私の想いを歌にのせて平和を願う   作:猫神瀬笈

67 / 86
学校で書くと集中できるから
早く続きが書ける


第15話 幸せのひと時

 

赤城さんを連れて、

私たちは外に出た。

 

外では艦娘たちが演習をしていた。

 

艦種別で、艦隊で。

 

様々な形で演習をしていた。

 

指導をしているのは、

呉鎮守府から来た睦月型の6人と、

大本営の特殊部隊の面々。

 

彼女たちの指導による演習は、

普通の鎮守府であれば地獄だ。

 

呉鎮守府の面々の指導については

どれぐらい厳しいか分からない。

 

しかし、大本営の指導は

身に染みて理解している。

 

だから地獄だと分かっている。

 

それをこの鎮守府、

復帰して1週間ほどであれば尚の事。

 

そしてそれは、目の前に見えている。

 

神通教官による指導。

 

内容は他の特殊部隊の艦娘が

引いてしまうほど。

 

私は「変わらないな~」と

その光景を見ていた。

 

ヌ―スは教官の動きを見て

何度も相槌を打っていた。

 

何回か「なるほど」や「そう動くのか」

などの言葉が聞こえてきた。

 

赤城さんは顔を引きつっていた。

 

多分、私も同じ反応をするだろう。

 

そんな地獄から目を逸らすと、

平和な空間があった。

 

それは駆逐達による航行演習。

 

呉鎮守府の睦月、如月を中心に

陣形や航行時の注意点などを

実戦形式で教えていた。

 

残りの睦月型は深海棲艦の

絵が描かれたパネルを持っていた。

 

イ級からヲ級までの深海棲艦の姿が

描かれている等身大のパネル。

 

その数や艦種の違いで陣形を変えていた。

 

通常は単縦陣や複縦陣、

ヌ級、ヲ級がいれば輪形陣と変わる。

 

たまに陣形が崩れて話し合い、

確認し合ってもう一度挑戦。

 

そうやって演習を繰り返していた。

 

教官の地獄とは対極な演習。

 

そんな演習をしている姿を、

時間を忘れて見続けていた。

 

 

 

 

 

時は過ぎ、お昼時。

 

鍛錬は一時的に終了し、

みんなが食堂に集まる。

 

駆逐達は元気いっぱいに、

教官の指導を受けた艦娘は

ボロボロの姿で食堂に入る。

 

多くの艦娘がお通夜状態で

机に突っ伏していた。

 

そんな食堂に

赤城さんを連れて入った私達。

 

開いている席を探し、

そこに赤城さんを運ぶ。

 

席まで運んで、私は間宮に

今日のメニューを聞く。

 

今日はみんなでうどんにするそうだ。

 

私は赤城さんのところに戻り、

間宮が作り終えるのを待つことに。

 

待っていると、駆逐達が集まってきた。

 

昨日は目覚めてすぐだったから、

そこまで話せていない。

 

空母たちがメインで話していたから、

赤城さんと話したかったのだろう。

 

何人かは我慢できずに、

泣いたり抱きついたりしていた。

 

食堂全体に響く声で泣く姿を

戦艦や巡洋艦たちは見守っていた。

 

空母たちは、もらい泣きをしており、

色々と我慢していた。

 

駆逐達の中には雪風の姿もあった。

 

雪風も泣く、と思っていたのだが、

赤城さんの方が泣いていた。

 

赤城さんには説明の時に、

雪風の話をしているため、

何があったのかを知っている。

 

だから赤城さんは、

雪風に感謝と謝罪をした。

 

鎮守府を救ってくれたこと、

辛いことをさせてしまったこと。

 

そして、無事でいてくれたこと。

 

赤城さんは、雪風を抱きしめながら

ひたすら謝罪と感謝をした。

 

雪風も腕を背中に回し、

赤城さんを抱きしめた。

 

お互いに涙を流しながら

抱き合う姿を私達は見守る。

 

赤城さんの託した希望が

光を持って戻ってきた。

 

それ故に見ることができた、

この光景を私たちは見続ける。

 

そしてまた、時間を忘れるのだ。

 

いつまでもこの光景を

見ていたいから。

 

そう思ってみていると——

 

「——皆さん、

そろそろ料理を取りに来てください。

早くしないと、お預けにしますよ。」

 

間宮がそう言うと、教官も——

 

「——13:30までに来なければ

罰としてメニューが増えますので、

遅れないように。」

 

そう言って教官は、空になった食器を

間宮に渡して食堂を後にした。

 

その姿を見送った後、

みんな我に戻った。

 

赤城と雪風も、抱き合うのを止めた。

 

今の時間は13:18

残り12分しかない。

 

そのため、みんな急いで

料理を取りに向かう。

 

素早く、綺麗に列を作り、

料理を受け取り、席に着く。

 

その行動力に驚くしかない。

 

私も列に並び、赤城さんの分を貰い、

席に着いて3人で食べる。

 

彼女たちは味わう暇はないが、

私達はゆっくりと味わって食べる。

 

赤城さんは一口目をゆっくり味わうと、

顔を緩めながら満足していた。

 

一口、また一口と口に運んでいく。

 

その手が止まることは無く、

私が半分食べるぐらいの時には

既に器の中は空になっていた。

 

そして、私と空の器を交互に見る。

 

赤城さんが言いたいことを

私はすぐに理解した。

 

それはヌ―スも同じだった。

 

 

ヌ―スは一度、箸を置き、

間宮のところに向かう。

 

お盆を持って戻ってくると、

赤城さんの前にそれを出す。

 

お盆の上には新たなうどん。

 

「間宮様からの伝言です。

食べられるだけお代わりしてください。

とのことです。」

 

ヌ―スは伝言すると、

席に着いて食事を続ける。

 

赤城さんは伝言を聞くと

うどんを口に運ぶ。

 

私とヌ―スが食べ終えるまで

赤城さんはお代わりを続けた。

 

時間にして30分、回数は12回。

 

お腹をさすりながら満足していた。

 

もし、これでまだ入ると言われたら、

私はどんな顔をしていたのだろう。

 

そんな事を考えながら、

少しゆっくりして、食堂を後にした。

 

 

 

 

 

ゆっくりと散歩をしながら

私達は工廠に向かった。

 

工廠では呉鎮守府の明石による

勉強会が開かれていた。

 

ここの明石だけでなく

妖精たちも勉強していた。

 

疑問に思ったこと、考案、

お互いの目線での考えなど。

 

今は使えなくなってしまった

響たちの艤装で勉強している。

 

私達はこの話に

ついていくことはできない。

 

訳の分からない単語が

沢山飛び交うからだ。

 

だから大人しくしている。

 

何人かは整備をしており、

ヌ―スは会話していた。

 

前みたいに色々と話しているようだ。

 

その光景を赤城さんは

不思議そうに見ていた。

 

ヌ―スの事は伝えているが、

話すところを初めて見るから

そんな反応をしたのだろう。

 

赤城さんはずっと、

その様子を見ていた。

 

それは妖精さんたちや私が

赤城さんの名前を呼んでも、

体を揺らしても気づかないほど

集中してその様子を見ていた。

 

その後も工廠から出るまで

明石の勉強会や妖精さんを

見ることはなかった。

 

ずっと上の空、

もしくはヌ―スの方を見ている。

 

夕食の時間も、お風呂の時間も。

 

呼ばれても気づかない。

 

明日になれば戻るだろう。

 

私はそう考えた。

 

もう寝る時間のため、赤城さんが

寝れるように準備をする。

 

部屋にあるタンスから赤城さんの

着替えを準備して用意する。

 

赤城さんを布団に寝かせ、

寝顔を見届け、私も眠りについた。

 

 

 

 

 

そして、数日の時が経った。

 

 




第16話も早いうちに
(早ければ今日中に)
出る予定です。


第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票

  • キューちゃんズ(イ級×4)
  • ネ音(ネ級)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。