私の想いを歌にのせて平和を願う   作:猫神瀬笈

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少しややこしい話があります


第11話 裏事情

 

私達の前に現れた白髪の青年。

 

私を助けてくれた彼の正体が

明石のヒント分かった。

 

「貴方…もしかして、帽子?」

 

「その通りでございます!」

 

青年は目を輝かせて喜んだ。

 

そう彼はあの帽子の艤装。

 

この体に最初からついていた帽子。

 

それが目の前に青年に変わっている。

 

彼がこの姿なのは何となく分かる。

 

恐らく原因は明石だろう。

 

前にキューちゃんズが人型に

なっていたからおそらくそれだ。

 

しかし、なぜここに来たのだろうか?

 

その理由は明石が説明してくれた。

 

それは私たちがここを開放し、

佐世保提督が連行された日に遡る。

 

 

 

 

 

佐世保提督が大本営に送られてきた日、

私、明石は工廠で検査を行っていた。

 

その検査と言うのが帽子の検査。

 

工廠に置きっぱなしにされた帽子を

検査しようと、ふと思ったのだ。

 

人型にすることで

色々な話を聞けると思ったからだ。

 

まあ、キューちゃんたちのようになって

手伝ってくれればという下心もあって。

 

幸い前線基地の私から情報を貰っていて

装置自体は完成している。

 

だから、帽子を装置に置いて起動する。

 

強い光が辺りを照らし、

大きな音が鳴り響く。

 

そしてそれが止んだ。

 

「…ン、ココハ…。」

 

声が聞こえた。

 

声の主を私は視認する。

 

そこにいたのは白髪の青年。

 

特殊な柄の黒フードのパーカー。

 

赤目、片側ゴーグル、

触手という謎の存在。

 

その青年は私に気づく。

 

「アナタ…、ンンッ、貴方は

明石さん、ですね。」

 

私はとても驚いた。

 

言葉を話すだけでなく、

私の事を名前で呼んだからだ。

 

「大丈夫ですよ、貴方の事は

歌音様を通して見ていたので。」

 

それについて詳しく聞いた。

 

どうやら彼は歌音さんと

視点を共有できるらしいのだ。

 

今までも工廠に居ながら

見てきたそうだ。

 

辛いことも楽しいことも全部。

 

そんな彼だからだろう。

 

深海棲艦について知っていることを

私に教えてくれた。

 

まず深海棲艦はイロハ級、姫級、深海化

の3つに分類されること。

 

イロハ級は成長する分類で

駆逐イ級から様々な形に成長する。

 

人の言葉は話せず、イ級以外は

自然に発生しないそうだ。

 

姫級はイロハと違い

「姫」として生まれる。

 

変化することは無い代わりに

生まれたてでも強い。

 

そして人の言葉を話せる

1番人に近い存在。

 

そして深海化。

 

艦娘が轟沈し、沈んだ際に

深海棲艦に形を変える。

 

練度の高さ、憎悪の強さ

によってその姿を変える。

 

強さによっては姫級になるらしい。

 

今回の加賀さんの場合はヲ級。

 

原因は練度の低さと憎悪の弱さ。

 

憎悪よりも仲間たちへの心配が

大きかったからだろうとのことだ。

 

このように分類される深海棲艦だが。

共通していることがある。

 

それは、艦娘は敵であるという認識

障害の排除、人間の抹殺という目的。

 

それを基に行動しているそうだ。

 

彼の場合は生まれが特殊なため、

そういうものはないらしい。

 

次に勢力。

 

勢力については

よく分かってはいないそうだ。

 

最初に得られる情報の中には

用意されていないらしい。

 

だが、無限に近いのではとのことだ。

 

イ級から成長するということは

どこかにそれが生まれる理由がある。

 

だが、それがどこにあるかは

分からないためどうしようもない。

 

最後に、彼の存在について聞いた。

 

彼自身がどういう立場、存在なのか

純粋に気になったからだ。

 

「まず、空母ヲ級と言う

存在から話しましょう。」

 

そう言って説明してくれた。

 

ヲ級はイ級から軽空母ヌ級へ成長して

そこからさらに成長した姿である。

 

視野が広く、人の形になったことで

今までにできない動きができる。

 

イロハ級の最終形態、らしい。

 

そんなヲ級だが、他の深海棲艦と

違う特徴を持っているそうだ。

 

それは艤装がヲ級の艤装ではなく、

()()()()()()()()()()()()()()

 

空母ヲ級とはヲ級と軽空母ヌ級、

2隻で1つの存在だという。

 

しかも分離が可能というおまけ付き。

 

その説明に私は驚いた。

 

これは私以外にも驚くだろう。

 

ヲ級の艤装はヌ級そのものだと言われて

驚かない方がおかしい。

 

しかし、彼の存在が

これではっきりとした。

 

彼は軽空母ヌ級である。

 

まさかそんな存在だったとは

思いもしなかった。

 

しかし、これは大きな発見だ。

 

早く元帥に伝えるべきだろう。

 

そう思ったが、彼に止められた。

 

実は少し違うと。

 

どういうことかと言うと、

これは彼の生まれに関係している。

 

空母ヲ級の艤装が軽空母ヌ級と言うのは

あくまでもイロハ級の話なのだ。

 

だが、彼は深海化加賀(ヲ級)の

艤装として生まれてきた存在だ。

 

つまり2隻で1つであるヲ級になるには

加賀+何かでないと成立しないのだ。

 

この何かが彼になるのだが。

 

では彼は一体何者なのだろうか。

 

「そうですね、私は艦娘とは

深い縁の有る存在ですよ。」

 

彼はそう言った。

 

私たち艦娘と深い縁がある。

 

そんな存在は1つしかない。

 

艦娘の傍にいつも一緒にいる存在。

 

私が良く世話になっている存在。

 

そう、「妖精さん」だ。

 

「正解です、さすが明石さん。

正確には深海化した、ですけどね。」

 

そういって彼は説明の続きをする。

 

どうやら深海化は艦娘が轟沈した時、

艤装に宿る妖精も取り込まれるそうだ。

 

そして、その妖精がヌ級の代わりとなる

「何か」として存在しているらしい。

 

本来なら深海化した影響で

私達と敵対関係になる。

 

しかし、歌音さんが混じって生まれ、

イレギュラーが生じた。

 

その結果、彼は私たちに敵対しない

ヌ級のような何かとなった。

 

まとめると

・深海棲艦は3つに分類

・深海化した場合練度と憎悪に依存

・人間の抹殺が目的であり

 その邪魔をする艦娘は敵

・勢力はよく分からない

 (生まれる理由がある?)

・空母ヲ級の艤装は軽空母ヌ級

・彼はヌ級(深海妖精)

 

以上の情報をまとめた私は、

彼をつれて元帥へ報告。

 

この情報に元帥は驚きつつも

すぐに大和に回した。

 

いち早く動けるようにしたのだろう。

 

一通り話して今日は解散。

 

明日は彼に鎮守府を案内しよう。

 

そう思っていたが、その日に事件が起こった。

 

それは予定通りに彼に大本営の中を

案内していた時のことだ。

 

遠くから怒鳴り声が聞こえ、

声のする方を向く。

 

するとこちらに走って

向かってくる男がいた。

 

その男は連行されて

尋問されていた佐世保提督。

 

職員を振り払い、走ってくる。

 

すると彼が走り出し、

全力で顔を殴った。

 

綺麗な放物線を描くように

飛んでいく佐世保提督。

 

そのまま地面に倒れると、

彼は馬乗りになって再び殴る。

 

「オマエハ…」

 

顔はよく見えなかったが、

力を緩めずに全力で殴っていた。

 

その後は何とか周りの艦娘が拘束し、

彼は営倉に送られた。

 

佐世保提督は今までの事を自白し、

佐世保に実態と裏のつながりが表出た。

 

この知らせを受けた元帥は明石に彼を

佐世保に連れていくように命令。

 

そして今日、海路を通り

今に至るということだ。

 

 

 

 

 

この話を聞いた一同は

よく分からなくなっていた。

 

歌音が本来なら敵である

深海棲艦だということ。

 

その深海棲艦が自分たちのために

身を削ってくれていること。

 

本当に信用していいのかということ。

 

様々な思いが巡り、葛藤している。

 

その話を聞いて

最初に声を上げたのは天龍だった。

 

「俺はあんたたちを信じるぜ。

あんたたちが何者だろうと、な。」

 

そう言ってこちらに近づき、

私に向かって手を出した。

 

私もそれに応えるように

手を出して握手する。

 

みんなも自分の答えを見つけたようで、

笑顔になっていた…のだろう。

 

私はその顔を見ることができなかった。

 

何故なら視界がぼやけたからだ。

 

天龍の顔がぼやけはじめ、

疲労感が一気に襲ってきた。

 

あたまがふらふらしt、

あし、ちからはいらない

 

「歌音様!」

 

 




青年の正体は帽子であり、
深海化した妖精さん(ヌ級)でした。

ヲ級は(本体+ヌ級)なので
二つの魂があるとでも思ってください。



歌音が生まれた時は以下のように

青年→ヌ級(帽子)
加賀→本体
  ↑歌音の魂の割り込み

第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票

  • キューちゃんズ(イ級×4)
  • ネ音(ネ級)
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