UMA-MUSUME GALE A MOMENT 作:ビデオマン
『沢木 誠』……TEAM『NIGHT RACERS』のNo.2だったDRIVER……
だけど、あの夜……俺にとっての悪夢の始まりの日……
沢木と俺のTAIMAN BATTLE……最終コーナー手前で派手に沢木はクラッシュしちまった……
俺はあの時……生命の重力って奴を乗せて走っているんだって思い知らされた……
……あの後……結局沢木は目が覚めることのないまま……死んじまった……なのに何故……?
「何でオレがこうして別の世界で蘇ったのか、それは俺にも分かんねえ……けどな!俺のことは今どうだっていいいんだ!」
「……別の世界……?」
「ん?おう!!そうだ!!」
沢木は俺に色々説明してくれたさ……
この世界は取り締まりが厳しく……前の世界のようなPASSINGからのBATTLEやGET REWARDSはまず不可能な事……
横浜は俺達の知っているYOKOHAMAとは全く別物であるという事……
何より……ウマ娘という俺達がいた場所には絶対に存在していないであろう種族……
……本当に……ANOTHER WORLDって奴に来ちまったらしい……
「まあ何にせよだ……今大事なのはこれからどうするかって事だ!」
「……前みたいに走り屋として生きていくには厳しい世界だからな……」
「……SPEEDの世界以外で生きていかなきゃダメって事か……」
最速の彼方……蜃気楼を掴む……もう叶わない夢なのか……?
「SPEEDの世界に関わって生きていく方法があるって言ったら……どうするよ?」
「何……?……プロのRACERにでもなれって言うのか……?」
「それも一つの選択肢だけとよ……この世界には他にも熱い走りの世界があるんだぜ!!」
「……もしかして、あんたがTRAINERなんてのをやってるのも……それが関係してるのか……?」
「おう!!まあ自分が直接走る訳じゃねえが……とにかく見たほうが早い!!着いてこいや!赤碕!!」
……相変わらずうるせえ野郎だ……
沢木に連れられて、俺はウマ娘達が走るトレセン学園内のレース場に来ていた……
既にそこには大勢のギャラリーが集まっていた
「おう!もうすぐ選抜レースが始まるみたいだぜ!」
選抜レース……ウマ娘がTRAINERにSCOUTされるかどうかが決まる重要なレースだったか……
横浜GP……代表決定戦の時を思い出すのさ……
この選抜レースは芝1800mの距離を走る……
MAKE DEBUTって奴でよく走る事になる距離らしい……
GATEの近くを見てみると、そこにはこれから走るウマ娘達がいた……
静かに集中力を高めるやつ……ダチなのか談笑している奴だっている……
だけど、そうさ……何であれここはもうすぐ戦場に変わるのさ……
ウマ娘達がGATE INしていく……
ーーーガタン!
火蓋は切られた……さっきまでとは明らかに空気が違う……
弾丸のようなSPEED……吹き荒れる風……
先頭を切って後続を離そうとする奴……後ろから機を伺っている奴……
皆が自分のRUNNINGをぶつけ合ってる……
そうさ……ウマ娘……あいつらもまたWarrior……
俺達との違いなんて走る場所がSTREETか否か……
車という鋼のWeaponで武装しているか否か……
それしか違いなんてねえ……
どいつもこいつも目をギラつかせてやがる……
SCOUTというREWARDSを求めて走っている……
気付けばレースはもう最終コーナーまできていた……
全員が最後の力を振り絞っている……GOALを目指して駆け抜けていく……
力尽きて沈んでいくWarriorもいれば、凄まじい勢いで追い上げてくるWarriorもいる……
それでも……誰一人として走ることを諦めてる奴なんていない……
……終わりの時が近づいてきた……
そして……GOAL IN……決着は付いた……
ギャラリーしてた奴等が次々とさっきまで走っていたWarrior達へと駆け寄っていく……
……あの時の赤い月の夜みたいに手が震えていた……
……俺は気付かない内にウマ娘達の走りの世界って奴に魅せられていたんだ……
「おう!赤碕!分かるか?アイツらもSPEEDの世界で生きてるんだ!」
「アイツらはこれからもっと速くなる!そして速くなる為にアイツらをSUPPORTするのがTRAINERだ!!」
「速いヤツ同士が、更に進化したRUNNINGを次のレースでぶつけ合うんだ!そうやってお互いを高めあっていく!」
「しびれてこないか!?そして見てみたくねえか!?そうやって進化したRUNNINGの果てに辿り着く、SPEEDの世界って奴を!」
「……だからTRAINERになったのか……」
「おう!つっても今まではSUB TRAINERだったから俺が一人でウマ娘を担当したことはないんだけどよ……」
……進化したRUNNING……その果てのSPEEDの世界……
TRAINERになれば俺もそのSPEEDの世界に入れるのか……?
……考えたってしょうがねえ……
……そうさ……俺達走り屋は結局……SPEEDの世界の中でしか生きられないのさ……
TRAINERになる事を決めた俺は……沢木に連れられてトレセン学園の理事長室に来ていた……
どうやら沢木は……この世界に来たとき……その理事長に世話になったらしいのさ……
沢木や俺がこの世界にとってのGUEST……招かれざる客って事も説明したらしい……
俺を発見した後……理事長に報告しにいく時に……偶々近くにいたウマ娘……
そう、サイレンススズカに戻ってくるまで俺の様子を見るように頼んだらしい……
……あいつが困惑するのも当然なのさ……
沢木が扉を開ける……そこには緑の服と帽子を被った女と……どう見ても子供にしか見えねえ奴がいた……
だけど、そうさ……二人からただ者じゃねえ……Auraってヤツを感じるのさ……
「おう!理事長!連れてきたぜ!」
「うむッ!ご苦労ッ!そして……」
「歓迎ッ!ようこそ、我がトレセン学園へ!」
「紹介ッ!わたしは秋川やよい!このトレセン学園の理事長を務めている!そしてこっちは……」
「はい、私は理事長の秘書の駿川たづなです。事情は沢木さんからお伺いしております。」
「……赤碕翔だ……」
「うむっ!良い眼をしている!ここに来てくれたという事は、トレーナーになる気があるという認識でいいのだな?」
「ああ……」
「そうか、ならば……特例ッ!君がトレーナーになることを認めよう!」
「……そんなあっさり決めていいもんなのか……?」
「本当はあんまりよろしくないんですけど……沢木さんのお墨付きがありましたからね」
「慧眼ッ!沢木君にはそれがある!サブトレーナー時代も、トレーナーにその事をよく褒められていた!」
「おう!なんか照れちまうな!」
「そして何よりも!情熱ッ!君には走りに対する大きな想いを感じた!」
「私は全てのウマ娘達を支えたいと思っている!」
「しかし、現実ッ!一人の力ではどうしても限界がある!」
「赤碕君!君ならばきっとそんな私の夢を叶える力になってくれると、そう思った!」
「そうか……」
「ええ、私も赤碕さんなら、皆の力になってくれると信じています。」
「ですが……トレーナーになるにあたって資格は取って頂かないといけません。」
「LICENCE……当然の話か……」
「おう!心配すんな赤碕!オレがちゃんとLECTUREしてやるからよ!」
「……いいのか……?」
「おう!START LINEに立ってもらわねえと、競い合うことすら出来ねえからな!」
「……助かる……」
「うむ!君たち二人には、この世界に新たな風を巻き起こす事を期待している!」
「取り敢えず、赤碕さんには暫く寮の空き部屋を使っていただきます。資格取得、頑張ってくださいね」
「ああ……やれるだけの事はやってみるさ……」
そうさ……形は違えど……新たなSPEEDの世界で……また目指すだけさ……
最速の彼方……蜃気楼を掴む……
その為にも……こんな所で立ち止まっちゃいられねえのさ……