We are The Super STAR!**   作:A×K(アツシくん)

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気持ちは4thへ…。


13-3話

【かのんの家】

 

かのん「……………」

Liellaメンバーが一同集まっていたが…その表情は重く

喫茶店の中の雰囲気は、はっきり言って最悪だった。

 

すみれ「…だ、黙っててもしょうがないわっ、乾杯しましょ?」

思い切ってすみれが声を上げたが、賛同する人は居なかった。

 

千砂都「……」

きな子「………ぁ…………うっ…」

1年生達も、戸惑った様子で辺りを見渡していた。

 

四季「…明日、病院、行こう」

ポツリと、四季が呟いた。

 

メイ「…そう、だな…アタシらに出来る事は…それしか無いもんな」

夏美「…かのん先輩、それで…良い、ですの?」

かのん「………うん」

 

 

 

視線を落とし、グラスに目をやるかのん。

沈痛な面持ちのまま…年が明けた。

 

 

 

【次の日の明け方】

かのん「ごめん…みんな…病院の前に行きたいところがあるなんて言い出して…」

可可「大丈夫デスっ…それに、可可も何だか、ここに来たかったデス…から…」

 

Liellaのメンバーがやってきたのは…すみれの神社だった。

恋「初詣…こんな気持ちで迎えるなんて…」

千砂都「…でも、今は藁にも縋りたい…もんね…」

かのん「………」

 

もちろん、願うことなんて、決まっている。

かのん(今年は…命くんと、元気に…ずっと…ずっとずっと一緒に…居れますように…お願い、します…)

千砂都(命を…大事な仲間を…救ってください…)

 

すみれ(Liellaがまた…10人で仲良く活動出来ますように…)

恋(命さんが、目を覚まします…ように…)

可可(メーさんの為に、ラブライブで優勝できますように…)

 

きな子(先輩の声…また、聞けますように…)

メイ(絶対また…アイツがあの場所に帰って来れますように…)

四季(無病息災…健康成就…)

夏美(バディにとって…今年は良い年でありますように…っ)

 

かのん「…………じゃあ、戻って支度したら…行こっ、か…」

その言葉に、皆は頷いた。

 

 

 

─────────────────────

 

 

【病室】

 

かのん「おはよ…命くん」

病室に入ると、呼吸器を付けた命が居た。

 

かのん「………………」

すみれ「………っ…あ、あーっ…そう言えば、命のお父様からお話があるって言われてたっけ~…っ?

い、行くわよっ、恋、可可、きな子、メイ、四季、夏美っ」

 

恋「えっ、あ、あのっ…ちょっと…っ!」

可可「すみれ~…っ!?」

きな子「びょ、病院は静かにっすよ~…っ!」

メイ「…行くか、四季?」

四季「…ん」

夏美「やれやれですの…」

 

かのんの千砂都を除くLiellaメンバーは病室を後にした。

 

かのん「…みんな…」

千砂都「気…遣わせちゃったね」

 

かのん「………………」

千砂都「私も、少し席を外すね?…言いたい事とか、命に喋ってあげて」

クスッと笑った千砂都…そのまま病室を後にした。

 

 

かのん「…命くん…」

普段と変わらない顔に少し安堵するかのん。

しかし、心電図モニターの音がそれを現実に戻してしまう。

 

かのん「………絶対、起きて…よね…」

手に触れようとするかのん…しかし、その手は震えていて

なかなか命の手に触れる事が出来なかった。

 

かのん「……あのね、命くん…私たち…次はラブライブの決勝…

私たちが夢見てた…決勝のステージ、だよ…」

かのん「…でも、マルガレーテちゃんの様子も…気になっちゃって…」

 

脳裏に思い出すのは…東京大会後のマルガレーテの一言。

ウィーン【私はこの結果を認めないっ!!!】

 

かのん「あの後ね、色々騒ぎになっちゃって…」

あの態度と発言は瞬く間に全国に広まってしまった。

それと同時に、Liellaの身に起こった出来事を心配する声も上がっていた。

 

かのん「……どうしたら、いいんだろうね…」

かのん「…こんな時、命くんだったら…どう、するんだろう…」

 

 

 

 

 

…………………

 

【待合室】

 

恋「良かったのですか、私たちはここに居て…」

すみれ「そりゃ心配よ…でも、あそこはかのんが居るべきよ

…それに、かのんのあんな顔見てたら…こっちまで心が苦しくなるわ」

 

可可「かのんにとって…メーさんは何よりも大切な人デス…から…」

きな子「でも、こんな出来事が何回もなんて…現実は…残酷過ぎるっす…」

 

メイ「…で、でもよ!アイツの事だから…きっと、何ともない顔でまた目を覚ましてくれるはずだ!」

四季「…ん、メイと同意見」

夏美「…ですが、バディの居ないラブライブの決勝なんて…」

千砂都「…違うよ」

 

恋「ち、千砂都さんっ…!」

すみれ「千砂都も席を外してきたの…?」

 

千砂都「うん…きっと、かのんちゃんと命が2人で話をした方が…良いと思ったから」

きな子「千砂都先輩…違うって…何が違うんすか…?」

千砂都「今度はね、私達が命に恩返しをする番…だよ

命が居たからここまで来れた…その感謝の気持ちを精一杯伝えるんだよ

…そうすれば、きっと命にも届く…から…」

 

可可「千砂都…」

メイ「…歌は想い…だもんな」

四季「心に届く歌声…私も届けたい」

夏美「…みんな、気持ちは同じ、ですの」

きな子「下を向くのは…これっきりにするっす!」

恋「そうですね…今出来る事を、精一杯しましょう!」

 

 

 

 

……………………………

 

 

 

 

かのん「………んっ……あ、れっ…私…」

 

気がつくと、命の寝ているベットにもたれかかって眠ってしまったかのん。

かのん「…やっぱり…命くんの傍が落ち着くんだな…」

千砂都「お話、終わった?」

 

かのん「あっ…ちーちゃん…」

千砂都「今日の面会時間、お昼までだから…そろそろ帰ろ?」

かのん「…うん、分かった…」

 

とは言うものの…中々体は動かない。

離れたくない…まだ一緒に居たい

もっと命の顔を見ていたい…。

 

かのん「……また、来るよ…」

最後に命の手を触れようとしたかのん。

しかし、その手に触れる事は出来なかった。

 

千砂都「…かのんちゃんっ」

引こうとした手を千砂都が掴んで、命の手に添えた。

 

千砂都「…どう?」

かのん「命くんの…温もり…感じる…」

千砂都「きっとかのんちゃんの温かさも伝わってるよ」

かのん「…う、んっ……」

 

千砂都の肩を借りて…泣きじゃくるかのんだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【???】

 

 

(………はぁっ……はぁ…っ…)

 

 

─────体が…重い…。

────────真っ暗な世界を…引きずるようにただただ歩いてく。

 

 

(……あ、ぐぁっ…っ!!)

嗚咽と共に、手を見ると…その手は震えていて、自分の手では無いようだった。

 

(……俺…ダメなのかな…)

片膝をつき、脳裏に嫌な考えがよぎる。

 

(俺…は…っ…)

弱々しく…再び歩みを進める。

行き着く果ても分からない暗い世界を…………。




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