We are The Super STAR!** 作:A×K(アツシくん)
(※ 投稿後に数えたら596話目でした、脳みそが鳥以下です)
【夜】
夏美「は~…極楽ですの~…♪」
外に設置してあるドラム風呂に入る夏美が夜空を見上げていた。
夏美「……っ……歌声…ですの?」
森の方から微かに聞こえる歌声に目を向ける夏美。
ガサガサと歩いてくる人物を見ると……。
夏美「あ、アナタ……っ!」
「ん、あれ……夏美が入ってる番だったのか」
鉢合わせになった命を見て、急いで風呂の中に体を沈める夏美。
夏美「な、何してるんですの!!」
「少し夜風に当たってただけだ」
そう言うと、ドラム風呂に背中を向けてその場に座り込む命。
夏美「な、何してるんですの……っ」
「ボディーガード兼見張り役」
夏美「…………」
「別に見やしねぇよ、きな子達も部屋に居るんだろ?」
夏美「…分かってますの、アナタがそんな事するような人では無いこと位……」
「買いかぶられてるなぁ、俺」
そのまま無言のまま、水の音だけが、静かに聞こえてきた。
夏美「……」
「……なぁ」
夏美「な、なんですの…」
「お前、なんか悩んでないか?」
夏美「……別に、何も…」
「……そっか」
夏美「……あの」
「ん?」
夏美「目標って……何でしょうか…」
「目標…かぁ」
夏美「……夏美は、目標が無いからこうして……
マニーを稼ぐ位しか……無いんですの…」
「……詳しく、聞いてもいいか?」
夏美「……そう、ですわね…
アナタになら…話してもいいですの」
夏美「……私には、夢が無いんですの」
「夢が…無い?」
夏美「……昔から、スポーツ選手になりたいとかモデルになりたいとか科学者になりたいとか……口先だけで、何も…成果は得られませんでしたの」
「……そっか、まぁ…みんなそんなもんじゃないか?」
夏美「ですがっ!……今の皆さんは…とても素敵な夢を持って…目標に向かって…走り続けてますの…夏美には、それが羨ましく…感じてましたの」
「……そっか、そういった話で暗い表情してたのは…そういう理由だったのか」
夏美「…………………」
「……良いんじゃない?沢山夢があっても」
夏美「な、何を根拠に……!」
「ほら、歌の歌詞でもあるだろ?
叶えたい夢も今日で100個できたよ、たった一つといつか交換こしよう。ってさ
一つの夢に向かって頑張るって人も居るし、夢を諦めて違う夢を追いかける人だって居る
そんな人の事を、笑う人なんて居ないよ、少なくても俺はな」
そのまま命が言葉を続ける。
「……俺もさ、最初はLiellaのマネージャーなんかやるって思って無かったんだよ
……ずっと、頑張って追い続けた夢があったから」
夏美「…………そ、それは……?」
「野球選手…高校入って少しの間はやってたんだ」
夏美「……やってた…と言いますと…」
「怪我したんだよ、頭にボールぶつかって
そしたら、記憶は無くなるわ、ボールは投げられなくなるわ…もうてんてこ舞いでさ」
自虐そうに笑う命が空を見上げる。
「……でも、その夢を諦めて…今はこれはこれで良かったんじゃないかなって思ってる」
夏美「……えっ?」
「Liella!をもっともっと輝くスクールアイドルに……唯一無二の存在に……って夢が出来たからさ」
夏美「……………………」
「だから、夏美も……焦る事──────」
話も終わりに差し掛かった時だった。
茂みから呻き声が聞こえてきた。
夏美「なっ、ななななっ、なんですの……っ!?」
「………………」
ジッと茂みの方を睨む命……現れたのは……。
夏美「く、くくく、クマ……っ!?」
「……おぉ、北海道…野生のクマとか本当に出るのかよ」
巨躯を揺らし…静かに歩み寄る野生のクマの姿があった。
すかさず前に出る命。
夏美「ちょ、ちょっと!何を!?」
「夏美置いて逃げる訳にもいかないだろ?
それに、きな子達に助け呼びに行ったって、どうしようも出来ないだろ……って事は、1つしかないだろ?」
夏美「む、無茶ですの!相手は自分よりも大きいクマですの!!」
「やってみなきゃ、分からないだろ~?
それと、あんまり大きな声出すなよ?刺激させるから」
夏美「あ、アナタには、まだ夢が……っ!」
「お前にもあるだろ、夏美
……見つけて、成し遂げてみろよ…どこまでも応援すっから」
そう言った命がクマと対峙する。
「……つっても…やっぱデケェなぁ……野生のクマとやらは」
今にも襲いかかってきそうなクマが、グルルと呻き声を出し大振りで爪を命の方に突き出す。
「…………父さんから、絶対にやめろって言われてんだけどなぁ…
悪い、夏美……今見ることは……内緒、だからな」
その言葉と同時に、空気が歪むほどの気迫を見せる命。
夏美「な、なんなんですの……っ」
「……………………っ……」
目を見開き、野生のクマを睨むと…攻撃してるはずのクマの腰が引けていた。
「…………………………」
そのまま、人差し指をクマの眉間に当てる命。
卑下されてると思ったのか、再び命に襲いかかるクマ。
「…………っっっっらぁっ!!!!!」
声にならない咆哮をすると、野生のクマは完全に逃げ腰になり……
しっぽを巻いて、茂みに逃げていった。
先程まで見えていた空気の歪みのような光景も…見えなくなっていた。
「…………あはは、夏美に動画回されてなくて良かったよ」
振り返った命の表情はいつも通りそのものだった。
夏美「……は、はいっ……で、ですの……っ」
きな子「ど、どうしたんすか~っ!?」
メイ「なんか、とんでもなくでかい声が聞こえたぞ!?」
「あはは、クマが出た~」
きな子「く、クマっすか~っ!?」
四季「足跡、ここにある」
メイ「そ、それでどうしたんだよ!?」
「しっぽ巻いて逃げた」
メイ「逃げたって……お前なぁ…!」
──────────────────────
流石に、事が事だったので…きな子ちゃんのお母さんが各所への連絡等はしてくれたようだ。
そんなバタバタがあった後の部屋の中で…夏美が話があるとみんなが集められた。
夏美「………………」
メイ「話ってなんだよ」
四季「…」
夏美「…まず、今までの事を謝罪させて欲しいですの」
きな子「しゃ、謝罪って!夏美ちゃんは何もしてないっすよ!」
夏美「いえ、こうでもしないと…夏美の気が収まらないですの」
「……本題は、それなのか?」
夏美「……………」
再び、4人の顔を見る夏美。
夏美「……夏美、夢が出来ましたの」
四季「…夢?」
メイ「なんだよ、急に」
夏美「今までは、夢を語っても…何の意味も無い…そう思ってましたの」
きな子「……夏美ちゃん…」
夏美「……でも、皆さんと…一緒に夢を追いかけたい…そう感じましたの
…そう気が付かせてくれたのは…マネージャーである命さんですの」
「……俺は何もしてないよ」
メイ「……で、とどのつまり…お前は何が言いたいんだ?」
夏美「夏美も…Liellaに入りたいんですの!」
四季「…どうするの、冴木先輩」
「……まっ、あんだけ一緒にいてLiellaに携わってたらそう思うのは必然だよな」
きな子「きな子は大歓迎っす!」
メイ「2年生の先輩達に言うのか?」
「当然、なんなら驚かせてやるか?」
四季「悪い顔してる…」
夏美「皆さん…」
メイ「少しでも怪しい行動したら首根っことっ捕まえやるからな!」
きな子「な、仲良くっすよ~!」
prrrrrrrr!!
夏美「ひぃっ!?」
四季「冴木先輩…電話、鳴ってる」
「誰だ?……知らない番号だ…」
メイ「お、おいっ!出るのか!?」
「出るだろ、普通?」
電話に出た命が露骨に嫌な顔をし、携帯を耳から遠ざけた。
そのまま、スピーカーモードにした。
きな子「……?」
???「ウチの命が、お世話になってます!」
メイ「この声……どっかで…」
???「あなた達、Liellaですよね?
密かに応援してるんですよ、本日は夜分遅くではありますが…北海道に来たという事で連絡をしました」
四季「冴木先輩、この方は?」
「…………」
耳を塞いで首を横に振る命。
きな子「なんすかっ、誰なんすかっ??」
???「すいません、この子…私の事になると…もう……愛が……もう……っ!!!」
「いや、それあなたでしょ!''聖良''さん!!」
夏美「……聖良……さん???」
メイ「……聖良……………………聖良ぁっ!!!?!?!?!?」
聖良「やっぱり聞こえてたんですね」
「……黙秘」
メイ「せ、せせせ、Saint Snowの!?」
四季「合点がいった…」
命の胸ぐらを掴み、メイが問い詰める。
メイ「何で!!何でだよ!!??」
「痛い、セカンド・メイ、首がポロってなる、ポロって」
聖良「そちらにいるのは、新しく入った1年生の方々という解釈でよろしいでしょうか?」
「……はい、ついさっき新たに1人入って4人居ます…」
聖良「4人……つまり、先人である2年生たちを含めると…9人ですか
……ふふっ、やっぱり渡辺さんの子供なだけありますね♪
あなた達も、Aqoursに負けないくらい見ている人達の心が熱く強く震える物があると、期待してますよ」
メイ「は、はいぃぃっ!!!!」
聖良「落ち着いたら、また東京に顔出すので、その時はよろしくお願いしますね」
そう言うと、聖良さんからの電話は切れた。
メイ「……さぁ、説明してもらおうかぁ…マネージャー……??」
「圧が凄い、圧が
…まぁ、Aqoursのメンバーも聖良さんも俺が生まれた時や大きくなってから何度か顔出してくれてたんだけど……」
──────────────
聖良「せ・い・ら」
幼き日の命「しぇ・い・ら」
聖良「ふ、ふぐっ……!!///」
千歌「……あ、あんな人だったっけ……??」
聖良「こ、これは、イカですよ イ・カ」
幼き日の命「イ・キャ」
聖良「ぐ、おぉっ……っ!!///
ゆ、悠さん……毎年、命くんにイカを貢がせて下さい……!///」
悠「いや、まだこの子そういったの食べれないし…」
理亞「…姉さま……」
───────────────
「……って、エピソードがあって…今も毎年イカが大量に送られてくるって……」
メイ「羨ましすぎかっ!!!!!(お前の元には相変わらず人が集まるよな)」
四季「メイ、本音が出てる」
きな子「先輩の小さい頃、可愛いっすね~♪」
夏美(……何だか、夏美はこのメンバーとなら…上手くやっていけそう……ですの♪)
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