星狩りのヒーローアカデミア   作:魔女っ子アルト姫

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61スレ

『BLACK HOLE!BLACK HOLE!!BLACK HOLE!!!REVOLUTION!!』

フハハハハハハハハッハッハッハ……!!

 

不敵な笑みと共にこの世界に改めて顕現した厄災、色鮮やかでカラフルだった姿は一変して白と黒が中心にあった。

 

「フェーズ4……完了……!!この時を待ち続けた……フフフッハハハハッ……ハァッハハハハハハハッッッ!!!」

 

見事な三段笑いを上げながらも心底愉快そうな声を夜空へと打ち上げて行く、声は花火となりながらも周囲に衝撃を齎し続けていく。

 

「石動、少年―――それが、君の求めていた姿なのか……!?」

「ああそうだ、如何ですオールマイト……良いでしょ、凄いでしょ最っ高でしょ!?」

 

声自体は星辰の物だが、何処かエボルトのものも混ざっているのかダブって聞こえてくる。だが精神面は随分と違うがみえる、酷く高揚しているというか……酷くハイテンションになっている。極めて愉快そうに笑っているとそこへオール・フォー・ワンは拍手を送った。

 

「成程、先程とは段違いのパワーを感じるね……」

「味わってみるか、オール・フォー・ワン」

「ああ是非とも味わいたいねぇ」

 

そう呟くとオール・フォー・ワンは指先からレーザーを発射した。レーザーは星辰へと向かって行くが、遅いと言わんばかりにそれを回避するとお返しと言わんばかりに指先に黒い重力場の塊を生み出すと指をさすような仕草でそれを射出する。それに対してオール・フォー・ワンはレーザーを放つが、重力場はそれらを一切受け付けない所か攻撃を受けると急激に膨張して向かってきた。

 

「重力操作+ベクトル操作+演算処理×4+並行思考処理×2」

 

だがオール・フォー・ワンは一切慌てる事もなく、瞬時に複数個性を発動させつつも向かってきた重力球を空へと受け流す事に成功する。そして空でそれは炸裂するのだが、周囲の空間を飲み込んで一気に収束した直後に大膨張して大爆発を巻き起こした。それは快晴だった空を一瞬で暗雲で包み込むほど、そうオールマイトと同じように天候さえも変える一撃を放つ事が出来ている。

 

「素晴らしい力だね、故に実に悲しい。何故君はヒーローを志すんだい?その力さえあれば君は自らを王として君臨させる事も簡単だろうに、何故その道を選ばない?」

 

余りにも単純な疑問だ、これだけの力ならばヒーローになんてならずとも自分の好きなように生きる事も可能なはず、それなのに態々自分の自由を制限する生き方をする事が理解出来ない。

 

「単純だ―――俺は憧れた、あの人達の背中に」

 

どんなに苦しい状況でも決して諦めない不屈の魂、優しい心、その強さに全てに憧れた。心からなりたいと思った、あんな人みたいになりたいと……。

 

「それに王様なんてろくでもねぇモノになる気はねぇよ、統治やらなんやらで面倒臭い事になるだけだ。それだったら誰かを支えてやった方が楽ってもんだ」

「成程ねぇ……如何やら君とは相いれないようだ、残念だよ」

「石動少年……私は素直に嬉しいよ、君は矢張りヒーローになれる強い子だ!!」

 

オールマイトは星辰の言葉に思わず強い笑みを作りながらサムズアップをした。君はヒーローになるに相応しいと№1からのお墨付きに頬が緩むが、星辰は少し違うと訂正を求めた。

 

「俺はヒーローじゃない、俺は―――仮面ライダーだ。人々の平和と笑顔を守り、愛と平和を胸に生きて行けるような世界を目指す仮面ライダーエボル……覚えておけ!!」

『READY GO!』

『BLACK HOLE ATTACK!!』

 

誓いの言葉を叫びながらもレバーを一回回す星辰、それに呼応して胸部の特殊変換炉であるカタストロフィリアクターが唸りを上げていく。リアクターが生み出したエネルギーは両手へと集められて行き、胸の前でそれを合わせるとバスケットボールサイズのブラックホールが形成された。そしてそれを一気に空へと打ち上げた。打ち上げられたブラックホールは大空で一気に膨張してオール・フォー・ワンによって生み出された瓦礫を次々と吸い込んでいく。

 

「ブラックホール……まさか地球上で宇宙の災害を目にするとは思わなかったよ」

「13号君の個性とは比べ物にならないなこれは……だがこれは瓦礫を……!?」

「仮面ライダーって奴は困ってる奴を見逃がさない面倒な生き物でな―――救助しやすくしてやったのよ」

 

エボルのEVO-ブラックホールヘッドにはそこら辺の瓦礫に取り残されている救助者たちの生命反応が手に取るようにわかる、そしてそれらを助けるために集まってきているプロヒーロー達の姿も……ならば自分がやるべきは単純、ブラックホールで瓦礫を吸い込んで救助しやすくする為。エボルには変身者の思考を読み取ってブラックホールを利用した特殊攻撃の範囲や威力をコントロールするユニットが追加されているのでこの位も容易い。

 

「参ったねぇ……オールマイトには存分に戦わせるつもりはなかったんだけど……しょうがない、こうしよう」

 

指を鳴らすと死柄木を転送した時と同じ液体が宙に現れた、そこからは合計4体の黒い脳無が出現した。

 

「脳無、お前達は彼を倒せ。僕の邪魔をさせるな」

「オール・フォー・ワン、貴様石動少年を!?」

 

その命令を受けて脳無達は一斉に行動を開始して星辰へと飛び掛かっていく。そうはさせるかとオールマイトはそれを妨害しようとするが、それをオール・フォー・ワンがさせない。せめて、星辰に此方の戦いに介入されたくはないという意図だろう。次々と襲い掛かってくる脳無に星辰は跳びあがって攻撃を回避しながらオールマイトに問いかけた。

 

「オールマイト―――戦っていいですよね」

「―――ああ、存分に戦いたまえ!!責任は私が取ってあげるよ!!」

「そりゃ―――朗報だなぁ!!」

 

翼を展開した脳無が一気に飛び上がりながらも両腕を合わせて巨大な口を形成して鋭い牙を光らせて食い千切ろうとした来たのを見つつも星辰は笑った、そして右腕にブラックホールのエネルギーを集めると自分を喰らおうとしてきた脳無の喉奥へと拳を突き立てた。

 

「仮面ライダーの誼だ、せめて楽に逝かせてやるよ!!」

 

改造人間である脳無、奇しくも仮面ライダーとしてのオリジンも同じく改造人間。故の誼としてせめて人として終わらせてやることを決めつつも脳無をそのまま殴り付けて地面へと叩き付けた、クレーターを生み出す程の勢いで落下した脳無へと急降下しながら腹部を踏みつける。

 

「ギュアアアア!!」

「ギャアア!!」

 

その瞬間に全く同時に脳無が自分を挟むように飛び出してきた。一方の脳無は腕をマグマのように滾らせ、一方は極寒の冷気を纏いながら迫って来る。そして踏みつけた脳無はまだ動けるのか、自分の脚を万力のような力で拘束してきた。

 

『中々やるな、だが脳無の解析は終わった』

「―――ネビュラテックガス!!」

 

迫って来る脳無らに腕を向ける、すると肩部のEVOアナイアレイショルダーが唸りを上げて腕から青み掛かった黒いガスが噴射されていった。脳無はそれを見て方向転換を試みるが既に遅くガスに突っ込んでしまった。そしてそのガスに浴びた途端に―――脳無は完全に機能を停止してその場に崩れ落ちるように倒れこむとそのまま瞳を閉じた。

 

「お前も眠れ」

 

脚を掴んでくる脳無の頭を鷲掴みにしながらもそのガスを浴びせる、ガスを受けると脳無は力を失ったように眠りについて行く。もう決して目覚める事もない本当の眠りについた。

 

「脳無を一瞬に……」

「オール・フォー・ワン!!貴様に余所見をする暇などは、ない筈だぁぁぁ!!!」」

 

オールマイトは更に激昂したかのように殴り掛かってくるが、オール・フォー・ワンは驚きを隠せなかった。最上位(ハイエンド)とは行かない準最上位(ニア・ハイエンド)個体の脳無をあそこまで容易く倒せるとは思いもしなかった。そして最後の一体―――それは一気に身体を膨張させて巨大化するとその体格とパワーを活かして殴り掛かってくる。

 

「おっと、ほっ!!」

 

流石に当たる訳にはいかないと回避を優先する、その一撃が地面に炸裂した時に容易く地面を割り地割れのような亀裂を走らせた。単純なパワーだけならばオールマイトを超えるかもしれない超パワー……しかし、余りにもパワー特化過ぎている為か動き鈍さを感じる。

 

「―――ハァッ!!」

 

殴り掛かってくる脳無の勢いを利用しつつその胸部に掌底を放つ、同時に重力操作を行った一撃は脳無の内部を瞬時に破壊する重力の拳。直ぐに倒れても可笑しくないのだが、脳無は身体を震わせながらもギョロリと瞳を向けながらまだ動いてくる。

 

『しぶとい奴だな、パワー系に加えて回復個性も入ってるらしいな』

「なら、もっと深く身体の内部を抉れるように決まれ!!」

『READY GO!』

『BLACK HOLE BREAK!!』

 

再び動き出して殴り掛かってくる脳無に対して星辰はそれを回避しつつも、まるでホバーするように浮き上がると更に深く懐に入り込みつつも腕に肘打ちを入れて弾きつつも貫き手で脳無を抉り、同じ所を殴り付ける。そのまま流れるように肩の付け根に掌底を放ち片腕を動けなくしてから鳩尾に肘打ち、顎にアッパーカット、とどめに心臓が殴り付けられた。

 

「―――っ……」

 

全身にブラックホールの重力が叩きこまれた事で身体の機能が破壊された脳無は膝をついた、再生の個性が治癒を試みようとするが個性因子すらもズタズタにされている為に再生が機能しない。それでもまだ動ける辺り、脳無とこれを生み出したオール・フォー・ワンの恐ろしさを感じる。

 

「これで終わりだ」

『READY GO!』

 

レバーを勢いよく回して行く、同時に最大稼働を行っていくリアクターからエネルギーが溢れ出して行く。地球上では見る事が出来ない程の膨大なエネルギーが巻き起こっていく。それらを纏った星辰は跳躍するとそのまま全てを収束させるが如く回転しながら脳無へと向かって行く。そしてそのエネルギー全てを脳無へとぶつけた。

 

『BLACK HOLE FINISH!!』

 

その一撃を受けた脳無は吹き飛ばされながらもブラックホールへと飲み込まれていった、そしてその内部でエネルギーは臨界を超えると大爆発を引き起こした。

 

CHAO!!

 

そして爆発は時間が逆行するかのように収束していき、ボロボロの脳無が地面へと落ちた。内部破壊とブラックホールの力を受けた事で脳無は機能を停止、此方も瞳を閉じて眠りについてしまった。それと同時に星辰の背後で途轍もなく巨大な竜巻が巻き起こった、オールマイトとオール・フォー・ワンが戦っていた方向……きっと決着がついたのだろうと思いながらも星辰は空を見上げてエネルギーは放ち曇っていた空を一瞬で晴らす。

 

「―――オールマイトにはこういう空が似合う」

 

そう言いながらも思わず腰を下ろしながらも変身を解除した。

 

「フェーズ4、ブラックホールフォームか……悪くない、ああ悪くないな……」

『だろう。俺の作戦は大成功って訳だ、感謝しろよ』

「今回ばっかりは感謝してやるが、俺も途中で謀ったからこれでトントンだ」

『やれやれ、相棒は厳しいねぇ』

 

そんな風に軽口を叩く星辰とエボルト、その二人の空気は何処か和やかだった。




ブラックホールフォームには様々な追加装備がある。

変身者の思考を読み取りブラックホールを利用した攻撃を可能にする制御ユニット、特定の生物だけに効く有害物質を生成し散布できる環境改変プラントなども該当する。

が、最も恐ろしいのは変換炉。この変換炉には自身の戦闘力を最大50倍にまで引き上げるブーストを可能にするという機能がある。エボルトがビルド作中でコブラフォームの時に2%の力しか発揮できなかった、というのはマジという事になる。
尚、他にも範囲内にいる生命体を即死させる機能も存在する。
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