私の想いを歌にのせて平和を願う   作:猫神瀬笈

35 / 86
鳳翔さん改二実装おめでとう。

うちの鳳翔さんはまだ84なので
頑張ってレベル上げます……。



第13話 暗躍する影

 

甲の鍛錬を始めて1週間が経った。

 

だいぶこの鍛錬にも慣れてきた。

 

前よりも体力がついたし、

動きも様になっている。

 

この体だからと言う理由もあるが

前世の時よりも動けているのだ。

 

ネ音も数日前から参加している。

 

初日から神通に(しご)かれていた。

 

泣きそうになっていたネ音の顔を

今でもはっきり覚えている。

 

いつもと違う顔をしていたから。

 

何なら初日の夜は抱きつかれた。

 

その時も同じ顔をしていたのだ。

 

今は神通の指示で私が指導している。

 

それでも厳しさは変わらない。

 

それと雪風も甲に来ていた。

 

丙でしっかりと学んだあと、

乙を一日で突破した。

 

乙の突破理由は分かるだろう……。

 

あまりにも幸運過ぎたのだ。

 

しかし、ネ音同様に扱かれていた。

 

雪風は神通の下で鍛錬をしている。

 

そんな日々を送りつつ、

私の本題の情報も得ている。

 

しかし、大本営の動きは未だにない。

 

佐世保に乗り込むための証拠を

中々掴めないでいるようだ。

 

上手く情報を隠されているらしい。

 

私は逸る気持ちを抑える。

 

今は今日の鍛錬に集中する。

 

今回の鍛錬は室内。

 

事前に伝えられた場所に行く。

 

そこはトレーニング施設。

 

様々な器具が置かれていた。

 

そこにいたのは神通。

 

そして、那珂ちゃんだった。

 

「はーい、ちゅうもーく♡」

 

那珂ちゃんが皆の注目を集める。

 

そして鍛錬の説明を始めた。

 

今日やるのは回避の鍛錬。

 

四方の壁の穴から

大中小の玉が飛んでくる。

 

それを避けるのだ。

 

さらに上には機材、

下には穴が4つずつある。

 

空襲と潜水艦からの攻撃も

再現されるらしい。

 

この装置は3つあるため、

3グループに分かれる。

 

撃たれるのはペイント弾。

 

妖精さんの技術で当たらないと

インクが飛び散らない特殊弾。

 

だから怪我をすることは無い。

 

体中がベタベタになるぐらいだ。

 

これを教官の指示があるまで

回避し続けるのだ。

 

大体5分ぐらいだ。

 

目安としてBGMが流れている。

 

リズムは取りやすい。

 

失敗すれば列に戻りやり直し。

 

もちろん交代の時も

回避しなければならない。

 

それに2人目以降は入るときも

弾幕を回避しなければならない。

 

そのため1人目が有利だ。

 

しかし、研修生はそれができない。

 

何故なら最初は教官がするから。

 

まずは那珂ちゃんがお手本を見せる。

 

弾幕の中でリズムよく踊りだす。

 

歌いながら踊っている。

 

それでも一つも被弾しない。

 

一曲終えるとそこから出てくる。

 

もちろんその時も被弾しない。

 

「さあ、みんなもやってみよ~♡」

 

それを合図に鍛錬が始まった。

 

 

 

 

 

研修生を襲う容赦のない弾幕。

 

速度、身長関係なく同じだけの

弾幕が襲ってくる。

 

長くここにいる研修生たちでも

体中をインクで染めていた。

 

それはあの矢矧も例外ではない。

 

矢矧は研修生の中ではトップ。

 

甲以外の鍛錬で好成績を残している。

 

そんな矢矧でも被弾はする。

 

違う列ではあるが、

矢矧の動きを見ていた。

 

最初に慣れるまでと

後半でいくつか被弾していた。

 

だが、研修生としての目標は突破。

 

そのため、この鍛錬は終了となる。

 

研修生の目標は生き残ることと、

被弾を中破以内に抑えることだ。

 

ペイント弾は直5回で轟沈判定、

3回で中破、5回掠りで小破である。

 

矢矧は中破判定でのクリアだった。

 

その後すぐに私が呼ばれた。

 

私の担当教官は那珂ちゃん。

 

私は那珂ちゃんの合図で中に入る。

 

タイミングを見て

当たらないように入る。

 

ここから指示があるまで躱し続ける。

 

流れるBGMに合わせるように

フィンガースナップ*1をする。

 

リズムを取りながら

少しずつ慣らしていく。

 

最初は少し被弾したが、

感覚は掴んできた。

 

次第に最小限の動きで避けていく。

 

この部屋に安地はない。

 

あるのは次弾発射までの

タイムラグと弾道の隙間。

 

音を聞き、予測を立てて動く。

 

ステップ、ジャンプ、スライディング。

 

様々な動きで躱していく。

 

まるでダンスをするかのように。

 

ここまで出来ているのも鍛錬のおかげ。

 

走り込みで体力に余裕ができ、

素振りで体の軸が整っている。

 

それに加え、前世の感覚が戻った。

 

前以上に気配を感じられている。

 

迫ってくる弾の気配を感じる。

 

後半になるにつれて

その感覚が強くなる。

 

耳で感じ、体で感じ、気配で感じる。

 

もう被弾することはない。

 

()()()()()()()()()()()()()()()……。

 

 

 

 

 

しばらくすると気配が無くなった。

 

音もなくなっている。

 

私は不思議に思って動きを止める。

 

すると那珂ちゃんがこっちに来た。

 

私の顔の前で手を振る。

 

「大丈夫?全然反応しなかったけど。」

 

どうやら私は何度も呼ばれたらしい。

 

しかし、集中していて

聞こえなかったのだろう。

 

装置から出るとそこには明石と

神通、ネ音、雪風、川内が待っていた。

 

川内はなぜか正座だった。

 

神通に話を聞くとあれから

1時間も続けていたらしい。

 

那珂ちゃんは止めようとしたが、

川内が面白がっていじったらしい。

 

すると、装置が壊れたそうだ。

 

全然止まらなかったらしい。

 

インク切れまで待とうとしたが、

1日稼働し続けるため強制的に止めた。

 

止めるために壊したそうだ。

 

明石はその修理でここに来た。

 

川内は壊したことで怒られたらしい。

 

明石と神通の2人から。

 

そして2人は私に対して謝罪させた。

 

私は別に気にしてはいない。

 

謝罪は受け取った。

 

それと神通からも謝られた。

 

どうやら最初の強襲と丸太は

川内が原因なのだとか。

 

強襲については今さっき

口を滑らせたらしい。

 

それで私に攻撃したことを

謝罪したかったらしい。

 

これにおいては私も謝罪する。

 

あの研修生たちのことだ。

 

私を見るなり怯えてしまうのだ。

 

ちょっとやり過ぎた。

 

反省は……しなくていいだろう。

 

一応、戦いに出る身なのだから。

 

とりあえず今日の鍛錬は終了。

 

雪風は神通に鍛錬してもらうそうだ。

 

私はネ音と一緒に自室に戻った。

 

今日は音楽室で演奏するのだ。

 

ネ音に音楽を楽しんでもらうために。

 

 

 

 

 

『そうか……』

 

とある部屋の中。

 

現状を話す一つの影。

 

暗い部屋の中で低い声が響く。

 

『元帥が落ちるのも時間の問題だな……

首尾は上手くいっているな?』

 

何かを企んでいるような会話。

 

しかしそれを知る者はいない。

 

「あいつは無理ですが、

もう一人の方なら可能かと……」

 

『ほう、内容を聞こうか……』

 

知っているのは2人だけ。

 

歌音も元帥も、艦娘たちも知らない。

 

『それでいい、しくじるなよ「Y」。

失敗すれば……分かっているな?』

 

「もちろんです…必ず…深海棲艦を…」

 

そこで会話は終わる。

 

暗闇の中の会話。

 

その企みは誰にも気づかれない。

 

そうとは知らない歌音はふと空を見る。

 

綺麗な月は雲に覆われ始めた。

 

光を通さない厚い雲。

 

黒く厚い雲は次第に雨を降らせる。

 

雷を鳴らし、波を荒らす。

 

凄く嫌な予感がする。

 

まるで空が悲しむ(歓喜する)かのように。

 

私は窓を閉めてネ音と音楽室を出る。

 

どこかの部屋にいるそれは窓を見る。

 

雷が光ったとき、目の前の窓には、

ニヒルな顔がしっかりと映った。

 

 

*1
指パッチンのこと




リズムよく躱す歌音さん。
BGMですが、おすすめは
「リズム怪盗Rのテーマ」

リズム怪盗RはいいBGMが多いので
聞いてみてください。

第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票

  • キューちゃんズ(イ級×4)
  • ネ音(ネ級)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。