We are The Super STAR!**   作:A×K(アツシくん)

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第31話

【その日の夜】

 

 

かのん「…命くんは、音楽科だけの学園祭ってどういう意図があると思う?」

「まぁ、さっきの話の通りなんだろう…入学希望者が少ないから…だろう? 結ヶ丘は音楽の学校…だから音楽科希望生徒を増やしたい…」

 

かのん「…注目もされるもんね…」

「本人もしたくはなかったが…苦肉の策って所なんだろう」

 

かのん「…実際、命くんの学校に行く女の子たちも多いからね…」

「事情を知れば理解はしてくれるが…みんな知らないからな」

かのん「…そうだね」

「…だが、このままではいけないのも事実だからな」

かのん「…………………」

 

「やれることは限られてる…けど、その限られてる中で俺は精一杯何かしてやりたい」

かのん「…うん、明日みんなにもその事を聞いてみる」

「…あぁ(とはいえ…雲行きは怪しい…がな)」

 

 

 

────────────────────────

 

【次の日】

 

千砂都「…まぁ、命ならそう言うよね」

すみれ「でもどーするのよ?八方塞がりじゃない」

可可「デスが~…」

 

生徒A【葉月さん、これ】

生徒B【学園祭の決定に反対する署名です】

生徒C【創立者の娘だからって学校は貴方の物じゃない!】

生徒A【よく考えてください…!!】

 

恋「…話は生徒会を通してください、失礼します」

 

生徒A【…何、あの態度…】

生徒B【信じらんない…】

 

 

かのん(…そんな…どうしてそこまでして…悪名を被ろうとするの…)

千砂都「…かのんちゃん」

かのん「…やっぱり、どうにか出来ないかみんなに話してみる!」

すみれ(…悪手じゃなきゃいいんだけど)

 

 

 

────────────────────────

 

 

音楽科生徒A【音楽科メインでやるのは今回だけ!】

かのん「ひっ…!」

 

音楽科生徒B【一切関わるなって言ってる訳じゃないんだよっ!?】

すみれ「…思ったより、当たり…強いわね」

音楽科生徒C【ワガママ言ってるのは普通科の子達なんじゃない!?】

かのん「…あ、あははっ…えっと…」

すみれ「何圧倒されてんのよ…!」

かのん「こ、こうなるなんて~…!」

 

 

 

 

 

普通科生徒A【参加したくない】

かのん「…えっ!?」

 

普通科生徒A【音楽科の催しに参加って、手伝わせてあげる。みたいな話でしょ?】

かのん「…そ、そうとは~…限らないんじゃないかな…?」

千砂都「…わ、私は~…音楽を全面に打ち出したウチの学校らしい学園祭をやるのは良いと思うけど~…」

 

普通科生徒B【ならっ、普通科も一緒に!って言うのが筋でしょ!

公約でそう言ってきたんだし!…大体、何で生徒会長の肩を持つの?】

普通科生徒A【そうだよっ!学園祭でライブやりたいって言っても絶対反対されるよ!】

 

すみれ「おバカっ、これじゃあただのリピートじゃないっ」

かのん「…だったらすみれちゃん言ってよ…っ!」

 

 

普通科生徒A【澁谷さんはスクールアイドルを続けたくないの?】

かのん「…えっ、ええっ…!?」

普通科生徒B【私たち、応援してるんだよっ?】

 

可可「…考えてみれば、そうでシタ

葉月さん、スクールアイドルに反対なんデスよ!」

千砂都「…へっ???」

 

可可「可可、やはり普通科の皆さんに賛成しマス!一緒に戦いまショウ!」

普通科生徒【【【おーっ!!】】】

かのん「…ど、どうしよ…ややこしくなってきちゃった…」

 

 

──────────────────────

 

 

【昼休み】

 

 

かのん「…すいません…」

【あのね、闇雲に声掛けても火に油を注ぐだけだよ?

全く…何とかしようって心意気はいいんだけど…】

 

かのん「…返す言葉もございません…」

【それで、どんどん準備が進んじゃってるんだろ?】

かのん「…うん、普通科の生徒達の中でも…葉月さんの事が嫌いって声も上がってきて…」

【…悠長には考えてる暇は無さそうだな…】

かのん「…どうしよう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後 部室】

 

かのん「結局、時間だけが過ぎていっちゃってる…」

千砂都「思ったより、複雑になってきちゃってるね…」

すみれ「そりゃ、そーよ…元々みんな感じていたからね、普通科と音楽科の溝」

 

可可「…とは言え、どちらのクラスも譲歩しそうにありまセン…」

かのん「…そうだよねぇ…」

恋「…わたくしのせいです」

かのん「は、葉月さん…!」

恋「音楽科の子に聞きました貴方たちが話をしに来たと」

かのん「…うん、命くんが考えを巡らせてくれてたけど…私たちにも出来ることは無いかなって…あははっ、結局火に油を注ぐだけって怒られちゃったけど」

 

恋「…わたくしの発言のせいで…みんなを困らせてしまいました」

千砂都「…それって…後悔してる…って、事?」

恋「…はい

理事長にも…先程、呼び出されました」

 

 

────────────────────────

 

【理事長室】

 

理事長「明日の全校集会でキチンと話し合いなさい

そこでまとまらなければ、今年の学園祭は''中止''とします」

 

恋「…!」

 

 

────────────────────────

 

 

千砂都「そんな…」

恋「…母と同級生だった理事長ですが、やはりわたくしに思うことはあるみたいで…」

かのん「今からでも間に合うよ…!

やっぱり、普通科と音楽科一緒にやろうって話そっ?」

恋「……」

 

かのん「…まだ、何かあるの?」

千砂都「そうだよっ、全校集会で葉月さんが話せばそれでまとまると思う」

恋「…もちろん、そうしたのですが…特に…スクールアイドル…は…

スクールアイドル…だけは…ダメなんですっ!!」

かのん「…えっ?」

 

 

恋「…もっと早く…あの人に出会って居れば…こんなことにはならなかった…かもしれませんね…」

かのん「…あの人って…」

恋「…初めて、あんなに真っ直ぐな目で…力になりたいと言ってくれました

正直、戸惑いしかありませんでした…でも、心のどこかで…助けてって思ってたのが…バレてしまったのかもしれません…」

 

かのん「…葉月さん」

恋「…ずっと1人で…心苦しくて…皆さんに…冷たい…態度を…っ…」

 

 

 

 

「…なるほどね、お前の心の内に眠ってた感情はそういう事だったのか」

かのん「め、命くん!」

 

「…っと、勝手に入ってきたからあんまり大きな声はよしてくれ

…それと、恋…この際だから、もう言おう…お前の母親…スクールアイドルだっただろ?」

かのん「えっ…!?」

恋「……………どこで…それを…」

 

「悪いな、俺の母親もさ…昔スクールアイドルだったから

調べてもらって…ようやくたどり着いた」

千砂都「…それ、本当なの…葉月さん」

 

恋「…はい

かつて、ここには…学校を廃校から救うためにアイドル活動をする生徒がいました…それが、わたくしの母です」

「…なるほど、だからここに学校アイドル部のプレートが」

 

恋「まだスクールアイドルという言葉が生まれて間もない頃…母達の活動は評判になり注目を集めました…でも、目標は叶わず…学校は廃校に…だから、わたくしは…っ!

母が新たに作ったこの学校でスクールアイドルを始めようと思ってました!」

 

4人「「「「ええっ…!?」」」」

「………」

 

恋「母が願ったスクールアイドル活動で学校を盛り上げようと…!」

可可「あんなに嫌がってたのにデスかっ!?」

恋「…ですが…」

かのん「…なら…なら、一緒にやろうよ!…それこそ、私たちで力を合わせれば…!」

 

恋「…何も、何も残ってないのです…!!

…いくら探しても…スクールアイドル活動の記録だけ…残っていないのです…っ…

他の学校記録は残っているのに…学校でアイドル活動をした…その記録だけ…どこにも…っ!」

 

恋「…それで思ったのです、もしかしたら…母は後悔していたのでは無いか…と

スクールアイドルでは学校を救えないと感じていたのではないか、と」

 

かのん「…そんな」

「それはありえない、俺が保証する」

 

恋「何を…根拠に…っ!!」

「…学校を救いたい…憧れのスクールアイドルと同じように輝きたい…色々なグループが色々な想いを持っている…だけど、そのグループ全員が、やって後悔した…なんて、思ってるわけがないよ

メンバーと過した日々の記録や思い出をそんな簡単に消す事なんて、絶対にしない」

 

かのん「…命くん」

「かのんや可可だってその点では理解できるだろ?

15年以上前の衣装…まだ取って置いてるスクールアイドルがいるくらいだからな」

 

可可「あっ…」

「絶対にある」

恋「…ですが、写真1枚すら…無いのですよ…っ!?」

 

「…よし、それなら」

かのん「待って、命くん!どこに行くのっ!?」

「ただ1人の''関係者''のところだよ」

千砂都「…それって…」

すみれ「アンタ、まさか…っ!」

「後で説教されるのは俺一人で充分だろっ?」

 

そう言うと、命は走り去っていった。

恋「…あの人は…どうしてあそこまで…」

かのん「…困ってる人は見過ごせないんだよ、ちょっとぶっきらぼうだけど」

千砂都「…だ、大丈夫なの…1人にさせて…」

可可「デスが…」

すみれ「…ついてくわよっ!」

 

 

 

───────────────────────

 

【理事長室】

 

「失礼します!」

理事長「貴方…っ…どうしてここに…?」

 

「単刀直入に言います、神宮音楽学校の資料、ありませんか!?」

理事長「…いきなり来たと思えば…どうしてそのような事を?」

「お願いします!これ以上恋が苦しむ姿を見たくないんです!」

 

そう言うと、命は床に額を擦り付けた。

 

理事長「…恋…まさか…あの子…」

「………」

 

「今日しか…今日しか時間がないんです!」

理事長「……はぁ」

 

 

 

理事長「散らかさないように」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

かのん「資料って…こんなに…沢山…っ…!?」

千砂都「これも違う…これも…っ…」

すみれ「当時の部活の記録はあるけど…学校アイドル部の物だけは無いわね…」

 

可可「こちらにも無いデス…」

恋「…ここだって、何度も探しました…

そこだけ…記録が無いのです…あえて処分したとしか…」

可可「…な、何か手がかりを言ってたりしなかったんデスか!?」

 

恋「…いいえ、小さな頃…聞かされたのかもしれませんが…」

「…くそ…時間がねぇ…っ!」

 

恋「もう、最終下校の時間です…残念ですが、これ以上は…」

かのん「…そんな…」

 

 

 

────────────────────────

 

【その日の夜】

 

 

「…………………………」

曜「めーいっ、そんな深刻そうな顔して、どうしたのっ?」

 

「…母さん」

曜「調べてたスクールアイドルの件、わかったの?」

 

「…なぁ、母さんがスクールアイドルをやってた時ってさ…

大事なものとか思い出って…どうしてたの?」

曜「…思い出?」

 

「ほら、写真とか…歌詞を書いたノートとか…」

曜「…んー…千歌ちゃんが管理してたなぁ…」

「そっか…」

曜「あ、でもっ、学校の資料室に置いてたりはしてなかったかな?」

「…えっ?」

 

曜「そういう大事な物や、見たいもの…それはやっぱりみんながいる所に置くべきだからねっ♪

特に千歌ちゃんなんか鍵をかけて保管してたりして~…」

 

「…みんながいる所………鍵………そうだ…それだっ!!!!!!」

曜「うわぁあっ!?…な、何っ、どうしたの?」

「母さん、助かった!!」

曜「…急に元気になった…変な命…」

 

 

 

 

 

 

 

「かのんっ!部室の鍵見せて!」

かのん「えっ?ちょ、ちょっと待って…!!

…こ、これだけど…っ…」

 

「投げて!」

かのん「ど、どうしたの…いったい…」

 

「…やっぱり…このもう1つ形が違う鍵、何に使うか知ってる?!」

かのん「わ、わかんない…」

「…謎が…全て解けた…っ!!!」

かのん「…えっ…!?」

 

 

 

──────────────────────────

 

 

【次の日の朝】

 

 

 

恋「……何故、家の前に貴方が…」

「…恋」

 

恋の手を取る命。

 

「…行くよ!」

恋「ちょ、ちょっと!いきなりなんですか…っ!?」

「時間が無いんだ、早く!」

恋「わ、分かりましたから…っ!」

 

 

 

学校に着いた命と恋。

既にそこには4人の姿が。

 

千砂都「あっ、来た!」

すみれ「全く、何でいつもより早く来させるのよ…」

可可「め、メーさん、ドコにっ!?」

 

「部室!」

かのん「…部室…っ?」

恋「あ、あの方はいったい…っ」

 

 

 

 

 

【部室】

 

 

 

(あるはずだ…この部屋の…どこかに…っ!!)

 

かのん「ま、待ってよ~…命くん…っ!」

すみれ「はぁ、ひゃぁ…朝から…ハードすぎるわよ…」

恋「廊下は…走ってはいけませんよ…」

 

可可「可可…バテた…デス~…」

千砂都「血相変えて…どうしたの…っ???」

 

 

 

 

「…………………………………」

 

 

かのん「…命…くん…?」

「…正解だ」

 

かのん「えっ…?」

「やっぱり、恋のお母さんは後悔なんてしてなかったんだよ!」

 

そう言うと、命は大きな箱を机の上に置いた。

 

かのん「…これって…」

千砂都「物置部屋にあったもの…?」

 

「母さんが言ってたんだ、大事な記録や思い出…確かに資料室に置くのが普通だって…でも、みんながいる所にあって見れるようにしておきたいものでもあるって」

すみれ「…それで、あえて部室に?」

 

「…だから、この鍵は…」

可可「開くって事でショウか…っ!?」

 

「…恋、お前が開けてくれ」

恋「…で、ですが…っ」

「…お前の思い出でもあるんだ!」

恋「…っ…分かりました…」

 

少し震える手で鍵を入れる恋。

ガチャ…っと、開く音がした…その中には…。

 

 

「ノートだ…それに…」

恋「…衣装…これは…母の…っ?」

 

かのん「…このノート…神宮音楽学校アイドル部って…」

すみれ「それって…つまり…」

 

「このページ…最後に書き記した日記がある…」

 

 

 

───学校でアイドル活動を続けたけれど結局、学校は廃校にする事になった。

 

─────廃校は阻止できなかった。

 

───────でも、私たちは何一つ後悔していない。

 

─────────学校が、1つになれたから。

 

────────────この活動を通じて、音楽を通じてみんなが結ばれたから。最高の学校を作り上げることが出来たから。

 

───────────────一緒に努力し、一緒に夢を見て一緒に一喜一憂する…そんな奇跡のような時間を過ごすことが出来たから。

 

───────────────────だから私は約束した。結という字を冠した学校を必ずここにもう一度作り上げる。音楽で結ばれる学校をもう一度ここに作る!それが私の夢。どうしても叶えたい夢。

 

たくさんの写真と共に、最後の日記はここで途絶えていた。

 

 

 

恋「…お母様……」

千砂都「…これ、葉月さんのお母さんか…着ていた衣装…」

 

 

恋「…思い…出しました…っ…お母様が…口癖のように言ってた…言葉を…っ…」

 

 

────────恋、スクールアイドルは…お母さんにとっての…最高の思い出よ。

 

 

恋「…うっ……う…ぁああああっ!!!

お母様…っ…お母様ぁ…っ!!」

 

 

 

「…………………………恋」

恋「…皆さん…本当に…っ…ごめんなさい…っ…私っ…私…!」

 

「…ここから先…どうすればいいか…分かる、ね?」

恋「…はい…っ…私は…私は、お母様が残した想いを引き継いでいきたいです…っ!!」

 

「……よしっ、それが聞けたなら…大丈夫だな

…って、完全に遅刻なんだけどな…」

千砂都「この状況で、抜け出す訳にもいかなかったしね…」

 

「…決めた!全校集会まで、俺ここにいる!」

かのん「えぇっ!?」

「俺も聞きたいからな…音楽科と普通科が和解して、協力するところを」

 

恋「…はいっ…私はもう…迷いません…っ!!」

 

 

 




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夏美「ですの~っ♪」
「うわ、また出てきたし…」

夏美「ここはもう夏美のメインチャンネルですの~♪」
(あとがきがメインチャンネルって…)
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