ユイとカナが苦しんだものの、すぐに元気になった。
何だったのかよく分からず、俺達は教会へと戻った。
その時、子供達の朝食合戦を見て、唖然としていた。
キリト「これは………すごいな……。」
アスナ「そうだね………。」
カルム「でも、すごく楽しそうだな。」
ミト「そうね……。」
サーシャ「毎日こうなんですよ。いくら静かにって言っても聞かなくて。」
アスナ「子供、好きなんですね。」
ユイとカナの発作の影響もあって、昨日は教会に泊まった。
キリトがサーシャに、軍の内情を聞いている最中に、俺の索敵スキルに反応があった。
カルム「ん?」
ミト「どうしたの?」
カルム「誰か来る。」
サーシャ「またお客様かしら?」
一応、サーシャだけでなく、俺とキリトも行くとそこに居たのは、軍の所属であろう長身の女性プレイヤーだった。
子供達は警戒心を見せたが、サーシャの一声で安心したのか、すぐに騒ぎ始めた。
ミト「この人は?」
カルム「この人はユリエール。どうやら俺達に話があるようで。」
ユリエール「初めまして。ユリエールです。ギルドALFに所属してます。」
アスナ「ALF?」
ユリエール「アインクラッド解放軍の略称です。正式名はどうも苦手で………。」
アスナ「はじめまして。私はギルド血盟騎士団のと言っても、今は一時退団中なんですが、アスナと言います。この子はユイ。」
ミト「私も、一時退団中とはいえ、血盟騎士団のミト。この子はカナ。」
ユリエール「KoB……。なるほど、道理で連中が軽くあしらわれるわけだ。」
カルム「……昨日の件の抗議か?」
ユリエール「いやいや、とんでもない。今日はあなた方4人にお願いがあってきたのです。」
ユリエール曰く、当初はギルドMTDという感じでやっていて、リーダーはシンカーという。
しかし、あのキバオウが台頭してきてから変わってしまい、軍が出来てしまったそうだ。
その結果、シンカーは名ばかりのリーダーとなってしまったそうだ。
しかし、資源の蓄積だけにうつつを抜かした結果、末端のプレイヤーから不満が出てきて、無茶な博打として、コーバッツを送り込んだそうだ。
結果として、キバオウは糾弾されて、もう少しで追放できそうだったが、3日前、シンカーをダンジョンの奥に丸腰の状態で置き去りにしたそうだ。
助けには行きたいものの、レベル的にきついそうだ。
しかし、俺たちが現れたという話を聞いて、居ても立っても居られずに来たそうだ。
ユリエール「キリトさん、アスナさん、カルムさん、ミトさん。お会いしたばかりで厚顔きわまるとお思いでしょうが、どうか、私と一緒にシンカーを救出に行って下さいませんか?」
カルム「………分かった。」
ミト「カルム!?」
カルム「どうにも嘘を言ってる様には見えん。」
カナ「パパの言う通りだと思う。」
ユイ「そうだよ。ママ。」
アスナ「ユイちゃん……。」
キリト「そうだな。疑って後悔するよりは信じて後悔しようぜ。」
こうして、シンカー救出を計画する事に。
俺達はしっかりと武装して、シンカーを助けに行くことに。
カナもユイと一緒にサーシャに預ける予定だったが、2人とも頑固に一緒に行くと聞かなかったので、連れていくことに。
シンカーがいるダンジョンは、黒鉄宮の下にあるようで、ベータテスター組は驚いた。
カナもユイも怖くないと言うので、行く事に。
キリト「ぬおおおおりゃああああ!!」
カルム「ウェイ!」
俺とキリトは、休暇中に溜まったエネルギーを晴らすことにした。
キリトの二刀流と、俺のキングラウザーとブレイラウザーで、カエル型のモンスターやザリガニ型のモンスターを倒していく。
その光景を見てそれぞれの奥さんは、呆れ気味だった。
愛娘達が応援してくれるのもあって、やる気が非常に出てくる。
ユリエール「な……何だか、すみません、任せっぱなしで……。」
アスナ「いえ、あれはもう病気ですから……。」
ミト「やらせておけばいいのよ。」
キリト「何だよ、酷いなぁ。」
カルム「全くだ。」
アスナ「じゃあ、代わる?」
ミト「私も代わろっか?」
「「もうちょっと。」」
ユリエール曰く、シンカーは数日動いていないようで、急ぐ事に。
ユリエールに謝罪された。
キリト「い、いや、好きでやってるんだし。」
カルム「それに、アイテムも出るしな。」
ミト「へぇ。」
アスナ「何が出たの?」
カルム「キリト。」
キリト「おう。」
俺達は、スカベンジトードの肉を取り出すと、女性陣は顔を引き攣らせる。
アスナ「な……ナニソレ?」
キリト「スカベンジトードの肉。」
ミト「さっきのカエル!?」
カルム「ゲテモノほど旨いっていうし。後で料理してくれ。」
「「絶、対、嫌!!」」
そう言って投げてしまった。
カルム「ああああ!!」
キリト「何すんだよ!!」
「「フン!!」」
キリト「なら……。」
カルム「これでどうだ!?」
俺達は、大量に出したが、全部投げ捨てられてしまった。
その際に掴みかかってきて、俺達は応戦していると、ユリエールさんが笑い、それにユイとカナも反応した。
人の感情に敏感だな。
その後、俺達は進み続けて、遂に安全エリアのすぐ近くに着いた。
アスナ「安全地帯よ!」
ミト「やっと到着ね。」
キリト「奥にプレイヤーが1人いる。」
カルム「グリーンという事だから、恐らくシンカーだな。」
ユリエール「シンカー!!」
ユリエールが感極まったのか、駆け出した。
シンカーもユリエールに気付いたのか、大声を出す。
しかし、なにやら様子が変だ。
シンカー「ユリエール!来ちゃダメだ!」
カルム「!!!」
索敵スキルに引っ掛かった。
それも、かなりヤバそうな奴が。
The Fatal Scythe。直訳は運命の鎌。
あれは、ボスだ。
キリトも気づいたそうで、駆け出し、俺も遅れて駆け出して、何とかユリエールを抱きしめて、剣でブレーキをかけられて、奴の鎌を食らわずにすんだ。
アスナ「この子と一緒に安全地帯に避難して下さい!」
ミト「この子も頼みます!!」
アスナとミトが、ユイとカナを預けてこちらに向かってきた。
キリト「アスナ、今すぐ安全エリアの3人を連れて、結晶で避難してくれ。」
カルム「ミトもだ。」
アスナ「え………?」
ミト「どういう事?」
キリト「コイツ、ヤバい。俺の識別スキルでもデータが見えない。」
カルム「多分、強さ的に90層クラスだ……!」
「「…………!?」」
そう、俺も識別スキルを使っているが、データが見えない。
何で90層クラスの敵が第一層の下にあるダンジョンに出現すんだよ………!
心の中でそう毒づいていると。
アスナ「ユリエールさん、ユイを頼みます!3人で脱出して下さい!」
ミト「カナの事もお願い!」
ユリエールが戸惑っていると、死神が恐ろしい勢いで突進してきて、俺とキリトは、ミトとアスナを守る様に仁王立ちし、それぞれの武器で防御の体勢をとる。
しかし、死神は意に介せず、大鎌を振るった。
俺達は盛大に吹き飛ばされて、全員一撃で半分も持っていかれた。
次の攻撃は耐えきれない、そう思っていると、2つの足音が。
そう、カナとユイの2人が、恐れも微塵もない表情で、巨大な死神を見据えていた。
キリト「ばかっ!!はやく、逃げろ!!」
カルム「早く逃げてくれ!!」
「「大丈夫だよ、パパ、ママ。」」
2人はそう言うとふわりと浮かび上がった。
だが、死神は意を介さずに、その鎌を再び振り上げる。
アスナ「だめっ……!逃げて!!逃げてユイちゃん!!」
ミト「カナも逃げて!!」
だが、その鎌は、2人には届かなかった。
2人の掌の前にシステムタグが浮かび上がった。
【Immortal Object】、つまり、不死属性。
だが、不死属性は、プレイヤーが持つ筈がない物だ。
死神が戸惑っていると、2人の前に彼女達より大きな剣が現れた。
2人の冬服は一瞬にして燃え落ちて、元から着ていた白ワンピースになった。
そして、カナとユイが振るった剣が死神に当たり、死神は消えた。
俺達は、それぞれの武器を支えにして、立ち上がった。
アスナ「ユイ……ちゃん……。」
ミト「カナ………。」
2人は掠れた声で呼びかけると、2人の少女は、音もなく振り向いた。
微笑が浮かんでいたが、2人の瞳には涙が。
ユイ「パパ……ママ……。全部、思い出したよ。」
カナ「私たちが何なのか………。」
俺達は安全エリアに向かい、石机に2人を座らせた。
だが、何を思い出したのか。
アスナ「ユイちゃん……カナちゃん……。思い出したの……?今までの、事……。」
ミト「何を思い出したの……?」
ユイ「はい……。全部、説明します。」
カナ「カルムさん、ミトさん、キリトさん、アスナさん。」
2人が語り出したのは、SAOの根幹に関する事だった。
2人曰く、SAOは、《カーディナル》という1つのシステムによって制御されているそうだ。
カーディナルは元々、人のメンテナンスが要らない存在として設計され、2つのコアプログラムが相互にエラー訂正を行い、無数の数の下位プログラム群によって世界を調整する。
モンスターにNPCのAI、アイテムや通貨の出現バランス、何もかもがカーディナルの指揮下のプログラムによって調整されるそうだ。
しかし、人間の精神的な問題は人間にしか解決出来ないので、数十人規模のスタッフが用意される筈だった。
しかし、カーディナルの開発者は、それをもシステムに委ねようとして、あるプログラムを試作した。
ユイ「《メンタルヘルス・カウンセリングプログラム》、MHCP試作一号、コードネーム《Yui》。それが私です。」
カナ「私は、その試作三号なの。」
アスナ「プログラム……?」
ミト「AIだって言うの……?」
2人は掠れた声で問いかける。
2人の少女は、悲しそうな笑顔で頷いた。
ユイ「プレイヤーに違和感を与えない様に、私達には感情模倣機能が与えられています。」
カナ「だから……。偽物なの、全部……この涙も。ごめんなさい、ミトさん、アスナさん……。」
カルム「………だが、記憶喪失は?AIにそんな事が起こるのか?」
俺がそう問いかけると、再び話し始めた。
2人曰く、カーディナルが予定にない命令を2人に下した。
それは、プレイヤーに対する一切の干渉禁止。
恐らく、その命令を下したのは、SAO唯一のゲームマスター、茅場晶彦の操作による物だと推測できた。
状況は最悪と言っていいもので、殆どのプレイヤーから、恐怖、絶望、怒りといった負の感情に支配されていて、それを見続けた結果、エラーが蓄積していき、崩壊していったそうだ。
だが、ある日、モニターしていると、他のプレイヤーとは大きく異なるメンタルパラメータを持つ2組のプレイヤーに気づいたそうだ。
つまり、俺たちだ。
俺達に会いたいが為に、俺達が住んでいるプレイヤーホームから1番近いコンソール、つまり第22層のコンソールだ。
ユイ「はい。キリトさん、アスナさん……。」
カナ「カルムさん、ミトさん……。」
ユイ「私達は、あなた方に会いたかった。」
カナ「でも、おかしいですよね、そんな事、思える筈が無いのに……。私たち、ただの、プログラムなのに……。」
アスナ「ユイちゃん……カナちゃん……。あなた達は、本当のAIなのね。」
ミト「本物の知性を持っているのね……。」
ユイ「私たちには……分かりません……。」
カナ「私たちが、どうなってしまったのか……。」
キリト「ユイとカナはもう、システムに縛られるだけのプログラムじゃない。」
カルム「だから、自分の望みを言葉に出来る筈だ。2人の望みは何だ?」
ユイ「わたし……わたしは……。」
カナ「私達は、ずっと一緒に居たい……!」
その言葉に俺達は2人を抱きしめた。
アスナ「ずっと、一緒だよ、ユイちゃん。」
ミト「カナもね。」
キリト「ああ……。ユイは俺達の子供だ。」
カルム「カナは俺達の子だ。ずっと、一緒に居ようぜ。」
ユイ「もう……遅いんです。」
カルム「どういう事だ……?」
カナ「私たちが記憶を取り戻したのは、あの石に接触した影響なの。」
2人曰く、システムコンソールで、そこからシステムにアクセスして、あの死神を消した。
しかし、カーディナルに目をつけられた結果、2人のシステムは走査されて、2人は消去されてしまう。
アスナ「そんな……!」
ミト「嘘でしょ……。」
キリト「何とかならないのかよ!」
カルム「そうだ!ここから離れれば……!」
「「パパ、ママ、ありがとう。ここでお別れなんです。」」
アスナ「嫌!そんなの嫌よ!」
ミト「これからみんなで楽しく……仲良く暮らそうって……!」
ユイ「暗闇の中……いつ果てるとも知れない長い苦しみの中で、皆さんの存在だけが私たちを繋ぎ止めてくれた……。」
キリト「ユイ、行くな!!」
カルム「カナ!行くんじゃない!!」
カナ「パパとママ、キリトさんとアスナさんのそばにいると、みんなが笑顔になった。私達はそれがとっても嬉しかった。お願い、これからも……私たちのかわりに……皆を助けて……喜びを分けて下さい……。」
その時、2人の身体が透け始めて、徐々に消えていく。
アスナ「やだ!やだよ!!」
ミト「カナが居ないと、私、笑えない!」
その時、2人が、笑ってと言った。
そして、消えた。
「「うわああああ!!」」
二人の叫び声が響いた。
その時、俺達は動いた。
キリト「カーディナル!!」
カルム「思い通りに行ってたまるか!!」
俺達は、ホロキーボードに飛びついて、手分けして作業を始める。
アスナ「キリト君、カルム君……!?」
ミト「何を……!?」
キリト「今なら、今ならまだ、GMアカウントでシステムに割り込める筈だ!」
カルム「急いでやるぞ!」
俺達は、幾つかのコマンドを打ち込んで、作業を終えようとした途端、コンソールがフラッシュして、俺達は弾き飛ばされた。
アスナ「キ、キリト君!!」
ミト「カルム!!」
2人が近寄って来た時、キリトはアスナに、俺はミトに、クリスタルを渡す。
アスナ「こ、これは……?」
ミト「一体……?」
キリト「2人が起動した管理者権限が切れる前に2人のプログラム本体をどうにかシステムから切り離して、オブジェクト化した。」
カルム「つまり、2人の心だ。」
俺達は、意識を失った。
その後、シンカー、ユリエールと共にバーベキューをした。
シンカー曰く、キバオウを除隊して、軍自体も解散。
改めてもっと平和的な互助組織を作るそうだ。
俺達は、サーシャ達に別れを告げて、第22層に戻り、キリト達とも別れた。
ミト「ねえ、カルム。」
カルム「ん?」
ミト「もしゲームがクリアされて、この世界が無くなったら、カナはどうなるの?」
カルム「容量的にはギリギリだが、クライアントプログラムの環境データの一部として俺のナーヴギアに転送される様になってる。まあ、カナとして展開するのは大変かもしれんが、何とかしてみせるさ。」
ミト「そっか。向こうでも会えるのね。私達の、初めての子供に。」
カルム「ああ。」
クリスタルを見ると、カナの応援する声が微かに聞こえた様な気がする。
今回はここまでです。
次回は、ニシダさんの釣り大会をやった後に、スカルリーパー戦をやる予定です。
いよいよ、アインクラッド編もクライマックスです。
ギルバートの武器は、現状、仮面ライダーの武器が多いですね。
ギーツも始まって、マグナムシューターにするのもありかなと思い始めました。
アーロンの武器は、ゼロガッシャーで行こうかなと考えています。
ユージーンと戦うのは、どっちか
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カルム
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キリト