We are The Super STAR!** 作:A×K(アツシくん)
【病室】
「……………………。」
じっと頭の後ろで腕を組んだまま天井を見ている命。
(……暇だな。)
思えば、ずっとLiellaの練習を見てた自分が何にもしないまま時間が過ぎていくのが自分の中では珍しく不思議な感覚だった。
「…かのん達、今頃何してるかなぁ。」
─────コンコン。
「(噂をすれば、かのんかな……)……どうぞ?」
きな子「し、失礼しますっす……!」
「……あれ、きな子ちゃん?」
四季「私たちも、居る。」
メイ「相変わらず、シケたツラしてんな。」
夏美「むむむ、レアスクープですの!」
四季「盗撮は、ダメ。」
夏美「ぬ、盗んで何かないんですの!同意の上ですの!」
きな子「あ、あの~…ここ病室っすから……。」
「……4人とも…どうしたの?」
きな子「かのん先輩にお見舞い行ってあげてって頼まれたっす!」
四季「それと、私たち1年生から個人的な相談があって来た。」
メイ「よっ……と…体調はどうなんだよ?」
「……まぁ、見ての通りだよ。」
夏美「バディが居なくて、Liellaも張り合いが無いというか…やっぱり物足りない感じがするんですの。」
「あはは、俺も同じ事考えたよ。」
四季「……それと…冴木先輩に、今一度聞いておきたい。」
メイ「かのん先輩…本当にウィーンに行っちまうぞ。」
「……だね、それはかのんが出した決断だ。
俺が止めるのはお門違いだろ?」
夏美「で、ですが…そうなったらLiellaは…!」
「それももちろん分かっている、でもそれ以上に俺はこの出来事を乗り越える自信がある。」
きな子「……自信、すか…?」
「うん、今まで色々な困難を一緒に乗り越えてきたからね。
一回りも二回りも大きくなったかのんと、パワーアップしたLiellaが再び集結して……もっともっと大きな存在になるって。
……って、そのためには俺も早くこの状態をどうにかしないといけないんだけどね。」
きな子「……先輩。」
メイ「…ったく、楽観的っていうか無計画っていうか…。」
四季「でも、説得力は、ある。」
夏美「何だかんだ言っても、トラブルを何度も解決してきたバディが言うと違いますの♪ 」
「……まぁ、あとは……送り出せるくらいに体が回復してくれればいいんだけど…。」
きな子「まだ体…辛いっすか…?」
「あはは……結構。」
四季「今度特製のポーション作ってくる。」
メイ「……前回の試作の名前、何だった?」
四季「…レッドホットチリスムージー…。」
「……き、効きそうだねぇ。」
きな子「焦る気持ちは分かるっす、でも無理は禁物!っすよ!」
「ん、ありがとうね、きな子ちゃん。」
きな子「えへへ~、それほどでもっす~♪」
夏美(流れるような頭の撫で方…これがたらしと言われる所以ですの…。)
メイ「じゃ、また来るからよ。」
四季「夏美ちゃんがお騒がせしました。」
夏美「なんで私個人を名指しなんですの~っ!?」
きな子「あ、あはは……先輩、失礼しますっす!」
ワイワイしながら4人が病室を出ようとした時……。
1年生「「「「あっ……。」」」」
悠「……あれ、お取り込み中だった?」
メイ「い、いえっ!アタシたちはこれで失礼しようかと…!」
四季「こんにちは。」
悠「いつもありがとうね、みんな…ちょっと命と話したいから…ごめんね?」
夏美「ど、どうぞどうぞ~ですの。」
きな子「し、失礼します!」
「……父さん、どうしたのさ。母さんは?」
悠「曜ちゃんは家に居るよ……ちょっと2人で話しておきたいことがあってね。」
「……大事な話っぽいな。」
悠「あまり現実味が無い話だが…一応、話しておきたくてな。」
「…………………………。」
話を切り出す前に、ワイシャツのボタンを外し、自分の体を見せる悠。
悠「……この傷の話は、したよね?」
「……雷に打たれた…ってやつだよな。」
悠「そ、不運なことにピンポイントで直撃…目が覚めたら数ヶ月も時間が過ぎていた……と。」
「それで、それがどうしたの?」
悠「……その意識が無い間…別の人間に魂が乗り移っていた何て言ったら…どう思う?」
「……怪異な…。」
最初は信じようとしなかった命……だったが。
「─────峻、だな?」
悠「やっぱりな……。」
とある名前を口にすると、悠は合点が言ったかのように頷いた。
悠「そう、俺しか覚えてない不思議な…奇妙奇天烈な体験だが…。
俺なんだが、宮之原 峻という男に魂が乗り移ってたんだ。
まぁ、そうなった経緯は色々あるんだが…それは、一度置いといて…。」
「……………………。」
悠「だが、助けられたのは事実だ、そうだろ?」
「……まぁ、にわかに信じ難いが…確かに。」
悠「……経緯はどうであれ、想いが繋がって今お前はここに居る。
その気持ちを覚えていて欲しくて、この話をした。」
「─────じゃあさ。」
悠「ん?」
「俺が普通に戻れたら…その人が居た所に連れてってくれよ。」
悠「─────。」
一瞬の静寂の後……。
悠「……ぷっ、あはは!」
悠は、笑い出した。
悠「……やっぱ、親子なんだなぁ…。
良いよ、かのんちゃんも連れて行こうよ。」
「……かのんと、か。」
頷いたが……そうやってかのんと一緒に出かけられるのは…もう残り少ないと思うと
何だか寂しい気持ちになる命だった。
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