ソードアート・オンライン Re:紫紺の剣士   作:仮面大佐

29 / 86
今回は、軍のプレイヤーを撃退するまでです。


第24話 2人の少女

 カナがまた寝始めた時に、俺とミトは、相談していた。

 

ミト「………カルム。」

カルム「分かってる。カナの母親で居たいのは。でも、それをやると、攻略が遅れて、あの子が解放されるのも遅れる。」

ミト「………うん。」

カルム「まあ俺も、カナの父親で居たいのは事実だけどな。」

ミト「とりあえず、第一層に行って、小さい子を預けているところに行って、尋ね人リストにも入れてもらいましょう。」

カルム「………そうだな。キリト達はどうするのか聞いている。」

 

 ミトの顔に影が差している。

 やはり、カナと離れたくない気持ちがあるのだろうな。

 俺も、カナとは離れたくない。

 だが、本当の両親がいる筈だ。

 キリト達の方にも聞いてみた結果、同様の感じになったそうで、俺とミトは、カナを連れて第一層に行く事に。

 だが、カナの服装は、ノースリーブのワンピースだけなので、流石に服を着替えさせる事に。

 

カルム「カナ。ウインドウ、開けるか?」

 

 カナは何の事か分からないように首を傾げる。

 

カルム「じゃあ、右手の指を振ってみて。こんな風に。」

 

 俺の動きを見たカナは、おぼつかない手つきで動きを真似たが、ウインドウが開かない。

 むきになって右手を振っていたカナが、左手をふると、ウインドウが出現した。

 

カナ「出たよ!」

ミト「カナ、ちょっと見せてね。」

 

 ミトがカナのウインドウを可視モードにして見ると、驚いた様な気配がした。

 

ミト「な……何これ!?」

カルム「どうした?」

 

 俺も覗いてみると、カナのウインドウの最上部には、《Kana-MHCP003》という奇怪なネーム表示があるだけで、HPバーもEXPバーも、レベルも存在しない。

 

ミト「システムのバグ……?」

カルム「バグというよりは、元々こういうデザインって感じがするな。ますます訳が分からなくなってきた。」

ミト「まあ、これ以上考えてもしょうがない、わよね……。」

 

 ミトがカナにセーターにスカート、タイツ、赤い靴を装備させるのを見て、俺も装備を確認する事にした。

 第一層は現在、軍のテリトリーだ。

 何か起こった場合に備えて、一応武器を入れておく。

 

カナ「パパ、抱っこして。」

カルム「ああ。……ミト、一応だが、すぐ武装できる様にしてくれ。」

ミト「分かってる。」

 

 俺達は、キリトとアスナと合流して、第一層、始まりの街へ。

 始まりの街を見ると、あの日を思い出す。

 ミトと出会い、あのデスゲームが始まった、あの日の事を。

 

キリト「お前達の方がカナで、俺達の方がユイって感じだ。」

カルム「それにしても、謎が多いよな。この2人って。」

 

 俺とキリトがそう話している中、ミトとアスナは同じ様な表情をしていた。

 やはり、2人は、同じ様な思考回路に至ったようだな。

 

キリト「ミトの方もか。」

カルム「そっちもな。」

 

 そうこうしている内に、教会で若いプレイヤーが暮らしているのを聞いて、教会の方へと向かう事に。

 

ミト「ちょっと待って。」

アスナ「キリト君も。」

カルム「ん?」

キリト「どうした?」

ミト「もし、この子達の保護者が見つかったら、2人を……置いてくるんだよね。」

アスナ「そうなんだよね……。」

「「……………。」」

 

 思い詰めているミトとアスナに、俺はミトを、キリトはアスナを抱き締める。

 

カルム「別れたくないのは俺も同じだ。」

キリト「………でも、会えなくなる訳じゃない。2人が記憶を取り戻したら、きっとまた訪ねてくれるさ。」

ミト「………そうだね。」

アスナ「………そうね。」

 

 しばらくして、件の教会に着いた。

 しかし、一見上は誰もいない。

 

アスナ「あのー、どなたかいらっしゃいませんかー?」

ミト「留守かしら?」

カルム「いや、隠れてるだけだな。」

キリト「右の部屋に3人、左に4人、2階にも何人かいるな。」

 

 そう、索敵スキルを熟練度980ぐらいまであげると、壁の向こうにいる人数も分かる。

 

ミト「何で隠れてるのかしら?」

アスナ「あの、すみません、人を探してるんですが!」

 

 アスナが少し大きな声で呼びかけると、右手のドアがわずかに開き、1人の女性がか細い声を上げた。

 

???「………軍の人じゃ、ないんですか?」

ミト「違いますよ。上の層から来たんです。」

 

 現在、俺達は私服姿だ。

 これなら、軍とは無関係だと分かるだろう。

 やがて、1人の女性プレイヤーが出てきた。

 

???「本当に……軍の徴税部隊じゃないんですね……?」

カルム「はい。俺達は人を探していて、ついさっき上から来たばかりです。軍の連中とは無関係ですよ。」

 

 そう言った途端。

 

???「上から!?って事は本物の剣士かよ!?」

 

 そんな叫び声と共に、子供達がばらばらと走り出してきた。

 皆、興味津々の体で俺たちを眺めている。

 

???「こら、アンタ達、部屋に隠れてなさいって言ったじゃない!」

 

 女性がそう言うも、誰も言う事を聞く子はいない。

 だがすぐに、真っ先に寄ってきた少年が失望の叫び声を上げる。

 

???「何だよ、剣の一本も持ってないじゃん。ねえアンタら、上から来たんだろ?武器くらい持ってないのかよ?」

キリト「いや、ない事は無いけど……。」

カルム「俺も、あるにはあるが……。」

 

 そう言うと、子供達が見せて、見せてと、口々に言い募る。

 

???「こらっ、初対面の方に失礼な事言っちゃダメでしょう。………すみません、普段お客様なんてまるでないものですから……。」

ミト「いえ、構わないです。」

アスナ「ね、キリト君、カルム君、幾つかアイテム欄に入れっぱなしだったと思うから、見せてあげたら?」

カルム「そうだな。キリト。」

キリト「あ、ああ。」

 

 俺達は、モンスタードロップの武器を机の上に置くと、子供達が歓声を上げて周囲に群がった。

 

???「すみません、本当に……。……あの、こちらへどうぞ。今お茶の準備をしますので……。」

 

 俺達は、礼拝堂の右の小部屋に案内されて、振る舞われたお茶を一口飲む。

 

???「それで……人を探してらっしゃるという事でしたけど……?」

アスナ「あ、はい。ええと……私はアスナ、この人はキリトと言います。」

ミト「私はミト、こっちはカルム。」

サーシャ「あ、すみません、名前も言わずに。私はサーシャです。」

アスナ「で、この子が、ユイです。」

ミト「この子は、カナです。」

 

 それを聞いたサーシャ曰く、当初はフィールドでレベリングをしていたが、子供達を放っておけずに、現在に至るそうだ。

 

サーシャ「皆さんの様に、上層で戦ってらっしゃる方もいるのに、私はドロップアウトしちゃったのが、申し訳なくて。」

カルム「そんな事無いですよ。子供達を守りたいという気持ちは立派ですし……。」

サーシャ「ありがとうございます。でも、義務感でやってる訳じゃないんですよ。子供達と暮らすのはとっても楽しいです。」

 

 この人はすごい。

 子供達を守りたいという気持ちがある。

 俺にはできない事だ。

 

サーシャ「だから、二年間ずっと、毎日1エリアずつ見て回りましたが、そんな小さな子達が残されていたなら、絶対気付いた筈です。残念ですけど……始まりの街で暮らしてた子じゃあ、ないと思います。」

アスナ「そうですか……。」

ミト「あの、毎日の生活費とか、どうしているんですか?」

サーシャ「それは、他のプレイヤー達も手伝ってくれてるので、大丈夫です。………贅沢は出来ませんが……。だから、最近目をつけられちゃって……。」

カルム「………誰にですか?」

 

 目を一瞬厳しくしたサーシャが口を開こうとすると。

 

子供「先生!サーシャ先生!大変だ!!」

サーシャ「こら、お客様に失礼じゃないの!」

子供「それどこじゃないよ!ギン兄ィ達が、軍の奴らに捕まっちゃったよ!!」

サーシャ「場所は!?」

子供「東五区の道具屋裏の空き地。軍が10人くらいで通路をブロックしてる。コッタだけが逃げられたんだ。」

サーシャ「分かった、すぐ行くわ。……すみませんが……私は子供達を助けに行かなければなりません。お話はまた後ほど……。」

 

 子供達も助けに行こうとするが、押し留めて、俺達も加勢する事に。

 サーシャに着いていくと、軍の面子が取り囲んでいた。

 軍の面子の言い分を聞くと、税金を滞納しているから、装備を全部置いていけとの事だ。

 軍の面子に、殺意が湧いた。

 

アスナ「行こう、キリト君、ミト、カルム君。」

キリト「ああ。」

カルム「言われるまでもない!」

ミト「ええ!」

 

 俺達は敏捷力と筋力補正を全開にして、跳躍して、空き地へと。

 子供達はインナーだけの姿だ。

 

カルム「もう大丈夫だ。装備を戻して。」

 

 目を丸くしていた子供達が慌てて防具を拾い上げて、ウインドウを操作する。

 

軍A「おい………オイオイオイ!!」

軍B「なんだお前らは!!軍の任務を妨害すんのか!!」

リーダー「まあ、待て。……アンタら見ない顔だけど、解放軍に楯突く意味が分かってんだろうな?何なら本部でじっくり話聞いてもいいんだぜ?」

 

 剣を出すと、わざとらしくペタペタ刀身を掌に打ち付ける。

 あれは、損傷した事も、修理した事もない武器特有の薄っぺらい輝きだ。

 

リーダー「それとも圏外行くか、圏外?おお!?」

アスナ「……キリト君、ユイちゃんをお願い。」

ミト「カルムもカナをお願い。」

 

 俺はミトの鎌を渡す。

 そこからは、本当に凄かった。

 アスナのレイピアとミトの鎌が軍の面子に炸裂し、軍の面子は逃げた。

 

子供「すげぇ……すっげぇよ姉ちゃん達!!初めて見たよあんなの!!」

キリト「このお姉ちゃん達は無茶苦茶強い。」

カルム「そう言ったろ。」

 

 子供達が歓声を上げてると、後ろから声がしてきた。

 

ユイ「みんなの……みんなの、こころが。」

カナ「みんなのこころ……が……。」

キリト「ユイ!どうしたんだ、ユイ!!」

カルム「カナもどうした!?」

アスナ「ユイちゃん……何か、思い出したの!?」

ミト「カナもなの!?」

 

 2人が何かを思い出そうとすると、ノイズじみた音が響いた。

 謎の怪現象は、数秒続き、2人から力が抜けた。

 

キリト「何だよ……今の……。」

カルム「分からない……。」

 

 俺達の虚な呟きが、低く流れた。




今回はここまでです。
ユイとカナの正体は、次回、明らかになります。
何とか、頑張っていきます。
一つ、アンケートを取りたいと思います。
それは、ギルバートの武器です。
武器種としては、フェイタル・バレットを参考にします。
種類は、ハンドガン、サブマシンガン、ショットガン、アサルトライフル、もしくは仮面ライダーの武器のどれかです。
ちなみに、アーロンの武器は、ゼロガッシャーかデンガッシャーナギナタモードのどっちかです。
アーロンの装備のモチーフは、ゼロノスかNEW電王のベガフォームのどちらかをベースにしたいです。

アリシゼーションでのカルムの武器はどうするか

  • 刃王剣十聖刃
  • オージャカリバー
  • オージャカリバーZERO
  • その他
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。