We are The Super STAR!** 作:A×K(アツシくん)
────コンコン。
「…………ん……。」
うとうとしていた命が、病室のノック音で目を覚ました。
「(看護師さんかな……)……はい、どうぞ。」
まだ痛む体を起こし、病室の扉に目をやると……。
ウィーン「…………………………。」
「…マルガ……レーテ……。」
それは、意外な来客だった。
じっとこちらを見つめ、ただ一点を見るウィーン・マルガレーテだった。
「……え、っと……何か用か?」
ウィーン「……別に、目が覚めたのね。
ホントどういう原理で生き返ったのかしら。」
腕を組み、半分呆れたような顔で壁にもたれ掛かるマルガレーテ。
「……あはは……俺にもさっぱり。」
ウィーン「……何とも思わないのかしらね。」
「え?」
ウィーン「アンタがずっと眠ってる時……いいえ、どうせ澁谷かのんから聞いたんでしょ。
ラブライブの決勝の結果。」
「……あぁ……それか。」
ウィーン「あれだれ大口叩いておいて、こんな有り様…ざまあないわねって思っているんでしょ、アンタも」
「……………………………………。」
ウィーン「正直、今でも負けたと思ってないわ。
こんなの、絶対におかしいって、何度も言い聞かせたわ。」
「…………マルガレーテ。」
ウィーン「でも、結果は結果…私が目指すスクールアイドルなんてとんだ空虚な物だったのかしらね。」
「…………俺は。」
「───俺は、それでも君と決勝で戦えて誇りに思う。」
ウィーン「……は?」
「別に、恨んでるとか…ざまあみろとか思ったりなんかしてない無いさ。
キミはキミなりに全力を尽くして、自分の思う形を追い求めた。
……確かに、俺やかのんに食ってかかったりした事もあった。」
「───でも、俺は…キミを認める、そして敬意を払うよ。」
ウィーン「……正気なの?」
「あぁ、間違ったことは言ってると思ってない。」
ウィーン「……はぁ……呆れた…こんなお人好しが従えたグループに負けるなんて……。
ますます自分が惨めに思えてきたわ。」
「……そんな事ない。」
ウィーン「同情なんて要らないわ。」
「───そんな事、ないよ。」
ウィーン「…………っ。」
真っ直ぐマルガレーテの方を見つめると、本人は狼狽えていた。
ウィーン「…前言撤回よ、アンタの事は……絶対に認めない。」
「そう思っても構わない、別に本当の事を伝えた上で嫌われるなら俺はそれで納得する。」
ウィーン「……でも、これだけは伝えるわ。
一度しか言わないわよ、よく聞いてなさい。」
ウィーン「………………アナタの言う、歌は想いって言葉の意味が……少し分かった気がするわ。」
クルッと翻り、小さく呟くマルガレーテ。
そのまま何も言わずに病室を出ていってしまった。
「(…アイツもアイツなりに悩んで壁にぶつかっているのかもな…)……と言うか、さっき……アンタがずっと眠ってるって言ってたよな……なんで知っているんだ…?」
────────────────────
【帰り道】
ウィーン(何時だって……どんな時だって、私の歌が1番……そうよ……1番なんだから…)
ウィーン「(なのに…………)………………っ……!」
大型のモニターに映し出されるのは…Liellaの曲。
ウィーン「……目を…背けることが出来ないのは……何故なのよ……っ!」
悔しそうに唇を噛みながら、拳を握るマルガレーテ。
そのキラキラと輝く彼女たちをどこか羨ましそうに見つめたまま立ち尽くしていた……。
【病室 その後】
かのん「えっ、マルガレーテちゃんが来たの?」
「……ん、急にな……。」
かのん「……何か、言っていた…?」
「んー…なんか決勝の事で自虐的な事は言っていたな…。」
かのん「……やっぱり、気にしてるんだ…。」
「俺は気にしすぎな気もするけどな…いつつ……。」
かのん「もう、命くんはまず自分の体を気にするの!」
「……へいへい……。」
かのん(留学の事と言い、ラブライブ決勝の事と言い……マルガレーテちゃん……何か焦ってないと良いんだけど……)
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