「遅いよ星辰!!緑谷もそうだったけどアンタ何してた訳!?」
「ごめん、色々あったからさ」
ファントムクラッシャーとジェントルたちを送り届けた後、大急ぎで戻って来た星辰を皆は慌てて迎え入れた。ライブの開始は10時、だがそれまでにしておかなければいけない事は数多くある。幸いな事に早急に蹴りを付けた事で準備を時間は十分に取れている、既にステージの上には楽器がセッティングされている。もう直ぐ始めるを告げると共に上げられる幕を見つめながら……星辰はジェネシスユニバースボトルに握る手に力を込めてしまった。
「柄にもなく緊張してるの?」
「俺は緊張しないタイプって思われてる訳なのな」
背中を軽く叩いてくる響香に対して少しばかりの笑みを浮かべて振り帰る、他の皆は統一されたTシャツやダンス衣装に身を包んでいる中で自分はそこにエボルドライバーを装着している。アウェーな感じに震えているのかもしれない。
「楽しもうよ、この時間、この瞬間をさ」
「そりゃいい、愉しんでやろうじゃないの―――全てを使ってなぁ!!」
ブザーと共に開けられて行く幕、それに合わせてジェネシスユニバースボトルを起動させながらドライバーへと装填―――そして宣言する。
「変身!!」
幕が開かれると同時に体育館中に宇宙が溢れ出す。その宇宙を背負いながらのA組の登場に皆は言葉を失う、この場にはこの状況を気に入らないと思っている生徒達もいる、楽しむなんて気は一切なく品定めの為だけに来るというエボルトに言わせれば暇を持て余している暇人共がいる。星辰もそれは否定しないしそっちがその気ならば此方も取る手は幾らでもある。最早敵視と言ってもいいそれらを向けて来るそいつらに、容赦する必要などは無い。
「最初から最後までクライマックスだぜ!!」
マイクを蹴って回転させるようにしながら持った星辰はノリノリで頭部の装甲を開放しながらもそう叫ぶ。そして同時に体育館の灯りが全て消される―――のに体育館は満天の星空の真下にいるように明るくなっていた。そしてその隣に並び立つように響香が質ながら笑って言った。
「最初に言っておく―――!!」
「アタシ達のライブは―――」
「「か~な~り凄い!!さあ始めよう、開幕だぁ!!」」
Life goes on Anything goes Coming up OOO!!!)
その言葉と共に体育館中の世界が侵食される、満天の星空が足元にも広がってまるで本当に宇宙空間にいるかのような浮遊感が全員を包み込む中、爆豪の爆破を開幕の号砲としながらも遂にライブが始まった。響香と星辰の歌声に乗せて最高の演奏とダンスの空間が始まる。
フリーな状態... それもいいけど
Count the medals 1,2 and 3!!!)
結局は 進むしかない
Count the medals 1,2 and 3)
ダンスが一糸乱れぬ踊りを行う背後から響き渡る二人の歌声、軽快なメロディを奏でながらも自身もステップを踏みながら星辰とペアダンスを踊るようにする響香。交互に入れ替わる様な歌声と共に全員が笑顔を浮かべながら勢いと心を掴むようなリズムに圧倒されていた観客たちは次々ととりこになっていく。
全員が行うオーズコール、それはこの世界には馴染みがない。だが星辰はそれをオーバーインフィニティという意味が込められていると伝えた、無限を越えて行くという意味に皆がノリノリでそれを言おうと乗ってくれた。その中には爆豪もいた、そして最後と共に爆豪は両手から爆破を起こし、音楽の勢いに風圧を乗せる事で更に全体を圧倒する。
そして、又もや世界が変わる。そこはまるで青空の下の煌く世界。其処に降り立つとダンス隊の中央を割る様に響香と星辰が飛び出してポーズを取る。それに合わせて天井から焦凍と切島によって砕かれた氷の粒が舞い落ちて来る、それは光を受けると虹色の光を放ち始める。
内に秘める 自信が大事
Count the medals 1,2 and 3)
その言葉と共に、星辰は浮き上がった。そして光のサーフボードのような物に飛び乗りながらもそのまま空中を滑るように移動しながら歌い続ける、響香は麗日の手を借りて浮き上がりつつも歌い続けて行く。その背後にダンス隊がジャンプして追い付くと、今度はエボルビルドの力でそれを維持する。空中に居続けたままでダンスを行うという荒業をやってのける。
意味なくない? 一抜けしよう
Count the medals 1,2 and 3)
「壊理ちゃん!!」
「ふぇっ?」
その時、壊理ちゃんへと手を伸ばす。ミリオは分かったと言わんばかりに軽くトスしながらも壊理ちゃんを上げる。それを受け止めながらも自身の周囲に光のエボルビルドを作り出して追従させながらも舞台をチェンジする。青空を切り裂く無数の閃光を従えながらも空を飛ぶサーファー、それに観客たちは大興奮で自分達も連れて行けと言わんばかりだ。それを分かっていたと麗日が梅雨ちゃんの力を駆りながらも飛び出して、楽しみたい人とハイタッチを決めて無重力をプレゼントしていく。
「さあ皆も一緒に!」
お姫様抱っこされている壊理ちゃんもその勢いに流れるように、だが周囲の閃光が特大の花火に変化すると笑いながら一緒にオーズコールを行う。そしてそれが終わると同時に壊理ちゃんをミリオの所に降ろすとバク転でステージに戻りながら叫ぶ。
全員がステージに降りたってポーズを取りながらも全員を誘うかのように手を叩き始める。それに全員が即座に乗って体育館は拍手の喝采が巻き起こる。次はどうなる、どんな風になるんだと皆の心を擽りながらも演奏が続けれていく。
最後の仕上げだと言わんばかりに爆豪が再び爆発を引き起こす。
一拍の静寂の後、大歓声が体育館中を制圧している。最早そこには敵意も何もない、唯の熱狂だけがそこにある。それを見て満足気に笑いながら星辰はマイクを取った。
「なんだこの程度で満足しちまったのか、言ったよなぁ最初から最後までクライマックスだってなぁ!!まだまだ、行けるなぁお前らぁ!!」
『おおおおおっ!!!』
「声がちいせぇぞもっと腹から声出してみろぉ!!』
『おおおおおおおおおおおっ!!!!!』
その言葉の通りになっているか、星辰のテンションは極めて高かった。そしてそれに乗る観客たちも絶好調であった。だったら答えは一つしかないだろう。
「だったら次行くかぁ!!今度は俺のソロだ、俺の美声に酔っぱらうんじゃねぇぞ!!」
文化祭は、まだまだ始まったばかりなのだ。
次回もライブから、続く!!