「邪魔だっ退け!!」
迫り来る脳無を殴り飛ばしながらもその奥から猛スピードで迫り来る敵へと目を向ける。いや向けるしかない、この状況で最も注意すべき相手なのは渡我 被身子ただ一人で十分。
「エボルさん、と一緒です、さあ戦いましょう血塗れになって下さい……♪」
「してみやがれってんだ!!」
元々持っていたナイフを振り下ろすが、自らの力の誤りとエボルの防御力の誤りから一瞬でそれが折れるが即座に蹴りを入れながらも超至近距離での殴り合いに移行する。その一撃一撃も半端な威力ではない。
「初めての変身のくせになかなかやるじゃねぇか!!久々に本気を出すとするかぁ!!?」
「嬉しいです、私の初めての相手がエボルさんで♪」
「その言い方は、やめとけぇ!!」
マッドローグを殴り飛ばしながらも背後から迫って来た脳無を踏み台にしながらも高々と跳躍する、逃がさんと言わんばかりに黒い脳無が飛び掛かって来るが頭部を蹴り飛ばしながら地面へと叩き落とす。が直後にマッドローグが
「待ってくださいエボルさぁぁんっ♪」
「チッ見込みがあるのも考えもんだな!!」
35:普通のカウンセラー
はぁぁぁぁぁぁ!!?なんでトガちゃんがマッドローグになってんの!?
36:IS世界のメンタルセラピスト
イッチが突然LIVEカメラにするわけだ!!こりゃ緊急事態過ぎるだろ!?
37:D×D風紀委員長
これ、バタフライエフェクトって奴ですかね。USJに脳無が2体来たみたいに。
38:纏め役の転生者
>>37
その可能性はあるが、こればっかりはエボルトの遺伝子のせいだろ。
トガヒミコの個性は相手の血液を摂取してその血液の持ち主の相手に変身する。
血液に遺伝子なんて多量に含まれてて当然だ。それにうまく適合して
原作ではずっと後の覚醒が今起きちまったんだろう。
39:ヒスイの調査兵
おいおい……つまり、エボルトのせいか!!
40:エボルトヒロアカ
今回ばっかりは俺様なにもしてねぇよ。
「アハッ!!」
「ぐっ!!」
41:無法地帯の料理人
ああっ!?エボルってビルドのラスボスでしょ!?
マッドローグって名前から察するに何かの強化形態でしょ。
なんでイッチが押されてるんですか!?
42:青春学園の熱血教師
無茶言うな、イッチには個性の毒がまだ残ってる。
上手く動けないんだよ。
43:超次元中学生
うっわっまだ深いのが……。
44:円卓の鬼
鳩尾に入ったぞ今……。
45:纏め役の転生者
……マッドローグには攻撃の威力が上昇する特性がある。
攻撃対象への敵意や憎しみなんかの感情が高まるほど攻撃力が上がっていく。
トガヒミコの場合は敵意だけじゃなくて他にも色んな感情がごちゃ混ぜになってる筈だ。
それが常に高いトガヒミコとマッドローグの相性は最高過ぎるんだろう……。
しかも状況も悪い。戦闘エリアが暗い程に腕のナイトレイドエッジの切断力は上昇する。
「ぐぁっ!?」
殴り飛ばされて地面を転がっていくエボル、エボルの防御機能を貫通してくる痛みにこれまで感じた事もないような危機を味わう。
「おい、この毒は何とかならないのか……!?」
『おいおい治療は専門外だぞ俺は、個性由来の概念系に近い毒だ。軽減は出来ても完治は自然治癒か個性主を倒すしかない』
「厄介な毒を……!!」
全身が痺れ続けている、脚が痺れたなんてレベルではない程に。軽減されてこれなんてどんな毒なんだと言いたくなる、だが今はエボルトに感謝しておこう。するのも癪だが―――しなきゃ動けてもいないんだ……。
「あれれっ?まだ動けるんですね、流石ですねエボルさん。ステ様と同じ位尊敬してます私」
「そりゃ、結構な事で……!!」
陽気にスキップするかのように迫ってくるその姿に寒気を覚える、これが仮面ライダー同士の戦い、いや本来のライダーが経験する筈の戦場なのか……身体が震えている、毒ではなく恐怖している。本当に感じられた命の危機に身体が震え始めていた。
「(何を怖がってる……俺は決めたんだろ!?覚悟した筈だ、分かってた筈だ、仮面ライダーとして戦う事の意味を……!!)」
身体を縛り続けている鎖、その痛みを感じつつも立ち上がる。そして迫り来るマッドローグを睨みつける、倒すべきを見ろ、目を反らすな、一時でも目を反らしてみろお前は死ぬぞ!!自らに刻みつけるかのように自らに叫び続ける。
「(人々の自由と平和を守るために、ラブ&ピースを……!!)」
コブラエボルボトルから何とかダイナソーエボルボトルへと入れ替える、それを見てマッドローグは何やら興味津々と言いたげな様子で此方を見据えて来る。向こうからすれば此方が何をするかを見れば自分の今の力を更に引き出す事になる。だが、それが命取りだと教えてやると星辰はレバーを回す。
「そうだ、俺は仮面ライダーエボルだ……その称号を俺が穢して堪るかぁ!!」
自らの気合を入れながらも地面を蹴って突貫する、飛び掛かって来た星辰を細かな動きで回避しつつも攻撃を捌いてくるトガ。
「中々に場数踏んでるって事か!!」
「そうですっ私はいっぱいいっぱい、戦ってきたのです♪時にはプロだって、仕留めて来たのです♪」
その言葉は真実だ、と言わんばかりに貫き手を放ってきた。それは正確に首筋を狙っていた、今のが生身の状態だったら確実に首の血管を貫いていたのだろう。それに僅かにゾッとしつつも腕を弾きながらもマッドローグの腹部に蹴りを入れる。
「ゲフッ!!お、女の子にも容赦ないのですね……」
「容赦して欲しかったか!?」
「いいえ、寧ろ益々好きになってきました♡ステ様と同じ位、もしかしたらそれ以上かも♪」
『なんだこいつ……』
腹部へのクリティカルヒットを受けて尚こんな事を言えるとは正気ではない、それともこれが彼女なりの愛情表現という奴なのだろうか……出来れば全力で御断りをしたい所である。だがその時にマッドローグに閃光が走った、同時にトガは膝をついてしまった。
「くぅくぐぅっ……結構、この変身ってキツいんですね……身体が軋み始めて、来ました……」
「限界、か……?」
『当たり前だ。俺の遺伝子で個性が突然進化したんだ、身体が慣れきってねぇしハザードレベルも高いと言えば高いがエボルドライバーを扱える程じゃない。個性で無理矢理再現してるだけだな、相棒仕留めるなら今だぞ』
「―――分かった……!!」
幾ら個性と言えばエボルトの遺伝子を突然取り込んだのだ、流石に無理が来ているらしい。寧ろエボルドライバーを再現できるだけとんでもない話だ……そう思いつつも身体に力を込めつつもマッドローグに狙いを定めようとした時だった。
「っ今ですね!!」
「なっ!?」
突如、蹲っていたマッドローグは俊敏な動きへと戻った。そしてレバーを回しながらも高速移動しながらラッシュを繰り出して行く、腕の刃でも切り裂いて来ながらも飛び膝蹴りを決めてから一気に距離を取ると飛行ユニットを展開し、体当たりしながらも大空へと舞い上がっていった。
『あの嬢ちゃん猫被ってやがったのか、器用だな!?』
「言ってる、場合かぁ!!」
このままだと必殺技が来る、それだけは喰らったら不味い……!!それに対抗する為には此方もそれしかないと星辰もレバーを回す、エネルギーを開放しながらも向かって来るマッドローグを迎え撃とうとする。
「エボル様ぁ受け取って下さいぃィィぃねぇ♡」
「誰が喰らうかぁ!!!」
勢いを十分に付けたマッドローグは空中で反転するとそのままエネルギーを纏ったドロップキックを繰り出した。それを迎え撃つ星辰は同じように勢いを付けたライダーキックを繰り出した。それは空中で激突
「……がっ!?」
―――すると思われた瞬間だった、今まで味わった事もない激痛が全身を蝕んだ。毒が一気に強くなったのだ、そしてその痛みで攻撃の軌道は外れてしまった。マッドローグの一撃を迎え撃つ事も出来ず、星辰はその一撃をまともに受ける事になった。深々と胸部を抉るように決まった。
「ガハァッ!!ぁぁっがぁぁぁ……!!!」
その言葉と共に吹き飛ばされた星辰は地面に叩き付けられると同時に変身が強制的に解除されてしまった。苦しみもがくがエボルドライバーも消えてしまい、ダメージでまともに呼吸も出来ず思考も定まらない。そこへ現れるまっど、いや変身を解除するトガは三日月のように口角を歪ませて笑っていた。
「やっぱり、素敵です……ボロボロのエボルさん素敵……もっと血塗れになったら素敵になると思いますよ」
そう言った直後に彼女のエボルドライバーが四散した、同時にトガも全身に凄まじい痛みを感じたのか自身を抱きしめた。
「凄い、ですねエボルさんの個性……私もボロボロです……でも大丈夫です、一緒に弔君の所に、行きましょ♪そうすればもっともっと幸せです」
そんな言葉を聞いたのが、星辰の最後の記憶となった。意識を保てずに眠りにつくとトガはまだ動ける脳無に自分と星辰をお姫様抱っこさせるとそのまま何処かへと歩き出させ始めた。そして懐から通信機を取り出して連絡を始めた。
「あっ弔君ですか?トガですっエボルさんを捕まえましたよ♪」
『一番意外な奴からの報告が来やがった……分かった、おい黒霧』
直後、トガの目の前に黒い靄の扉が現れ脳無はそこへと迷う事なく入っていく。トガはボロボロの星辰に抱き着いて悦に入りながらも幸せの時を感じていた。
『悪いな相棒、こうでもしないと必要なエネルギーはまともに回収出来ねぇからな』
意識を失った星辰の中で、厄災は一人嗤っていた。その手に握られた引き金は―――力を取り戻し始めていた。
『マッドローグの登場は予想外だったが復活には好都合だ。それを知ればお前も納得するはずだぜ相棒。お前も望んでいた筈だ、いや俺達が望んでいた事だ―――なら文句はないな、なんせ俺とお前はベストマッチの相棒何だからな』