星狩りのヒーローアカデミア   作:魔女っ子アルト姫

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115スレ

次々と行われていくランキング上位ヒーローへとインタビュー、それを絡んできたホークスの傍で立ちながらも静観する星辰。まあその内、自分に対する何かも行われるだろうと待っているとホークスに指で突っつかれた。

 

「エボル君、どう思うこのインタビュー」

「いきなりですね」

「いやさ、推薦した俺としては退屈してないかなぁ~って。こんなんだった俺も推薦しなかったんだけど、代り映えしなくて悪いね」

「良いんじゃないですかね、安定させるって難しい事ですし」

「大人な意見だね」

 

軽く笑っているが瞳は全く笑っていない、本音を聞きたいと言わんばかりの瞳に星辰は喰えない人だという印象を強めた。

 

「(お前みたいだな)」

『おいおいおい、俺は此処まで分かりやすくはねぇぞ?』

 

それは確かに。エボルトは自分の中身を相手に見せるなんて事はしない、だがホークスはそれを敢えて行って相手の行動を誘発させようとしている節がある。言うなればカウンター、エボルトは自分の内面を見せずに相手に不安を受け付けながらも翻弄し、最終的に突撃しかない所まで誘導すアンノウンという差がある。そしていう通りにヒーロー達の言葉はハッキリ言って安牌を切っているだけでしかないのも感じている。

 

「率直に聞くよ、このままでいいと思う?」

「んな訳ないでしょ、良くも悪くも世の中は変わっていくのにこれから同じ事をやっていくのは取り残されていくだけです。それは安定とは対極、停滞です」

「うん有望な新人君が俺と同じ意見で嬉しいよ」

 

ミルコはミルコで悪い奴、聞いてるか、アタシがぶっ飛ばしに行くからな。と言っているがこれはこれで良い、ミルコの場合はその圧倒的なフィジカルによる物はオールマイトに迫るものがあるしそれによる物はヴィランにとっては非常に恐ろしい、それがまだまだ続いて行くという事の宣言は寧ろすべき事なのだから。安定はこういう者に望む物なのである。

 

「んじゃ後輩君、君にそれを頼みたいんだけどさ良いかな?」

「新人にそれ任せます普通、ヘイターを買って出るのは先輩って決まってるようなもんでしょ」

「いやいやいや、ほら君が行った方がインパクトデカいじゃん?」

「全く……」

 

まあその意見は御尤もだ、記念すべきこの舞台に上がっている唯一の新人ヒーロー以下の候補生、それが指摘するのだからインパクトは十分だ。インタビューに応えているエッジショットには申し訳ないが……この辺りで指摘して新しい時代への変革を促す事は必要だろう。

 

「だが、我々は名声の為にヒーローを行うのではなく、人々に安寧を齎す為にヒーローを―――」

「あんだけステイン否定しといて結局ヒーローが目指すところがそこって笑えますね、新手のギャグかよってなりますね先輩」

「いやはや全くだよね、しかもステイン否定派だったエッジショットさんがそれを言っちゃうんだから余計に腹筋に来るよね」

 

先程まで小声での談笑だったのに一気に声量を上げて普通にマイクが声を拾ってしまう程の声で会話する。それによって会場全体が静まり返った。リューキュウは溜息混じりにホークスに影響されちゃってる……と頭を抱え、ミルコは愉快そうに笑っている。

 

「結局ん所、やる所かえなくていいんですかだよね。なんせ―――これまで俺達が依存してたオールマイトはもういない」

「たった一人に依存してきて四苦八苦しているのが今ですからね、たった一人に社会の全てを任せてた事自体が間違いでしかなかった、それに気付けずに全員で担うって意識が無かった……先輩含めてね」

「ハハハッ耳が痛いけどほら、俺ってばそういうタイプじゃない?」

 

気にする事も無く話し続ける二人に誰も注意しない、何故ならば彼らが話している事は正しくこれまでの時代の遺恨でしかない。平和の象徴(オールマイト)を持ち上げ、持て囃し続けた結果がいまだ。

 

「それでも、またオールマイトみたいな奴が現れるのを待つ気ですかね。それで俺が此処に呼ばれたとか?」

「あ~それはあるね、俺はぶっちゃけそんな事考えもしてなかったけど委員会はそういう事検討してても可笑しくないね。次の象徴を探そうってね」

「だったらお門違いだな、俺はオールマイトじゃないんで」

 

公安委員会は絶句していた事だろう、なぜホークスがそれを語るのかと。今回のニュージェネレーションも、新たなオールマイトを探すという狙いもあったのだ。社会を安定させる為の偉大な象徴(イコン)、ブレる事のないそれを立てる事で社会全体の安定化を図ろうと……その場にホークスもいた、反対の意見を出していなかった筈の彼が何故。

 

「んじゃさ、エボル君はどんなヒーローを目指すんだい。オールマイトじゃない、自分って奴を見つけられるのかな」

「俺は俺ですよ、俺はラブ&ピース、愛と平和を齎すヒーローを目指していますよ―――ずっとね」

 

愛と平和と来た、何ともヒーローが言いそうな言葉だと誰もが思う中で今まで無言を貫き通していたエンデヴァーが口を開いた。

 

「随分と大きな口を叩くな、それがどれだけの苦難に溢れている道なのか理解しているのか。あの馬鹿、オールマイトでも成し得ないような事をするつもりか」

「ええ、だからこそやる価値があるんだと思いますよ。それに俺一人でそれを成す訳じゃない、たった一人がいくら努力した所で限界がある、伸ばした所で届かない人は幾らでもいる」

 

オールマイトが良い例だった。確かに規格外な人だった、だが一人であるが故に限界があった。それなのにその規格外さのみに人々は目を向けてしまい、共に頑張ろうとしなかった。したのは恐らくナイトアイだけだっただろう……。

 

「だからこそ手を繋ぐんですよ、俺一人の手は届かないけど色んな人と手を繋いで伸ばせばその手はきっと届く。たった一人で変えられないなら、皆で変えればいい、簡単な事」

「それが出来るというのか、それで愛と平和を齎せるというのか?そんな理想で、現実を変えられると思っているのか」

 

エンデヴァーが口にするからこそ、その言葉はい重く圧し掛かった。長年、オールマイトを超えるという理想を掲げて来たからこそ理想は儚く、叶える事が難しい事を誰よりも理解している。でもそれは星辰だってわかっている、だからこそ憧れているヒーローと同じ事を言う。

 

「理想を掲げなきゃ、未来を作り出せない。ラブ&ピースがこの現実でどれだけ弱く脆い言葉かなんて分かっている。だからこそ、それを謳うんだ。愛と平和は俺が齎す物じゃない。一人一人が、今を生きる人々がそれを胸に生きていける世界をビルドする、その為に俺は戦う」

 

何処までも夢想を描いた、だがそれを描かなければ世界は未来に進まなかった。空を飛ぼうとする者が居なければ飛行機は生まれなかった、宇宙にも人はいけなかった、個性を正しく使おうとしなければヒーローなんて生まれなかった。

 

「夢は見ていい、夢は未来の現実だ。だから俺は夢を見る、夢を描く―――それを現実にする為に」

「フフッ……ハハハハハッ!!!ハハハハ、こいつは傑作だ、馬鹿だ馬鹿だ思っていたが此処までの大馬鹿だったとはな!!」

 

その宣言を聞いてエンデヴァーは心からの笑いを浮かべてしまった、本当に傑作だ、笑うに値する。だが―――本当に夢のある話だ。

 

「馬鹿の妄言―――だが天才的な馬鹿の妄言だ、そうだ、そうでなくては目指す意味もない。オールマイトを超える、俺達でオールマイトを超えようというのか、オールマイトでも成し得なかった事を目指すか、フフフッ……存外あいつを超えるなど誰にでも出来るらしいな……良いだろう、このエンデヴァーもそれを目指してやろうじゃないか……ラブ&ピースか、柄ではないが嫌いではないからな」

「ホントキャラにあってませんよね~、でも今の時代が目指すべきはマジでそこでしょうね、いや~呼んで正解だったなエボル君」

 

そう言いながら馴れ馴れしく肩を組んでくるホークス、ニコニコとした笑みを浮かべつつも司会進行役の女性からマイクを取ると声高に叫ぶ。

 

「俺達はこれから変革が求められる、だったら安定なんて安牌切らずにそれ以上を目指しましょうや―――ラブ&ピース、皆がそれを胸に出来る社会をね!!」

「貴様が締めるのか」

「良いじゃないですかエボル君を推薦した特権って事で」

「それなら俺に締めさせてくれてもいいのに……」

「いやぁ悪いね♪」

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