突如として始まってしまった個性把握テスト。しかも最下位の者は除籍されるというとんでもない爆弾発言をしたうえでの開始だった、念願の雄英に入学してこれから本格的にヒーローを目指せると思っていたのに……と考えていた少年少女にとってこれほどまでの試練はないだろう。だが相澤は言った、
『良き受難を―――"Plus Ultra"って奴だ。いやだったら乗り越えてみせろ、ヒーロー志望諸君』
ヒーローは降り注ぐ受難へと自ら身を投じてそれを乗り越えていくもの、ならばこの試練も乗り越えなければならないと全員が気を引き締めて行った。
「あっウチと一緒みたいやね、麗日 お茶子っていうの宜しくね」
「石動 星辰です。ご丁寧に有難う御座います」
共に走る事になった麗日に丁寧な挨拶を返す。掲示板からはエボルが丁寧な挨拶してて違和感すげぇというのが大量に来る、自分でもやっててそう思うがこの辺りは自分なのだから致し方ないだろう。そんなやり取りをしていると麗日は自分の体操服や靴に手を触れる、その時に光が見えたのがあれが個性発動の条件なのだろうと察せられる。
『位置ニツイテ、ヨーイ……』
計測用のロボットの音声に合わせてスターティングを固める、それと同時に腕部と脚部にエネルギーを集めておく。そして開始の合図と同時にそれを解き放つ。
『スタート―――2秒00』
「「「「「速ッ!!?」」」」
「何てスピードだ……クッ俺ももっとギアを上げる事が出来ていれば……!!」
星辰の異常とも言えるスピードに様々な感想が出る中で当の本人は今はこの位が限界か……と何処か冷めた目で自分を俯瞰していた。本来のエボルのスペックならばもっと速い。コブラフォームの走力は100mを1.1秒、しかも星辰はメナスラッシュアーム・レッグの身体能力上昇機能を使って2秒という記録なので基礎スペックは本来のエボルと比べるにも値しない。
「いや次だ、今の自分を知るんだ」
106:ヒスイの調査兵
お~イッチ前向きだな。
107:普通のカウンセラー
経験談だけど、嫌いな存在になったらポジティブに行かないと直ぐに精神逝っちゃうわよ?
108:青春学園の熱血教師
キアラネキの説得力がえぐいです。
109:D×D風紀委員長
というかあれで全然遅いのか……
110:無法地帯の料理人
何ならスピードならもっと速いライダーなんていっぱいいるもんな。
111:光の国の戦士
私、人の事言えないかもしれませんけどライダーも大概やばいですよね。
112:クトゥルフ系狩人
確かにな、エボルはある種その最たるものみたいなもんだし。
113:ヒロアカエボルト
バキッ!!
「あっ」
「壊れた、つまり計測範囲外って事か……暫定的に無限ってことにしとく」
「それ最早計測する気ありませんよね!?」
114:超次元中学生
ええっ……握力計ぶっ潰したよイッチ。
115:纏め役の転生者
現状のコブラフォームのカタログスペックのパンチ力は58.0tもあるからな。
走力の事も考えるとイッチはまだ成長中な事を踏まえてもある種妥当だろう。
116:IS世界のメンタルセラピスト
つまり、イッチは成長期……!?
117:クトゥルフ系狩人
>>116
間違ってない、間違ってないけど……!!
118:普通のカウンセラー
犯罪臭が凄いわよ
119:青春学園の熱血教師
>>118
貴方が言うかキアラネキ。
120:普通のカウンセラー
私は良いんです~原典の歩く18禁とは違うんですぅ~!!
その後も順調にとんでもない記録を打ち立てて行く星辰、これでも元々のエボルには及ばない。だが今の自分の実力を知るには十分過ぎる材料となる、そんな中訪れた二回目のソフトボール投げになった。
「そうだ先生、ボールって足で投げるってアウトですか?」
「許可する」
了承を得ると直ぐに円に入り準備掛かった、勢いよくレバーを回していく。それによって地面には星空が描かれていく。
「な、なんだぁ!?」
「地面に星空が映っとる……!?」
「でも星の形が滅茶苦茶ですわ、これは一体……!?」
それはある意味当然だろう、地面に映し出されている星空は地球から見た景色などではない。エボルトが見た宇宙の景色だ、地球からの見え方と異なるのは必然……そしてそれらを右足に集中させてテストに挑む。
「そぉらぁぁッ!!」
足に器用に乗せたボールを渾身の力を込めて全力で飛ばす、ボールは無数の光を纏って空を切り裂くように飛翔していく。その様は昼間に見える流星群、そんな風になって飛んでいったボールは暫く飛んで行った後に地面に落ちたのだが……その記録は腕で投げた時よりもずっと伸びた7810m。ほぼほぼ8キロという記録に絶叫が生み出された。最早カッコイイを通り越したホラー的なインパクトにこればっかりは致し方ないだろう。
「ちょ、石動アンタ凄すぎない!?」
「いやまだまだだよ」
「いや何処が!?」
「本当は蹴り飛ばしたかったんだよ、だけど蹴っちゃうとボールの方が壊れると思ったから」
「えっじゃあ壊れなかったらもっと伸びてたかもしれないってこと?」
恐らくだけどそうなんじゃないかなぁ、と答える星辰に耳郎は僅かにポカンとした後に何処か面白そうな笑みを浮かべた。
「良いじゃん超クールじゃん!!」
「そ、そうかなぁ」
正直エボルトの力をそんな風に言って貰えるのは少しばかり気分がいい。先入観が無ければこの姿も何処かヒロイックに見えるのか、案外ヒーロー適性はあるのかもしれないと思うと少しばかり心持が楽になった。
「SMASH!!!!」
その時、自分の時と同じような凄まじい爆風が巻き起こった。其方へと目を向けてみるとそこには指を腫らし苦しげな表情を作りながらも相澤にまだやれる!!と宣言しながらもボール投げで700メートル越えの記録を出した生徒、緑谷がいた。聞こえてくる話声によると彼は自分と同じく入試にて0ポイントを倒したらしい。如何やら自らの身体すら傷付けてしまう程の超パワーを秘めた個性の持ち主らしい。
「凄いな彼も……」
「でも、なんか個性で自分も傷ついてる。そう言う個性ってことだから使い所を考えてたのかな」
耳郎の言葉に自分も同意、あれ程のパワーならば試験の最初の方で使ってしまったら後々のテストがグダグダになる。ならば終盤辺りで存分に活用出来る此処でぶっ放すのが正しいようにも思える。
「どういう事だおい……オイデクテメェ!!」
だがその時、一人の男子が飛び出して行った。緑谷の知り合いだと思われる爆豪だ、両手から爆破を繰り返して得た推力でとんでもなくスピードで緑谷へと迫っていく。彼は彼で指の痛みと凄い形相の爆豪に怯んでまともに動けそうにない。まるで緑谷を殺そうとするような勢いの爆豪に星辰は放置も出来ずに手を出した。右手をかざすと赤紫色のオーラが爆豪を取り囲んでその動きを完全に止めてしまった。
「ンだこりゃぁぁ……テメェの仕業か仮面野郎!!!」
「仮面か、言い得て妙だな。だけどその位にしておくといい、面倒を起こし過ぎると除籍されるよ?」
「その通りだな。爆豪、これ以上騒ぐならお前を除籍する」
「っ~!!!そがぁぁ!!」
その態度で暴れる気がない事を察したのでオーラを解くが、爆豪は鋭い視線を星辰へと投げた後に緑谷を睨みつけて引いていった。咄嗟にやってしまった事だが、如何にも大変な相手に目を付けられてしまった感が凄い。そして残ったテストは円滑に進められていく。上体起こしや長座体前屈などは流石にエボルで著しい結果を出す事は難しいので平凡な結果に終わった。そして全てのテストが終了し結果が発表される事となった。
「あっ因みに除籍は嘘だから、君たちの最大限を引き出す合理的虚偽」
『……はぁっ~!?』
最下位を取ったものは除籍されると脅しを掛けられていたのに、それを言った相澤は悪びれる事もなく、あっさりと自分達の力を引き出す為に付いた嘘だと白状した。何の為に死に物狂いでやったのかと一部生徒は抗議の声を上げるが、肝心の相澤はそれをガン無視してさっさと結果を公表した後に教室に戻って教科書やプリントに目を通せと言って去って行ってしまった。
「な、なんなんあの先生……これからあの先生の下でやってく訳なの……なんか、ウチ凄い不安……」
「同じく……」
取り敢えず星辰は総合成績では1位を取る事が出来ていたが……何とも喜びにくい幕引きとなってしまった。
130:光の国の戦士
因みにイッチ、あれ合理的な虚偽ではないですから気を付けた方が良いですよ。
131:ヒロアカエボルト
>>130
えっどういうことですか!?
132:纏め役の転生者
相澤 消太。これまでに行った生徒の除籍指導回数は通算154回、しかも昨年度は1クラス全員を除籍処分にしてる。
だから今回除籍されなかったのは皆見込みがあったからって事になる。
133:ヒロアカエボルト
―――マジですかそれ。
134:IS世界のメンタルセラピスト
これがマジだから質が悪いんだよな……
「―――雄英怖い」
思わずそんな事を呟いてしまったが、ある意味正しい反応なのだろう。
スレにいる転生者紹介
・青春学園の熱血教師
テニスの王子様に転生した。
特典は松岡修造の見た目とテニスの技術。
特典を活かしてプロテニスプレイヤーだった時期があったが、その後に教師になった。
見た目通りの太陽の化身扱いされる熱血教師として青春学園の名物教師となっており、テニス部の副顧問を務めている。意外な事に男女問わずに人気が高い。
元気を貰えるともっぱらの評判で人生or進路相談をする生徒が絶えない。