We are The Super STAR!**   作:A×K(アツシくん)

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お気に入りが増えません、助けてサヤさん(え)


第36話

【朝】

 

 

「ぐぅ…………ぁ……(体が重い……それに、頭も痛い……)」

苦しむように目を開けた命。

その目に映ったのは、見知らぬ天井。

 

 

(……自分の家のベットじゃない……それに、この格好と……点滴……)

 

痛む頭に考えを巡らせて……命は当時の事を思い出した。

 

「……そうか、俺……あの試合で…いっ…つつ……その後から今現在の事は思い出せないな……」

 

あーだこーだ言ってても仕方ないので、とりあえずナースコールを呼ぶ事にした。

 

 

(…いや、待てよ…そういや、俺……どんくらい眠ってたんだ?

携帯……携帯……流石に充電切れてるか)

 

携帯電話を探すと……ナースコール用のボタンのすぐ近くに置いてあった。

 

「……モバイルバッテリー…?……しかも、これ…俺のじゃないし…」

かのんのか?……と思ったが、あの子は持ってない。

 

「(一体誰のだ……?)……あっ」

白いモバイルバッテリーには、赤い油性ペンで文字が書かれていた。

 

 

【目が覚めたなら、1番大事な人に連絡入れてやれよ】、と。

 

「……父さんの字にしては……綺麗すぎるな……一体、誰の…」

一旦考えるのを後にし……命は携帯を開いた。

連絡する相手は……もちろん……。

 

(……7時……か……アイツは……起きてる、よな)

ここ数日、目が覚めなかった事を考えると……本人も心に深く傷を負ってる事くらい、すぐに分かる。

 

「…………携帯の画面は…まだ頭に悪影響を及ぼしそうだな……いてて…」

ガンガンと痛みがする中…命は電話を鳴らした。

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

【かのんの部屋】

 

 

 

かのん「…………(また、眠れなかったな……)」

ここ数日、かのんは寝不足と食欲不振に陥っていた。

もちろん、スクールアイドルの練習も……。

 

 

かのん「……学校、行かなきゃ…」

立ち上がったかのん……その時、電話が鳴った。

 

かのん「……こんな時間に……誰だろう…ちーちゃん、かな……」

数コール鳴った携帯の画面を見て……かのんは目を見開いた。

 

 

かのん「……っ!……う………嘘っ……なん、で……っ!?」

それもそのはず……画面には【命くん】と表示されていたからだ。

高鳴った胸を必死に押えて、かのんは電話に出た。

 

かのん「……め、命……くんっ……!?」

「……はぁ……っ……はぁ……っ(くそっ……また頭が……っ)」

 

かのん「命くん、私だよ……っ!私……っ……!」

「……かの、ん……っ……(意識……が……)」

 

 

その一言で電話は切れてしまった。

かのん「……戻ったんだ……命くんの……記憶が……っ!!」

でもその一言で分かった……確かに命はかのんと呼んだからだ。

 

かのん「面会時間……確か……あった!」

急いで命が居る病院の面会時間を調べるかのん。

運がいい事に、朝7時から面会は可能だった。

 

 

かのん「……っ……!!」

部屋着のまま、急いで下に降りるかのん。

 

かのん母「ちょっ、か、かのんっ!?」

かのん「お母さん、ごめんなさい!!」

そう言って目の前をフルスピードで駆け抜けるかのん。

 

 

かのん母「あの子……どうしちゃったのよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かのん「はぁ……はぁ……っ!!」

寝不足で食事もまともに取ってない。

肺が潰れそうなくらい苦しい……それでも……。

 

 

かのん「それでも……っ……命くんに……会いたい……っ!!」

涙を零しながら、かのんは病院へと向かった。

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

【病院】

 

 

かのん「はぁ……っ……はぁ……!あ、あのっ!ここに入院している冴木命さんの面会に来たんですが……っ!!」

 

受付「面会……ですか?

朝早くから……一体どうしたのですか?」

かのん「目覚めたんです……っ!記憶を、取り戻したんです……!!」

 

 

物凄い剣幕で詰め寄るかのんを見て、受付の人もたじろいでいた。

 

受付「しょ、少々お待ちください……」

電話機を取り、誰かと会話しているようだった。

 

受付「……目覚めた、と言ってましたが……ナースコールも鳴ってないと確認が取れましたが…」

かのん「そ、そんな……っ……本当なんです!」

 

 

確かにこの耳で聞いた……と、かのんが言おうとした時だった。

 

 

 

 

 

 

「……かの、ん……」

フラフラと受付の方に歩いてくる人影を見つけた。

 

 

かのん「……命……くん……っ……」

顔色は悪いが……確かに命くんだった。

 

「……お前、学校は……よ」

かのん「あ、危ないっ……!」

 

急いで命を支えるかのん。

かのん「先生を呼んでください……っ!!」

受付「わ、分かりました……っ!!」

 

これには受付も面を食らったようだった。

 

かのん「……命くんが、電話してくれて……私、気になって……会いたくなって……」

「……馬鹿野郎……もう遅刻じゃねぇか……」

 

かのん「……ホントに、命くん……なんだよね…?」

「……ああ、悪かったな……苦しくて寂しい思いさせて……」

かのん「……命くん……っ!!」

 

支えながら涙を流すかのん。

それを見て一安心する命だった。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

その後、病室に戻され……父さんと母さんが呼ばれた。

 

 

悠「命……お前……っ!」

曜「記憶が戻ったの……っ!?」

 

 

「……うん、戻った……みたい」

医師【自分の名前…試合があった日…そしてその日の出来事……思い出せる?】

 

「冴木 命……試合があったのは3日前……ボールがライナーで来て……側頭部に当たったまでは……後、病室に居る間の出来事は思い出せなくて……」

医師【……ふむ……喋りもスムーズだし、一先ずは記憶能力が正常に戻ったと判断して良いでしょう……ただ、まだ混乱してる部分がありますので……検査と入院は必要です】

 

悠「……わかりました」

曜「……ほっ…………」

 

かのん「……命くん」

「……俺、記憶が無かったのか……」

 

かのん「……うん、私や悠さん……曜さんを見て……誰ですか、って…」

「……そうか」

かのん「自分の事も……僕って呼んで……敬語で……私の事は……渋川さん……って……」

「……ごめんな、かのん」

 

 

 

悠「……でも、なんで急に…」

「それが……その部分がどうしても思い出せなくて……いてて…」

 

かのん「あぁ、ダメダメっ!……安静にしてないと…」

曜「気になるところではあるけど……一先ずは安静にしてないとね………悠くん?」

 

悠(……この文字……どっかで……)

医師【あぁ、ここに居ましたか……今後の説明をしたいのですが…】

 

曜「あっ、はーいっ……行くよ、悠くん?」

悠「あ、あぁ」

 

 

「………………」

かのん「……私も、行かなくっちゃ…遅れて学校行くなんて……ダメな子だよね~…」

 

いつも通りに振る舞うかのん。

……でも、命にはお見通しだったようで……。

 

 

「待って、かのん」

かのん「……えっ?」

 

「……こっちおいで」

かのん「……う、うん」

 

そう言うと、かのんの頭を撫でて……おでことおでこを合わせる命。

 

「……ごめんな、かのん…もう一人ぼっちにはさせないから」

かのん「……命……くん…」

「……泣いても、いいんだよ」

かのん「……っ……ぁ……ああぁっ……!!!!」

 

分け目も振らずに泣きじゃくるかのん。

その様子を静かに見守る命だった。

 

かのん「怖かった……すっごく怖かった……!!

もう元通りにはならないんじゃないかって……私、そう考えてたら……もう……っ!!」

「大丈夫……もう絶対に…お前を寂しい思いになんかさせない」

 

かのん「命……くん……っ」

「ありがとうな、かのん」

かのん「…………うんっ……!!」

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

【結ヶ丘女子高等学校】

 

 

かのんは遅れていった理由を正直に話した。

注意はされたけど……心は晴れやかだった。

 

 

千砂都「……そっか、命……目覚めたんだね」

すみれ「……全く、人騒がせ過ぎよ」

可可「とーか言って、安心してる顔してマースっ」

すみれ「うっさいわねぇ!アンタもしてるでしょうよ!」

 

恋「お見舞い……行ってあげた方が良いでしょうか…?」

かのん「うんっ、行ってあげて!……命くんも、喜んでくれるはずだからっ」

 

すみれ「……アンタも元通りになったみたいね」

かのん「……ごめんなさい、私……あの時はホントどうかしてて…」

すみれ「本当よ、練習に張り合いも無いし、変な気分だったわ」

かのん「………………」

 

千砂都「でーもー……今日からビシバシっ、鍛えてくからね~…?♪

まーずーは………………はいっ、これ!!」

 

そう言うと、かのんの机にパンと飲み物を何個も置く千砂都。

 

かのん「こ、これは……っ……?」

千砂都「かのんちゃん食べ無さすぎだからエネルギー蓄えないと!

これが、カルボナーラパン……こっちがのっぽパン……これがバターミルクマウンテンパンケー…………」

 

 

かのん「さ、さすがにこの量は無理かな~……」




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???「…………さ、てと…コレで一件落着かねぇ」
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メイ「じ、自撮り棒で殴りやがったぞ、アイツ…」
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