3年からのインターン、その意義など極めて有意義な時間を体験させて貰えた。それは確かだった……それは間違いないのだが、別の意味で大変な事になっていた耳郎としてはもう記憶から消去した、というか触れていなけない事象となったのか
「昨日、何か―――あった?」
『いえ何でもございません』
という事になりそうなので誰もその事を口にする事はやめた。結局、あの後は波動が中心、というか殆ど一人で進行を行って問題のミリオの個性についても教えてくれた。
個性は透過、発動させればあらゆるものを通り抜ける物でそれを利用する事で攻撃を回避したりしていたとの事。ワープは全身を発動させて地面の中へ潜っていたとの事。そして個性を解除すると物質は重なり合う事が出来ないのか弾かれるらしく、それを利用して体勢やポーズを取って飛び出す方向を調節しているとの事。それらの技術も全てインターンで身に付けたもの、プロと全く同じ目線で現場に立てる事は間違いなく財産になる事を語ってくれた。
この事でインターンの意義を十分を理解し、それに向けての意欲がどんどん増して行った―――
「インターンについて職員会議を行った結果だが……校長を始め多くの先生がやめとけという意見だった」
『えっ~!!?』
翌日のHRにて相澤がインターンについての事を話すが、その内容は教師陣的にはインターンには好意的ではないという事だった。これに対して当然生徒からは不満の声が出る。前日に先輩からの話をさせておいてのコレだ、ある種当然の反応だ。しかし寮制を導入した経緯を考えると理解も出来る。
「だがまあ、現状の慎重な姿勢では強いヒーローは育たないという意見もあった。それも確かな意見、なのでインターン受け入れの実績が多い事務所に限り1年生の実施を許可するという事になった」
条件の付きのOKサイン、確かにそれならばOKが出るのも納得だ。さてそうなると自分は如何するべきだろうか……矢張り職場体験でお世話になっているリューキュウが大本命、この後一応先生にリューキュウはOKなのかと聞いてみるとOKではあると言われた。なのでは大本命、大本命なのだが……
「かと言っても他の事務所も捨てがたい……」
リューキュウ事務所が駄目な訳ではないが、別の事務所が駄目という理由もない。なので一応第一候補に置くだけ置いておいて一応考えを―――
〈ドンテンカンドンテンカーン!!〉
「んっはいもしもし」
『何その着信音……』
巡らせている時の放課後、携帯に連絡が入った。それを取りつつも外へと向かって行く星辰、寮でくつろいでいた時なので皆に着メロが聞かれた時に変な反応をされる、まあ自力再現のハザードトリガーのあれである。というか、オールマイトの電話が~来た!!やメールが来たぁ!!などに比べたら相当にマシな自負はある。
『よっ!!』
「あっミルコさん、ですか?」
『応、如何だ今日辺りじゃねえかインターン云々の話が出るのはよ』
途中何かの断末魔というか悲鳴のような物が聞こえて来てしまった、もしかして戦闘中だったのではないだろうか……
『っせえな邪魔すんじゃねえ!』!<<<ギャアアアアア!!!
「……あの、掛け直します?」
『ああ気にすんな、もう済んだ』
「そ、そうですか……」
確かに気にしない方が色んな意味で建設的なのかもしれない……とこの際無視する事にした。
『んで―――来るよな、アタシの所に』
「え~っと……俺、リューキュウさんと職場体験の時に約束をしてて……」
『んっ~悪いな、爆弾使いまくるヴィランと戦ってたせいなのかちょっと耳が遠くなっててな~』
「ぜってぇ嘘だ!!」
ミルコは都合が悪くなると耳が遠くなるという能力でもあるんだろうか、まるで子供のような反応に少しばかりの笑い声を漏らしてしまった。これ如何したものか、と思っているとある事を思い出した。
「あ~……そもそもミルコさんの所に行けるのかな俺」
『あん?如何言う事だよ』
「ミルコさんってインターンの受け入れとかやった事あります?」
『ねぇよんなもん、つうか事務所すらねえぞ』
「あ~……」
もしやとも思ったが、やっぱりだった……仮免取得の後にミルコの事を調べてみた事があったが、ミルコは事務所を持たずに活動する極めて特殊なヒーローである事が分かった。曰く、面倒だとか性に合わないから、という理由で事務所を持たない。それなのにヒーローとしてやっていけるのか極めて謎だが……やっていけているから何かしらのフォローとかがあるのだろう……多分。
「実は学校はインターンに消極的で、それでインターンは受け入れ実績が多い事務所にのみ許可を出すって事になってまして」
『あ"あ"っ!!?ンだそのふざけた方針!!んな弱腰で如何すんだ!!?』
ミルコの言いたい事も分かる、分かるには分かるが……この場合は自分は除外って事かフザけんな!!という怒りの方が絶対に強いんだろうなぁ……と星辰は空を仰ぐのであった。
『まあンな事如何でも言い、お前なら着いて来れるだろ―――だから攫ってく』
「ちょっとプロヒーローが何言ってんすか!?」
『いいやお前はアタシの所でインターンだ、よし雄英に殴り込むか』
「ああちょっと待って、待ってください!!」
このままだと確実にミルコは雄英に殴り込みをかける、不味い非常に不味い。何とかミルコを納得させなければミルコが雄英に襲来する事になる。いや殴り込むは冗談で本当は電話かもしれないが……何故かミルコは絶対に殴り込むという謎の説得力があった。
「えっとえ~っと……あっそうだ!!あ、あのミルコさんこういうのはどうですか!!?」
『あん?』
『成程ね、それで私に連絡をしてきてくれたわけね?』
「はい、突然お電話しちゃってすいません……」
『良いわよこの位、何時でもして来て』
思わず電話に向かって頭を下げてしまう、その相手はリューキュウだった。ミルコとも電話は繋げたままでリューキュウにも連絡してある事をお願いしてみたのである。
『私は良い案だと思うわ、こう言い方は失礼だけど私はまだまだな所があるから素直に良い提案だわ』
『こっちも異論はねぇ、寧ろ願ったり叶ったりだ』
とミルコも上機嫌そうに頷いた。ミルコに行った提案はリューキュウとミルコのチームアップ、星辰はリューキュウの元へインターンとして出向くがそこにミルコもチームアップとして参加する事で雄英の定めたルールの穴を突いた。そしてミルコはリューキュウに協力しつつも時折星辰と共に行動をする事で彼を伴ったインターンを実施出来る。
『まあずっとって行かないのが不服だけどな』
『そこはしょうがないですよ、まあそう言う訳ですから宜しくお願いしますねミルコ』
『ハッ足引っ張るなよ?』
『全力を尽くします』
という事があり、雄英はミルコの襲来を回避する事が出来たのであった。
「ハァァァァッ―――なんか、疲れた……珈琲飲も……」
「あっウチのも淹れてね」
「ああ勿論―――ってぇ響香さん何時の間にぃ!?」
基本リューキュウ、時折ミルコという変則的なインターンになった星辰。
流的には原作メインのオリジナルルート込みって感じですかね。