それでは、どうぞ。
2024年4月11日 第59層《ダナク》
現時点での最前線だ。
今頃、多くの攻略組が迷宮区に挑んでいる筈だが、俺とキリトはサボっていた。
丁度、何をしようかと悩んでいたら、キリトから「今日の気象パラメータは最高だからさ、一緒にのんびりしようぜ。」と誘われて、現在はキリトが寝ていて、俺はラウズアブソーバーを弄ったり、SAO内で販売されている小説を読んでいた。
ミト「何してるのよ、紫紺の剣士様?」
そんな揶揄う様な声が頭上からしてきて、見てみると、ミトが居た。
カルム「ミトか。いやぁ、この誰が書いたのか知らないけど面白い小説を読んでた。」
ミト「あぁ、それね。ところで、キリトは何をしてるのよ。」
カルム「キリトなら、そこで日向ぼっこしつつ、寝てるぞ。キリト曰く、今日は最高の気象パラメータだから迷宮区に潜るのは勿体ないだと。」
ミト「なるほどね。」
ミトは微笑みながら、俺の隣に座った。
ミト「ところで、カルムは寝ないの?」
カルム「寝たいのはやまやまなんだが、睡眠PKの可能性があるからな。」
『アンチクリミナルコード有効圏内』、通称圏内では、プレイヤーは他のプレイヤーにはダメージを与えられない。
一応、ソードスキルは使えるが、市街地の戦闘訓練で使うだけだ。
ノックバックは発生するが。
だが、デュエル中はダメージが入る。
睡眠しているプレイヤーの腕を動かして、デュエル状態にして殺す。
それが睡眠PKだ。
俺はその危険性を考えて寝ていない。
ミト「カルム、眠そうよ。」
カルム「………分かるんですね。」
ミト「カルムの事だからね。」
何か、俺の思考回路が読まれてるようで少し怖いな。
あと、そんな恥ずかしいセリフをよくもまあ言えたもんだ。
何か照れる。
ミト「私が見てあげる。だから、寝ていいよ。」
カルム「良いのか?」
ミト「えぇ。何なら、膝枕をまたしてあげても良いわよ。」
カルム「こんな公衆の面前で出来るか。」
ミト「あら残念。」
そんな揶揄う様な表情で言わないでくれ。
こっちが恥ずかしくなってくる。
カルム「まあ、お言葉に甘えて寝るわ。」
ミト「おやすみ。」
カルム「あぁ。」
ミトside
そう言ってカルムは寝始めた。
前回よりは寝るのが遅いので、少しは疲労は取れてると思う。
それにしても、相変わらず寝顔が可愛いわね。
ミト「………寝てるし、良いよね。」
私は少し魔が差して、カルムの頬をつつく。
結構柔らかいわね。
次第に面白くなってきて、つつく回数を増やしていくと、カルムが少し動いた。
ミト(ヤバッ!起こしちゃった?)
だが、カルムは起きる事なく私の体に寄りかかった。
ミト「ちょっカルム!?」
声をかけたけど、寝息を立てながら寝ていた。
ミト(寝てるのね。やっぱり疲れが取れきってないよね。まあ、膝枕したくらいだし、今更か。)
疲れているのが分かっているので、そのままの状態にした。
道行く攻略組を眺めながら10分程すると。
アスナ「ミト、何してるのよ。」
あからさまに不機嫌なアスナがやってきた。
ミト「やっほ、アスナ。見ての通りにサボってるの。」
アスナ「ちょっと、貴女、ギルドの副団長なんでしょ!自覚あるの!?」
ミト「アスナもでしょ。それに、詰まりっぱなしじゃ、支障が出るでしょ。それよりも、今、カルムが寝てるから起こさないで。」
アスナ「カルム君?」
アスナが近寄ってカルムを見ると、呆れた様に溜息をつく。
アスナ「ミトだけじゃなくてカルム君まで?貴方達、攻略組としての自覚はあるの?」
ミト「そう言わないの。それに、そこにもう1人寝てる人居るから。」
アスナ「え?……あの人まで!」
アスナは更に不機嫌になったのか、キリトに近づいていく。
キリトもアスナが近づいた事に気がついたのか起きた。
キリト「何だ、アンタか。こんな所で何してんだよ。」
アスナ「アナタこそ!こんな所で昼寝してるんだったら、攻略したらどうなのよ!」
キリト「今日のアインクラッドの気象パラメータは、最高の季節に最高の気象設定だ。そんな日に迷宮区に潜るなんて勿体無い。」
アスナ「アナタね!こんなことをしている内に現実での私達の時間が失われるのよ!」
キリト「でも、今はここが現実だ。今俺達が生きてるのは、アインクラッドだ。」
アスナの気持ちも分かる。
けど、キリトの言う通り、今私達が生きてるのはこの世界だ。
そんなに張り詰めてると、いずれ切れちゃう。
その時、アスナの横を風が吹いて、頬を撫でる。
キリト「ほら、良い風に、良い日差し。……最高だな。」
アスナ「天気なんて毎日一緒でしょ。」
キリト「アンタも寝てみれば分かるよ。」
キリトに言われたアスナが寝ると、ものの数分で寝た。
ミト「お守りが3人か。」
少し溜息をついて、笑った。
それから数時間後、正午ごろになると、キリトが起きて、隣にアスナが寝ているのに驚いて、距離を取った。
私はキリトに声を掛ける。
ミト「どうなの?起きたら美少女が隣に居て。」
キリト「ミト……。何してんだ?」
ミト「そうね。カルムの枕って感じ?」
カルムに寄り掛けられたまま、私は笑う。
そんな私を横目に、アスナを見る。
キリト「………疲れてんだろうな。」
ミト「まぁね。自分だけじゃなく、他のギルドメンバーのレベル上げを手伝ってる。それが深夜までだよ。それで疲れない筈がない。私も付き合ってお陰で寝不足よ。そういう訳で寝る。護衛は残りの2人と私を纏めてよろしく。」
私はキリトに押しつけて寝た。
キリトside
俺はミトから護衛を引き継いだので、長期戦になる事を覚悟して、飲み物を出す。
そして、夕日が差し始めた頃。
アスナが起きそうだった。
アスナ「うにゅ……。」
そんな謎言語を言いながら、覚醒し切ってない頭で周囲を見渡した。
アスナは、夕日、カルムとミトが互いに寄り添って寝ている姿、そして俺を見た。
俺を見た途端、色んな感情が横切った。
アスナ「な………アン……どう………!」
キリト「おはよう。よく寝れたか?」
それを聞いた途端、レイピアに手を掛けたのを見て、俺は石垣に身を隠した。
だが、攻撃される気配は無く、ぎりぎりと歯を食いしばっていた。
アスナ「………ゴハン一回。」
キリト「え?」
アスナ「ゴハン、何でも幾らでも一回奢る。それでチャラ。どう?」
アスナは、圏内PK行為からガードする為だけでなく、日頃の精神的疲労を回復させる為に、寝られるだけ寝かせてやろうとした事に気づいた様だ。
キリト「なら、57層の主街区に、NPCレストランにしてはイケる店があるから、そこ行こうぜ。」
アスナ「………良いわ。」
キリト「よし、決まり!ほら、カルム、いい加減に起きろ。」
カルム「ん?あれ?夕方まで寝てたのか。ミトに寄りかかってたのか。悪い事したな。」
キリト「そりゃもう、仲良さそうに。」
カルム「揶揄うな。ミト、起きろ。」
ミト「ん〜〜。まだ寝たい………。」
起きないな。
なら、しょうがない。
キリト「今ならアスナが奢ってくれるってさ。」
ミト「アスナの奢り!?」
アスナ「奢るのは彼だけ!」
そうして、俺達はNPCレストランへ。
カルムside
しっかし、よく寝れたな。
俺はそう思いながら、キリト達と共に第57層へと向かう。
だが、結構目立つだろうな。
何せ、現在、血盟騎士団の第一副団長にして、『閃光』の異名を持つアスナ。
そして、第二副団長にして、『紫鎌』の異名を持つミト。
その2人はファンクラブまである程の人気だ。
噂によると、とあるギルドが録音結晶を使ったCDデビューを申し込んだが、レイピアと鎌を突き付けられて退散したらしい。
その結果、中層プレイヤーも2人を見る。
そして、その2人の横を歩いている、『黒の剣士』キリトと、『紫紺の剣士』の俺を見て、目を剥く。
キリトとアスナは結構気にしていたが、俺とミトは気にせずに世間話をしていた。
しばらくして、肝心のレストランに到着する。
席に着くと、アスナが声を出す。
アスナ「………ありがとう。護衛してくれて。」
キリト「あ、いや、まぁ、どういたしまして。」
キリト、噛んでるぞ。
そんなキリトに、アスナが吹き出す。
アスナ「あんなにたっぷり寝たの久々かも。最近は3時間しか眠れないし。」
キリト「そうなのか?」
アスナ「うん。他の団員のレベル上げとか考えているとね。」
気になったので、ミトにも聞いてみる。
カルム「そうなのか?」
ミト「うん。はっきり言って、ウチで一番働いてるのはアスナなのよ。」
カルム「なるほどな。それはそうと、ノーチラスは元気か?」
ミト「えぇ。前よりも更にやる気になってて、私の部隊の部下。」
カルム「そっか。」
あいつも、乗り越えられたんだな。
そんな会話をしていると、サラダがやってくる。
ドレッシング等が欲しいと言っていると、女の悲鳴が。
???「きゃああああ!!」
「「「「!!!」」」」
俺達はすぐさま外に出て、広場に向かうとそこには、ショートスピアが刺さっている1人の男性が。
しかも、どういう訳か、貫通継続ダメージが入っていた。
キリト「何してる!早く抜け!!」
だが、恐怖からか、抜けなかった。
カルム「ミト、アスナ!教会に行ってくれ!もしPKなら、プレイヤーがいる筈だ!」
ミト「分かったわ!」
アスナ「こっちよ、ミト!」
2人は教会の中へ。
カルム「キリト、俺が縄を斬る!お前は受け止めてくれ!」
キリト「分かった!」
俺は、つい最近習得した
ブレイラウザーを出して、斬ろうとするが。
???「………っ!!!」
一歩遅かった様で、何かを口にしていたが、鐘の音で聞こえなかった。
そして、爆散した。
俺は、ブレイラウザーを出したまま着地した。
だが、違和感を感じていた。
カルム(何だ……!?この違和感は……!?)
こうして、後に圏内事件と呼ばれる事件が起こった。
今回はここまでです。
少しずつ、2人の距離が縮まっていきます。
何とか、頑張っていきたいです。
アンケートは、圏内事件が終わる頃には、締め切りたいと思います。
どうか、票を入れて欲しいです。
アリシゼーションでのカルムの武器はどうするか
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