が開きそうになる。
その姿を見て私は思ったことがある。
アニメで見た覚えがあると。
操られた人が抗っているさま。
それにすごく似ていた。
なら、私にできることは1つ。
歌で心に訴える。
奥底から引っ張り上げる。
そのために私は再び声を通す。
「
ねえねえ、聞こえる?おねえさんたち
ここからみんなの正念場だよ
いつまでもそこに囚われちゃダメダメ
早く逃げるよ、ランナウェイ
そしたら見えるね、君たちの光が
なら闇にしようよ、あっかんべーって。
何もかも全部後回しにしちゃって
灯しちゃおうよ、その大和魂
」
歌と共に破片が光る。
いつも以上の光を放って。
するといつもと違うことが起きた。
破片は寒色から暖色に変わった。
私の後ろのステンドグラスも同様だ。
暖かい色に変わっていた。
そのガラスの破片は再び集まる。
出来上がったのは色とりどりの飴。
飴玉にカラフルな包装紙。
キャンディーなどが浮いていた。
そこからいくつかの飴が大きくなる。
はち切れそうなまでに広がって弾けた。
すると小さな飴玉があふれ出てきた。
演習場周辺に飴玉が落ちてくる。
演習を見ていた子供たちはそれを掴む。
そしてそれを口に入れて叫んだ。
「「「美味しい‼」」」
実物ではない透き通った飴玉。
それなのに味があったらしい。
私も詳しくは知らない。
だからこのことを不思議に思った。
他にも不思議なことが起こった。
さっき運んだ駆逐達が目を覚ました。
体の傷が消えていた。
しかも体が光っている。
瑞鳳も同様だった。
痛みが消えていたのだ。
しかも、服が元通りになっていた。
体の痛みもなくなったと叫んでいる。
そして変化は戦艦にも起こった。
全員の身体が小刻みに震えていた。
次第にその震えが収まる。
眼には光が、そして涙が浮かぶ。
その場で崩れ落ち、抱き合った。
私たちはその光景を見守る。
喚きながら連れていかれた
男のことなど気にしない。
ただ、その光景を見続けていた。
戦艦たちは気を取り戻した。
私はそれを見て、マイクの電源を切る。
浮かんでいた物は消える。
体の光も消えていた。
子供たちの残念そうな声が聞こえた。
後でお菓子を作って渡そう。
そう思いながら陸に戻る。
陸では秋雲たちが待っていた。
ねぎらいの言葉を掛けられる。
私は感謝しながらマイクを明石に渡す。
ついでに棒も返しておく。
その事はしっかり怒られた。
無断使用したのだから仕方がない。
今回は事が事のためお咎め無し。
説教だけで済んだ。
その説教の後、
私のところに艦娘が集まった。
両方の艦隊全員だ。
戦艦側の駆逐の子は朝潮と霞。
戦艦は扶桑、山城、伊勢、日向。
空母側の駆逐は白露型の4人。
白露、村雨、海風、江風の4人。
空母は瑞鳳と飛龍だった。
まだ改になっていない子が多い。
瑞鳳と飛龍だけは改になっている。
瑞鳳側は駆逐達の経験を積むため。
空母2人は引率みたいなものらしい。
扶桑たちは提督を調べ上げれば
改造されていない理由が分かるだろう。
そんな感じで話していると
白服の女性がこちらにやって来た。
やってきたのは瑞鳳側の提督。
その後ろには見覚えのある艦娘たち。
私にとって少し嫌な思い出。
もう痛くないはずの足が痛くなる。
しかし、その痛みは直ぐに無くなった。
理由はいきなり頭を下げてきたから。
まず、瑞鳳のことで感謝された。
あと少しで沈むところだったから。
でも、これは本当にたまたまだった。
演習を見たときに目に映った弾。
それが尖っていたのだ。
演習用の弾は小さく、真ん丸とした形。
基地にいた頃にそれを教わった。
演習用徹甲弾と少し違うことも聞いた。
だからあの時、弾を上に弾いたのだ。
演習用は小さな爆発しか起こさない。
ちゃんと調整されているのだ。
大きな煙が出るものではない。
間違えていたら
私は乱入者になるところだった。
まあ、結果オーライだ。
次にあのことについて謝られた。
基地に行くときに襲われたことだ。
砲撃と雷撃を浴びたこと。
あの時のことを謝罪してきた。
一緒に謝る6人の艦娘。
一番前には魚雷を撃った子がいた。
その子の名前は北上。
大本営にも北上はいる。
子供のことをよく見ているいい人。
魚雷を扱うエキスパート。
でも、この子とは違う。
この子の服装は濃い緑。
目つきも態度も違っていた。
その北上が私を撃った理由を話す。
私を撃った理由は私怨だった。
あの事件の前に1人沈んだらしい。
北上は庇われたそうだ。
その時の深海棲艦がヲ級。
倒すことができず、
逃げられたらしい。
しばらくは荒れていたそうだ。
しばらくして前線に復帰。
その出撃中に私を見つけたようだ。
色々とタイミングが重なったのだ。
だから謝罪を受け取る。
私から言うことはない。
私は生きているのだから。
だから私は北上を抱きしめる。
優しく、暖かく……。
北上をただひたすら撫で続けた。
聞こえるすすり泣きを歌でかき消す。
私はしばらくの間、歌い続けた。
久しぶりに投稿しました
色々と忙しかったのです。
感想が急に増えたから
これからが頑張りどころかな?
次の投稿も時間かかるかも。
第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票
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キューちゃんズ(イ級×4)
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