気になる描写は質問してね
今日から甲での鍛錬。
この鍛錬の参加は朝からだ。
時間までは待機ということなので
今は歌を終えて自室にいる。
しかし、鍛錬に参加するには
1つだけ問題があった。
「ネ音、そろそろ……」
「ヤだ……」
ネ音が拗ねてしまったのだ。
私の膝から退いてくれない。
拗ねている理由は昨日のこと。
私が時間を忘れて歌っていたからだ。
呼ばれるまで気づかなかった。
あの時は那珂ちゃんが
呼びに来てくれた。
何とか夕食にはありつけたが、
ネ音の機嫌を損ねてしまったのだ。
ネ音に寂しい思いをさせてしまった。
そのため膝枕をしているのだが、
中々退いてくれない。
後30分もすれば鍛錬の時間だ。
そろそろ動かないと
鍛錬でしっかり動けなくなる。
しかし、退いてくれそうにない。
だから、私はある手段に出る。
ネ音にはまだ早いが仕方ない。
私はネ音の顔を上に向け、
顔を近づける。
「チュ……」
そのまま顔を上げると、
ネ音の顔は紅く染まっていた。
そのままカタカタと震えている。
「な……なニヲ……///」
「大人を困らせちゃダメよ♡」
私は再びネ音に顔を近づけた。
この後のことは見せられないため、
皆さんの想像にお任せしよう。
私はスッキリした顔で準備をする。
「遅れないように行くのよ。」
私はネ音にそう言って部屋を出た。
布団の上に顔を赤く染め、
惚けているネ音を残して……。
私は呼ばれている場所に向かう。
甲の教官はもう分かっている。
鬼教官、神通だ。
むしろあの人しかいないだろう。
戦艦や空母にも容赦ない人だから。
実は昨日、那珂ちゃんに紙を貰った。
その紙には一言だけ書いてあった。
「印の場所で待つ」
その一文だけ。
果たし状か何かかと思った。
印と言うのは那珂ちゃんが
別で持っていた紙にある地図の印。
場所的には広場の中央である。
だから私は広場へ向かう。
しかし、広場は閑散としていた。
鍛錬をしているようには思えない。
私は警戒をしながら中央へ向かう。
そこで視線を感じた。
感じるのは5つ……否、6つの視線。
2:2:1:1で別れていた。
そのうち一つはおそらく神通。
1人だけ視線を感じづらい。
正直相手したくはないが、
私は広場の中央に立つ。
すると、何かが飛んでくる。
私はそれを躱す。
そのまま地面に刺さったものを見る。
飛んできたのはナイフ。
すると4人飛び出してきた。
出てきたのは叢雲・川内、霞・扶桑。
槍、ナイフ、
近距離戦闘特化の艦娘だろう。
私はナイフを取る。
流石に4人同時はキツイ。
だから、先に5人目を倒す。
誰もいないところにナイフを投げる。
切っ先を持って持ち手を当てるように。
「ふぎゃ!」
当たった。
フラフラと出てきたのは飛龍。
頭への1発でダウンした。
最初に出てこなかったから
遠距離だと思っていた。
その予想は当たり。
彼女はボウガンを持っていた。
これで辺に警戒することは無い。
すぐに振り向いて突っ込んでくる
霞の拳を掴み後方へ投げる。
その後ろから扶桑が刀で突く。
それを背中越しに避け、背骨を軸に
二の腕とひじの部分でへし折る。*1
バキッ!
刀は粉々になった。
そのまま怯んだ扶桑の鳩尾に拳を打つ。
扶桑は泡を吹き、白目をむいて倒れた。
私はその扶桑を掴んで投げ飛ばす。
そして全力で何もないところに飛ぶ。
そのすぐ後、私が立っていた場所に、
叢雲が槍を地面に刺して立っていた。
自身の艤装であるのもそうだが、
この叢雲は戦い慣れている。
流石に武器がないとキツイ相手だ。
しかし、叢雲だけに集中できない。
霞と川内もいるのだ。
どうにかしないといけない。
だが、迷っている暇はない。
霞と川内は既に接近している。
迷っていればやられる。
私は先に川内を攻撃する。
理由は武器を持っている事。
ナイフは
遠距離からの攻撃を考えて
先に潰す方がいい。
他にも理由はある。
槍と甲手では射程の差が生まれる。
つまり叢雲と霞の連携はないだろう。
それに、川内は叢雲と行動していた。
ペア行動は連携がとれる証拠。
だから、霞の前に川内を潰す。
もちろん予想が外れることも考える。
でも、一番に潰すなら川内。
私は一気に距離を詰める。
川内は下がりながらナイフを投げる。
それは私の顔の横を通る。
ナイフは私の頬に傷をつけて地面に。
私は気にせず接近した。
川内はもう一本のナイフを振り下ろす。
私は振り下ろされる前に腕を掴む。
強く握り、痛みでナイフを落とさせる。
ナイフが落ちたことを確認して
霞の方に川内を投げる。
霞はかろうじて躱す。
しかしバランスを崩す。
川内はそのまま体を強く打つ。
その隙にナイフを叢雲の方に投げ、
牽制してから霞に近づく。
霞は立て直して私に攻撃しに来る。
霞の攻撃は素手だけではなかった。
足技も上手く使っている。
小さい体から伝わる大きな力。
艦娘ならではの力だ。
隊長以上の力が伝わってくる。
それを何とか受け流す。
この間、叢雲に攻撃させないように
霞が邪魔になるように立ちまわる。
そして、ようやく誘い出せた。
「ッ!嘘!」
霞は地面に刺さったナイフに
足を引っかけた。
さっき川内が私に投げたナイフだ。
霞は私の誘導に引っかかった。
そのまま倒れるように私の方へ。
私は霞の両手を掴んで膝蹴りをする。
そして体が浮いた。
私は霞に拳を構えて言う。
「覚えておいて。ここが1番!
拳を叩きこみやすい角度よッ!」
私はそのまま拳を撃ち込んだ。
その衝撃で霞は大きく飛んだ。
しかし、安心している暇はない。
私はすぐにナイフを取って構える。
叢雲は吠えながら襲ってくる。
さっきより力が強くなっている。
しかし、心配する必要はなくなった。
何故なら攻撃が単調になったからだ。
ただただ力任せの攻撃。
だから私は構えを解く。
いつも通りに受け流し、躱す。
もう本気で戦う必要はない。
私は戦いを好まない。
戦わないで済むならそれでいい。
これは前から言っていることだ。
私が戦う時は基本受け。
やり返す時は相手が本気で戦う時。
相手に対して誠意を見せる時。
そして、本気でやれと言われた時。
そうでなければ私はやらない。
だから私は本気で戦った。
飛龍を早々に仕留め、扶桑をダウンさせ
川内と霞を倒した。
後は叢雲だけだったのだが、
叢雲は怒りを溢れさせた。
私が誠意を見せるのは扶桑を倒した後、
冷静に私を攻撃した時の叢雲である。
今の怒りにあふれた叢雲ではない。
だから私は構えを解いた。
いつも通りの受け身に変えた。
それでいいと判断した。
それと私情が少しある。
昔を思い出したのだ。
昨日思い出した楽しい記憶と一緒に
腹立たしい昔のことを。
私の戦闘スタイルの元凶を……。
『クソッ!卑怯だぞ!正々堂々戦え!』
『僕の方が強いんだ!……うわぁ!』
負けてばかりのやつが言ったセリフ。
実力はあるのに怒りで弱くなった男。
私が初めて
それが今の戦闘スタイルに変わった。
そして今、男と叢雲が重なった。
その時を鮮明に思い出した。
ならば、本気を出す必要はない。
神通がどう思っているかは分からない。
でも、私の行動を理解するだろう。
多分、あの人は同じことをする。
正確にはすぐに終わらせる、だけど。
さて、そろそろ終わらせよう。
受け流すのはもう十分だ。
一発殴らないと気が済まない。
後でネ音に癒してもらおう。
攻撃を躱しながらそんなことを考える。
そして、時は来た。
私は片手で槍を掴む。
叢雲は無理やり動かそうとする。
しかし、槍はびくともしない。
何度も無理やり動かそうとする。
他の選択肢もあるというのに。
私はそのまま槍を引っ張る。
叢雲はその勢いで私の方へ。
両手で槍を持ったまま離さない。
それ故に無防備の叢雲。
私は全力で右の頬に
ストレートを叩きこんだ。
勢いよく砂埃を上げながら地面を滑る。
そして動かなくなった。
これで5人倒した。
後は神通だけだ
隠れていると思われる場所に向かって
神通の名前を呼ぶ。
「そろそろ出てきてくれますか?」
一応教官だから丁寧に言う。
すると私の
私はすぐに振り向き、心臓に迫る
刀を白刃取りで止める。
その勢いで踏ん張る足が
地面に直線を描く。
およそ5メートルの直線を描き
その勢いは収まった。
目の前にいたのは神通。
私の予想していた通りの人で
予想外の場所から出てきた。
その目には
怒りの感情が溢れていた。
歌音の戦闘スタイルは子供の時から
平和を望んでから少ししてのこと。
色々とあったんです。
最期の神通教官のことについては
次回明らかになります。
ネ音は……ご想像にお任せします。
第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票
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キューちゃんズ(イ級×4)
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ネ音(ネ級)