万丈「おいなんか向こうも変身しやがったぞ!?」
幻「キルバスとスコーピオンでキルバスコーピオンか」
一海「一緒くたにすんな、キルバス、スコーピオンだろ」
戦兎「そこら辺は如何でもいいでしょ、もっと気にするところあるでしょ!?俺のビルドドライバーと反対な名前つけてるところとか!!」
星辰「いや、そこも別に……兎に角、96スレどうぞ」
仮面ライダー キルバススコーピオン。その名前を聞いて吐き気を思わず感じてしまったのは自分だけなのかと星辰は思った、何故こいつが仮面ライダーの名を語る。お前なんぞが語って良い称号ではないんだ、仮面ライダーという偉大な英雄の名前をお前が使うなと思わず否定したくなったのか怒りが込み上げて来た。
『まあ落ち着け相棒、怒りでハザードレベルを上げるのは良いがキレてあいつに勝てれば苦労はしねぇよ』
「……分かってる」
『ならいい、さてとまずは場所を変えるか―――ハァッ!!』
エボルが腕を振るう、それに連動するようにパンドラパネルが輝きだすと周囲の空間を侵食するかのように風景が回転するパネルのように入れ替わっていく。此処で自分達が本気で戦えば間違いなく周辺は更地になる、故にパンドラパネルの力を引き出して異空間を生み出して其処へと引きずり込む。此処ならば幾ら暴れたとしても現実世界への影響は出ない。
「流石はエボルト、パンドラボックスの力を引き出せるって訳だなぁ!?だったら―――俺はこういう手品を披露してやるよ……はぁ!!!」
キルバスの身体から青い光が抜け出て行く、それらは8つに分裂するとそれぞれが人の形を取り始めた。それらは……旧世界においてネビュラガスを人体に注入して生み出される怪人、スマッシュだった。
「星辰、こいつらは俺達に任せろ。お前は戦兎と一緒にあいつをぶっ倒せ」
「万丈さん、でも……」
「子供が大人に遠慮するな」
「そういう事だ、カッコいい所を見させてやるよ」
クローズ、ローグ、グリスは率先して前に出た。真面目な話をするならばこの中での最高戦力は間違いなくビルドジーニアスとブラックホールフォームのエボルである事は間違いない、ならばキルバスには最初からそれをぶつけるしかないという事だ。
「星辰、いいな」
「―――分かりました。諸先輩方、お願いします!!」
「よし行くぞ!!」
そう言いながらエボルとビルドの二人は仲間達の肩を踏み越えて大跳躍しながらキルバスの前へと出た。
「ッシャア!!力が漲る、魂が燃える……俺のマグマが迸る!!!」
「心火を燃やして……ぶっ潰す!!!」
「大義の為の犠牲となれ……!!」
クローズ達が戦闘に入る中、ビルドとエボルはキルバスに向き直りながらも覚悟を決めたかのように向かって行く。それをキルバスは腕を広げて迎えるかのように体勢だった。
「うおおおおおっっ!!!」
真っ先に飛び出したビルドは懐に飛び込みながらも連続した攻撃を繰り出す、が、キルバスもそれらを的確に捌いて行く。が、急加速したビルドの拳がキルバスの顔面を捉えた。
「ぐぉっ!?」
「ォォォラァァァァ!!!」
そこへ重力波を纏った拳を叩き付け、顎に強烈なアッパーカットを繰り出す。それを諸に受けて吹き飛ぶキルバスだが、直ぐに起き上がると右肩の鋏を巨大化させるとそのまま此方を挟み潰そうと差し向けて来た。
「させるか!!」
今度はビルドがその手から巨大なダイヤを作り出すとそれを鋏へとぶん投げた、それは鋏の根元にすっぽりとジャストフィット。幾ら巨大且つ力があろうとも根本を抑えられては対応は難しい事だろう。そこに超高速のビルドの拳が炸裂する。
「グガァッ……!?なぁぁんてな、そう簡単に死んでやるもんかよぉ!!」
「心中してぇなら自分で勝手に首でも括ってろ!!!今なら俺が首を吊る縄になってやる!!」
「光栄だなぁ、だがそれだけじゃ足りねぇ!!もっと居るんだよぉ!!」
ビルドの拳を払いのけると廻し蹴りを決めると強引にダイヤを砕き割りながら、鋏を叩き付けて来る。後退するビルドの代わりに飛び込んでくるエボル、両手にブラックホールを纏わせたまま連続のラッシュを繰り出して行く。
「随分、器用な、真似が出来るようになった、じゃねえかエボルトぉ!!」
『相棒の力のセンスは俺よりいいんでね!!』
「チェエエエストォオオオオ!!!」
勢い良く踏み込んだハイキックがキルバスの首へと炸裂する、その時に大きく吹き飛んでいく。諸に入れる事が出来たという確信があるが、同時にこの程度では絶対に倒せないという確信もある。当然だと言わんばかりに吹き飛んだ先から舞い戻ってくるとレバーを勢い回し始めた。
「なっ!!?」
「シェエアアアア!!」
突如、キルバスの腕が4本に増えた。その腕全てには鋏がありそれらを使って首、腕を掴み上げるとそのまま残った蠍の尾でエボルを突き刺した。
「ぐあああああああああああ!!!??」
「星辰!!ぐっううううおおおおおっっ!!?」
万丈たちも必死にスマッシュを抑え込もうとしているが、それらは唯のスマッシュではない。それはキルバスの細胞を分裂させ、スマッシュに擬態させたもの。言うなれば一海がパンドラタワーで戦ったエボルトの擬態三羽烏に近い存在。故に唯のスマッシュでは済ませられない程の力を持っており、其方に加勢する余裕が全くない。
「キルバス!!」
エボルの危機を救うべき、飛び込みながらもライダーパンチを放った。それを回避する為にエボルを開放しながら後退する、そのまま倒れこんだエボルに駆け寄るが、変身解除が行われながらも苦し気な声を漏らし続けている。
「ぐぅぅぅ、ぁぁぁぁっ……!!」
「大丈夫か星辰!!星辰おい確りしろ!!」
『こいつはまずいな……野郎毒を打ち込みやがった』
「何だと!?」
蠍の毒、それが今の必殺技を通して注入された事になる。エボルトも毒の中和と抑制を行っているが、何しろキルバスの猛毒。抑え込む事が出来ても根本的な治療を行えない。
「俺様の毒は如何だぁ?最高だろぉ~!!?」
「お前っ……!!!」
『……戦兎、あれを寄こせ』
「お前、まさかその状態で使わせる気か!!?」
『もうそれしか手がねぇ、ハザードレベルを上げて毒を無力化するしかねぇ』
エボルトの提案は決して飲み込めない、二人のエボルトのボトルというべきダイナソーエボルボトルを解析し、復活したジーニアスボトルをベースにして開発、誕生したアイテムさえあればキルバスは倒せるかもしれないが、確実にハザードレベルが足りないので戦闘中に何とかしてレベルを上げて使うしかないという結論に至った訳だが……こんな状態で使ったら絶対に星辰は持たない。
「戦兎、さん……お願いです、ボトルを……!!」
「駄目だ、お前の身体が持たないぞ!?」
「フフフッ……パンドラパネルを使ってエボルトと心中しようとした戦兎さん、みたいにですか……?大丈夫です、だって天才物理学者の戦兎さんの発明だもん……」
そこには一点の迷いも曇りもない自分への信頼があった。如何してこの子はそこまで自分を信頼してくれるのだろうか、そう思う中でスマッシュと戦っている皆が苦戦しているのが見えた。其方にも加勢に行かないと不味い……そう思っていると赤い触手のような物が伸びて腰に付けていたそれを強引に奪い取る様に星辰の手にボトルを収めた。
「エボルトお前!!」
『さっさとあいつらの援護に行け、此処は俺と相棒に任せとけ。それとも戦兎大先生は自分の作品に自信がねぇのかな?』
「っ……分かった!!」
ビルドはそのままスマッシュ達へと向かって行く。体感的にはエボルトを相手にしてるような強さのスマッシュ、それに真っ向から対抗出来るのは恐らくジーニアスだけなのだろう。そして―――キルバスは自分が倒すという強い意志を持ちながら激痛が走る身体を持ち上げる。
「もう観念しろ、俺の毒はお前じゃ解毒できないんだぜエボルト」
『だろうな―――だから解毒はしねぇ』
「ほう、諦めたと!!」
「違うね……毒は、消し去る!!」
そう言い切りながらも星辰はエボルトリガーのボタンを押した。
「ギィィッ……グゥゥゥゥゥッ……」
エボルトリガーから溢れ出してくる
「星辰、今だドライバーに!!」
戦兎の声が飛ぶ、だが言われずとも理解しているのか星辰は高らかに振り上げながらも勢いよくエボルドライバーへとセットした。
レバーを回して行く毎に更に注入されていく活性強化剤、だがその苦しみも無い。ハザードレベルが上昇した事でその痛みが無くなった、そして自信の周囲を飛び回って光、それらは銀河いや宇宙を形作るようだった。その宇宙はこの新世界の象徴―――そして、真の意味での新世界誕生の祝い。
覚悟の問いが行われる、それへの答えなんてとっくに出来ている……そう、答えは何時だって一つ。
「変身!!!」
その言葉と共に宇宙の輝きが星辰へと集って行く。その全身を包み込んでいく星々の力を一つに纏め上げながらも形作られていく、そして世界の色が数度変わりながら新たな宇宙が創造される。そうビッグバン、キルバスが齎す物が全ての物を無へと誘う破滅的なビッグバンであるならば―――自分はそれを越えて新しい世界を作る為のビッグバンだと言わんばかりの輝きを放つ。その身に宇宙を宿したその仮面ライダーは……
そこに居たのはブラックホールフォームのエボルを基本としつつも、頭部にあるのは恐竜を思わせる瞳。だが肩や腕にはビルドのラビットフォームのホップスプリンガーを思わせる装備があった。装甲の色も赤めのピンク、エボルトの力を纏ったビルド……とも取れるその姿に万丈たちは驚き、戦兎は笑みを浮かべていた。
「あれが、戦兎が作った星辰の……」
「新しいアイテム……」
「それを使った姿……」
「そう、その名も―――!!」
「仮面ライダーエボルビルド―――見参!!!」