We are The Super STAR!**   作:A×K(アツシくん)

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お待たせしました。


16話

─────未来の音が聴こえる。

 

 

それは、1人の少年が感じた光。

大事に大事に胸に取っておいたメロディを

センターに立つ君が歌を重ねて響かせる。

 

どこまでも、未来に続く歌。

 

 

 

曜「凄い……これが、Liellaの…歌……。」

悠「……見てるか、命…かのんちゃん達……こんなに輝いてるぞ。」

 

テレビに映るは…手を繋ぎ、センターに堂々と立つLiella!9人の姿が映し出されていた。

 

 

 

【ステージ上】

 

 

 

かのん「……届いた、よね……命くんに。」

鳴り止まない歓声の中、息を切らしながら……かのんが呟いた。

 

かのん「……命くん……これが……これが、私たちLiella!だよ……っ!!」

涙を流し、胸を押さえるかのん。

限界だった気持ちを押し殺すことはもう出来なかった。

 

かのん「命くんに、見せたかった……こんなに、凄くて楽しくて…最高の景色を…………っ!」

 

 

 

すみれ「……かのん。」

きな子「かのん先輩……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「…命…」

その思いは、曜も悠も同じだった。

手を取り、願うように目を閉じた。

 

曜「……目、覚ましてよ……命…。」

悠「……曜ちゃん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………………かの…………ん……。」

曜「………………っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───聞き間違いじゃなかった。

小さく、風前の灯火だったが、確かに聞こえた。

久しく聞いてない、命の声。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「……命……っ……命っ!!」

聞き返すように、顔を見る曜。

 

「……………………」

薄く目を開け、辺りを見る命。

 

悠「曜ちゃん、ナースコール!」

曜「……う、うん……っ……!」

「…………未来の……音……確かに……聴こえ……」

 

 

 

 

 

ぼんやりとした表情で、テレビを見る命。

駆け足でナースと医師が病室に訪れる直前だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……っ……う、ぶっ…!!

突然、命が口から血を吐いた。

真っ白だった病室のベッドが赤く染まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「……ぁ……命……っ……?」

突然の出来事に、曜も狼狽えていた。

すぐさま医師が容態を確認し、曜と悠は押し出されるように病室の外に出た。

 

 

曜「……そん、な……命が……命が…っ!」

悠「大丈夫だ、曜!……あいつは絶対……っ。」

緊急の措置が取られ、命は再び意識が遠のいていった。

 

 

 

 

 

 

………………………………………………。

 

【次の日】

 

かのん「はぁっ、はぁっ……!!」

ラブライブ決勝が終わった日の夜…悠からかのん宛に連絡が入った。

1人で病院に来て欲しい、その一文だけだったが

かのんは何かを感じ取ったのか、全速力で病院へ向かっていた。

 

 

かのん「ゆ、悠さん……っ!!」

悠「かのんちゃん、来てくれたか」

曜「……………………」

 

かのん「あ、あの、それで……っ!」

悠「まずは……ラブライブ優勝、おめでとう。」

そう、あの日Liella!は……決勝を戦い……優勝した。

しかし、かのんにとってはもうそんな事は頭にもなく……。

 

かのん「命くんは……っ!!」

悠「……昨日、一度目を覚ました……けど」

曜「また……意識を失っちゃった…」

 

かのん「……っ……命くん!」

曜は中に入ろうとするかのんを止めようとした……しかし、その手を悠が押さえた。

 

悠「……ここまで来て、会うなって言う方が難しいよ

それに……言いたいことだってあると思う。」

曜「……うん……そう、だね。」

 

 

 

中に入ると、あの日と同じように命が眠っていた。

かのん「……命、くん……。」

しかし、かのんはすぐに違和感に気づいた。

口元に赤い血の後があったからだ

 

 

かのん「……そんな、命くん……。」

よく見れば、以前よりも体が細くなっているようにも見える

震える手で何とか命の手を掴むかのん。

 

かのん「……ねぇ、私たち……優勝したよ……っ?

命くんが作ってくれた…歌で……決勝の舞台に立って…優勝したんだよ……?

一緒に喜びたいよ……おめでとうって……言って欲しいよ……っ……!」

ボロボロと涙を流しながら、うなだれるかのん。

 

 

かのん「みんな、心配してるんだよ……早く、目を覚ましてよ……っ。」

届かない願いなのは分かっている、だが……一度言い出した言葉は簡単に止めることは出来なかった。

 

かのん「……あの時みたいに……抱きしめて……頭を撫でてよ……命くん…っ。」

「………………………………………………。」

 

 

しかし、返事が帰ってくることはなかった。

曜「かのんちゃん……もう……。」

悠「……………………。」

かのん「……ごめんなさい、私……帰りますね……。」

涙を拭い、病院を後にしようとした時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………待っ…………て………かの…………」

かのん「──────────っ!」

怖くて振り返ることが出来なかった。

自分は幻覚を見てるのかもしれない、空耳を聞いたのかもしれない。

でも、名前を呼びたい…顔を見たい……そんな感情がかのんの中でぐちゃぐちゃと蠢いていた。

 

 

 

 

 

 

 

「…………かの……………………ん……。」

かのん「……ぁ……命………………くん…………?」

再び込み上げた涙と共に、振り返ると……そこには……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………会いた……かった…………よ……。」

弱々しくも、かのんを呼ぶ命の姿だった。

その光景に、曜は口を押え……悠は医師を呼びに走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かのん「命……くん…………ぁ……あぁ…命くん……っ!!!!!」

衰弱した体を刺激しないように……それでも精一杯体に触れるかのん。

「…………大きい…よ……声……。」

かのん「だって……だってぇ……っ!!」

「……はぁ……っ……はぁっ……しんどい……体中痛い……。」

かのん「うん……うん……っ……!」

 

 

 

 

 

 

 

「でも……何とか…戻って、これた……。」

かのん「……心配したんだよ………っ……バカっ……バカぁっ!」

「……ごめん……な。」

かのんの頬に手を添えて……涙を拭く命。

「……でも……かのんの……歌声……ちゃん、と……聞こえた……から……。」

かのん「……っ……!」

「……それのおかげで……目を覚ませた……から……。」

 

 

しばらくすると、医師が再びやってきた。

話を聞くに、意識が戻るのは奇跡的なくらいだったらしい。

 

かのん「……みんなに……みんなに伝えなきゃ……っ!!」

曜「かのんちゃん……!」

悠「そうしてあげよう……心配してるのは、かのんちゃんだけじゃないから」

 

 

 

 

 

 

「……父さん……母さん…………ごめ……ん、俺……。」

大きく肩で呼吸をしながら謝る命。

それを聞いて、首を横に振りながら曜は答えた。

 

 

 

 

 

曜「……目を覚ましてくれて……本当に、良かった……っ……!」

悠「……よく頑張ったな、命。」

「……不思議な……世界を見たんだ……真っ暗な所に…1人だけ…自分だけ居て…誰かが……呼んで……あぁ、ダメなのかなって……思って……。」

 

 

 

 

自分が意識を失ってる時に起こったことを、訥々と語る命。

「……よく分からない人に……会って……。」

悠「……よく、分からない人……?」

「─────''宮之原 峻''って……言ってた………」

悠「…………!!!!!」

曜「……悠くん……?」

その名前を聞いた途端、悠は目を大きく見開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠「……なん、だって……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「真っ直ぐな目を……忘れないって……い、つつ……。」

曜「む、無理しちゃダメだよ……っ!」

悠(……峻が…何故だ……?)

神妙な顔をする悠だったが、それ以上の事を命から聞くことは出来ず……。

命は医師の処置の元……体の隅々を検査をする事となった。

 

 

 

 

曜「……悠くん、どうしたの?」

悠「……いや、なんでもない……ただ……命が体験した事が気になって…。」

曜「……きっと、夢だよ、でも…目を覚まして本当に良かった。」

悠「……うん、そうだね……。」

 

 

 

 

 

かのん「あ、あのっ……命くんは……!」

曜「容態が容態だから、検査をしに行ったよ」

かのん「そう、ですか……。」

曜「みんなでお見舞いに来るのは、もう少ししてからだね。」

かのん「……はい、分かりました。」

悠(……どうして、命と接触したんだ……峻は……)




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