『さあもう直ぐチーム組みの15分が経過すんぞぉ!!』
チームを組む為の時間制限が終わり、遂に騎馬戦が始まる。改めて自分の頭に巻いている鉢巻に意識を向ける、ここに自分達の努力の全てが詰まっている。そして次の努力を見せつける為にこれを奪われる訳にはいかないのだ、それを強く意識しながら額を締め付けるレベルで鉢巻を装備して騎手として上がった。
「耳郎さん!!」
「うん!!」
「八百万さん!!」
「はいっ!!」
「上鳴君!!」
「応よ!!」
後数秒で始まる、そんな時に声を掛ける。騎馬たちから頼もしい声が聞こえてくる、それに笑みを作りながらも星辰は拳を握る。
「俺も死ぬ気でこの鉢巻を守る、そして奪う!!さあ見せ付けよう、俺達の力を!!」
「任せとけ!!」
「ええ、やりましょう!!」
「任しときな!!」
『なあ今更なんだが、軽く浮いとけば体重軽減出来るんじゃねえか?』
「(……あっ)」
『さあいよいよ始まっぞぉ!!血で血を洗う仁義も情けもねぇ雄英大合戦、大戦国時代!!残虐ファイトの幕が今上がるぜぇ!!さあ狼煙が今―――上がったぁぁぁぁ!!!』
エボルトに指摘されて初めて気づいた真実に声を上げた瞬間に第二種目、騎馬戦の開始のゴングが鳴った。
「早速、頂くぜ!!」
開始早々に爆豪チームの騎馬、瀬呂が肘からテープを伸ばしてくる。真っ直ぐと星辰の鉢巻へと向かって行くが、エボルトに言われた事で隙が出来ていたのは反応出来ない―――
「なぁんちゃってぇ!!」
「何ぃっ!?」
突如として動きがキレた星辰は飛んできたテープを掴み取った、テープなのでべたつくがグローブの機能を使ってテープの構成を変えることでそれをボロボロに崩して無へと帰す。
「俺のテープが崩れたぁ!?」
「甘い甘い!!そして―――俺からかすめ取ろうなんざぁ100年早い!!」
「なっ!?」
背後からこっそりと迫って来ていたB組がメインのチーム、物間の腕を掴んだ。
「随分と手癖が悪いみたいだな、そう言う奴には―――お仕置きが必要だなぁ!!」
「ぐっおわぁぁぁ!!?」
『おっとっ石動チームを狙って物間が捉えられたっというかなんか浮いてねぇかぁ!!?』
『自分を浮かせてた時の応用で相手を浮かせてるらしいな』
騎手を務めていた物間は星辰の手によって一気に宙へと浮かせられて行く、そして同時にオーラがまとわりつくと鉢巻を奪取して自分にそれを装着し直した。
「ぐっこんな事まで出来るのか……!?」
「残念だったな、おい騎馬共さっさと拾いに行かねぇと地面に叩き落とすがいいのかなぁ?」
「ま、待て今行く!!」
「も、物間ぁ!!」
チームは慌てて離れていく物間の下へと移動していく、それを見届けるとオーラを解除して物間を落としておく。
「やるじゃん星辰!!いきなりポイントゲット!!」
「この位ちょろいちょろい、さあどんどん行こうぜ!!」
「おっしゃあ!!」
「ではこのまままっすぐ前に!!」
「OKヤオモモ!!」
皆が歩き出して行く中で星辰はバレないように小さな溜息をついたのだった。何故ならば……今身体を動かしていたのはエボルトだったのだから。
『ったく世話が焼ける相棒だな。あの位で意識を反らしてどうするんだ?』
「(誰のせいだと……)」
『だから責任取って解決してやったろ、ハハハッ感謝しろよ?』
それを言われると何とも言えない……エボルトなりに相棒としての役目は遂行したと言いたいのだろうか……。
「ハハッやってくれたね……でもね!!君には
「触れる……?」
『―――如何やら奴は触った奴の個性をコピー出来る個性らしいな、纏めニキがそう言ってる』
「って何見てんだ!!?」
サラッと掲示板を覗いているエボルトに思わずツッコミを入れてしまう、だがこれは非常に不味い……自分のエボルトとしての特典は個性扱い……というよりも元々あった個性を上書きするような形でエボルトが入ってきたような物なので個性としては一応カウントされる。だが厳密には違うとエボルトは言っている何故ならば―――
「ハハハッ!!これで君の力は僕の……ってあれっあのボトルは!?彼が変身に使ってたボトルが如何してないんだ!!?」
とエボルドライバーは作り出す事が出来ているはいるが、肝心要のエボルボトルは全く作り出せていない。フルボトルさえ作れていない所を見ると心配する必要はないらしい。
『俺の遺伝子がねぇんだ、ボトルを作り出せる訳がねえだろうが』
「(あ~……そうか)」
『仮にボトルを作り出せるとしてもあいつのハザードレベルじゃ変身なんて出来ねえ、気にするだけ無駄だ。さぁて他も俺達を狙って来るぜ』
「(望む所だ……!!)さてと、そろそろやりますか!」
そう言うと星辰はエボルドライバーからコブラを引き抜くと新しくボトルを装填した。
「そ、創造ですの!?」
思わずその個性を持つが故の反応をしてしまう。直後にレバーを回した星辰の手の中には手持ちサイズの小型のガトリング、ホークガトリンガーが握りしめられていた。
「な、なんだあれ!?あいつ銃持ってるぞ!!?」
「んだぁ!?サポート科以外はアイテムの持ち込みは基本禁止じゃないのか!!?」
『個性によるアイテムの創造は許可していますので問題なし!!!』
「そう言う事―――そぉら!!」
此方へと迫ってくる騎馬の足元へと警告射撃を行う、足元で炸裂する弾丸に驚いて足踏みをしてしまいそれ以上の接近が出来ない他チーム。騎馬という複数人での構成で動くこの競技では遠距離攻撃手段があるのは非常に有利。
「そこだぁっ!!」
だが其処に挑める者もいる、リロードの隙を狙ったと思われる瀬呂のサイドのアタックが迫る。上手く背後からの攻撃、しかしそれは―――
「上鳴さん!!」
「応よ!!」
脚から鉄パイプを作ってそれを蹴って上鳴にパスする八百万、それを上手く拾い上げながらも片手で振るってテープを受け止める。
「チーム戦だぜこれは!!石動だけが可能って訳じゃねえんだ!!そして―――電気はお前のテープに導いて貰うぜ!!」
鉄パイプを握り込んだ手に電気を纏うと鉄パイプからテープを伝って電気が瀬呂へと向かって行く、帯電しか出来ないなら別の方法で導いて貰うだけ他の皆を感電しない程度に抑えているのでそこまで強くないが、電気は弱くても威力はある。
「あぶねぇ!!」
「助かったぜ切島!!」
電気が到達するよりも先に切島がテープを硬化した手刀で切り落とす、それで感電を回避するが―――その騎馬の上に爆豪はいなかった。
「仮面野郎ぉぉっ!!!」
「爆豪!!」
自身の爆破を推進力にしながら空から強襲してきた爆豪、だが星辰はホークガトリンガーのリボルマガジンを回してリロード中だった。それを中断して放とうとした時―――
「させない!!」
「ぐぅっ!!」
爆豪の腕にプラグが刺さった。そこから耳郎の心音が大音響で響いてきた。咄嗟に後方に爆破で飛び退いて行く爆豪は瀬呂のテープによって回収されていく。
「有難う耳郎さん!」
「この位大丈夫だよって前から轟が来る!!」
顔を上げるとそこには前に飯田、左に尾白、右にB組の鉄哲を用いた編成の轟のチームが迫って来た。原作と違い、星辰が余りに他クラスを煽らなかったのが影響しているらしいと掲示板を見ていたエボルトがへぇ~と声を上げていた。
「ッ!!」
そして轟は右手から氷の棒を作り出すとそれを伸ばして地面に到達させるとそこから一気に地面を凍結させて此方へとそれを伸ばしてくる。
「やばっ!!?上鳴アンタ何とか出来る!?」
「いや前はきついぞ!?」
「では回避、いえ間に合いません!!」
「任せて!!丁度これで!!」
ホークガトリンガーに限界装填である100発のセットが完了した。これでこのホークガトリンガーの必殺技を発動させる事が出来る。迫り来る氷壁に向けてホークガトリンガーを構えてトリガーを引く。銃口からオレンジ色の輝きを纏った弾丸が鷹のように羽ばたきながら次々と放たれていき氷壁へと激突していく。凄まじい勢いで迫ってくる氷を次々へと砕いていきながら遂には轟の元へと弾丸が到達していく。
「ぐっ!!」
「飯田ぁ身体をこっちに向けろ!!」
「分かった!!」
咄嗟に騎馬の向きを変更すると鉄哲を弾丸へと向けた、一応パワーは抑えているがそれでも自分から弾丸を浴びる事になる―――が、個性を発動させる事で自らを鉄へと変える事でそれを防御しきった。
「如何だぁ俺がいて正解だっただろ!!」
「ああ、助かったぜ鉄哲」
「応!もっと頼れ!!」
「凄いですわ石動さん!!ぜひ今度お話を聞きたいですわ!!」
「機会があればね、さてと―――もっと行こうか!!」
「応!!」
「分かった!!」
ホークガトリンガーを再度リロードさせながらも星辰はそのまま騎馬戦を有利に進めていく。1000万ポイントは流石に狙いはせずにそれを狙う者達を逆に狙う戦法でいった。そしてそれが功を奏した結果―――3位で騎馬戦を突破するのであった。
「イエ~イ!!やったぜ本選進出ぅ~!!」
「やりましたわね!」
「星辰もお疲れ様」
「耳郎さんこそ」
『いやぁ~中々に掲示板も白熱してたぞ。面白いもんだな』
「(途中から静かだと思ったら……)」
石動 星辰の個性。
元々ある個性を乗っ取るな形でエボルトが宿っている。故にエボルトの力の一部が個性扱いされる。が、結局それもエボルトの遺伝子が無ければ機能しないので物間のコピーでは遺伝子迄コピーできないので意味がない。