私はお湯に浸かりながら歌っている。
暖かい、鮮やかな緑色のお湯
なぜか?
それは今日の朝まで遡る。
今日は昨日より早く目覚めた。
太陽も少ししか顔を出していない。
私は気分転換に島を散策することにした。
キューちゃんたちは寝ていたため
起こさないように。
何か使えそうなものがないか探す。
もしかしたら島で隠れて生活していた
可能性があると思ったからだ。
だが、痕跡は見つからない。
ここにたどり着いた時には全員
亡くなってしまったのだろうか?
木々や草が生い茂っているため
探しづらいのも原因だが……。
何かいい方法は無いのだろうか?
そう思っていると良いアイディアが浮かぶ。
私は帽子を数回叩く。
すると口のところが開き、
大福たちが出てくる。
私は大福たちに
この島を調べるように頼んだ。
小さく、空を飛べるこの子たちなら、
島の中を探すことが可能だ。
機動力の高い大福たちに
島の奥や反対側を任せて
私は近くを探策する。
虫は平気だから構わず進む。
たとえ毒虫がいてもこの体であれば
毒は効かないだろう。
試したことないから分からないけど。
それからしばらく探索を続けると、
何かを蹴った感覚がした。
黄色くて丸い……蜂の巣だ。
……蜂の巣⁈
なんで地面に、と思った。
それよりも蹴ったということは……。
まずいと思った時にはもう遅く、
周りを蜂に囲まれていた。
そして刺される。
この体でも痛みは感じるようだ。
刺されたところが痛い。
それに変な感じもする。
私の体を何かが巡っているようだ。
体が徐々に重くなっていく……。
考える暇も与えてくれない。
その隙にさらに刺される。
あれ、これは、死んじゃう奴かな?
体は地面に倒れる。
見事にフラグを回収してしまった……。
せっかく痕跡が見つかったのに……。
生まれ変わって3日目なのに……。
私はここで死んでしまうのだろうか?
海ではなくこんなところで……?
そんなこと思っていると、
遠くから大きな音と鳴き声が聞こえる。
キューちゃんが来てくれたのかな……?
でも……、さすが…に
……ヤ……バい…。
まぶ……た…が…、
と…じ………て………
気づくと私は謎の空間に浮かんでいる。
辺り一面が黒と白と赤に染まっていた。
私は死んだのだろうか?
意識はあるけど……。
ふと自分の体を見る。
見えるのは肌色の体と細い腕。
服は死ぬ直前まで着ていたものだ
白い体でもなく黒い服も着ていない。
ここはどこなのだろうか?
そう思っていると何かが見えた。
それは青い袴を身に付けた女の人。
ボロボロの体で海に浮かんでいる。
体中から血を流し、
持っている弓も
だが、とても満足した顔をしていた。
私は歩いてその女性に近づく。
向こうもこちらに気づいたようだ。
笑顔でこちらを向き、口を開く。
「――ぎさーー、ち――ゅーー、
おーーい。あーーとーー、――なー、
―もっー……。」
彼女が言い終わると私の体が光った。
強制送還みたいだなと感じた。
少し驚いたが、私はすぐに彼女を見る。
彼女は手を振って私を見送った。
私も手を振り返す。
必ず彼女の願いを叶えると約束して。
彼女は涙を流して微笑んだ。
次第に空間が青と白に変わる。
そして、さらに光が強くなり、
世界を白く染めた。
そして、冒頭に戻ってくる。
正確には目が覚めてから
キューちゃん鳴き続けられたり、
大福たちに心配かけた罰と
言わんばかりに噛みつかれたりもした。
さらに怪我しそうなぐらい噛まれた。
でもその噛み後は直ぐに消えた。
その理由は私が入れられているこの液体。
おそらく高速修復材である。
おそらくこういうところから
バケツで汲んで
鎮守府に持ち帰るのだろう。
つまり、私は原液に入っていた?
と思ったがその心配もなかった。
なぜなら横に今自分が入っている
鮮やかな緑の液体ではなく、
濃い緑の液体が真横にあったからだ。
おそらくそっちが原液だろう。
確証はないがそうであってほしい。
太陽が真上にいるぐらいまで
時間がかかったが、
体の傷も毒も綺麗に抜けたようで
スッキリとした気持ちになったため、
皆が探してきたものを確認する。
島の中には人の生活跡は
なかったらしい。
その代わりに
高速修復材を入れるバケツが5つ。
いくつかの木の実。
小さな檻の中に入れられた妖精。
黒くて見せられないもの、等々。
色々と持ってきてくれた。
変わったものは特に無いようだ。
「オイ、コノヤロー!ハヤクダセヨ!」
そう、特に何も無かった。
私は何も見ていないし、聞いていない。
「ブルァァァァァ!」
可愛い顔なのに口が悪い
「アナゴさん」の声の妖精なんて。
「キコエテンダロ!ハヤクダセ!」
私はその檻を掴み、そっと帽子に入れる。
「オイ!ニジュウニスルナ!」
私はしばらくこのままにしたかった。
しかし帽子越しでもうるさ過ぎたので
仕方なく帽子から取り出して外に出す。
その妖精(命名:
外に出ると、飛んで私の目線まで浮く。
「オメエ、カワッタヤツダナ。」
一言目からそんなことを言ってくる。
「シンカイセイカンハ、
カンムスダケデナク
オレタチ、ヨウセイモネラウ。
ダガ、オマエハナニモシナイ
ドコロカ、ニガソウトスル。
オマエハイッタイナニモノダ、
ナニガモクテキダ。」
私は1つずつ伝える。
私が転生者であること
歌で世界を平和にすること。
そのために色々していることを。
若は何かを考えるように腕を組み、
目を閉じて何かを考える。
しばらくして彼は
「ヨシ!」と言ってこちらを向く。
「オレモ、ツイテイク。ソノホウガ、
ミンナノトコロニモドレルカラナ。」
詳しく話を聞くと、
若は艦載機の操縦士として
ある鎮守府にいたが、
戦闘で艦載機が落とされて
帰れなくなったようだ。
「チンジュフノホウコウハワカルガ、
イクマエニヤラレチマウ。
ダカラタノム!
オレヲ、ツレテイッテクレ!」
若は空中で綺麗な土下座を披露した。
私は彼を掌に乗せて首元に運び、
首とマントの間に入れる。
マントで隠れやすくなっているため
そこに運んだ。
若はそこに入りひょっこり顔を出す。
「アリガトウ。
ソレジャア、アンナイスルゾ。
アッチダ。」
どうやら私のマントを
引っ張ったり動かしたりすることで
案内してくれるようだ。
出発前にキューちゃんたちに
若のことを伝える。
若は怯えているが、キューちゃんたちは
仲間ができたと喜んでいる。
その様子を見て和みながら
私は島を後にした。
次の目的は若のいた鎮守府に行くこと。
そして、私に伝えてきた彼女との約束を
守るためにその鎮守府も探す。
名前:若(わか)
名付け:ヲ級(主人公)
種族:妖精
性別:概念は無い
(艦娘が声で勝手に決める)
大きさ:一般に売られるサイズの卵
重さ:無いに等しい
見た目可愛いのに声がヤバい妖精。
こんなのでも艦娘からは愛されていた。
艦載機操縦の腕はピカイチ。
1人で100機以上
落としたこともあるらしい。
檻に入れられるまでは
頑張って島で生活していたらしい。