ソードアート・オンライン Re:紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、月夜の黒猫団の話です。


第8話 月夜の黒猫団

 ノーチラスが血盟騎士団に入り、俺が保留にしてもらってからしばらくが経った。

 ノーチラスとは、連絡を取り合う仲になっていて、友達の関係だ。

 俺は、あちこちのダンジョンに向かっていた。

 理由としては、俺自身の強化だ。

 アルゴの情報によると、ブレイラウザーには、アンデッドと呼ばれるモンスターを封印する事が出来る能力があるとの事だ。

 そして、その封印したアンデッドモンスターの力を、ラウズカードとしてブレイラウザーを使えば、引き出す事が出来るのだ。

 そのアンデッドモンスターは、先日倒したビートル・アンデッドを含めた13体が居るとのこと。

 

カルム「結構、多いな………。」

 

 俺はそう呟く。

 まあ、なんとかしますけど。

 ちなみに、ビートル・アンデッドのカードは存在するが、防具の一部として取り込まれているとの事。

 そうして、俺は、アンデッドモンスター討伐の旅に出た。

 あと、アルゴから聞いた話によると、同じような装備は、あと三つ存在していて、弓、ボウガン、錫杖の三つだそうだ。

 ただし、その残りの三つのダンジョンに向かったのだが、入れなかった。

 どうやら、ブレイラウザーを手に入れた為、その三つのダンジョンには、入れない様だ。

 そんな生活を続けている内に、6月12日になった。

 現状、手に入ったのは、斬撃を強化する『スラッシュリザード』、パンチ力を高める『ビートライオン』、突進力を高める『タックルボア』、キック力を高める『キックローカスト』の4枚だ。

 攻略も進めつつやった為、そこまで多くは集まらなかった。

 現在、27層の迷宮区に挑んでいた。

 理由としては。

 

カルム「ここは、ブレイラウザーの強化素材が多く出て助かるわ。」

 

 そう、ここは、ブレイラウザーの強化に必要な素材がたくさん出るのだ。

 ある程度集めたので、迷宮区から出ようと思ったのだが、アラーム音が聞こえてきた。

 

カルム「なんだ!?」

 

 まさか、トラップに引っかかった奴が居るのか!?

 この迷宮区は、トラップがかなり多い事で有名で、攻略組も、この層の迷宮区に挑んだ際に、何人かの死者が出てしまったのだ。

 アラームの音は、比較的近くから聞こえてきた。

 その音を探っていくと、壁に窪みがある事に気付いて、それが隠し扉だという事に気づいた。

 開けると、五人のプレイヤーが、大量のモンスターに取り囲まれていた。

 それを見ると、第一層でのあの出来事が蘇ってくる。

 そう、俺がミトとアスナと共に行動していた時、同じようなトラップに引っかかって、死亡した三人のプレイヤーが居た。

 だが、これは、まだトラップが発動したばかりのタイミングだったらしく、まだモンスターはプレイヤー達に攻撃を仕掛ける直前だった。

 よく見ると、その内の1人が、キリトだったのだ。

 確かに、アルゴから、キリトがギルドに入った事は聞いていたが、ここで会うとはな。

 俺は、そんな事を考えつつ、プレイヤー達に向かって叫ぶ。

 

カルム「大丈夫か!?」

???「は、はい!」

カルム「早く結晶で脱出しろ!!」

???「結晶が使えないの………!」

カルム「まさか、結晶無効化空間!?」

 

 結晶無効化空間。

 それは、この迷宮区に挑んだ際に、トラップが仕掛けられている部屋に大体仕掛けられている物で、文字通りに、結晶アイテムを使う事が出来ない。

 見た感じ、中層のプレイヤーだ。

 動きもお世辞にも良いとは思えない。

 

カルム「待ってろ!すぐに助けてやる!」

 

 俺はそう叫んで、モンスターに攻撃を仕掛けていく。

 ブレイラウザーの使い方にも大分慣れてきて、ドワーフにはスラッシュのカードで切れ味を高めて斬り捨てて、岩石系エレメンタルの上位種に関しては、キックのカードで脚力を強化した弦月で倒す。

 ある程度倒したら、その中層のプレイヤー達を部屋の隅に誘導する。

 これなら、真ん中で迎撃するよりも、モンスターを迎撃しやすい。

 俺とキリトは、反動の少ないソードスキルを使い、モンスターを倒していく。

 トラップが発動してから数十分が経過して、何とかモンスターは全滅した。

 

カルム「何とかなったぁ………。」

???「あ、あの………助けてくれてありがとうございます。」

カルム「何、見殺しには出来なかったからな。」

???「もしかして、攻略組ですか?」

カルム「まあ、そうだな。」

???「本当にありがとうございます!」

 

 そう礼を言われた。

 彼らの名前を尋ねると、メイスを使っているのがテツオ、剣を使っているのがダッカー、槍を使っているのはササマルで、唯一の女性がサチとの事。

 なぜ、危険なトラップだらけのこの迷宮区に来たのかというと、ギルドマスターであるケイタがギルドホームを買っていて、家具を置く為のお金が欲しかったとの事。

 お礼がしたいとの事で、彼らのギルドにお邪魔する事に。

 ただ、キリトの表情が思い詰めていた物なのが不安なのだが。

 そのギルドホームに到着すると、1人の男性が話しかける。

 恐らく、ギルドマスターのケイタという人物だろう。

 

ケイタ「皆、どこ行ってたんだ?ギルドホームならもう買い終わったぞ。」

テツオ「心配かけてごめん。ちょっと、上の層でコル稼ぎをしてたけど、トラップに引っかかってさ。でも、そこの攻略組のプレイヤーとキリトが、皆を助けてくれたんだ。」

ケイタ「あなたは?」

カルム「どうも。通りすがりの攻略組プレイヤーです。」

 

 俺がそう言うと、ケイタは頭を下げる。

 

ケイタ「本当に、仲間を助けてくれてありがとうございます!」

カルム「良いって、良いって。」

ダッカー「でも、キリトも強かったんだぜ!」

ササマル「ああ。カルムさんだけでなく、キリトのおかげだよ。」

サチ「キリト、本当にありがとうね。」

 

 月夜の黒猫団の面子は、俺とキリトに礼を言う。

 だが、キリトは悲痛な表情を浮かべていた。

 ケイタは、それに気づかず、声を出す。

 

ケイタ「よし!じゃあ今日は、カルムさんへのお礼と、ギルドホーム購入祝いを兼ねて……。」

キリト「待ってくれ!」

 

 すると、キリトが限界と言わんがばかりに叫ぶ。

 それに、月夜の黒猫団の面子はキリトに視線を向ける。

 

サチ「キリト………どうしたの………?」

キリト「………俺、月夜の黒猫団を抜けるよ………。」

ケイタ「どうしたんだよ、急に。」

サチ「何で………。」

キリト「それは、俺がビーターだからだよ!」

「「「「「…………えっ?」」」」」

 

 そのカミングアウトに、月夜の黒猫団の面子は呆然とする。

 

キリト「俺は………ビーターで攻略組のソロプレイヤーなんだよ!この事を隠してなかったら、皆に危険な目を遭わせる事はなかった。カルムがいなかったら………!ビーターの俺が、皆と関わる資格なんて無かったんだ!」

 

 キリトは、そう叫びながらギルドホームから逃げる様に去っていく。

 どうやら、かなりの責任感を感じていたみたいだな。

 月夜の黒猫団の面子は、呆然としていた。

 すると、サチが俺に話しかけてくる。

 

サチ「…………じゃあ、カルムさんは、キリトと知り合いだったんですか?」

カルム「…………ああ。」

ケイタ「キリトが…………ビーター………。」

カルム「…………皆。聞いてほしいんだ。何故、キリトがビーターと名乗ったのかを。」

 

 俺は、語った。

 第一層のボス、イルファング・ザ・コボルドロードとの戦闘の際に、ボスの前情報とは違うパターンの攻撃を仕掛けてきた。

 その際に、ディアベルというプレイヤーがやられそうになったが、俺が助けた事。

 そのボス戦が終わった際に、βテスターへの吊し上げが起こりそうになった。

 その時に、キリトはビーターと名乗り、βテスターへのヘイトを、たった1人で受けた事を。

 

カルム「……………これが、キリトがビーターと呼ばれる様になった理由だ。」

サチ「そんな事が…………。」

ケイタ「………………。」

カルム「キリトとどう接するのかは、君達自身で決めて欲しい。…………どう接するのか決まったら、メッセージを送って欲しい。じゃあな。」

 

 俺は、ケイタとフレンドになって、その場を去っていく。

 どう接するのかを決めるのは、彼ら自身で決めなければならない。

 そう言って、半年が経った。

 すると、ケイタからメッセージが届いた。

 そこに書いてあったのは、『僕たちは、キリトを友達として受け入れたい。』と書いてあった。

 俺はそれを見て、メッセージを送る。

 月夜の黒猫団と合流する前に、アルゴと合流する。

 

アルゴ「よお、カー坊。」

カルム「相変わらず、その呼び方なんだな。」

アルゴ「別に良いだロ。それより、今回はカー坊に依頼をしたイ。」

カルム「…………依頼内容は?」

アルゴ「キー坊を止めてくレ。」

 

 アルゴ曰く、キリトが月夜の黒猫団を抜けて以降、無茶なレベリングをする様になっているとの事。

 恐らく、1人で生きていかなきゃいけないという重圧が、キリトに無茶なレベリングをさせているのだろう。

 アルゴのツテから知り合ったクラインとエギルも止めようとしたが、止められなかったとの事。

 

アルゴ「アーちゃんとミーちゃんは、ギルドの方で忙しいだろうから、今はカー坊にしかキー坊を止められなイ。頼めるカ?」

カルム「分かった。それに、キリトに伝えたい事がある人たちがいるからな。」

アルゴ「じゃあ、これが、キー坊がレベリングしてるであろう場所の地図ダ。」

カルム「サンキュー。」

 

 俺は、アルゴから情報を買い、月夜の黒猫団と合流して、キリトの元へ。

 何とか、戦闘は避けられている。

 しばらくすると、キリトが見えてきて、俺が先に行って、合図を出したら出てもらう事にした。

 俺は、キリトに声をかける。

 

カルム「よお、キリト。」

キリト「カルム…………。」

カルム「アルゴから聞いたぞ。無茶なレベリングをしてるんだってな。」

キリト「…………だから、何だよ。これは俺の問題なんだ。関わらないでくれ。」

 

 キリトは、そう言って俺を拒絶する。

 だが、俺は食い下がる。

 

カルム「関わるさ。何せ、お前を心配してる奴が沢山居るからな。」

キリト「嘘だ!俺が死んだとしても、誰も気にしないだろ!黒猫団の皆だって、そうに決まってる!」

 

 その言葉に、俺は声のトーンを下げて、言う。

 

カルム「…………本当に連中がそう思ってるのか?黒猫団の面子の言い分なんて、聞いてないだろ。」

キリト「聞いてなくても分かるさ!絶対、黒猫団の皆は、俺を蔑んで…………!」

カルム「………良い加減にしやがれ、この青二才がァァァァァ!!」

 

 俺は、そう叫んでいた。

 それには、キリトも呆然となる。

 

カルム「全く、ちゃんと人の話を聞いてやれよ。………俺も未熟だろうけどさ。とにかく、後は本人達に任せるとしようか。」

キリト「えっ…………。」

 

 後は、黒猫団の面子に任せるとしよう。

 黒猫団の面子が前に出てくる。

 黒猫団の面子は、キリトの事を、ビーターとして蔑むのではなく、友達として受け入れる事にした事を告げる。

 それを聞いたキリトは、涙を流す。

 まるで、これまでビーターとして過ごしてきた孤独が、涙として溢れている様に。

 キリトは、月夜の黒猫団に再び入る訳ではないが、友達として構築された。




今回はここまでです。
カルムのおかげで、月夜の黒猫団、生存!
ただし、キリトの心に、闇を落とす事になりますが。
次回は、本来ならシリカの話ですが、もしかしたら、カットするかもしれません。
近いうちに、カルムとフィリアの出会いの話をする予定です。
異世界おくてっとには、リメイク版のコチラを入れる予定なので、少し時間がかかります。
アンケートに関しては、もう少し続けます。
もし、リーファとシノンに彼氏をつける事になったら、それぞれの知り合いという設定で付けると思います。

リーファとシノンに彼氏は必要か

  • 必要。
  • リーファのみ要る。
  • シノンのみ要る。
  • 必要ない。
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