星狩りのヒーローアカデミア   作:魔女っ子アルト姫

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99スレ

「ヴァアアア……」

『まだ体調悪いのかよ相棒、まあ俺としてもあんな使い方は完全な想定外だからな。こうなってもしょうがないだろう』

 

無事に壊理ちゃんも保護された事で死穢八斎會の事件が解決、星辰はナイトアイから受けた特別任務を無事に終わらせる事が出来たという事になっている。が、現在はエボルビルドに変身する為に急激に上昇させすぎたハザードレベルの反動に苦しんでおり、授業を休んで部屋で養生をしていた。

 

「気分はだいぶ良くなったけど、まだまだ体調は優れねぇな……疲れが全然とれねぇ……」

『今回は随分と無茶をしたからな、まあ明日になればマシにはなるだろ』

「ったく軽く言ってくれるなぁ……」

 

そう言いながらもベットの近くに置いてあったボトルを手に取る。ジェネシスユニバースボトル、この新世界の力を守る為の力、自分だけのエボルを生み出すビルドの力が一つになったボトル。

 

「だけど、こいつは普通のヴィランには使えないな……強すぎる」

『ミンチよりひどい事になる事は保証してやるよ』

「ンな事保証すんな」

 

そもそも今回、怪人態の細胞を吸収した事もあってエボルのスペックはかなり上昇してしまっている。これからは一層気を付けて運用を心掛けなければいけなくなってくる。そう思いながらもベットから起き上がるとノートを取り出して、ページを開いてそこにペンを走らせていく。それを影から実体化するように見つめるエボルトは感心するような声を上げる。

 

『上手いもんだなぁ』

「昔から絵が上手い奴に憧れがあってな、だからコツコツ練習してたって訳」

『こんだけかければ上等だろ』

 

そう言われながらもノートに書かれたのは仮面ライダーエボル。フェーズ1、コブラフォームの姿、胸を張り、肩幅程度に広げた両足、拳を握り締めている、肘を軽く曲げているなど設定画的な感じに仕上がったイラスト。

 

「コブラフォーム、エボルの基本フォーム。毒やらも使えるが基本的にオールマイティ、空も飛べればエネルギー攻撃も可能」

『俺からしたら馴染み深い姿だな、まあ2%程度しか出せねぇ姿でもあるけどな』

 

今出来る事は極めて少ない、だが自分のレベルが上がった事でエボルの力は大幅に上がっているので改めてそれを書き出し、強く意識しようとしている。戦兎が認めてくれた仮面ライダーとして恥ずかしくないようになるために。

 

「トランスチームガンにライフルも忘れないようにっと……他のボトルとかないだろうな?」

『他のってなると別世界のライダーのボトルになるぞ、それこそ俺だけじゃ無理だ』

「だよな……となると、此処の辺りで」

 

次はドラゴンフォーム。能力は超高温の炎の生成、そしてそれらを用いた近接戦闘が本領。

 

「戦闘力の分析や格闘能力の強化、純粋な戦闘に特化した仕様だな改めて見ると……様子見でドラゴンフォームは十二分にありか」

『つってもこれはこれで十分過ぎる位に強力だけどな、轟の奴がこれの打倒を目標にしてるらしいじゃねえか』

「打倒というかリベンジだな、これを超えられれば問題ないレベルに炎を使いこなせたっていういい指標になってるから」

 

時折、焦凍との戦いにも付き合ってる星辰。その時にはドラゴンフォームの炎をどうやって対処するか、そして自分の炎と氷でそれらをどうやって突破するかを考えながらも戦っている。その影響もあるのか、炎と氷を同時に扱いながらも戦えるようになり始めている。

 

「んで、俺のフェーズ3のダイナソーフォーム」

『ったく戦兎に乗り移った時もこんな風に進化してくれりゃあよかったのによぉ』

 

ぼやくエボルトを他所にダイナソーフォームの絵を描く。こうして見るとフェーズ4の前段階というのが本当に分かりやすい、EVOベクターローブの有無が重要なのだろう。

 

「そしてこいつはシンプルな強さが特徴、コブラみたいな毒は扱えないしドラゴンの炎は出せない、言うなればオールマイトみたいなもんだな」

『合ってるのかそれ?』

 

だが分かりやすく言えばそうなる。肉体的なスペックの高さを誇るのがダイナソーフォームの特徴、単純なスペックで言えばブラックホールフォームを超えている、これより上を出すならばエボルビルドしか存在しない。逆に言えばこれこそが自分の本当の持ち味という事になる。

 

「んでラビットフォーム、か……」

『俺はこいつ嫌いだな』

 

そんな事を言うエボルト、やはり進化しようと思ってこれになった事が相当に苛立っているらしい。索敵能力や機動面では他の追随を許す事は無いが、単純な攻撃能力は全フォーム中でもワーストであり、パンチ力に至ってはコブラフォームを下回っている。それでもミルコに対応可能な唯一のフォームである。

 

「あんま毛嫌いしすぎて、使い時になって拒否とかマジすんなよ」

『ヘイヘイ』

「んで次はタンクとロックか」

 

そう言いながらも手早くタンクフォームとロックフォームを描いて行く。星辰からすればこれは設定的には存在はしていたが、本当に変身する事になるとは思わなかったもの。だが、その使い心地はかなり良好でどちらもかなり気に入っている姿。

 

「射撃に長けた防御型の万能フォーム、無限軌道を活かした高速移動も可能。流石戦兎さんの初期フォームの片割れ、万能だ」

『まあ戦車だからな、この位出来ねぇと寧ろ詐欺だろ』

「んでロックは超防御型で機動面も最底辺、だが自在に伸びる鎖で相手を拘束、個性を封じたりも出来るから一番テクニカルなフォームかもな」

『俺は好きじゃねぇな』

 

射撃の命中や威力に補正が掛かるタンクフォーム、かと言ってスピードや防御面にも隙は無い。そして圧倒的な防御力で攻撃を防ぎ、カウンターで相手を拘束して無力化するロックフォーム。こうしてみると本当にエボルは出来る事の幅が余りにも広いのだと思い知る、そしてこれよりも更に出来る事が多いビルド。

 

「んでブラックホール……そしてエボルビルドか」

 

並び立つ二つのフォーム、仮面ライダーエボルの完全体とも言うべきブラックホールフォームとその発展型とも言うべきエボルビルド。その特徴はやはりブラックホールを自在に操り、ワープさえも自由に行って宇宙空間でも活動が出来るという圧倒的な点。そしてそこにビルドの創造の力が加わった事で、あらゆるものを創造する力を得たエボルビルド。やろうと思えばライダーの複製を作り出す事も出来る。

 

「……こんな所か」

『これだけあれば何がこようが問題はないだろうな』

「そう思いたいが……」

『あのガーディアン装備が気になるか』

 

これだけの力を得たとしてもやはり不安は付き纏い続けている、結局戦兎に話を伺っても答えに辿り着く事なんて出来なかった。考えられるのは……ダウンフォールが一番有力なのかもしれない。

 

「……まあ、どんな奴だろうと、相手にはなるつもりだがな」

『その意気だぜ相棒、それでこそ仮面ライダーエボルだ』

「よく言いやがるよ全く」

 

そう言いながらもノートを閉じる星辰の表情には笑みが零れていた。

 

 

 

 

 

 

 

「成程……確かにこのデータは興味深い、だが余りにも次元が違い過ぎて解析が出来ないか……ならレベルを下げるとしよう、適応出来る装備ならば問題は無い」

 

そんな言葉を呟きながらキーボードを叩く影があった。その影は不敵な笑みを浮かべつつもコードが繋げられているデバイスへとデータを打ち込み続けて行く。そのデバイスは……何やら引き金のような形をし、何かに既に接続されていた。そしてデータの入力が終わると、影はそれを手に取った。

 

「フゥム……この段階でもデータは取っておきたいな、さてと狙うべきはヒーローか、それとも……ヴィラン連合か。此方に利がある方を選ぶとするか」

 

そう言いながらも影は椅子に背中を預けながらも画面に映し出されている映像へと目を向けた。そこには―――エボルが映し出されていた。

 

「お前がどれほどの高みにいるかは知らないが、俺はお前を引きずり落とす。俺が頂点だ」

 

そんな言葉を口にする男の右顔面には―――悍ましい火傷の跡が残っていた。

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