星狩りのヒーローアカデミア   作:魔女っ子アルト姫

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73スレ

「にしても、血の匂いを香水に混ぜるってどんだけ悪趣味な女と戦ってた訳?」

「そう言われても……匂いとか全然分からなかったから……」

 

一先ず何とか誤解が解けたようで深い息を吐きつつも安心する星辰、先程の耳郎は冗談抜きで怖かった。兎も角無事に合格出来たようなので祝いの言葉を送り合っていると次々と合格者が入ってくる、その中には当然のようにクラスメイトの姿もあったので思わずホッと胸を撫で下ろしているとヒーロー公安委員会の目良の声がスピーカーから聞こえてきた。

 

『え~一次試験突破をした皆さまおめでとうございます。それでは手早く次の試験への御話しへと移ろうと思います。ではモニターを見てください』 

 

目良の言葉に従うように皆の視線がモニターへと向いていく。そこには先程まで合格者が駆けまわっていたフィールドが映し出されている。中には忌々し気、絶対にご免だと言わんばかりに見つめている者もいるが自分達が合格を勝ち取ったフィールドを見つつ、各自が少々浸る中でフィールドの各所が一斉に爆破されていき、火を噴きながら瓦礫と化していく。突然の爆発に驚きが生まれるが即座に次の言葉が生まれる。

 

『皆さんの中にはもう察した方もいると思いますので次の試験を説明します。次の試験、二次試験にて仮免試験はラストになります、皆さんにはこの被災現場でバイスタンダーとして救助演習を行って貰います。一時選考を突破した皆さんは仮免許を取得した物と仮定して、どれだけ適切な救助を行えるか試させて頂きます』

 

「「バ、バイスライダー!?」」

 

bystander(バイスタンダー)だよ二人とも、授業で習ったじゃない」

 

救急現場に居合わせた発見者や同伴者を意味する言葉であり一般人にもこの言葉は適応されるがこの場合においては近くの事務所などで待機していたヒーローとして自分達を適応させる事になり、そこで救助を行うという事になる。が、そんな時に崩壊しきっているフィールドに子供や老人などの姿が見えた。

 

「あっおい何であんなところに子供いるんだ!?」

「ホントだ危ないぞ!?」

『ご心配なく、あの方々が今回の仮免試験における心強い協力者の方々です』

 

疑問などが多かったが、直ぐに説明が行われた。そこにいる人々はヒーローが人気職業になる現代だからこその職業、あらゆる状況の訓練で要救助者のプロ、HELP US COMPANY、通称HUC。救助対象を演じる者としてのプロ、ヒーローだけではなく救急隊員や消防隊員の訓練にも多く参加している。

 

「世の中にはいろんな職業があるのね……」

 

HUCの面々はそれぞれがヴィランによる事件現場、事故現場などで見られる救助者となり自分達はそれらを救い出す、それらの過程で点数を割り出し、基準を超えていれば合格する事が可能になる、という事である。

 

「救助か……」

 

思わず手を見つめてしまった、何故ならば星その物への破壊活動を大きな目的としたエボルとしてはこれ以上に合わない事もないから―――だが怖じ気着く理由にはならないし臆する意実もない、自分は仮面ライダーなのだから。

 

「響香さん、受かろうね」

「勿論」

 

ウィンクしながらもさり気無く身体を預けるようにする耳郎に微笑みで返しながらも星辰は静かに開始の時を待った。そして―――

 

『ヴィランによる大規模破壊のテロが発生!!規模は〇〇市全域、建物倒壊により傷病者多数。道路の損壊が激しく救急先着隊の到着に著しい遅れ。到着するまでの救助活動はその場にいるヒーロー達が指揮を執り行う、一人でも多くの命を救い出す事!!START!!!』

 

それと共に再び壁が横倒しになってフィールドへと直結した。此処も既にフィールドの一つ、目の前に広がっている無数の瓦礫の山々。この辺り一帯に助けを求める人達がいるのかと思いながらも皆が直ぐに動き出していく。

 

「おい此処を救護所にするぞ!!比較的に瓦礫が少ないし、少し片づけるだけでスペースを取れる!!」

「分かった!!おい怪力系の奴力貸してくれ!!」

 

と声が掛けられて行く中でそれらを押しのけるように星辰が先頭に立った。

 

「それじゃあ余りに時間が掛かりすぎる、合理的に考えて俺に任せろ」

「おいお前何を言って―――!!」

 

『READY GO!』

『BLACK HOLE ATTACK!!』

 

ブラックホールアタックを発動させる、今度は星辰の目の前にブラックホールが生成されるとそれは凄まじい勢いで瓦礫を吸い込み始めて行く。人力で退かして行くよりも遥かに早く、効率的に瓦礫が退かされていく光景に思わず救護所チームは大口を開けて驚愕してしまっていた。

 

「おい何間抜け面してボ~っとしてるつもりだ馬鹿ども、テメェらさっさと手と足を動かせってんだ。テメェらの行いで命を守れるか守れねぇかが掛かってんだ、下らねぇ事で動きを止めてねぇで手を動かせ、テメェらは何しに来てんだ」

 

そんな風に発破をかけると直ぐにハッとして動き出した。自分の力に見惚れるのか勝手だが、本番でもそんな事をするつもりなのだろうか、そんな風に言っておけば恐らく大丈夫だろうと踏んで自分も救助作業へと参加する。

 

「星辰!!このビルの下に4人閉じ込められてる!!」

「ビルは固定してるから倒壊の心配はねぇけど、ビル自体が相当に崩れやすくなってるんだ!!」

 

丁度声を掛けられたので下りた先では耳郎が瀬呂と共に救出作業を行っていた、耳郎が音を感知して生存者を見つけ当てて瀬呂がテープでビルを固定したまでが此処からが難しい。瓦礫を浮かせられる麗日は他の現場にいて手が離せないのである。

 

「任せて」

 

そう言うと指先5つに重力球を生み出すとそれをビル上部へと投げつけた、それはビルへと接触すると接触した部分からどんどん瓦礫を吸い込んでいった。そして僅かな時間で救助の障害となっていたビル一つを完全に消し去ってしまった。

 

「よし運ぶぞ」

「瀬呂テープお願い!!こっちの人、脚を固定しないと動かせない!!」

「よし任せてくれ!!」

 

宇宙の災害とも言うべきブラックホールを操る事が出来るブラックホールフォーム、それでも人を助ける事は十二分に出来ていた。それに加えてエボルの力さえあれば多くの人を一度に運ぶ事もできるので基礎的なスペックでも誰かを助ける事が出来るという事が分かって素直に嬉しさが滲み出ていた。

 

「星辰君あの巨大なビル如何にかなるか!?あそこに人はいないが、あのビルのせいでその隣のビルに入れないんだ!!」」

「あいよ、任せろって!!」

 

自らに出来る事を全力で執行する星辰、いや仮面ライダーエボル。その姿のHUCのプロたちも厳しい目で見つめていたが……

 

「(多数に重力球を展開して瓦礫を吸い込みつつも我々を浮かす程度の引力も展開可能……)」

「(しかも、瓦礫を此方に近づけないようにする細心の注意もしている……)」

「(ブラックホール、と聞いて少しばかり不安だったが杞憂だったようだな)」

 

誠心誠意に懸命に役目を果たす星辰に対して彼らの瞳は何処か優しかった。そしてそんな時だった―――

 

 

その時、大爆発と共にフィールドの一部が吹き飛んだ。 

 

『ヴィランが現れ追撃を開始、現場のヒーロー候補生達はヴィランを制圧しつつ救助を続行してください』

 

「さあ如何する、全てを平行して出来るか……戦うか守るか、助けるか逃げるか、どうするヒーロー……!!」

 

姿を現したのは……唯のヒーローではない、ヒーローランキング10位に名を連ねるギャングオルカ。神野区での作戦にも召集された超実力者、そしてそんな彼の隣にもう一人の影があった……。

 

「さて、今年のひよっこはどんなもんか……見てやろうじゃないか!!」

 

もう一人、それも同じくトップヒーローとして名高い人物だった。褐色の肌に鍛えられた引き締まった肉体を大胆に露出させているスタイル抜群の美女……だがそれ以上に不敵で男勝りな表情を浮かべている。その名も―――ラビットヒーロー・ミルコ。肉弾戦においてオールマイトに次ぐとさえ言われているプロヒーローである。

 

『おいおいおい……またウサギかよ……俺への当てつけか、それともなんだ戦兎の嫁かなんかか』

「(いや、それはないと思うけど……)」

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