結局、星辰もバンド隊のボーカルへと編入。補修などもあったが、それの免除の為にテストを願い出た結果―――一発合格で補修の免除を勝ち取って練習に参加する事にした。そしてテストの後は楽譜などを準備するなどして皆に合流した。
「これが楽譜だ」
「おおっこれだな!!お前が女声で歌ってた奴!!」
「ウチはボーカルの練習もしないと……デュエット曲もあるから、全然時間無駄に出来ないし星辰後でデュエット付き合ってね」
「OK、爆豪も頼むぜ。これらの盛り上げ役兼一番の難所はお前のドラムだぜ多分」
「ハッ上等だ、一瞬でマスターしてやる」
と爆豪も星辰の煽りを受けてやる気満々。難しいのは確かだが、それを即座に物にしてやるというプライド故かかなり真剣に取り組みつつも檄を飛ばしている。粗暴な面が目立つが、何だかんだでこういう時の引っ張り役としてはかなり適している人材とも言える。
「こっちの曲はかなり盛り上がりに適しておりますのね、これはいっその事皆さんで踊るのも宜しいのではないでしょうか?」
「オホッそりゃいいな!!音楽の勢いに合わせてダンシングタイムとかそれも最高かも!!」
「……昂りの至り」
とまずは曲を聞いて流れやテンポを身体に叩きこむ作業、その過程で純粋に曲を欲するなどもある。尚、爆豪は一度聞いただけで大体を掴んだのか、後は流しながらそのまま叩けるようになっている。本当に才能マンなのである。
「俺も俺で歌は確りやらないとなぁ……マジで歌うのとか雄英を目指してから全然やって無かったからなぁ……」
雄英への受験を決める前までは、ちょくちょく美空の配信に付き合って歌ったりもしていたが決めてからそれらはしていなかった。なので鍛え直さないといけないとすら思っている。なので爆豪の流しているそれに合わせながらBE THE ONEを歌い始める、それに合わせて爆豪もドラムを叩き始める。途中でいきなりアレンジを入れ始める爆豪だが、それに一切釣れられないように歌う星辰。
「あっ星辰、ウチちょっとここ歌ってみたいんだけど」
「分かったよ」
そう言いながらも一旦切り上げながらも響香の見ていた楽譜を見る、それはA組満場一致でテンション爆上がりソングを勝ち取ったとある歌だった。なので星辰もノリノリでそれに応える事にした。爆豪らもそれにはまだ手を付けていなかったので聞いて覚える事にした。
Life goes on Anything goes Coming up OOO!!!)
フリーな状態... それもいいけど
Count the medals 1,2 and 3!!!)
結局は 進むしかない
Count the medals 1,2 and 3)
此処まで歌ってみたが、互いに息はあっているし交代も問題なく出来ている。問題はこれを演奏するのか、それとも単純なダンスの身にするかという問題があるのだが……その辺りは演出隊やダンス隊とも相談になってしまうだろう。
「なんだよお前、普通に歌っても上手いじゃねえかこんちくしょう!!!駄目だったら俺が歌おうとか思ってたのが恥ずかしいぜ!!」
「本当に素晴らしい歌唱力ですわ!」
「然り、正しく歌姫に並び立つに相応しい」
「ハッ俺よりは下だな」
そんな意見が飛び出してくるが、星辰と響香的にはまだまだ詰められる部分も見受けられる。
「此処の交代の所さ、少し抑えた方がいいかな。星辰の声が少し隠れちゃってるっぽいんだよね」
「それなら俺が上げる?」
「バランスもあるしウチの方で上げるよ。ちょっと高めのウチの声って出来る?」
「ん"ん"っ―――こんな感じ?でもこれはこれで喉に負担掛かるかもしんないしちょっとグレーっぽいっしょ、それだったら俺の方が下げる選択肢もあるでしょ」
「成程。こんな感じだね、大丈夫だよ文化祭まで時間あるから毎日少しずつ慣らしていくから」
『有効に活用してる……』
声を変える事が出来るというエボルトの能力をフル活用して、歌う場面の音域の調整などにも付き合える。流石にこんな使い方は思いつかなかったが、やってみると結構便利な物だと内心で星辰は新たな活用方法にグッとくるのであった。
「おい星辰!表に壊理ちゃん来てるぜ、お前に会いたいってさ!」
「壊理ちゃんが―――っと悪い、今行く」
「おっ何だ今の耳郎の声だったぞ!?」
と切島からの言葉を聞いて一度抜けながらも表に出ると、そこにはミリオに連れられている壊理ちゃんの姿がそこにあった。文化祭に来る前に、一度雄英に慣れて貰おうという事で見学に連れて来て貰ったとの事。
「やっほっ壊理ちゃん」
「えと、えぼるさん……?」
「おっ覚えててくれたんだね、嬉しいな。何を隠そうこの私は、青空さえも星空へと変えるスーパーヒーロー……仮面ライダーエボォル!!」
「確かにこの前は凄かったよね!!」
某マッドサイエンティスト風な名乗りを上げる星辰に壊理ちゃんはおっ~……と小さく拍手を送るのであった。
「よかったね壊理ちゃん。キラピカお兄ちゃんに会えて」
「星辰君だったんだね、僕全然分からなかったよ」
「まあその時は緑谷居なかったからしょうがない、ああそうそう壊理ちゃん、俺文化祭で歌を歌う事になったんだ」
「えぼるさん、お歌うたうの?」
「そう、歌のお兄さんになるのさ」
先日のあれが、やはり強烈に焼き付いているのか壊理ちゃんは星辰の事を確りと覚えていた上に歌を歌う事に興味を持った。それに応えるようにワザとらしく咳払いをする。
「そうだよ壊理ちゃん、歌のお兄さんがやるのは皆がワクワクドキドキする歌とダンスの素敵空間なんだよね!!」
「あれ、ルミリオンさんにデクさん……?」
「WOW!!こりゃ驚いた、星辰君そんな特技あったのかい!?」
ミリオの声になりながらも今度は緑谷の声になったりしながらもアピールを掛ける、そしてその場でステップを踏みながらもスピンをしながら笑顔で壊理ちゃんを見つめる。
「こんな風にお兄さんお姉さんが踊るから是非見に来てよね、喜んで舞い上がっちゃうかもしれないけどね」
「アハハハッ本当に浮けるから浮いちゃえばいいよ!!」
「ハハッそりゃいいですな!!」
楽しげに笑っている星辰の姿に壊理ちゃんは素直にドキドキし始めた、こんな風に楽し気でありながらも懸命にやっている人がやる歌やダンスというのはどんな物なのだろうか、それを見てみたいとワクワクが生まれ始めていた。そんなワクワクを胸にしながらも雄英の中を見学する事になった彼女は、ミリオと緑谷に連れられて歩き出して行く。
「待ってるからね~!!帰り際はこっちによってね、アップルパイ作ってあるから~!!」
そんな言葉を送った後に相澤が声を掛けて来る。
「済まんな石動、だが壊理ちゃんはこの前のお前との触れ合いもあって暗い面が減って来てると通形から話があった。その調子でこれからも暇があれば頼む」
「言われるまでも無いですよ、俺は皆が笑顔で愛と平和を胸に抱ける世界にする事ですからな。子供の笑顔を守るなんて特にやるべき事ですから」
「ならいい、それと文化祭中の変身許可は取って置いた。出し物で使うなり、壊理ちゃんと一緒に居る時に使うなり好きにしていいと校長からのお墨付きだ」
「よっしゃ!!」
と思わずガッツポーズを取る、何せ星辰はバンド隊に入りながらも演出隊にも入っているのである。演出隊には星空を演出出来る事を伝えているので可能ならばそれを活かして体育館を満天の星空で輝かせながらも、その中を縦横無尽に踊り狂う青山という一等星という演出をやりたいという話があったのだ。これならば自分達がやりたい事をほぼ100%出来ると言ってもいい。
「さてと、俺もテンション上げて取り組みますか!!」
『既にテンションたけぇ癖にこれ以上上げて如何すんだよ、ハザードレベルあがるぞ』
赤が星辰で黄色がジロちゃんです。