私の想いを歌にのせて平和を願う   作:猫神瀬笈

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お久しぶりです。

就活とかモチベの低下などで
筆がのらなかったので
遅くなりました。




第14話 目覚めの赤

 

赤城さんが目覚めた翌日の朝。

 

私は海岸沿いに来ていた。

 

しばらく目にしていなかった

早朝の海の姿。

 

歌うわけではなく、

ただ海を、水平線を眺める。

 

そして聞くのだ。

 

鳥の声を、波の音を、

木々が揺れる音を。

 

天気が良いためか、波は穏やかで、

心地の良い音を鳴らしている。

 

こうやってたまに自然の音を聞く。

 

理由は気持ちを落ち着かせるため。

 

赤城さんが目を覚ましたから、

嬉しくて気分が高揚しているのだ。

 

私だけの気分ではない。

 

心の奥底から気分が高揚している。

 

彼女も気分が高揚している。

 

だからこそ、落ち着かせる。

 

そうやって時間を過ごしていると、

いつの間にかヌ―スが傍にいた。

 

「歌音様、そろそろお時間です。」

 

その彼の言葉に私は頷き、

建物の方へ足を向けた。

 

 

 

 

 

全員が起き始める時間、

私は彼女の部屋の前にいる。

 

ノックをして中に入ると、

体を起こしている彼女と目が合った。

 

彼女は私の突然の訪問に目を丸くした。

 

そんな彼女の傍に行き、

事情を説明する。

 

私が大本営の職員(嘘)で

人に慣れてもらうために来たこと。

 

今日から赤城さんの世話をすること。

 

これからのこの鎮守府の動きの事を。

 

そう言うと彼女はさらに目を丸くした。

 

まあ、これが普通の反応だろう。

 

しばらく眠っていて、

起きたら色々と変わっているのだから。

 

もっと詳しい話は猫さんから聞くか

実際に見た方が早い。

 

だから彼女を執務室に

連れていくことにした。

 

そのためにヌ―スを呼ぶ。

 

すると車椅子を持った

スーツ姿のヌ―スが現れた。

 

ドアは開いていないのに、

突然私の横に出てきた。

 

突然現れたため、

赤城さんは声を出して驚いていた。

 

私は慣れた。

 

私は説明し忘れていた

ヌ―スのことを伝える。

 

明石の実験で人の姿をしたヌ級

(ヲ級帽子)ということ。

 

今は私の傍付きではあるが、

赤城さんの世話もすること。

 

何かあればすぐに来てくれること。

 

ここの艦娘たちが認識している事も。

 

彼女は何となく理解したようだ。

 

詳しい説明は、また後でするため、

赤城さんを車椅子に乗せる。

 

抵抗されることは無かったので

スムーズに乗せることができた。

 

こうして私達は執務室に向かった。

 

生々しい体の傷を

ブランケットで隠してから。

 

 

 

 

 

執務室に到着した私たちは、

部屋の中に入る。

 

部屋では、書類作業をしている

猫さんと霧島、メイド服の響。

 

響は、2人に飲み物を出していた。

 

響は此方に気づくと、

此方に近づいてきた。

 

「いらっしゃい。

今、2人とも取り込み中だから、

そこの椅子でゆっくりしていてほしい。

飲み物、淹れてくるね。」

 

そういい、執務室の

隣の部屋に入っていった。

 

私達は響に言われたように、

椅子に座って待つ。

 

まあ、座ったのは私だけだ。

 

赤城さんは車椅子だし、

ヌ―スは赤城さんの

斜め後ろで待機している。

 

いつでも守れるようにしているのだ。

 

しばらくして、響が戻ってきた。

 

コップは4つ。

 

緑茶が3つ、

オレンジジュースが1つ、

 

このオレンジジュースは響のだろう。

 

そう思っていると、

響はそのコップを取り、

椅子に腰かけてから飲む。

 

とてもおいしそうに飲むその姿は、

普通の子供と変わらない。

 

私はその姿を見ながら、お茶を啜り、

猫さん達の用事が終わるのを待った。

 

数十分ほどして、

猫さん達が席を立った。

 

ようやく作業が終わったのだろう。

 

霧島からは疲れが見える。

 

そのまま霧島は部屋を出ていき、

猫さんは私たちのところに来た。

 

「すまない、前任の残し物が多くてね。

今ので7割といったところだ。」

 

そう言いながら、椅子に座る猫さん。

 

響の出した、冷めている飲み物を、

一気に飲み干し、赤城を見る。

 

「さて、赤城には今の鎮守府の状況を

ちゃんと話しておこうか。

分からないことが多いだろうから。」

 

それから、赤城さんに対して、

今の鎮守府の状況が説明された。

 

今のところ順調に鎮守府は

いい方向に変わっている事。

 

赤城が雪風に話してくれたおかげで、

ここを救うことができたこと。

 

艦娘たちは自分たちの意志で

特訓や立て直しをしている事。

 

響、雷、電、龍田の4人は

艤装は使えなくなってしまったが、

ここの一員として生活していること。

 

後に、この鎮守府に艦娘の職員や

憲兵を配置する予定だということ。

 

など、私も知らないことを

赤城さんに伝えていく。

 

「——と、いったところかな。

後は、自分の目で見てほしい。」

 

猫さんの話が終わると、タイミングよく

ドアを誰かがノックする。

 

猫さんがどうぞと言うと

扉が開いた。

 

すると、雷と電、龍田の3人が

書類を持って入ってきた。

 

「司令官、霧島さんの代わりに

私達が書類を持ってきたわ。」

 

雷は顔が隠れる量の書類を

持ってきて机に置く。

 

「私達もお手伝いなn、はにゃー!」

 

電は何もないところで躓く。

 

体はヌ―スが支えたことで、

怪我をすることは無かったが、

手に持っていた書類は床に散らかった。

 

電は謝りながら書類を拾う。

 

龍田はその様子を見て、

「あらあら」とほほ笑み、書類を拾う。

 

私達も一緒に書類を拾った。

 

ふと、赤城さんの様子を見る。

 

私達の様子を見ていた赤城さんは、

微笑んでいた。

 

彼女の笑顔を見たのは初めてだ。

 

「あ、赤城さんが笑ってる。」

 

雷がそう言うと赤城さんは困惑した。

 

「え?私、笑っていたの?」

 

どうやら無意識に笑っていたようだ。

 

「うう~、赤城さんに

笑われてしまったのです~。」

 

「えっと、そんなつもりじゃ。」

 

恥ずかしくて顔を隠す電。

 

それを見て慌てる赤城さん。

 

それを分かっていながら

からかう雷。

 

それを見て微笑む私達。

 

いつの間にか執務室には

笑顔が広がっていた。

 

 

 

 

 

「うう~、恥ずかしい。」

 

そう言い顔を隠す赤城さんを

食堂に連れていく私達。

 

あの後、慌てふためいた赤城さん。

 

その姿に私たちは笑ってしまった。

 

そのため、真っ赤にした顔を

手で隠してしまった。

 

いつまでも執務室にいると

迷惑をかけてしまうため、

私達は食堂へ向かう。

 

昼になるにはまだ時間がある。

 

食堂では間宮が食事を作っていた。

 

とてもいい匂いにお腹がすいてくる。

 

朝食は赤城さんに会う前に食べたが、

それでもお腹がすく、良い匂いだ。

 

そう思っていると——

 

ぐうぅぅぅぅぅぅううう

 

——私はすぐに下に目線を向けた。

 

今のは、明らかに…

 

「あ、あの…あかぎs『言わないで!』

いや、今のh『忘れて!』」

 

赤城さんは、再び顔を隠した。

 

その様子を見ていた間宮は、

ニコニコしながらやってきた。

 

「可愛らしい音でしたよ。

余り物ですけど、どうぞ。」

 

そう言って、差し出したのは

3つのおにぎり。

 

綺麗な形をしているおにぎりで

内2つには海苔が巻かれていた。

 

赤城さんはそれに目を光らせる。

 

そして再び——

 

「ぐうぅぅぅぅぅぅううう」

 

——大きなおなかの音を鳴らした。

 

余りのいい匂いに

耐えられなかった赤城さん。

 

すぐにおにぎりを掴むと

勢いよく食べ始めた。

 

とても美味しかったのだろう。

 

さっきまでの顔が嘘のように、

執務室で見せた笑顔以上の

笑みを見せていた。

 

その笑顔を見て、

私も間宮も笑顔になる。

 

間宮は涙を流していた。

 

それぐらい赤城さんの笑顔を

見られたことが嬉しいのだろう。

 

私はこの光景を見て、安心している。

 

この光景を見ているから。

 

赤城さんの笑顔を見ているから。

 

そう言う理由もあるが、

もう1つ理由がある。

 

それはここに来た時のみんなと

同じ反応を見せなかったことだ。

 

敵対、疑い、憎悪など、

様々な感情を向けられる。

 

私はそう思っていたのだが、

赤城さんからはそれが無かった。

 

だから、とても安心しているのだ。

 

そんな赤城さんを見ながら、

私は次に何をするかを考える。

 

そして、赤城さんに声をかけ、

次の目的地へと向かった。

 

 

 




改めまして
投稿が遅れて申し訳ありません。

現在、艦これを開くことが億劫な状態で
小説を書くモチベも下がっております。

今後の小説執筆も
時間がかかると思いますが
気長にお待ちいただけると幸いです。

私の作品を楽しみにされている皆さん
今後とも、よろしくお願いいたします。

第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票

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  • ネ音(ネ級)
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