私の想いを歌にのせて平和を願う   作:猫神瀬笈

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最近実習とか課題が迫ってたから
遅くなったのです。

お待たせしました。


第5話 言霊

 

佐世保に突入し、艦娘たちとの戦闘。

 

私達はかなりの苦戦を強いられていた。

 

艦娘たちを傷つけないように

戦闘をしているからだ。

 

私達を攻撃してくるとは言え

彼女たちは被害者なのだ。

 

傷つけたくはない。

 

猫さんも当たらないように

地面を攻撃していた。

 

しかし、この戦い方はだいぶ辛い。

 

彼女たちとの相性が悪すぎる。

 

普段なら容赦なくするのだが、

この子たちにはあまりしたくない。

 

大人しくしてくれるとありがたいが、

艤装を壊しても生身で向かってくる。

 

何かに怯えるように向かってくる。

 

だからこそ攻撃を躊躇してしまう。

 

猫さんの方も辛そうだ。

 

「やべぇ!エネルギーが切れた!」

 

…辛そうどころかヤバかった。

 

「歌音ちゃん!一回下がれ!」

 

猫さんの指示で私は

一度最初にいた位置に戻る。

 

猫さんもすぐに合流した。

 

しかし、艦娘たちは向かってくる。

 

誰一人倒れていない。

 

意地でも私たちを始末する気だ。

 

もうこうなったらあれを使うしかない。

 

私はマイクを出して起動させる。

 

いつもの3面鏡と艦載機型スピーカー。

 

鏡が割れるとともに歌を始める。

 

 

侵入者じゃない、私ら救世主

君らのdevilを打ち消すsheriff

まとわりついたfakeを払って

届けるわ、素敵なnew days

 

 

飛び散った破片は艦娘たちの方へ。

 

破片はその姿を動物に変える。

 

猫、犬、ウサギ、鳥、蝶々、etc.

 

それが艦娘たちの周りに集まる。

 

寄り添うように。

 

不安を拭い去るように。

 

全てを忘れさせるように。

 

その効果は絶大だった。

 

一部を除いては…

 

「信じない…信じるものか!

命令は絶対だ!」

 

そう言って砲を向ける艦娘。

 

艦娘の中で1番従順な子。

 

そして、夏雲を傷つけた存在。

 

そう、朝潮だ。

 

彼女は私に砲を向けていた。

 

だが、その砲は

あらぬ方向に向いている。

 

そんなものでは私には届かない。

 

そう思っていた。

 

朝潮が背中から

()()()()()()()()…。

 

朝潮が隠し持っていた拳銃。

 

それを見て私は硬直した。

 

隠し持っているとは

思わなかったからだ。

 

その結果、反応が遅れた。

 

直ぐに放たれる弾丸。

 

無理やり体を傾けたが、

右肩に弾を受ける。

 

弾は()()()()()

 

この体ではありえない事だった。

 

その衝撃でマイクが手から離れた。

 

それによりスピーカーも三面鏡も

動物に変わった破片も消える。

 

私は肩を抑えながら倒れる。

 

弾を直に受けたのはこれが初めてだ。

 

あまりの痛さに私は悶絶する。

 

その痛みに我慢できなかった。

 

焼けるような痛みに涙を流す。

 

痛すぎて叫んでしまう。

 

朝潮はその状態の私を狙う。

 

私は痛みに気を取られ、

狙ってくる朝潮に気づかない。

 

そんな私の前に猫さんが寄ってきた。

 

朝潮から守るように。

 

「ちょっとおいたが過ぎるね、朝潮。」

 

そしてマイクを取り出して起動させた。

 

地面から出てくる木がスタンドになる。

 

私の後ろには大きな木がそびえたつ。

 

その木で太陽が隠れ、周辺が暗くなる。

 

その木からいくつもの実が熟し、

スピーカーへと変わる。

 

それを見て朝潮は叫ぶ。

 

「そんなもの私には効かない!」

 

そう言って拳銃を向ける朝潮。

 

だが、猫さんは落ち着いて返答した。

 

「歌じゃダメだろうね。

そもそも俺は歌が下手だ。」

 

そう言いながらマイクに声を通す。

 

「だからこうするんだよ。

『その弾は誰にも当たらない。』」

 

その言葉に対して朝潮は撃つ。

 

しかし、その弾丸は

どこかへ飛んでいった。

 

「っ!どうして!」

 

朝潮は当たらなかったことに驚いた。

 

ちゃんと狙ったのに

当たらなかったからだ。

 

もう一度構えて狙う。

 

「『その弾は詰まったようだ。』」

 

拳銃はカチッと音を立てた。

 

言葉の通り、弾詰まりを起こした。

 

何度も撃とうとする朝潮。

 

だが、その弾が放たれることは無い。

 

猫さんはその内に私の方を向く。

 

「『その痛みは和らぐ。』」

 

その言葉を聞いた私は

不思議な感覚に包まれた。

 

肩の痛みが退いて行ったのだ。

 

何も無かったかのように消えていった。

 

「歌はじゃなくても『言霊』は働く。

明石の説明通りだったよ。」

 

そう言う猫さん。

 

どうやらこのマイクは

言葉を通すだけで効果があるらしい。

 

詳しくは聞かされなかったが、

言葉通りの事が起きるらしい。

 

あまり大きな事は言えないようだが。

 

そう話を聞いていると、

朝潮がこっちに向かってきた。

 

艤装を捨て、拳銃を捨てて

此方に走ってくる。

 

それに気づいた猫さんは

すぐに言葉を紡いだ。

 

「『地面の凹みでこける。』」

 

朝潮はそれを聞いた瞬間に

ジャンプした。

 

どうやら判断力はあるらしい。

 

言葉通りにならないように

回避したようだ。

 

朝潮はこけることなく向かってくる。

 

その朝潮を見ながら猫さんは言った。

 

「『1人の少女の勇気が

この戦いの幕を閉じる。』」

 

私を含めてここにいる人には

分からなかった言葉。

 

その言葉の意味は

朝潮にも理解できていない。

 

そんな朝潮に横から向かってくる

人影が1つ。

 

その人影は勢いをつけて

朝潮の顔を殴り飛ばした。

 

朝潮はそのまま倒れて動かなくなった。

 

殴り飛ばしたのは…夏雲だった。

 

大本営にいるはずの夏雲が

佐世保に戻ってきていた。

 

夏雲は周囲を確認すると

何かを見つけたように走り出す。

 

そこにいるのは朝雲と山雲。

 

夏雲の姉妹たちだ。

 

3人は涙を流しながら抱き合った。

 

周りの艦娘たちは

その光景を見て涙を流す。

 

死んだと思っていた夏雲が

戻ってきたからだ。

 

彼女の帰還に喜んだ。

 

すると突然、放送が流れた。

 

『こちら秋雲、

提督及び憲兵は全員確保した。』

 

秋雲の声が放送で流れた。

 

提督、憲兵の確保。

 

その知らせに艦娘は座り込んだ。

 

みんなが近くにいる者と抱き合い、

涙を流しながら喜んだ。

 

この地獄から解放されたのだと。

 

猫さんはその光景を見て微笑みながら

マイクのスイッチを切った。

 

 

 

 

 

ようやく彼女たちは解放された。

 

しかし、まだやることが残っていた。

 

私は言霊が無くなったことで痛みだした

肩を抑えながら猫さんに尋ねる。

 

「赤城さんは、赤城さんのいる

地下室はどこ?」

 

その言葉に周りの艦娘たちも反応する。

 

彼女たちも場所は知らない。

 

ここに地下室があることすら

知られていない。

 

だからこそ気になるのだろう。

 

「入口は憲兵寮の奥の部屋だ。

赤城だけじゃなく、()()()()、な。」

 

艦娘たちはその声にざわついた。

 

赤城以外の艦娘も

囚われているとは思わなかったからだ。

 

赤城以外がいると聞かされ、

1人の艦娘が近づいてくる。

 

剣の様な艤装を持つ艦娘、

天龍が聞いてくる。

 

「なあ、そこに、龍田はいるのか…

川内達も長門さんも第六駆逐達も…。」

 

震えた声で聞いてくる天龍に

猫さんはハッキリと言った。

 

「川内型と長門は意識があるが、

第六駆逐隊は暁以外ダメだろうな。」

 

猫さんは淡々と語る。

 

地下の地獄のような惨状を。

 

さらに龍田の事も言う。

 

「龍田においてはひどい有様だ。

()()()()()()()()()()()()()()。」

 

その言葉に天龍は膝から崩れ落ちる。

 

ハッキリと言われた妹の惨状。

 

それを聞いた天龍は叫びながら

何回も地面をたたいた。

 

何回も、何回も…。

 

手の皮がめくれるほど繰り返す…。

 

その光景に艦娘たちの顔は暗くなる。

 

提督から解放された佐世保鎮守府。

 

そんな鎮守府の空は

厚い雲に覆われていた。

 

 




久々の投稿+歌でした。

この世界の全員が歌えるとは限らないので
「言霊」として出せるようにしました。
まあ、今後はあまり使わないだろうけど。

これから就職活動やらなんやらで
投稿頻度が落ちるので
その辺はご了承ください。

それでは次回をお楽しみに。

第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票

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