We are The Super STAR!** 作:A×K(アツシくん)
命くんが絶望します。
デートの日の夜……。
命は家の庭に出て……足で地面を馴らしていた。
かのん「……あんまり、無理しちゃダメだからね?」
「あぁ、分かってるよ……でも、休んでた分…体が鈍って早く動かしたくて仕方ないんだ」
かのん「命くんらしいね、まぁ私が目を見張っているから大丈夫だけどっ♪」
「頼もしいよ、かのん」
ふぅと深く息を吐く命。
その目はいつもの闘志に満ちている目だった。
かのん(やっぱり……命くんは、強いな…私も見習いたいな……)
いつものフォームで……腕を上げる…
そのまま、ネットめがけて……
腕を振る……………………………………。
…………………………が、その手からボールが放たれる事は無かった。
「………………あ、れ……っ……?」
ボールを握る手が震えている。
投げようと意識しても、投球する動作がピタリと止まり、動かす事が出来ない。
「……っ………………はぁ……はぁ…っ!!」
気が動転した命は、地面に思い切りボールを叩きつけ……その場に蹲った。
かのん「命くんっ!?」
只事ではないと感じたかのんがすぐさま近寄る。
「はぁ……はぁっ……!!!」
脂汗を大量に流している命。
自分の手を見ると、尋常ではない程震えていた。
「投げれ……ない……っ……」
かのん「……えっ……?」
「ボールが……投げられない……っ!!」
かのん「……命……くん…?」
「……う、あああああああああぁ!!!!」
半ばヤケクソ状態でボールを拾い、再び投げようとする命。
しかし……振り下ろした手からボールがいつものように投げられる事はなく……ポロッとボールが零れるだけだった。
「……ぁ……あぁ…………」
曜「命っ、どうしたの!?」
大きな声を聞いた悠と曜が、命の様子を見に来た。
かのん「め、命くんが……命くんが……!!」
「…………………………くっ……ぁ……」
肩を押さえて、地面にひれ伏す命。
一大事と感じた2人は、すぐさま声をかける。
悠「……明日、病院に行くぞ、命」
曜「だから、落ち着こう…?」
命「…………………………」
命からの返事は無かった。
────────────────────────
【翌日 スポーツ内科】
医師【……息子さんは、イップスの可能性があります】
悠「……イップス……」
医師【お話を聞く限り、その事故の出来事が無意識に脳や筋肉に影響を及ぼしているのかと】
曜「……治るん…ですよね…?」
医師【……これは精神的な病気です…医学的な根拠は無いのです……治るかどうかは……本人次第……かと】
受診し、結果を聞かなかった命の元に…2人が歩み寄ってきた。
「……なんだって」
悠「……命は、イップスってスポーツ障害の可能性が……あるって」
「……嘘だ……」
かのん「命くん、落ち着い─────」
「嘘だっ!!!!……だって、だって俺は……っ!!!」
かのん「命くんっ……!!」
悠に掴みかかろうとした命をかのんが止めた。
かのん「命くん……」
「……っ……くっ……あぁっ…!!!」
命はただただ……悔しくて床に拳を叩きつけるのだった……。
────────────────────────
【その日の夜】
かのん「……命くん、起きてる?」
「………………」
かのん「……ごめんね、やっぱり心配で様子見に来ちゃった」
「……………………」
かのん「……入って……いいかな?」
「………………かのん……」
かのん「……ん?どうしたの?」
「……来て、くれ……」
かのん「……命くん…………うん、分かった」
そう言うと、かのんは命のベットに入った。
「……ごめん……少し…胸、貸して…」
かのん「……うん、いいよ……少しと言わず…いくらでも」
「………………っ………………ぁ……っ!!」
泣いていた。
初めて見た、命くんの泣いている姿。
かのん「………………………………よしよし」
かのん(……私が、歌えなくなっちゃった時と……同じだ……
今度は……私が命くんを助ける番……絶対に……)
泣いてる命くんを見ても……私は何も言わない……ただ、命くんが落ち着いてくれるなら……私は、いくらでも……なんだってしてあげたい…。
……でも、これがまだ……不幸の続きな事は……まだ私は知らなかった。
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よろしくお願いします。
夏美「イップス……」
きな子「きな子達で置き換えるなら…上手く踊れないって事っすよね…」
メイ「……かのん先輩と通ずるのかもしんねーな……」
四季「どうなるんだろう…」