「それ、こっちにお願い!」
「お~い、こっちも手伝ってくれ~!」
今日は朝から忙しい。
あちらこちらで準備が行われている。
那珂ちゃんも妖精さんたちも
皆が準備を急いでいる。
今日はライブ当日。
開始はお昼からなので
それまでに準備をしているのだ。
ライブをするにあたって
食堂は昼から閉鎖。
ステージ近くに屋台を用意し、
食事を提供してもらう。
艦娘は研修生含め全員自主練。
ただし、海上演習はダメ。
そのため神通達教官も
早いうちに鍛錬を切り上げる。
さらに一部メンバーが警戒のために
昼と夜で分かれて近海を警備する。
基地の方にも
警備を回してくれている。
基地のメンバーは一部を除いて
此方にやってくる。
キューちゃん達や吹雪、
瑞鶴や叢雲もやってくるそうだ。
残るメンバーは食堂のテレビで
此方を見られるようにしている。
その基地のメンバーが来るのが
今日の昼前。
後数時間でこちらにやってくる。
その内にマイク、スピーカー、
ステージのチェックをする。
本番前に何か起きる可能性もあるため、
出来る限りのチェックは必要だ。
今のところ、問題はない。
今のところは、だ。
何が起こるか分からないため、
入念にチェックする。
妖精さんたちも明石と一緒に
時間ギリギリまで準備をする。
私もみんなとプログラムの確認や
準備物の確認などやるべきことをした。
そろそろ本番の時間になる。
今は那珂ちゃんと一緒に
裏方で待機している。
改めてこういう場にいると
緊張してくる。
外の声が良く聞こえるのだ。
ガヤガヤと外の声が大きくなる。
ついさっき船の音も聞こえたため
基地のメンバーもやってきているはず。
考えれば考えるほど緊張してしまう。
今までこんなことなかったのに。
体が小刻みに震えていた。
そんな時、那珂ちゃんが
私の手を両手で包んでくれた。
「大丈夫!私達ならできるよ!」
こういうところは那珂ちゃんの方が
しっかりしている。
流石、アイドルだよ。
おかげで緊張がほぐれた。
『それでは、今日の主役のお二方に
出てきてもらいましょう!』
どうやら呼ばれたようだ。
私は那珂ちゃんと笑顔で頷く。
「さあ、行こう!」
那珂ちゃんに手を引かれて
ステージへと向かう。
みんなに楽しんでもらえるようにと
私達はステージに上がった。
ステージに立つと多くの観客が
私たちを歓迎してくれた。
「みんな~!こんにちは~!」
那珂ちゃんが元気に挨拶をする。
私はその横でみんなに手を振る。
観客席は私達にもしっかりと見える。
基地のみんなが
どこにいるかよく分かった。
……瑞鶴の髪が元に戻っている。
早くない?
まあ、艦娘だからと思うしかないか。
ネ音もそこに混ざっていた。
他には……雪風に卯月もいる。
あの5人も矢矧も見ていた。
元帥も見ている。
これは楽しくしていかないt
「歌音ちゃん!」……?
「ほらほら、みんないるんだから。
アイドルは笑顔だよ(^▽^)」
みんなもこっちを見ていた。
そうだよね、ここでは
吹っ切れてもいいんだもんね。
「みんな~!歌音だよ~!
今日は来てくれてありがとう~!」
その瞬間、みんなは驚いていた。
那珂ちゃんも同様に驚いていた。
それもそうだろう。
私のこんな姿を
見たことがないのだから。
ネ音ですら見たことは無い。
「私は16歳の女の子なんだからね!
見た目で判断しないでよね!」
「それじゃあ、
ミュージックスタート!」
そう宣言してライブが始まった。
トップバッターは私。
まずは私のオリジナル曲メドレー。
曲の歌詞は最初にみんなに渡している。
今まで作ってきた私の歌を
メドレーにして歌う。
主に平和を願った歌。
戦争とかけ離れた生活。
その中で戦争を知ったときに作った曲。
その戦争に対する悲しみ。
戦争を望む人と望まない人、
それぞれが持っている正義。
だからこそ戦争はなくならない。
それでも止めたいと言う私の願い。
それを届けたい。
でも届かなかった。
それを貰った新たな生で届けたい。
今こうして大切な仲間が増えたように
平和を願うことはできるのだから。
そんな思いを込めた歌。
歌いながらみんなの反応を見た。
そこには色々な感情が見えた。
そんな30分以上のメドレーが終わった。
次は那珂ちゃんのメドレー。
那珂ちゃんの持ち歌のメドレーだ。
あの曲はプログラム後半なので
それ以外の3曲を歌う。
聞いたことない子たちは那珂ちゃんの
アイドルらしさを見ることができた。
特に基地の那珂ちゃんは興奮していた。
そのため、暴走しないように
みんなで体を抑えていた。
聞きなれているメンバーは
またこの曲かと思いながら聞いていた。
そんな感じで那珂ちゃんパートも終了。
次は既存曲のメドレー。
みんなが知っているだろう曲、
特に有名になった曲を歌っていく。
昔の曲ももちろん歌う。
「赤いスイートピー」とか、
「川の流れのように」とか。
有名曲以外も歌った。
この年代の曲、
ここの人たちは知っているのかな?
あ、丁度年代だと思う人が泣いている。
流石、有名歌手の歌った曲。
従業員の反応が特にすごい。
艦娘は…一部だけしか反応がなかった。
まあ、仕方ないことだ。
みんなの興味が無くなる前に
次のプログラムへ。
次の内容は「ゲストと歌う」だ。
これはほとんどの人が知らない。
一部艦娘に協力してもらって
歌うことになっているからだ。
歌ってくれるのは川内型、長門
大和、一航戦、五航戦の面々。
開いている時間に頼んでおいたのだ。
私は後ろでピアノ、ギターで伴奏。
ちなみにこれは元帥も知らない。
那珂ちゃんが最初にいれていた
私達だけが知っているサプライズ。
曲名はもちろんあの曲。
「大和桜」「羅針盤の彼方」「二羽鶴」
などの彼女たちの曲。
私の前世で作られた曲であることは
ちゃんと伝えている。
それを聞いて協力してくれたのだ。
私としては生声を聴けるため、
この時間はかなりいい時間になる。
みんなは艦娘が歌うというところと、
それぞれの曲の相性に驚いていた。
歌詞の内容が彼女たちに合っているから
生涯を聞いているような感じになる。
それに歌ってくれたのは
皆にとっての憧れの人が多い。
それも影響して良い感じになっていた。
おかげでみんなが白熱していたよ。
このプログラムはかなり盛り上がった。
かなり盛り上がったところで
周りはだいぶ暗くなっていた。
そこで私たちの休憩を兼ねて
夕食タイムにすることに。
約一時間後に再開することにして、
みんなに休憩するように言う。
移動するみんなを見送りながら
私達もステージを降りる。
私はネ音たちのところへ、
那珂ちゃんは神通達のところへ行く。
久しぶりに基地のメンバーに
会うことができた。
叢雲は立てるようになっていたし、
金剛さん達も楽しそうにしていた。
瑞鶴も元気そうでよかった。
「お姉さま~!」
誰よりも元気なのが一匹いた。
キューちゃんは勢いよく私に抱き着く。
ネ音はそれを無理やり
引き剥がそうとする。
キューちゃんズは……
ネ音の味方をした。
「なんでなんですか!
もっとお姉さまを堪能させて~!」
…みんな元気そうでよかった。
これで基地の事は心配しなくて
よさそ「歌音ちゃん」…う……。
私は固まった。
私を呼ぶ声に反応し、そっちを向くと
笑顔でこちらを見る鳳翔さん。
基地の方の鳳翔さんだ。
その笑顔はとても暗く怖い。
「こちらの私に聞きましたよ。
倒れたんですって?」
……マズイ、これはマズイ。
間違いなく長時間説教。
私の精神が持たなくなる。
とりあえずどうにか逃げなければ。
そう思っていると
後ろから肩を掴まれる。
振り向くとそこには間宮さんと
大本営の鳳翔さん。
私は…詰んだようだ。
「「「さあ、食事をしましょうね。
じっくりと話しながら。」」」
…私の1時間の休憩はこの時間以内に
凝縮された3人の説教に変わった。
ライブは順調。
そして次回第二章最終話
※歌詞は使用してないけど
楽曲名は出しているので
一応コードを出しています。
第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票
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キューちゃんズ(イ級×4)
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ネ音(ネ級)