星狩りのヒーローアカデミア   作:魔女っ子アルト姫

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112スレ

「如何ですか戦兎さん」

「実に興味深い、いや本当に興味深いよこいつ」

 

文化祭の終わった後、戦兎の工房を訪れた星辰。そこではファントムクラッシャーが分解されながらもケーブルなどが無数に繋げられて、データの吸出しや改正が行われている様子がそこにあった。差し入れである弁当を置きつつもパソコンに向かい続ける戦兎に進捗を尋ねる。

 

「こいつの基本的なシステムはライダーシステムを基礎設計に起きつつもそこに独自的な解釈と調整を行っている、いや寧ろライダーシステムのオリジンとも言うべき方向性に先祖返りさせたような感じだな」

「つまり……軍事兵器」

「ああ、プロジェクト・ビルドを本格的に軍事目的に特化させた感じだ」

 

プロジェクト・ビルド、悪魔の科学者と呼ばれた葛城 巧により考案されたプロジェクト。防衛システムとして仮面ライダーを作るという趣旨の物、防衛を行う為の力は相手と戦う為の物。それによって旧世界の敵勢力などは軍事兵器などの転用を考えていた程に優れていた。そしてファントムクラッシャーはそれを誰かを救う為の力という仮面ライダーを、誰かを殺す為の物に特化させるプロジェクトによって生み出された産物だと戦兎は言う。

 

「しかも、こいつには対仮面ライダーと思われるシステムが搭載されてる」

「対仮面ライダーって……」

「だけど、システムが完全に破壊されてて修復できない。断片的な情報しか取り出せなかったけど……そういうシステムだと思う」

 

恐らくだが戦闘不能になった段階でシステムが壊されるシステムが仕込まれていたのだろう、それによって完全な解析は不可能だったらしい。だがそれを聞いて星辰はある事を思い至った―――ファントムクラッシャーはライダーシステムを無効化する為の機能があった。相手のネビュラガスを吸い上げる事でハザードレベルを間接的に下げて、変身が出来ないようにする物だった筈。

 

「戦兎さん、それってネビュラガスを如何にかするシステムなんじゃ……」

「ネビュラガスを……そうか、俺達の身体にあるネビュラガスを抜き取ってハザードレベルを下げようっていうのか……!!凄いぞ星辰よくそんな発想が出来たな!!」

「いやまあ、ガスを浴びてハザードレベルを上げられるならガス抜きが出来るんじゃないかなって……」

「ハハッ当然の意見だな!!」

 

と、言ってもこの予想もあくまで劇中の描写からの予測でしかない。だが恐らく正解だとは思う……そうなると確実に必要になってくるのはファントムリキッド。

 

「(エボルト、ファントムリキッドって俺達でも作り出せるのか?)」

『やろうと思えばな、使おうと思わなかったのは液体だから使い勝手が悪いんだよ。多分だが強力だからハザードレベルが高い奴じゃねぇとスマッシュ化もせずに消滅する、ネビュラガスの方が色々と使い勝手いいからな。態々濃度を高めようと思わんかった』

「(成程な……)」

 

そんな事を考えると腰が突かれた。其方を見ると紅茶が入ったカップを差し出してくるラブラバの姿があった。

 

「はい紅茶よ、考えるのもいいけどお休みも入れないとダメよ」

「どうも有難うございます、戦兎さん二人を受け入れてくださって有難うございました」

「お前さんの頼みだから断る理由がないからな、それに結構頑張ってくれてるしな」

 

そう言いながらも自分の席に座り直したラブラバは複数のキーボードを同時に叩き始める、ハッキングのプロを自称していたがその腕前は超一流。戦兎としても有難いメンバーを紹介してくれたと思っている、そして一方のジェントルは―――

 

「ただいま帰還しましたよ桐生博士」

「あっお帰り、今回の如何だったってなんかボロボロだな……」

「ハハハッ少々いざこざがありましてね」

 

工房に入ってきたのは若干汚れているジェントルだった。その手には戦兎お手製のサポートアイテムと思われるものが多数抱えられていた。それを置くと直ぐにデータをラブラバへと手渡した。

 

「如何だったジェントル?」

「フム、実にエキサイティングだったよ。だが3番は聊か出力が高すぎると感じたね、逆に6と11番は弱いし調節が難しい」

「助かってるよジェントル、ゴールドティップスを仕事先から貰ったから飲んでくれ」

「おおっ!!なんと、仕事後の一杯がゴールドティップスとは……」

「よかったわねジェントル、星辰君のケーキもあるわよ!!」

 

現在、ジェントルとラブラバは監視付きの奉仕活動という名目で戦兎の下では働いている。幻徳が手を回し、個性の使用許可も取得してジェントルは戦兎作成のサポートアイテムのテスターとして、ラブラバはテストで得られたデータを解析するプログラマーとして。最初こそラブラバは少々悩んでいたが、決め手となったのはジェントルの言葉だった。

 

『……やはり、私は忘れられなかったんだ。歴史に名を刻みたいなど唯の名目だ、不貞腐れて素直になれなかった愚かさゆえだ。私はヒーローになりたかった』

『なれるよ、お前は星辰のダチを助けただろ、そりゃもう立派なヒーローだ』

 

それに対する戦兎の言葉でジェントルも決意を固め、ラブラバもその道に付き合う事を決めた。こうして工房初の研究員二人を確保する事が出来たと戦兎は何処か胸を張っていた。

 

「万丈さんは別扱いなんですか?」

「あいつはほら……居候?」

『おい、最高のコンビ何処行った』

 

尚、万丈は万丈で身体を鍛えるがてらにサポートアイテムの運営役や資材運びを行うなどの仕事をきっちりとこなしている。だから一応工房のちゃんとしたメンバーではあるが、研究員としては数えたくはなかったとの事。

 

「んで、アンチ・ライダーシステムに対する対抗策って……思い付きます?」

「正直どの程度までやれば良いのかが微妙だなぁ……こいつにあるのだって明らかに試作品な上にあからさまな空白がある、つまり鹵獲されるのを想定された上で内部破壊を組み込んでる。そんな奴らのシステムが半端な訳がないからな……兎も角、色々試してみる、そっちも気を付けろよ。一番目立ってる訳だしな」

 

そう言われれば確かにそうだが、自分に対ライダーシステムの物を向けられたとしても恐らく無力化は出来る。何せこの身体自体がエボルトなのだ、ネビュラガスによってレベルを上げている訳ではないから問題はない。だが問題は戦兎たち、この辺りは戦兎が対抗策を見出すか、それとも自分がファントムリキッドを作り出すかに変わって来る。

 

「それじゃあ戦兎さん、俺そろそろ」

「ああ、飯ありがとな」

 

そう言いながらマシンエボルダーに乗り込みながら、アクセルを回して走り出して行く。

 

「(ファントムリキッドか……)」

『この世界にもある、ならまずそっちを抑えた方が楽だな』

「(と、言ってもなぁ……場所がわからん、かずみんが偶然入った事云々って事位しか覚えてないんだよなぁ……)」

 

そのような思いをさせながらも戻った雄英、スマホに戻しながらも部屋へと入るとそこには―――さも当然のように居座っている響香が居て、自分を見ると直ぐに笑顔になって抱き着いて来た。

 

「お帰り星辰♪ねぇ何処行ってたの、一緒に居てくれるって言ったのに」

「ごめん野暮用でね、これからはのんびりしようよ。珈琲淹れて」

「ウチのハートビート聞いてね♪」

 

ニコニコしながらも強く抱き着いてくる響香に星辰は何も言えなかった。だが、こうして自分を好いてくれる事に対しては嬉しさが溢れ出しそうになっている自分が居て、満更でもないんだなと自分でも思った。

 

「ねっうちの家族にはいつ紹介しようか!?」

「は、早すぎない……?」

「早くないって、それに―――アンタ以外にウチは初めてを渡す気ないからね♪」

「わぁお……とってもヘヴィ……」

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