We are The Super STAR!** 作:A×K(アツシくん)
【命と別れた後……】
かのん「はぁ……ポカなんかするかっつーの……」
と、言いつつも……内心は少し焦っていた。
かのん「……今までは去り際に頭撫でてくれてたのに……」
自分の頭を触ってため息を漏らすかのん。
かのん「……って言うか、人の気も知らないで…
そもそも、命くんは────────」
トントン。
かのん「……はぁ、やだやだ初日から暗くなっててどうするんだか…」
トントンっ。
かのん「……って、だ、誰!さっきから!」
???「终于找到了好声音的人!(遂に見つけた素晴らしい声の人!)」
かのん「へっ?!は、はぁっ!?」
いきなり声をかけてきた同い年であろう女の子からの圧にかのんは少し後ずさりした。
???「你恋爱了吧!从歌声中传达了很多思念和心情!这就是青春!!好像是高中生啊!!!(貴方、恋してますよね! 歌声から想いや気持ちがたくさん伝わってきました!これぞ青春!!高校生らしさ!!!)」
かのん「ちゅ、中国語……っ!?……えっと、えーーっと……!!
(こんな時、命くんが居たら翻訳してくれるのに~っ!)」
早口で発せられる外国語に、かのんはタジタジだった。
しかし、そんな彼女の姿をも目の前にいる女の子は輝いた瞳で見つめていた。
???「学校偶像......是啊!你应该成为学校偶像!来,现在马上......!来,来!(スクールアイドル……そう!貴方はスクールアイドルになるべきです!さあ、今すぐ……!さあ、さぁ!)」
かのん「顔が近い~っ!…………え、えーーーっと……さ、サンチェ!!!」
命がいたら、それは食べ物だろう……とツッコミを入れられそうなワードを呟いたかのんはそのまま走り去った。
……と、思ったが……。
???「待ってクダさい~っ!!!」
かのん「怖い怖い怖い~っ!」
曲がり角を勢いよく曲がったかのんは、そのまま車の影に隠れた。
かのん「りゅ、留学生っ!?……っていうか、普通に日本語話してたし……!
あぁ、もう……命くんが歌わせるから……!!」
???「命がどうしたの?」
かのん「うわぁっ!!……ち、ちーちゃんっ!?」
千砂都「うぃーすっ♪」
こ、この子は嵐 千砂都ちゃん……私と命くんの幼馴染……。
で、今日から同じ高校に通うんだけど……って、そうじゃなくて!
かのん「む、向こうに変な子が!」
千砂都「んん~……?……誰もいないよ?」
かのん「……よ、良かった~……ちーちゃん、音楽科の制服似合ってるね!」
千砂都「いや~、それほどでも~♪」
かのん「せっかく合格したんだから、頑張らないとね……ダンス!」
千砂都「うんっ……ところで、命は???」
かのん「さっき分かれ道で別れたとこ……初日からポカするなよーってうるさくて…」
千砂都「あはは、2人らしいねっ♪
それより、いつもみたいに歌ってきたってことは……歌、やるの?」
かのん「えっ?……それは~…………」
────────────────────────
【結ヶ丘女子高等学校前】
かのん「……新しいことでも始めようかなって
命くんも良いんじゃないって言ってくれたし…だから、諦めるよ」
千砂都「でも……」
千砂都(きっと、命もかのんちゃんの歌……聞いていたいって思ってると思うよ……?)
かのん「……………………あはは……」
千砂都「きょ、今日からね!たこ焼き屋でバイトすることになったの!命と一緒に来なよっ、んじゃねっ!」
かのん「あっ……」
入学式中……理事長からのお言葉を聞いていた……つもりだったけど…。
かのん(……分かってるよ、命くんが気を使ってくれてることも……本当はどう思っているのかも……でも、私には……音楽は…)
悔しくって、スカートの裾をグッと握るかのん。
その様子を見て……少し心配そうにする千砂都。
その後のクラスでの自己紹介でも……。
「が、外苑西中学から来ました、澁谷かのんです……
えっと、趣味……は……」
???「スバラシイアオハルノヒト~っ!♪」
かのん「ひっ!!」
あの時の女の子が、そこにはいた……。
かのん「しゅ、趣味は野球観戦です!!ゆ、夢は……えっと……そ、その……お嫁……ごにょごにょ……///」
結局、1人恥ずかしくなって赤くなるかのんを見て皆頬を緩ませるのであった。
???「はじめまして!上海から来た唐可可と言いマース!
ところで皆さん、スクールアイドルには興味無いですかっ?」
かのん(スクール……アイドル……)
……確か、命くんのお母さんがやってた……アレ、だよね?
可可「ぜひ、皆さんと一緒に可可はスクールアイドルが──────」
かのん「ひ、ひいぃいいいぃぃ!!!!」
朝同様、教室を出たかのんは即座に影に隠れる……その理由は…。
可可「アオハルの歌の人~っ!!!」
かのん(……に、逃げないと……っ!)
可可「スバラシイ声とアオハルの人~っ!?」
かのん「あ、あの子……同じクラスだった……あはは……終わった…」
カタカタと携帯を操作すると、命から連絡が入っていた。
命【今日は初日だし、早めに終わった
良かったら学校の前まで迎えに行こうか?】
かのん(た、助かった……!お願い、すぐ来て、秒で!…よしっ!)
可可「スクールアイドルになりませんかーっ!」
かのん「ひ、ひぃっ!」
あの子、なんで看板なんて持ってるの!?
と、とにかく今日はもう帰ろう!
かのん「も、もーっ!早く来てよ、命くーんっ!」
可可「あぁーっ!!」
かのん「はぅっ!?」
可可「見つけまシタよぉ~……」
かのん「…………あ、あははーっ…………」
「……かのん?」
かのん「め、命くんっ!いい所に!……そ、その……帰ろ!!」
「あぁ、ちょ!…ま、待てよ……っ!!」
命の手を取り……すぐさま学校を後にするかのん。
しかし、他の生徒からも見られており……。
【……かっこいい人だったけど……あれ、西結ヶ丘の高校の人だよね?】
【1年生……かな?】
可可「アオハルぅ~……♪」
(…なんででっかい看板なんか持って……スクール……アイドル?)
────────────────────────
【その日の夜】
俺とかのんには、日課がある。
それは……夜、窓を開けて話す……という事。
これも、幼なじみのよしみである。
かのん「……って、事があって~……」
「そうか……ごめんな、俺が歌わせたばっかりに」
かのん「う、ううん!それはいつもの事だし!……でも、他の人に聞かれたのは初めてだなって……」
「千砂都には会ったか?」
かのん「うんっ、音楽科の制服似合ってたよ!
ちーちゃんのことだから、命くんに見て見てって言いに来るんじゃない?」
「たこ焼き屋……だっけ?今度行かないとな」
かのん「うんっ、そうだね!♪」
「それにしても……帰る間際にいたあの子……スクールアイドルって看板持ってたけど…」
かのん「……あー……あれ、ね……うん、なんか……誘われた……の、かな?」
「えっ、お前が?」
かのん「私だって驚いてるよぉ!」
「……で……や、やるの?」
かのん「無理無理無理!!ほんっとに無理だから!
命くんのお母さんみたいにそんな煌びやかなステージとか踊りとか無理だから!」
曜「呼んだ~?」
「うわぁっ!……母さん、どうしたの…」
曜「いつもの時間だから呼びに来たんだけど……どうやらお取り込み中みたい?♪」
「ち、違うから!……じゃあ、かのん下降りるから」
かのん「あ、う、うんっ……!」
曜「…かのんちゃんも気苦労が絶えないね~♪」
かのん「な、なんのことですか…っ!?」
曜「なんでも~♪」
そう言って、命くんは下に降りて……庭へと出た。
そしてボールを手に取り……そのままネットに向かってボールを黙々と投げる。
私が、何日も何回も見た光景。
かのん(……こんなに頑張る姿を見て……私も頑張らなきゃって思ってたんだよね……)
何かをする時、いつも隣には命くんが居た。
命くんはいつも前を歩いていた。その背中に……私は追いつきたかった。
かのん(……でも……)
「……そういや……っ……自己紹介、ポカしなかったか……っ?」
かのん「あはは……あの女の子居てビックリしちゃって変なこと言っちゃった……///」
「なー?言った通りだろ?かのんはそういうとこあるからな」
かのん「う、うるさいな~……そういう、命くんはどうだったのさ……って、聞くまでもないよね……命くん、一匹狼だし」
「うるせ」
そう、私やちーちゃんとは普通に話してるけど……命くんは基本的にはドライなタイプ。
曲がったことは嫌いだし……弱い人を見過ごさない……けど、馴れ合うのはあんまり好きじゃないタイプ。
かのん「…………そこに惹かれちゃったのかなぁ……///」
「なんか言ったか?」
かのん「な、なんでもないから!!」
「……変なかのん」
曜「……いやぁ、青春だねぇ」
悠「いい事だけど……なんで曜ちゃん、俺の事見て笑ってるの?」
曜「父親譲りだな~って♪」
悠「…………………………えっ????」
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