星狩りのヒーローアカデミア   作:魔女っ子アルト姫

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102スレ

「悪いわねエボル、丸三日も付き合わせちゃって」

「気にしないでください、すべきことを成しただけっでしょ?」

 

逢魔が時、雄英の校門前に車が止まった。運転席に座っているのはリューキュウ、そして助手席には星辰の姿があった。再度インターンの為に雄英を出発したのだが……追っていたヴィランが振動を増幅させるサポートアイテムとなる巨大な機械と一つになって襲いかかって来た。それ自体は何とかなったのだが……それによって引き起こされた山一つを崩すような大震動、それによって麓の集落が山一つを崩した土砂崩れに呑まれそうになった、のだが―――

 

〈EVOL SIDE!!〉

〈READY GO!! UNIVERSE FINISH!!〉

 

『させるかぁぁぁぁ!!!』

 

即座にエボルビルドへと変身して、ユニバースフィニッシュを発動。土砂崩れの先に無数のブラックホールを創造するという荒業を発動、それによって麓の集落の崩壊は免れたが、山その物がかなり不安定な状況になってしまった為に集落全体の避難をせざるを得ない事態となった。その為に作業や度々発生する土砂崩れへの対処の為に星辰はフル稼働し続けていた。ブラックホールフォームでは此処まで細やかなコントロールは出来なかったので、改めてこのボトルを貰ってよかったと心から思うのであった。

 

「あの山、如何するんですかね……」

「元々酷く寂れた山だから問題は無かったそうよ、土を操作できる個性持ちのヒーロー達が上手い事やってくれるわよ」

「そうですか……それじゃあ、態々送っていただいてありがとうございました」

「寧ろこの位しか出来なくてごめんなさいね、お詫びという訳じゃないけど貴方の分の報告書はこっちで上げておくから暫くはじっくり休むのよ。そろそろ文化祭でしょ、そっちに集中しちゃっていいから」

 

そう言いながらもウィンクと投げキッスで労いを向けながらも車を出して行くリューキュウを見送りながらも星辰は今までひた隠しにしていた疲労を表に出しながらも、寮へと向かって歩き出して行く。

 

「ハァァァァァッ……疲れたなぁ……ブラックホールフォームじゃ出来ないとは言え神経使う現場だったぁ……」

『いっその事、山全部飲み込めば良かったんだ。あんな器用な真似する位ならよ』

「そうは言うけど、あの山には採掘現場があったんだぞ。それを無くしたら集落の収入源の一つが無くなる」

『それで命が助かるなら安いもんじゃねぇか、このご時世に他の仕事がねぇなんてふざけた事はねぇだろ』

 

そんな意見をぶつけ合いつつも、漸く寮の扉へと手を掛けて開けると―――大広間で何やらA組の皆が話し合っている姿があった。

 

「何だ皆、如何したんだ集まっちゃって」

「あっ石動が帰って来たよ~!!」

「よかった間に合って、このままでは君の意見を聞かぬまま出し物を完全決定させてしまう所だったよ!!兎も角、お疲れさま!!」

「ああうん、とりまなんの話か聞かせてくれない?」

 

如何やら自分がインターン活動に出ている間に文化祭の出し物が『生演奏とダンスでパリピ空間を提供する』という事に決定したらしい。これまで、良くも悪くもヒーロー科は他の学科への干渉が強く出ていた、今回の文化祭はそれに影響して規模を縮小して行われることになっている。そんな自分達が出来る事、他の学科のストレス解消の一助になる企画という事でそれになったらしいのだが……普通科などは一方的に自分達を振り回している癖に何を勝手な事を……というスタンスを取っているらしい。その事も踏まえて、自分に意見を聞きたいのだという。

 

「成程ね……俺個人としては皆がそれをやりたいならやるべきだとは思う、まあその一方で一言―――なんで戯言に振り回されてる訳?」

『なんかすっごい辛辣な意見来たぁ!!?』

 

まさかの発言に皆が驚いた。何故ならば、それは爆豪と全く同じ意見だからである。そして普通科の事を聞いて怒りを感じる。

 

「だってそうでしょ。何がヴィランに襲われた癖にだよ、その癖に林間合宿行って怪我してだよ、こちとら好きでそうなった訳じゃない。俺は殺されそうにもなったし悪の帝王にも面談する羽目になった、随分とふざけた事を抜かすね普通科の連中。そもそも林間合宿行くって決めたのは先生たちだからそっちにも文句言え」

 

そう、普通科らは振り回されていると主張するが最も事態に翻弄されたのはヒーロー科なのである。そして星辰に至ってはヴィラン連合によって拉致された一番の被害者。そんな彼からすれば普通科の主張は筋違いとしか思えない。

 

「い、いやしかし」

「だったらいいよ、俺がこれから普通科の寮に行って来て頭下げて来るよ。俺が林間合宿で死に掛けて拉致られたせいで文化祭が縮小されてすいませんでしたってね―――つまりこういう事だよ、そいつらが望んでるのは……なぁ爆豪」

「だろうなァ、んでそれで許すかよクソがっつう風にほざくに決まってる」

 

それを言われてしまうと何も言えなくなる、だがこれをやると普通科の立場はより一層悪くなって、関係が悪化する事間違いなしとエボルトは語る。納得の説得力だと星辰が思う中で一つの答えを出す。

 

「爆豪も分かってると思うけどさ、やるべき事はそんな普通科に頭下げる必要なんて一切なし!!」

「つまり―――」

「雄英全員、音でヤるぞ!!」「全力で楽しんで、圧倒する!!」

 

同じ意見に二人は僅かに口角を持ち上げた。爆豪は文句の出ないクォリティで反対派の意見を完全に捻じ伏せて屈服させるという意、星辰は自分達が全力で楽しんでそれに巻き込んで圧倒すればいいという意。細かな違いこそあるが、概ね二人の意見は合致している。その言葉にA組からは歓声が上がる。

 

「うおおおおっまさかの二人の意見が合致したぁ!!」

「まさかすぎる!!まさかの二人だ!!」

「うるせぇぞなんか文句あっか!!」

 

一先ず、何とか方向性自体は纏まる事が出来たので『生演奏とダンスでパリピ空間を提供する』に向けての話の煮詰め合いが行われることになった。其処へ補修を終えた緑谷達も合流していよいよ素晴らしい内容になろうとした時―――肝心の曲の配分、メインのボーカルなどは如何するかとなった時の事だった。

 

「それじゃあボーカルは如何するかな……」

 

音楽を趣味としている響香が中心になって話を進行しようとした時―――とあることが麗日から放たれた。

 

「えっ耳郎ちゃんと石動君じゃないの?」

「ええっ!?」「えっ俺?」

 

放課後などに楽器やらを教わっている時に歌声が良かったという理由での響香の氏名は何処か納得出来る、と男子からも声は出来るが星辰に関して完全に謎だと言われるのだが

 

「だって前に声の仕事得意って言ってなかった?」

「いやそれって入学直後とかの奴でしょ、ヤオモモとか上鳴とかの声真似した時の」

「でもあの時のヤオモモの声完璧だったよね!!もしかして、そのまま歌えたりするんじゃないの!?」

 

如何やら随分昔にやった声帯模写の事を覚えられていたらしい。歌は声の仕事と言っていいのだろうか……まあ確かに姉と一緒に歌ってみたを投稿した事などはあるが……尚、配信でそれを流したらかなりの反響が貰えたりもした。

 

「まあまあそれじゃあまずは星辰君歌ってみてよ!!」

「んじゃ星辰がやるならウチも歌うよ」

「ホント!?それじゃあ益々やって貰わないとね!!」

「なんだよそれ……」

 

思わず肩を落とすのだが……何やら視線を集めてしまい、逃げられる状況ではなくなってしまった。しかも何故か響香からも圧力を感じる、アンタが歌うならウチも歌うからと乗り気。デュエットならばやるという事だろうか……兎も角、もう逃げられる状況ではなくなってしまった。

 

「(エボルト、声を変えるってこの状態でも行ける?)」

『そりゃ出来るぞ、別にブラッドスタークだけの機能じゃなくてあれは俺の能力だからな。歌唱力のは相棒が何とかするしかねぇけどな』

「(くそ、もう逃げられないか……よしもうなったら――――)」

 

と何処からか持ってこられたマイクの前に立った星辰は半分やけくそになりながらも咳払いをする。そしてスマホを操作してある曲を途中から一時停止しておく。

 

「んじゃまあ―――」

 

一体どんな歌声が飛び出すのかとドキドキワクワクする皆の前に放たれたのは……

 

―――Be The One, Be The One

All right!

明日の地球を投げ出せないから

Be The Light, Be The Light

All right!

強くなれるよ 愛は負けない

何かを助け救って抱きしめ

心に触れて 届くよ 伝われ

Be The One, Be The Light

メッセージ送るよ 響くよ―――

 

まさかの女声な上に透明感のある美しい声色に全員が思わず聞き入っていた、声だけではなくその歌唱力は紛れもない本物であったが故に。

 

『相棒、お前ノリノリじゃねえか。いや、つうかなんてこんな歌えてんだよ』

「(―――……一時期、本気で歌い手に憧れていた時期がありまして……カラオケボックスに入り浸ってました……)」

『お、応……』

 

と歌い切りながらも顔を真っ赤にして顔を伏せてしまう星辰だが―――

 

『超良いぃぃぃぃぃぃっっっっ!!!』

『負けたぁ!!!』

 

とA組の皆からは拍手喝采の嵐。そして続けて響香も歌うのだが、其方はセクシーなハスキーボイスで聞いていて耳が幸せになる程。この二人の組み合わせならばボーカルは問題なく任せられるという事でボーカルは文句なしで決定。

 

「というか今の曲何~!?今のを演奏するのもいいじゃない!?」

「そうだな、一曲だけというのも寂しいし複数曲を演奏するのも良いかもしれないな!!」

「それじゃあデュエットを含めて複数って事かな?」

「その分、難しくなるかもしれないが皆行けるか!?」

『やるしかないでしょ~!!!』

 

難易度が必然的に上がっていく事にあるのだが……逆に皆の中にこの歌声に合わせて踊りたい、演奏したいという欲求が溢れ出して行く。ダンスは同じにしたり共通部分を多くしたりなどすれば対応可能という事でどんどん話は進んでいく。

 

「それじゃあ、星辰頑張ろうね!!」

「……もうこうなったら自棄だ、やったりますよ!!」




星辰の秘密。実は形から入るタイプ、歌い手に憧れていた時期は歌唱練習やボイトレなどをマジでやっていた。

という訳で、今回は文化祭描写にも力を入れようと思います!
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