ソードアート・オンライン Re:紫紺の剣士   作:仮面大佐

17 / 86
今回は、圏内事件が発生したところまでです。
それでは、どうぞ。


第12話 圏内事件

 2024年4月11日 第59層《ダナク》

 現時点での最前線だ。

 今頃、多くの攻略組が迷宮区に挑んでいる筈だが、俺とキリトはサボっていた。

 丁度、何をしようかと悩んでいたら、キリトから「今日の気象パラメータは最高だからさ、一緒にのんびりしようぜ。」と誘われて、現在はキリトが寝ていて、俺はラウズアブソーバーを弄ったり、SAO内で販売されている小説を読んでいた。

 

ミト「何してるのよ、紫紺の剣士様?」

 

 そんな揶揄う様な声が頭上からしてきて、見てみると、ミトが居た。

 

カルム「ミトか。いやぁ、この誰が書いたのか知らないけど面白い小説を読んでた。」

ミト「あぁ、それね。ところで、キリトは何をしてるのよ。」

カルム「キリトなら、そこで日向ぼっこしつつ、寝てるぞ。キリト曰く、今日は最高の気象パラメータだから迷宮区に潜るのは勿体ないだと。」

ミト「なるほどね。」

 

 ミトは微笑みながら、俺の隣に座った。

 

ミト「ところで、カルムは寝ないの?」

カルム「寝たいのはやまやまなんだが、睡眠PKの可能性があるからな。」

 

 『アンチクリミナルコード有効圏内』、通称圏内では、プレイヤーは他のプレイヤーにはダメージを与えられない。

 一応、ソードスキルは使えるが、市街地の戦闘訓練で使うだけだ。

 ノックバックは発生するが。

 だが、デュエル中はダメージが入る。

 睡眠しているプレイヤーの腕を動かして、デュエル状態にして殺す。

 それが睡眠PKだ。

 俺はその危険性を考えて寝ていない。

 

ミト「カルム、眠そうよ。」

カルム「………分かるんですね。」

ミト「カルムの事だからね。」

 

 何か、俺の思考回路が読まれてるようで少し怖いな。

 あと、そんな恥ずかしいセリフをよくもまあ言えたもんだ。

 何か照れる。

 

ミト「私が見てあげる。だから、寝ていいよ。」

カルム「良いのか?」

ミト「えぇ。何なら、膝枕をまたしてあげても良いわよ。」

カルム「こんな公衆の面前で出来るか。」

ミト「あら残念。」

 

 そんな揶揄う様な表情で言わないでくれ。

 こっちが恥ずかしくなってくる。

 

カルム「まあ、お言葉に甘えて寝るわ。」

ミト「おやすみ。」

カルム「あぁ。」

 

ミトside

 

 そう言ってカルムは寝始めた。

 前回よりは寝るのが遅いので、少しは疲労は取れてると思う。

 それにしても、相変わらず寝顔が可愛いわね。

 

ミト「………寝てるし、良いよね。」

 

 私は少し魔が差して、カルムの頬をつつく。

 結構柔らかいわね。

 次第に面白くなってきて、つつく回数を増やしていくと、カルムが少し動いた。

 

ミト(ヤバッ!起こしちゃった?)

 

 だが、カルムは起きる事なく私の体に寄りかかった。

 

ミト「ちょっカルム!?」

 

 声をかけたけど、寝息を立てながら寝ていた。

 

ミト(寝てるのね。やっぱり疲れが取れきってないよね。まあ、膝枕したくらいだし、今更か。)

 

 疲れているのが分かっているので、そのままの状態にした。

 道行く攻略組を眺めながら10分程すると。

 

アスナ「ミト、何してるのよ。」

 

 あからさまに不機嫌なアスナがやってきた。

 

ミト「やっほ、アスナ。見ての通りにサボってるの。」

アスナ「ちょっと、貴女、ギルドの副団長なんでしょ!自覚あるの!?」

ミト「アスナもでしょ。それに、詰まりっぱなしじゃ、支障が出るでしょ。それよりも、今、カルムが寝てるから起こさないで。」

アスナ「カルム君?」

 

 アスナが近寄ってカルムを見ると、呆れた様に溜息をつく。

 

アスナ「ミトだけじゃなくてカルム君まで?貴方達、攻略組としての自覚はあるの?」

ミト「そう言わないの。それに、そこにもう1人寝てる人居るから。」

アスナ「え?……あの人まで!」

 

 アスナは更に不機嫌になったのか、キリトに近づいていく。

 キリトもアスナが近づいた事に気がついたのか起きた。

 

キリト「何だ、アンタか。こんな所で何してんだよ。」

アスナ「アナタこそ!こんな所で昼寝してるんだったら、攻略したらどうなのよ!」

キリト「今日のアインクラッドの気象パラメータは、最高の季節に最高の気象設定だ。そんな日に迷宮区に潜るなんて勿体無い。」

アスナ「アナタね!こんなことをしている内に現実での私達の時間が失われるのよ!」

キリト「でも、今はここが現実だ。今俺達が生きてるのは、アインクラッドだ。」

 

 アスナの気持ちも分かる。

 けど、キリトの言う通り、今私達が生きてるのはこの世界だ。

 そんなに張り詰めてると、いずれ切れちゃう。

 その時、アスナの横を風が吹いて、頬を撫でる。

 

キリト「ほら、良い風に、良い日差し。……最高だな。」

アスナ「天気なんて毎日一緒でしょ。」

キリト「アンタも寝てみれば分かるよ。」

 

 キリトに言われたアスナが寝ると、ものの数分で寝た。

 

ミト「お守りが3人か。」

 

 少し溜息をついて、笑った。

 それから数時間後、正午ごろになると、キリトが起きて、隣にアスナが寝ているのに驚いて、距離を取った。

 私はキリトに声を掛ける。

 

ミト「どうなの?起きたら美少女が隣に居て。」

キリト「ミト……。何してんだ?」

ミト「そうね。カルムの枕って感じ?」

 

 カルムに寄り掛けられたまま、私は笑う。

 そんな私を横目に、アスナを見る。

 

キリト「………疲れてんだろうな。」

ミト「まぁね。自分だけじゃなく、他のギルドメンバーのレベル上げを手伝ってる。それが深夜までだよ。それで疲れない筈がない。私も付き合ってお陰で寝不足よ。そういう訳で寝る。護衛は残りの2人と私を纏めてよろしく。」

 

 私はキリトに押しつけて寝た。

 

キリトside

 

 俺はミトから護衛を引き継いだので、長期戦になる事を覚悟して、飲み物を出す。

 そして、夕日が差し始めた頃。

 アスナが起きそうだった。

 

アスナ「うにゅ……。」

 

 そんな謎言語を言いながら、覚醒し切ってない頭で周囲を見渡した。

 アスナは、夕日、カルムとミトが互いに寄り添って寝ている姿、そして俺を見た。

 俺を見た途端、色んな感情が横切った。

 

アスナ「な………アン……どう………!」

キリト「おはよう。よく寝れたか?」

 

 それを聞いた途端、レイピアに手を掛けたのを見て、俺は石垣に身を隠した。

 だが、攻撃される気配は無く、ぎりぎりと歯を食いしばっていた。

 

アスナ「………ゴハン一回。」

キリト「え?」

アスナ「ゴハン、何でも幾らでも一回奢る。それでチャラ。どう?」

 

 アスナは、圏内PK行為からガードする為だけでなく、日頃の精神的疲労を回復させる為に、寝られるだけ寝かせてやろうとした事に気づいた様だ。

 

キリト「なら、57層の主街区に、NPCレストランにしてはイケる店があるから、そこ行こうぜ。」

アスナ「………良いわ。」

キリト「よし、決まり!ほら、カルム、いい加減に起きろ。」

カルム「ん?あれ?夕方まで寝てたのか。ミトに寄りかかってたのか。悪い事したな。」

キリト「そりゃもう、仲良さそうに。」

カルム「揶揄うな。ミト、起きろ。」

ミト「ん〜〜。まだ寝たい………。」

 

 起きないな。

 なら、しょうがない。

 

キリト「今ならアスナが奢ってくれるってさ。」

ミト「アスナの奢り!?」

アスナ「奢るのは彼だけ!」

 

 そうして、俺達はNPCレストランへ。

 

カルムside

 

 しっかし、よく寝れたな。

 俺はそう思いながら、キリト達と共に第57層へと向かう。

 だが、結構目立つだろうな。

 何せ、現在、血盟騎士団の第一副団長にして、『閃光』の異名を持つアスナ。

 そして、第二副団長にして、『紫鎌』の異名を持つミト。

 その2人はファンクラブまである程の人気だ。

 噂によると、とあるギルドが録音結晶を使ったCDデビューを申し込んだが、レイピアと鎌を突き付けられて退散したらしい。

 その結果、中層プレイヤーも2人を見る。

 そして、その2人の横を歩いている、『黒の剣士』キリトと、『紫紺の剣士』の俺を見て、目を剥く。

 キリトとアスナは結構気にしていたが、俺とミトは気にせずに世間話をしていた。

 しばらくして、肝心のレストランに到着する。

 席に着くと、アスナが声を出す。

 

アスナ「………ありがとう。護衛してくれて。」

キリト「あ、いや、まぁ、どういたしまして。」

 

 キリト、噛んでるぞ。

 そんなキリトに、アスナが吹き出す。

 

アスナ「あんなにたっぷり寝たの久々かも。最近は3時間しか眠れないし。」

キリト「そうなのか?」

アスナ「うん。他の団員のレベル上げとか考えているとね。」

 

 気になったので、ミトにも聞いてみる。

 

カルム「そうなのか?」

ミト「うん。はっきり言って、ウチで一番働いてるのはアスナなのよ。」

カルム「なるほどな。それはそうと、ノーチラスは元気か?」

ミト「えぇ。前よりも更にやる気になってて、私の部隊の部下。」

カルム「そっか。」

 

 あいつも、乗り越えられたんだな。

 そんな会話をしていると、サラダがやってくる。

 ドレッシング等が欲しいと言っていると、女の悲鳴が。

 

???「きゃああああ!!」

「「「「!!!」」」」

 

 俺達はすぐさま外に出て、広場に向かうとそこには、ショートスピアが刺さっている1人の男性が。

 しかも、どういう訳か、貫通継続ダメージが入っていた。

 

キリト「何してる!早く抜け!!」

 

 だが、恐怖からか、抜けなかった。

 

カルム「ミト、アスナ!教会に行ってくれ!もしPKなら、プレイヤーがいる筈だ!」

ミト「分かったわ!」

アスナ「こっちよ、ミト!」

 

 2人は教会の中へ。

 

カルム「キリト、俺が縄を斬る!お前は受け止めてくれ!」

キリト「分かった!」

 

 俺は、つい最近習得した壁走り(ウォールラン)を使って、教会の壁を登る。

 ブレイラウザーを出して、斬ろうとするが。

 

???「………っ!!!」

 

 一歩遅かった様で、何かを口にしていたが、鐘の音で聞こえなかった。

 そして、爆散した。

 俺は、ブレイラウザーを出したまま着地した。

 だが、違和感を感じていた。

 

カルム(何だ……!?この違和感は……!?)

 

 こうして、後に圏内事件と呼ばれる事件が起こった。




今回はここまでです。
少しずつ、2人の距離が縮まっていきます。
何とか、頑張っていきたいです。
アンケートは、圏内事件が終わる頃には、締め切りたいと思います。
どうか、票を入れて欲しいです。

アリシゼーションでのカルムの武器はどうするか

  • 刃王剣十聖刃
  • オージャカリバー
  • オージャカリバーZERO
  • その他
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。