あけましておめでとうございます。
自分のやる気のなさ、
モチベ低下、
卒論、就職先の課題etc.
色々あって
遅くなりました。
それではどうぞ。
*ヌースの立ち絵を本文頭に
挿絵として置いておきました。
朝から執務室に呼ばれた私は、
少し機嫌が悪い。
何故かと言うと、昨日のSNS?
に流れていたという私の写真。
写ること自体は別に気にしていない。
お父さんの付き添いで
撮られたことは何度かあるから。
イラついたのは
写真を見た人の反応。
可愛いとか綺麗とかの反応は
素直に嬉しい。
しかし、場所を特定している人や
個人を調べようとする人は嫌いだ。
冗談でも変な事を言う人は特に…。
「歌音様、提督殿。
失礼いたします。」
確認していたらヌースがやってきた。
片手には
高そうなカメラを持っていた。
「どうだった、予想通りか?」
「ええ、門前に人影あり。
建物の屋上にも確認しました。」
どうやら猫さんが先に
確認してくれていたようだ。
ヌースが見てくれていたようで
覗いている奴らはすぐに捕まるだろう。
しかし、街をぶらついていれば、
これからもっと増えることだろう。
今日の観光はお預けになりそうだ。
せっかく楽しみにしていたのだが、
呉市内の観光は…。
バキッ!
「歌音様!怒りをお収めください。」
…自分でも理解できていなかった。
気づけば机の端を
握力だけで壊していたようだ。
いくら人の体とはいえ、
普通の人とは違うところがある。
我を忘れれば、
ヲ級が出てくるのだろう。
彼女の魂ではなく、体として。
私もまだまだ子供だと、
そう言われている気がする。
自分には分からないほど、
内心はワクワクしていたのだ。
子供と言われても反論できない。
しかし、問題は
今日をどのようにして過ごすかだ。
間違いなく、
ヲ級も楽しみにしているだろう。
予定が変更されて
鎮守府で一日過ごすとなると…。
大泣きされる未来が見える。
どうにかならないかと思っていると、
猫さんが悪い顔をし始めた。
禄でもないのだろうと思っていたら、
ドラム缶の中に放り込まれた。
…本当にろくでもない考えだった。
今だけはあの人の顔を殴っても
罰は当たらないだろう。
見つからないように
船の積み荷として送るなどと。
しかも、
行先は何も伝えられていない。
幸いにもヌースがドラム缶を
抑えてくれたため、船酔いは無い。
長い間、ドラム缶という狭い空間で、
パニック中のヲ級の泣き声を聞く。
起きてすぐにドラム缶の中なら、
暗くて怖くて大泣きするだろう。
その声が頭の中で響くのだ。
頭に拡声器向けられて、
子供の泣き声を聞くようなものだ。
ハッキリ言うと死ぬかと思った。
出されたときの私の顔は、
ヌースが驚くほどだったらしい。
しばらく鏡は見たくない。
それで、どこに着いたかというと、
目の前にいる鹿ですぐに分かった。
ここは宮島だ。
寒い時期ではあるが、人が多い。
深海棲艦からの被害があるはずだが、
外国人観光客の数も少なくない。
「それでは行きましょうか。」
ぶん殴りたい人は鎮守府でお留守番。
そのため、今日は呉の赤城さんに
案内してもらうことになった。
お堅いイメージだったが、
以外とオシャレさんだった。
私は昨日みたいにならないため、
子供の冬服みたいにされている。
白パーカーの上にモコモコジャンパー、
下はジーンズのハーフに黒タイツ。
正直に言おう、足が寒い。
ヲ級の体なら寒くないが、
人前でその姿になるわけにはいかない。
ヌースには黒髪のウィッグと
黒のモコモコジャンパーで変装。
傍から見れば夫婦と子供に見える。
これで大丈夫と
私達は観光を続けた。
まず向かったのは海沿いではなく、
店の並ぶ通り。
何となく察してはいた。
店員さんも赤城さんを見た瞬間、
血相を抱えて騒いでいた。
此処の通りの店は
作る場所が見えるため分かりやすい。
大急ぎで専用の箱や
袋が用意されている姿も見える。
赤城さんは、やってきた店員さんに
一言伝えて次の店へ向かう。
「いつものお願いしますね。
お釣りはいらないので。」
店員さんは
万札の束を渡されて戸惑っていた。
そりゃ驚くだろう。
そんなお客さん、普通は来ないから。
さらに驚くのは、
ここの通りには同じ店があるのだ。
今、私達は揚げもみじというものを
片手に食べ歩いている。
これを売っている店がまだあった。
しかも、そこでも大金を渡し、
自分用にいくつも買う。
いろんな味があるのだが、
この人、全て網羅するつもりだ。
食べ歩きで一日が終わりそう。
お土産は中で大慌てしている中
用意されていた箱や袋らしい。
帰りにまとめて回収するそうなので、
私達は、幾らかお金をもらい観光する。
まあ、行くとすれば神社だろう。
という事で厳島神社へ。
今は丁度、潮が引いている最中で、
もう少しで鳥居まで行けるそうだ。
そのため、中を見ながら
時間を潰すことにした。
中にある説明を見ながら、
どこで何をしていたのかを知る。
海の上にあることにも
それ故の特殊な形状にも驚いた。
そして何よりも、
不思議な光景を目にした。
それは立ち入り禁止区域で
飛び回る妖精さんたち。
艦娘を付喪神と考えるなら、
神に近いものがあるのだろうか。
しかし、
ここにいる理由がよく分からない。
悩んでいると、
視界に妖精さんたちが写った。
人が寄らず、
妖精さんたちが集まる不思議な空間。
そこに足を運ぶと、
妖精さんたちと目が合った。
嬉しそうにわちゃわちゃしていて、
何かを伝えたいようだった。
だが、何を言いたいのか分からない。
ヌースも首を横に振る。
若や呉の妖精さんと話はしているため、
妖精さんと話せないわけではない。
この子たちが特別なのだろうか?
「お嬢さん、お兄さん。
少し、よろしいでしょうか?」
後ろから声を掛けられた。
そこにいるのは白髪の老婆で
杖を突き、体は少し震えている。
そんな老婆の周りに、
妖精さんたちが集まりだした。
体の震えは止まり、姿勢もよくなる。
「ふふっ、ありがとうお前たち。」
この人、妖精さんたちが見えている。
霊感が強い?
「海軍の方。いや、少し違いますね。
お嬢さんの方は、特に歪で…。」
この子の魂も分かるの?
「この子たちが教えてくれるんですよ。
あなた方に悪意が無いことも…。」
「元関係者、
というわけでもないのですか?」
「ええ、見え始めは数年ほど前から。
此処に足を運び始めてからです。」
老婆によると、
軍港では見ることは無かったらしい。
此処に居る妖精たちは
最初から見えているのだとか。
「これは、あくまでも私の考えですが、
平穏を求めているのではないかと。」
平穏?
「昔からこの島は
神として信仰されてきました。」
島が、神…。
「この地を傷つけてはならない。
それほど神聖な場所なのです。
突如現れた深海棲艦も、
此処だけは狙いませんでした」
「なるほど。狙われないなら、
此処に居れば戦う必要がないと。」
「はい。この子たちは退役兵。
彼女たちと共に戦うことは…。」
何となくだが、理解できた。
彼らとは、生きる世界が違うのだ。
艦娘と共に戦う妖精さんと
此処で平穏な暮らしをする妖精さん。
この違いが見えるか見えないかの
違いとなるのだろう。
私の場合は、戦いたくない私と、
深海棲艦のヲ級がいる。
歪で、どちらでもない
中途半端な状態が会話を成立させる。
これが、答えだろう。
「なるほど。
貴方の事が分かった気がします。」
老婆も納得した答えを
得られた、のだろうか。
そこはよく分からなかった。
まあ、いい顔をしているから
大丈夫だと思う。
ところで、今何時?
「ああ、今は」
「今は丁度、鳥居まで行けますよ。」
あ、大食いさんが帰ってきた。
大量のもみじ饅頭と飲み物を抱えて。
ここって飲食禁止じゃなかったっけ?
そんな事を言ったら、
手に持ったものが一瞬で消えた。
…『手品かよ!』と突っ込むべきか?
私は憐れむ顔で見たよ。
食い終わった赤城さんから話を聞くと
どうやら鹿と戦っていたのだとか。
鹿より食い意地の張る人って。
ごめん赤城、貴方とは違うのに
印象がひどくなっちゃう。
心の中でそう思いながら、
観光を楽しんだ。
邪な目を気にすることなく、
楽しい一日を過ごせた。
「それで、この写真か。」
「はい、楽しかったですよ。」
「あいつは元気だったか?」
「ええ、とっても。」
現像した写真には、老婆とともに
皆で撮った記念が重なっていた。
鳥居、水族館、ロープウェイ、冬景色。
家族写真のような楽しそうな写真。
その内の一枚を手に取って、
猫提督と赤城はにっこりと笑う。
歌音と老婆が
鹿と映る謎の2ショット。
その老婆に重なるように
薄っすらと、別の人影が写る。
その人物は恥ずかしそうな笑顔で、
扇子で顔を隠していた。
最後はとある方が出ましたね。
まあ、出番はもうないだろうけど。
というわけで、
今回は厳島神社。
年末に向かいましたが、
楽しく過ごせました。
ドクターフィッシュに
群がられたのは良い思い出。
揚げもみじも美味しかったので
おススメです。
次回はあの子が出るかも?
気長にお待ちください。
第2章で同行するメンバー(残りのメンバーは基地でお留守番)最終投票
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キューちゃんズ(イ級×4)
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ネ音(ネ級)