We are The Super STAR!** 作:A×K(アツシくん)
時は過ぎていっても、スクールアイドルという文化は不滅です。
この作品はどんな未来が待っているのか。
温かく、見守ってください。
それでは、スタートします。
─────春。
季節も変われば、景色も変わる。
それは風景だけではなくて、自分の周りも例外ではない。
新しい出会いと別れの季節。
新たなスタートの季節なんかでもある。
……なんて、のんびり考えられたらどれだけ良かったことか…。
???「起っきろ~!♪」
(…なんでウチはこんなにも朝から騒がしいんだろう)
布団を剥がされ、身を包ませながらそんなことを考えていた。
いや、この明るさが母さんの良さなんだけど…。
「…眠いよ、母さん」
???「ホントそう言う所、悠くんにそっくりだよね~」
悠くん……ウチの父さんの名前だ。
こんな姿で自己紹介するのも悪いが
俺の名前は、冴木 命(さえき めい)。
そして、今言った父さんの名前が、冴木 悠。
…で、今起こしに来た母さんの名前が…。
悠「曜ちゃん、シャツどこ?」
曜「ここだよーっ、バッチリアイロンかけてあるよ~!♪」
冴木 曜。
旧姓は渡辺曜……元スクールアイドルの……Aqours?というグループのメンバーだったらしい。
現役時代は、それはそれは人気のグループで父さんはそのグループのリーダーをやっていたそうだ。
「…仲がいいね、相変わらず」
悠「そうか?」
そう言って父さんは部屋着を脱ぐ。
見慣れた光景だが…そこには何本もの根のような血管のような跡が付いていた。
これは俺が生まれて数年後に聞いた話なんだが、父さんは一度雷に打たれて生死の境をさまよった…らしい。
しかし、天文学的数値の奇跡により…生き返ったと言う。
有名スクールアイドルのリーダーということもあってか、一躍時の人となっていた。
悠「…なに、じーっと見てんだ?」
「いや、逞しいなって」
悠「お前も人の事言えないだろ?」
「俺は、その…」
中学まで、ずっと野球をやっていた…確かに、体には自信がある。
父さんと母さん的には、俺は好きなことをして欲しいという願いがある。
自分たちは、スクールアイドルに専念していたから…だろうか。
悠「それに、また野球漬けの日々が始まるんだろ?」
「いけね、そうだった!」
曜「もう、待ってるんじゃないかな?」
「ないな、寝坊助だし」
悠「高校が変わっても起こしに行ってあげるなんて優しいな」
「同い年なのに、そそっかしくて見てらんないだけ、行ってきます!」
バタバタと身支度をし、家を出た。
曜「いやぁ、私たちの高校時代を思い出すね」
悠「だな…って言っても、俺とは正反対だけどな」
曜「そう?悠くんも充分行動派だったけど」
悠「そうかぁ?」
曜「そうだって…………十数年前だって…」
【十数年前……】
千歌「うっ、うえぇ……!!」
梨子「千歌ちゃん、泣きすぎ……」
千歌「嬉し、泣きが……止まらないよぉ…!
曜ちゃん、ドレス、えぐっ、似合ってる、よお……!」
梨子「なんか、親戚のおじさんみたい……」
千歌「悠くーん……!幸せにし続けるんだよぉ……!!」
果南「出来ちゃったからの結婚って悠らしいけどね」
ダイヤ「まっっっっっったく……話を聞いた時は気を失いそうになりましたわ…」
善子「なんでも、めちゃくちゃ土下座して死ぬ気で働いて何とか許しをもらったらしいわよ」
花丸「そりゃそうずら……」
聖良「……ですが、あの悠さんが結婚とは…」
ルビィ「まだ実感湧かないね…」
鞠莉「リーダーはいつもやることがぶっ飛んでるわね~」
曜「……ってさ?」
悠「うぐ、辞めてくれ……掘り返さないでくれ、未だに千歌から来るんだから……」
曜「あはは、電話取って慌てる悠くん面白いけどね♪」
窓から自分の息子が歩く姿を見て2人は笑い合った。
「……何を笑いあってるんだろ?」
息子はそれを見て不思議そうに思うのだった。
───────────────────────
【???】
「おはようございます」
???「あら、おはよう…と、言いたいところなんだけど…まだあの子着替えてるのよ、ごめんなさいね」
「あぁ、いえ…ゆっくり待たせてもらいます」
そう言って、俺は椅子に腰かけた。
???「いつものでいいかしら?」
「すいません、いつも朝早くから」
???「ふふっ、朝一番の常連さんだから大丈夫よ♪」
そう言って差し出されたのは、コーヒーだった。
ウチの隣は喫茶店で、俺はいつもそこでコーヒーを飲んでから学校に向かう。
???「お姉ちゃーん!冴木さん来てるよー!」
???「う、うわああぁ!待って待って!いつも早いよ~っ!」
バタバタとしてる辺りは高校生になっても変わらなさそうだ。
「…ったく、俺はいつも通りだぞ、かのん」
かのん?「うっさいなー、もう!」
澁谷母「ごめんなさいね、あの子いつも通りで…」
「どこか安心しますけどね」
コーヒーを飲み終わり、代金を置く。
澁谷母「毎日毎日…大丈夫なのに」
「いえ、さすがにお客として来てる以上蔑ろにはしたくありませんので」
澁谷母「良い子よねぇ、かのん貰ってくれないかしら?」
「もう少し、素直だったら…」
かのん「よ・け・い・な・こ・と・い・う・な!」
少し怒り気味に、かのんは俺の耳を引っ張った。
オレンジ色の髪をした、幼馴染の澁谷かのん。
俺と同じく今日から高校生になる女の子だ。
かれこれ幼少期からの付き合いだが…関係は良くも悪くも……と言ったところだ。
……と言うか、俺の失言やらなんやらが原因ではあるんだが。
「いてて、じゃあ行ってきます」
かのん「行ってくるよ、まんまる」
目を閉じてたフクロウがハッと、目を開いた。
多分、俺の事を哀れんでるだろう。
あぁ、そうそう……余談だが……。
あともう1人、幼馴染はいる…まぁ、紹介は後でいいだろう。
────────────────────────
かのん「もう、恥ずかしいこと言わないでよね!」
「俺は何も言ってないんだが…」
かのん「…それより、制服…似合ってるじゃん」
「…そっちもな」
と、言いたかったが…言われた本人はあまりいい気はしないようだ。
その辺の事情は、また今度話すとして…。
「…それより、高校生になっても使ってくれてるんだな、そのヘッドホン」
かのん「わ、悪いっ!?///」
「いや、嬉しいよ単純に」
ずっと貯めてた貯金を、俺はかのんの高校進学のお祝いとして使った。
かのん「…でも、せっかく貰ったのに…私…」
「それ以上は言うなよ、約束したろ?」
かのん「…うん…」
「…んで、今日から通う高校…なんて名前だっけ?」
かのん「結ヶ丘女子高等学校だよ」
「女子高かぁ…」
かのん(本当は、命くんと同じ高校が良かった…って、言えないけどね)
「と、言ってもウチの高校とそんな離れてないけどな」
かのん「そっちはほぼ男子の高校だもんね」
「ま、大体の女子生徒はそっちに行くもんな」
かのん「でも、命くん野球にしか興味無さそうだもんね」
「まぁな」
…あれ、なんでこいつ今苦笑いしたんだ?
「それよりも、この先で分かれ道だからさ、いつものアレやってくれよ」
かのん「えぇ、でも…」
「かのん、頼む!」
かのん「…うぅ、しょうがないなぁ…」
ヘッドホンをして、静かに歌い始めるかのん。
───元々、かのんは音楽科希望だった。
その話を聞いた上で俺はヘッドホンをプレゼントしたという経緯だ。
しかし、入学テストの際…緊張からか、かのんは歌えなかった。
いや、歌えなくなっていたのは…それ以前の話…のようだ。
音楽科に落ち、普通科になった時は
せっかくプレゼントしてもらったのに、裏切ってしまったと
俺の元へ来て何度も涙を流していた。
かのん「…っ…と……ちょっと、歌い終わったんだけど…」
「え?あぁ、悪い悪い、聞き惚れていた」
かのん「調子いいんだから…」
「でも、かのんの歌が好きなのは事実だけどな?」
かのん「はいはい、どーも…んで、高校生になっても夜はいつも通りするんでしょ?」
「もちろん、する予定だが?」
かのん「じゃ、終わった連絡するから」
「初日からポカするなよー」
かのん「余計なお世話っ!」
べーっと、舌を出して高校に向かったかのん。
「…アイツも、もう少し可愛げがあればなぁ」
地獄耳だからこれ以上言うのはやめておこう。
同級生「あっ、かのんちゃん!おはよう!」
かのん「おはようっ、わぁ~っ!音楽科の制服、可愛い~!♪」
同級生「か、かのんちゃんも普通科の制服似合ってるよ!」
かのん「あ、あははっ、そうかなぁ~…っ?」
同級生「そ、それよりも!さっき一緒にいた人は…彼氏、さん?」
かのん「はっ!?!?」
同級生「いや、すっごく仲良く話してたから…
隣町の高校の人、だよね?」
かのん「ないないない!!!完っ全に無いから!!!
アイツは腐れ縁でタダのなんも無い幼馴染だから!!!」
同級生「そ、そっか~…???」
かのん(…うぅ、なんで私こんなに必死に否定してるんだろ…)
????「ファ~~… 戀愛的預感(恋の予感)…!
スバラシイコエノヒト…スバラシイアオハル…!♪」
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