色々な事情+やる気の問題で
ようやく完成しました。
此処から呉編スタートです。
第1話 いつかの温もり
……此処はどこ?
目の前には1本の大きな桜の木、
辺り一面の花畑、白い背景。
私を呼ぶ誰かの声。
「お姉さまー!」
キューちゃんの声…。
「歌音様―!」
ヌ―スの声…。
「歌音お姉ちゃーん!」
ネ音の声……。
「「「「「キューーーー!」」」」」
キューちゃんズの声…。
前より増えている。
「「「「豁碁浹縺輔?繧難シ」」」」
……達の声…。
あれ……今のは、誰?
なんで、皆は遠くにいるの?
「…………ま!」
何か、おかしい?
私が……おかしい?
「………音様!」
私は………腕が白い?
『うたね……。』
白、白。白?白!白⁈
「起きてください、歌音様!」
……ッ!今のは、夢?
「
何か悪い夢でも?」
…大丈夫、みんながいたから大丈夫。
それより、此処はどこ?
「ここは車の中でございます。
先ほど、呉に入りましたよ。」
そうだった。
確か急に呉鎮に行くって言われて、
しばらく生活するって言っていたっけ?
それにしても呉か。
前世では一度も来たことが無かったな。
夏に行事として平和記念資料館に行くって
先生と色々と話したんだけど…。
すぐにあれがあったから…。
これを機に、頼んでみようかな。
何か、頭が痛い。
多分寝すぎたからだろう。
痛い体を何とか起こす。
外は街と車の光で輝いていた。
懐かしく感じるこの光景。
その光景は次第に少なくなっていき、
ちょっと暗くなって、また明るくなる。
そして、車が止まった。
「さて、鎮守府に到着したぞ。」
「…あいつら、どこに行ったのです?」
「この時間なら…ああ、暇すぎて
チャンバラしてるんじゃあないか。」
「どこで?」
「広場。」
「行ってくるのです。」
電が何かを持って、
車を飛び出て行った。
数十秒後に、
2人ぐらいの悲鳴が上がった。
私は車の外に出る。
いつもより寒く感じた。
猫さんは車を動かすため、
私達は先に目の前の建物に向かう。
だが、体がぐらついた。
すぐにヌ―スが抱えてくれたため、
地面との衝突は避けられた。
だが、体が思ったように動かない。
いつもより重たく、熱っぽい。
「歌音様ッ!大丈夫ですか⁈」
ヌ―スが呼びかけてくれるが、
私は返事ができない。
それぐらい、頭が痛い。
ズキズキするし、ヌ―スの声が響く。
お願いだから、声量を下げて…。
「どうしたの⁈
大変!顔が真っ赤じゃない!」
誰かがやってきて、
私のおでこに手を当てる。
「ひどい熱。急いでついてきて!」
聞き覚えがある女性の声。
でも、何も考えられない。
だんだん、気持ち悪くもなってきた。
からだもふわふわすr…
「ッ!う……、…ぐ……れて………。」
ごめんね、ぬーす…。
こえも、よく、きこえない…。
身体がまだふわふわする。
そんな私の頭を誰かが撫でる。
その手は温かくて、不器用で…。
懐かしさを感じる。
お兄ちゃんみたい…。
そういえば、私が小さい頃は、
お兄ちゃんが看病してくれたっけ?
料理なんてできないのに、
無理して作ってくれたね。
友達を作るのが苦手だったから
誰にも聞かずに料理本片手に。
お粥じゃなくて、
お粥みたいなカレーを。
カレーは飲み物って言葉が
現実になるとは思わなかったけど。
しかも、病気に勝てるようにって、
お総菜屋さんで買ったカツを入れてさ。
懐かしいな……。
また、食べたいな……。
お兄ちゃんのカレーを…。
チュンチュン
雀が鳴いている。
もう朝なのだろう。
体の熱と気怠さは、
かなり抜けていた。
右手を見ると点滴が付いていた。
気分が良いのはこれのお陰だろう。
左を見ると、
ヌ―スが椅子に座っていた。
何故か、執事服で。
左手で本を読み、右手は…私の頭。
無意識にずっと撫でていた。
温かく感じたのは、この手なのだろう。
私は右手をその手の上に重ねた。
「ん、お目覚めですか、歌音様。
御機嫌は如何でしょうか?」
本を閉じて、私の方を向くヌ―ス。
その顔は穏やかで、
安心している様な顔だった。
とりあえず、気分はいい。
流石に寝すぎて身体が重たい。
後、「ぐぅう~」…お腹すいた。
「11:10ですからね。
昨日の夜から食事されていませんので。」
ああ、それならお腹が空くはずだよね。
いい匂いも漂ってきたから。
とりあえず食堂に…。
え?呼び出しボタンがある?
それじゃあ、押すか。
ポチっとな……スパン!
「ようやく目覚めましたね!
さあ、早速検査おッフ!」
「起きていきなり迷惑かけるな、馬鹿。
体調は、昨日よりは良さそうですね。」
いきなり現れた明石と
拳骨を食らわせた電が来た。
可愛らしい白のワンピースを着ている。
「さあ、食堂に来るのです。
食事の用意はできているのです。」
電は明石を引きずって行った。
私はその後に続こうとしたが、
足に力が入らなくて倒れかけた。
ヌ―スが支えてくれたおかげで、
地面とのキスは免れた。
ヌ―スは少しだけ考えると、
私を抱きかかえた。
また、お姫様抱っこされた。
今度は点滴と一緒に。
食堂に付くといい匂いに包まれた。
香ばしく、食欲をそそるカレーの匂い。
私のお腹は、匂いにすぐ反応した。
しかも、ヌ―スがキッチンに
一番近いところに連れてきた。
お陰で私のお腹は限界だ。
「おはよう、元気になったようね。」
そう言うのは足柄。
この鎮守府に初めて来た時に見た、
唯一の妙高型で重巡だ。
その手には
美味しそうなものが乗っていた。
「お腹が空いているでしょ?
足柄特製のカツカレーを召し上がれ!」
出てきたのはカツカレー。
勝ちに拘る足柄ならではの料理だ。
私はスプーンを貰い、すぐに口に運んだ。
少し辛いが、食欲が湧いてくる。
昨日の夜から何も食べていない分、
私の胃が欲していた。
まるで赤城さんになったかのよう。
美味しくて手が止まらない。
お代わりも何回したか分からない。
多分まだ食べられる。
しかし、皆に止められた。
それだけ食べていたようだ。
でも、満足できたから良しとしよう。
食後に出されたお茶を飲みながら、
落ち着いた時間を過ごした。
食堂に合いそうな曲を考えて
ハミングをしながらゆったりと。
小一時間ほどゆったりした後、
私は執務室に来た。
ヌ―スは明石に呼ばれたから
私一人で。
食事をしたからか、
1人で歩けるし、点滴もいらなくなった。
執務室に来たのは、
猫さんから話があると言われたからだ。
執務室に入ると、
猫さんに「しー」と言われた。
静かに入ると、その理由が分かった。
ソファで夕立とユリちゃんが
抱き合って寝ていたからだ。
夕立は涎を垂らしながら、
ユリちゃんは嬉しそうにしながら。
起こさないように、静かに移動して、
提督の椅子に座っている猫さんと話す。
話しというのは、これからの事。
休暇命令とはいえ、
何をするかを決めていない。
そこで、猫さんと電が
色々な場所に連れて行ってくれるそうだ。
艦娘たちも一緒に行くらしい。
護衛の意味もあるが、
彼女たちのガス抜きも兼ねているそうだ。
私は、その前に検査があるそうで
明日の朝から検査する予定だ。
結果次第では、
明後日からは自由に行動できるらしい。
明日には元気になっているだろう。
せっかくの休暇を楽しませてもらう。
そう思いながら、私は部屋を後にした。
この後、お腹を下したことで
しっかり怒られたのは言うまでもない…。
さびしい、くらい、こわい
あっち、あかるい?
うた?きこえる?たのしい?
うたって、わたしに、うたって
たのしい、うれしい、うた
うたね、うたって
これから忙しくなるので
更新は遅れ…るはず?
時間があれば書いていく予定です。
一応、話の中の補足
ユリちゃんはレ級です。
呉に来た時に一度会ってます。
第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票
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キューちゃんズ(イ級×4)
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ネ音(ネ級)