ソードアート・オンライン Re:紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、グリームアイズとの戦闘です。


第20話 青眼の悪魔

 グリームアイズがいたボス部屋から遁走した俺たち。

 何回かモンスターにターゲットされた様な気がするが、それを気にせずに安全地帯に。

 俺達は息を整えて、作戦会議をする事に。

 

カルム「あれは苦労しそうだな。」

キリト「武器は大剣一つだけだけど、特殊攻撃がありそうだな。」

ミト「前衛にタンク職の人は最低限、10人ぐらいは必要ね。」

アスナ「盾ね………。」

 

 何か、アスナがこちらを見てくる。

 

アスナ「ねえ、キリト君にカルム君。何で盾を持たないの?」

キリト「えっ?な、何でって?」

カルム「ん?」

アスナ「だって、片手剣のメリットって、盾を持てる事じゃない。私の場合はスピードが落ちるからだけど………。何で2人は盾を持たないの?」

ミト「ちょっとアスナ、スキルの詮索はマナー違反よ。」

アスナ「気になるんだけど……。まあ、それもそうね。」

 

 事情を知っているミトがカバーしてくれて助かった。

 フュージョンジャックを明かした際に、かなりの質問や嫉妬が来たので、エボリューションキングだと、更に来ることが容易に想像出来る。

 だからこそ、一部の人には明かしてはいるが、口止めはしっかりしている。

 アスナも一応は納得したのか、詮索をやめた。

 

アスナ「わ、もう3時だ。遅くなっちゃったけど、お昼にしましょうか。」

ミト「そうね。」

 

 そうして、2人の手作りであろうサンドイッチを食べる事に。

 アスナはキリトに、ミトは俺に渡した。

 それを食べると、現実世界でのテリヤキバーガーみたいな味がした。

 

カルム「これは、テリヤキか!」

キリト「2人とも、この味、どうやって……。」

ミト「私とアスナの研鑽の結果よ。」

アスナ「本当に苦労したよね。」

 

 俺達が懐かしい味を堪能しつつ昼食を終わらせると、索敵スキルに何かが引っ掛かった。

 

カルム「誰か来るぞ!」

 

 そうして警戒しつつ、いつでも抜刀出来る様に剣に手を添えていると、そこに来たのは、小規模ギルドの一団だった。

 

???「おおう、キリトにカルムじゃねぇか!しばらくぶりだな!」

キリト「久しぶり、クライン。」

カルム「どうも、クライン。」

 

 彼はクライン。

 キリトとは旧知の仲で、俺も攻略会議の際に何度か話しかけている。

 ギルド『風林火山』のリーダーだ。

 人当たりが良く、俺も結構信頼している。

 

クライン「おめぇらも元気そうで良かったぜ。それはそうと、後ろのお二人さんは……?」

キリト「あぁ。ボス戦で顔合わせしてると思うけど、一応紹介しておくよ。こいつはギルド〈風林火山〉のクライン。」

カルム「で、こっちが〈血盟騎士団〉のアスナとミト。」

 

 2人を紹介したのだが、クラインが緊張で固まっていた。

 

キリト「おい、どうした?ラグってんのか?」

クライン「は、はじめまして!俺はクライン、24歳独身、彼女募集中!?」

 

 クラインの言葉が変な風になったのは、俺とキリトがクラインの腹を殴ったからだ。

 

風林火山「リーダー!?」

 

 俺とキリトが気づいた時には、風林火山の面子に取り囲まれていた。

 これって、怒られる奴かなと思っていたら。

 

風林火山「ア、アスナさんにミトさんじゃないですか!」

 

 そうして、我先に自己紹介をし始めて、俺とキリトが抑えに入った。

 

キリト「ま、まあ。こんな奴だけど、いい奴ではあるから。」

カルム「そ、そうだな。……イテッ!」

キリト「何するんだ!?」

クライン「へへっ。お返しだぜ。」

 

 そうやって、取っ組み合いが始まると、ミトとアスナが笑い出した。

 その後、クラインがキレて、俺たちに詰め寄ろうとした瞬間、また索敵スキルに反応があった。

 

カルム「また索敵スキルに反応!今度は多数の人だ!」

 

 その言葉に警戒心を出した面子が、周囲を見るとそこには、二列編隊で行進してきた集団だ。

 確か、アインクラッド解放軍だった筈だ。

 

???「休め!」

 

 リーダーと思しき男が号令すると、残りの面子が地面に座った。

 相当に疲弊してるな。

 

コーバッツ「私はアインクラッド解放軍所属、コーバッツ中佐だ。」

キリト「キリト。ソロだ。」

カルム「カルム。同じくソロだ。」

コーバッツ「君らはもうこの先も攻略しているのか?」

キリト「あぁ。」

コーバッツ「うむ。ではそのマップデータを提供して貰いたい。」

「「「「「!?」」」」」

 

 当然だ、と言わんがばかりの男の台詞に俺は驚いていた。

 だが、それ以上にクラインが驚いていた。

 

クライン「な……て……提供しろだと!?手前ェ、マッピングする苦労が分かって言ってんのか!?」

 

 盗賊の親友のフィリアから聞いた話だが、トレジャーボックス狙いの人からしたら、高値で取引されているらしい。

 

コーバッツ「我々は君ら一般プレイヤーの解放の為に戦っている!故に、諸君が協力するのは当然の義務である!」

 

 傲岸不遜を人の形にした様な奴だな。

 

アスナ「ちょっと、あなたねぇ……!」

クライン「て、てめぇなぁ……!」

ミト「それは、無いんじゃないの……!?」

 

 爆発寸前のアスナ、クライン、ミトを俺とキリトは抑えた。

 

キリト「どうせ街に戻ったら公開しようと思っていたデータだ、構わないさ。」

クライン「おいおい、そりゃあ人が好すぎるぜキリト。」

カルム「マップデータで商売する気はない。」

 

 そうして、俺とキリトは、マップデータをコーバッツに渡した。

 まさかと思い、声をかける。

 

カルム「ボスにちょっかい出すなよ。」

コーバッツ「……それは私が判断する。」

キリト「生半可な人数でどうこうなる相手じゃなかった!仲間も疲弊してるじゃないか!」

コーバッツ「私の部下はこの程度で音を上げる様な軟弱者ではない!貴様等さっさと立て!」

 

 そう言って、先へと進んでいった。

 流石に不安なので、俺達も見にいく事に。

 リザードマンと戦闘になって、片付けた。

 

クライン「ひょっとしてもうアイテムで帰っちまったんじゃねぇ?」

 

 クラインのその言葉を聞きつつ、俺達は更に先に進む。

 すると、悲鳴が聞こえた。

 

カルム「!!皆!」

キリト「ああ!」

アスナ「バカッ………!」

ミト「何考えてるのよ!」

 

 クライン達が置いていかれたが、気にせずにボス部屋に到着すると、そこは地獄絵図だった。

 グリームアイズはHPが三割も減っておらず、軍の方も確認するが、2人足りない。

 

キリト「何をしている!早く転移アイテムを使え!」

軍「ダメだ……!結晶が使えない!!」

カルム「結晶無効化空間……!」

 

 その言葉は、ある出来事を思い出させる言葉だった。

 それは、以前、キリトが所属していた月夜の黒猫団。

 そのメンツが引っかかったトラップの部屋こそまさに、その結晶無効化空間なのだ。

 結晶無効化空間とは、文字通りに、結晶アイテムを使えない部屋である。

 だが、これまでのボス部屋でそうであった事は今まで一度も無かった。

 そんな事を考えていると、コーバッツが叫び声を上げた。

 

コーバッツ「我々解放軍に撤退の二文字は有り得ない!戦え!!戦うんだ!!」

カルム「おいおい!」

 

 結晶無効化空間で2人居ない。

 それ即ち、死んだという事だ。

 ようやくクライン達が合流してきた。

 

クライン「おい、どうなってんだ!?」

カルム「このボス部屋では、結晶アイテムが使えない!既に2人死んだ!」

クライン「何とか出来ないのかよ……。」

 

 どうすれば良いのか、思案していると。

 

コーバッツ「全員……突撃……!」

キリト「やめろ………っ!!」

カルム「おい!!今すぐ退がれ!!」

 

 そんな無謀な突撃をするが、グリームアイズは気にせずに、ブレスと大剣の攻撃を軍の面子にした。

 1人がこちらに飛んできた。

 コーバッツだ。

 既にHPバーが消滅していた。

 

コーバッツ「………有り得ない。」

 

 そう言って、呆気なく消えた。

 既にリーダーを失った軍は烏合の衆と化していた。

 

ミト「だめ……だめ……。」

アスナ「だめよ………。」

 

 そんな声がして、咄嗟に腕を掴もうとしたが。

 

「「だめーーーー!!!」」

キリト「アスナ!!」

カルム「ミト!!」

クライン「どうとでもなりやがれ!!」

 

 アスナとミトの捨て身の一撃は、不意を突く形で悪魔の背に命中したが、HPはろくに減っておらず、ターゲットが2人に向いた。

 俺とキリトで、何とか剣を逸らして、2人を守ったが、衝撃が凄い。

 

キリト「下がれ!!」

 

 キリトの叫び声で、俺も追撃に備えるが、どれも致死とさえ思える圧倒的な威力だった。

 クライン達、風林火山で、軍の面子を部屋の外に引き出そうとしていたが、俺達が戦っている影響で、中々に進まない。

 もう、使うしかない……!!

 キリトとアイコンタクトをして、ミト、アスナ、クラインに叫んだ。

 

キリト「アスナ!クライン!ミト!10秒だけ持ち堪えてくれ!!」

 

 その声に、すかさず反応して、応戦する。

 その隙に、キリトはメニューウインドウを呼び出して、俺はラウズアブソーバーから、2枚のカードを取り出す。

 

absorb queen

evolution king

 

 俺はすかさずエボリューションキングを発動して、ラウズカードが金色になって俺につく。

 左手には、キングラウザーが出現した。

 キリトも二刀流を使う様だ。

 アスナとミトが作った隙をつく。

 

「「スイッチ!!」」

 

 アスナとクラインが、二刀流のキリトと金色になった俺を見て驚いていた。

 ミトも俺には驚いていなかったが、キリトの二刀流には驚いていた。

 

カルム「キリト、スイッチ!」

キリト「スターバースト・ストリーム!!」

 

 俺がグリームアイズの大剣をキングラウザーで跳ね上げて、キリトが必殺の16連撃技のスターバースト・ストリームを放つ。

 その隙に、俺はキングラウザーにカードを入れる。

 

スペード10!ジャック!クイーン!キング!エース!

ロイヤルストレートフラッシュ!

 

キリト「スイッチ!」

カルム「ああ!これで、とどめだァ!!」

 

 キリトのスターバースト・ストリームで出来た隙をついて、ロイヤルストレートフラッシュを放つ。

 5枚のカードを潜り抜けて、グリームアイズを斬り捨てる。

 グリームアイズはポリゴンになった。

 その時、キリトが倒れた。

 少しして、キリトが目を覚ました。

 アスナが目覚めたキリトを見て、ホッとしたのか、泣いていた。

 

キリト「いててて………。」

アスナ「バカッ……!無茶して……!」

キリト「悪い、心配かけた。」

カルム「大丈夫か?」

キリト「どれくらい気を失ってた?」

ミト「ほんの数秒よ。カルムも大丈夫?」

カルム「大丈夫だ。少し疲れたが。」

 

 クラインが遠慮がちに声を掛けてきた。

 

クライン「生き残った軍の連中の回復は済ませたが、コーバッツとあと2人死んだ……。」

カルム「ボス攻略で、犠牲者が出たのは、第67層以来だな。」

クライン「コーバッツの馬鹿野郎が……。死んじまっちゃ何にもなんねぇだろうが……!!」

 

 クラインがそんな台詞を言って、気分を切り替えるように聞いてきた。

 

クライン「そりゃあそうと、オメエらのあれは一体何なんだよ!?」

キリト「………言わなきゃダメか?」

カルム「………言わなきゃダメ?」

クライン「ったりめぇだ!見た事ねぇぞあんなの!」

 

 どうするか迷っていると、ミトが頷いた。

 言うしかないか……。

 

キリト「………エクストラスキルだよ。二刀流。」

カルム「………エクストラスキル、エボリューションキング。」

クライン「しゅ、出現条件は。」

キリト「分かってたらもう言ってる。」

カルム「右に同じく。」

 

 まあ、俺の場合は、俺しか手に入らない代物だろうけど。

 

クライン「情報屋のスキル一覧にも無い。と言う事は、お前らだけのユニークスキルだ。ったく、水臭ぇなあ2人とも。」

キリト「半年前、スキルウィンドウを見たら、いきなりあったからな………。」

カルム「………まあ、俺の場合は、フュージョンジャックと似たようなスキルだな。」

キリト「………こんなレアスキルを持ってるなんて知られたら………。」

クライン「ネットゲーマーは嫉妬深いからな。俺は、人間が出来てるからともかく、妬み嫉みはそりゃああるだろうなぁ。それに………。」

 

 クラインはそこまで言うと、俺に抱きついたままのミトとキリトに抱きついたままのアスナを意味ありげに見やり、ニヤニヤ笑う。

 

クライン「………まあ、苦労も修行の内と思って、頑張りたまえ、若者達よ。」

キリト「勝手な事を………。」

カルム「他人事みたいに言いやがって……。」

 

 クラインはそう言うと、生き残った軍の面子の方へと歩いていく。

 

クライン「お前達、本部にまで戻れるか?」

軍「は、はい………。」

クライン「よし。今日あった事を上にしっかり伝えるんだ。二度とこういう無謀な真似をしない様にな。」

軍「はい。………あ、あの………ありがとうございました。」

クライン「礼なら奴らに言え。」

 

 軍のプレイヤー達は、俺たちに深々と頭を下げて、部屋から出ていく。

 部屋から出た所で、結晶を使ってテレポートしていく。

 青い光が収まると、クラインはこちらを見てくる。

 

クライン「俺たちは、このまま75層の転移門をアクティベートして行くけど、お前らはどうする?今日の立役者だし、お前達がやるか?」

キリト「いや、任せるよ。俺はもうヘトヘトだ。」

カルム「俺もパス。」

クライン「そうか。………気をつけて帰れよ。」

 

 クラインはそう頷くと、仲間に合図する。

 六人で、部屋の出口へと繋がる扉の方へと歩いていく。

 すると、不意にクラインが立ち止まり、キリトに話しかける。

 

クライン「その………キリトよ。おめぇがよ、軍の連中を助けに飛び込んで行った時な………。」

キリト「………何だよ?」

クライン「俺ぁ………なんつうか、嬉しかったよ。そんだけだ。またな。」

 

 クラインは、そう言って、扉の向こうへと去っていく。

 だだっ広いボス部屋に、俺とミト、キリトとアスナだけが残った。

 どうしたものかと思っていると、ミトが抱きついてきた。

 

カルム「ミト?」

ミト「心配かけないでよ……バカ。」

カルム「悪い。けど、こうするしかなかった。」

ミト「私、しばらくギルドを休む。」

カルム「………そうか。」

 

 キリトとアスナの方も似たような状態になっていて、俺達も帰る事にした。




今回はここまでです。
ぶっちゃけると、前の紫紺の剣士とは、変更点は殆どありません。
強いて言えば、最後のカルム、キリト、クラインの三人のやりとりが増えただけです。
次回は、ヒースクリフ戦です。
そんな感じで、頑張っていきます。
ユナイタルリングの続きも、10月に発売されるので、楽しみです。
冥き夕闇のスケルツォがいつか、公開されるのを、待っています。
感想、リクエスト、受け付けています。

アリシゼーションでのカルムの武器はどうするか

  • 刃王剣十聖刃
  • オージャカリバー
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