ようやく最終話です。
鳳翔さん達の説教を受けて
ゲッソリとしてステージの裏に戻る。
那珂ちゃんにはとても心配された。
これに関しては自分が悪いため、
受け入れるしかない。
だから頑張ってこのライブを成功させる。
ちゃんと水を飲んで落ち着いて、
私達はステージに向かった。
かなりの人数が戻ってきたため、
ライブを再開することにした。
だが、戻ってこられていない子が
可愛そうなのでアドリブを入れる。
今からするのは
那珂ちゃんとの
誰かにお題を出してもらい、
私と那珂ちゃんが即興で交互に歌う。
良かったと思う方に手を挙げてもらって
その数が多い方が勝ちと言う遊び。
それを5回続ける。
これが意外と白熱した。
那珂ちゃんの即興が上手かったため、
2対2までいって盛り上がった。
次で勝者が決まる。
そしてお題は…「家族」。
お題を聞いた瞬間、
お互いが目の色を変えた。
大切な家族についての歌。
お互いが家族を大事にしているからこそ
このお題の勝ちは譲れなかった。
お互いが家族の大切さを語り、
今までの生を語る。
互いに譲れないその歌に
会場全体のボルテージが上がった。
全力で歌った私達。
後は会場の判断だけなのだが、
全員、甲乙つけがたく悩んでいた。
そこで元帥が声を上げた。
「いい曲じゃないか!
これは両者勝利よ!」
その声に会場が歓喜する。
私と那珂ちゃんの譲れない戦いは
両者勝利、引き分けに終わった。
私達はお互いに握手して称える。
会場がさらに盛り上がったところで
プログラムは次に進む。
次は那珂ちゃんの歌。
ここで歌うのは完成させたあの歌。
那珂ちゃんの思いがこもった歌。
今までとは違う那珂ちゃんの歌。
那珂ちゃんという存在を
映し出すそんな歌。
そんな歌を歌う那珂ちゃんに、
私からのサプライズを送る。
指を鳴らし、合図する。
すると那珂ちゃんの服が
可愛いアイドルの服になる。
さらに曲に合わせてライトアップされ、
後ろには那珂ちゃんの思い出が映る。
那珂ちゃんがこの世に生まれて
今まで頑張ってきたことの記録。
元帥と神通達が残していた
那珂ちゃんの成長記録。
それが記録された沢山の写真が
後ろに移される。
間奏になって
那珂ちゃんはこれに気づいた。
そして驚いていた。
何故ならこれは元々
那珂ちゃんの案だったからだ、
那珂ちゃんのステージ案にあった
衣装チェンジとライトアップ。
私が無理を言って
妖精さんたちに作ってもらった。
私から那珂ちゃんへの贈り物。
那珂ちゃんはあまりの嬉しさに
涙を流した。
でも、すぐに涙を拭いて笑顔になる。
アイドルとして泣くのではなく
歌いきることを選んだ。
そして那珂ちゃんは
最後まで歌い切った。
「みんな~!ありがとう~!」
その声に応えるように観客席から
大きな歓喜の声が上がった。
那珂ちゃんは皆に手を振りながら
ステージ袖に帰ってくる。
そのまま那珂ちゃんは
元の服装で私に抱き着いた。
大粒の涙を流しながら。
私は那珂ちゃんの頭を撫でながら
しっかり抱きしめる。
ほんのちょっとの時間で
那珂ちゃんを撫でて落ち着かせる。
那珂ちゃんは我慢して涙を拭き、
「頑張ってね」と私を応援してくれた。
泣くのを我慢しながらのその言葉に
私は笑顔で応える。
「うん、頑張ってくるね!」
私は那珂ちゃんと変わって
ステージに上がった。
プログラムは再び私の歌へ。
オリジナルと既存曲を
ミックスしたメドレー。
私のお気に入りの既存曲と
誰かに伝えるために作った曲。
それを混ぜて歌う。
特に私の気に入っている曲は2つ。
必ず私が歌う曲だ。
1つは思いを貫く歌。
たった一つの想いを貫く。
難しいけど約束を守るために。
夢のような現実をこの手で変えられる、
それなら今と言う奇跡を信じる。
そんな歌。
もう一つは味方が欲しかったという歌。
他の人と私は違う。
誰にも分らず、迷いも消えない。
だから、たった一人でいいから、
私の味方が欲しかった。
そんな歌。
私が好きなそんな歌。
みんなに伝えたい歌を歌う。
私の服装と背景は
歌詞に合わせて変化していく。
色とりどりの姿にみんな驚く。
小さい子たちは特に目を輝かせていた。
そこで私は指を鳴らす。
実はもう一つ、
とある仕掛けを頼んでいたのだ。
指パッチンに合わせて観客席が光る。
すると、みんなの服が変化した。
艦娘たち、女性は可愛いドレスに
男性はカッコいいタキシードに。
これがもう一つの仕掛け。
あのマイクの効果の応用。
一定の空間にいるみんなの視覚を
誤魔化すだけの仕掛け。
大きな幻覚作用はないように
明石が何回も実験した代物。
その結果、一部例外はいるが、
みんなの服が変化した。
同じ艦娘でもかなり違ったりする。
そんな雰囲気を作って歌い続けた。
歌い切った。
メドレーを何とか歌い切った。
さあ、後は締めの曲を歌うだけだ。
その前に那珂ちゃんを呼ぶ。
那珂ちゃんは笑顔でやってきて
ステージに上がった。
ステージに上がると衣装が
さっきのアイドルの服に変わる。
役者は揃った。
順調に進んだライブは
ようやく終わりを迎える。
最後は私と那珂ちゃんのデュエット。
歌う曲はみんなが知らない
みんなの知っている曲。
これはいつかの記憶。
初めの海、朝焼け空。
ここに居たことを覚えていてほしい。
必ず還るから。
いつの日か共に歩む。
君こそ、希望なのだと。
彼女たちに対する歌だ。
ここまで彼女たちに合う
歌はないだろう。
この歌を歌い終わると、
会場は大きな拍手に包まれた。
私と那珂ちゃんは笑顔で
みんなに感謝する。
こうしてライブは無事に
成功させることができた。
会場のボルテージは
ライブが終わっても上がったままだ。
みんな、このライブで興奮したようだ。
私と那珂ちゃんはステージを降りる。
終了後の見送りを近くで行った。
那珂ちゃんのところには
大本営の艦娘が集まった。
那珂ちゃんの新曲に心打たれたようだ。
那珂ちゃんはみんなに囲まれて
勢いよく胴上げされていた。
私のところには研修生の子たちと
基地のメンバーが集まった。
卯月と雪風が飛び込んで来て、
キューちゃんやネ音、吹雪も来る。
みんなして私の取り合いが始まる。
そんなみんなの姿もドレス姿。
瑞鶴は何故かタキシードだったけど。
みんな沢山の感想を言ってくれた。
そして那珂ちゃんと同じように
みんなに胴上げをされた。
私と那珂ちゃんは笑顔で見合う。
歌い切った自分たちに送る
最高の笑顔で。
「はぁ、はぁ……」
盛り上がった大本営から
かなり離れた海の上。
一人の少女がフラフラと航行する。
気を抜くと今にでも倒れそうな少女。
しかし、役目を果たすために
ボロボロの身体で頑張って進む。
仲間が作ってくれた希望。
覚悟を決めて作戦を実行してくれた。
その覚悟がこの暗闇の海に
進むべき道を切り開いてくれた。
目指すは一番大きな鎮守府。
どの鎮守府も口を揃えて
いいところだと言うあの大本営へ。
その進むべき道を教えてくれた
ピクリとも動かない妖精さんを抱えて。
少女は静かな海の上を突き進む。
「待っていて…ください……。
朝雲さん……山雲さん……。」
これにて第二章は幕を閉じます。
第一章の倍を書くとは思わなかった。
次回、第三章第1話は年明けから
来年は就職等で忙しくなりますが、
第三章は終わらせるつもりです。
文として、物語として大したことない
作品を見続けてくださり、
ありがとうございました。
168件のお気に入り登録
16,000以上のUAに感激しています。
それでは皆様、良いお年を。
(・ω・)/
第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票
-
キューちゃんズ(イ級×4)
-
ネ音(ネ級)